2006年(平成18年)
5月17日 水曜日
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養殖海ブドウに本腰/平良・上野の生産者
雇用拡大、ブランド確立へ/組織の一本化など課題も
宮古島市の与那覇湾などの海底に自生する天然海ブドウ(正式名・クビレヅタ)の母藻(ぼそう)を使った養殖海ブドウに、平良・上野の生産業者らが本腰を入れ始めている。養殖海ブドウは百c四百円で取引され、生産業者の中には、県内外へ一カ月で三百`出荷し、金額にして百二十万円の販売高を上げるなど好調な売れ行き。女性たちをパートで採用し、海ブドウの品質管理を徹底的に強化している。養殖海ブドウが今後、地場産業として発展していくためには、組織の一本化や、宮古産ブランドの確立、長期の鮮度保持技術の開発、本土市場開拓などクリアすべき課題がある。
高野海ぶどう生産組合(楚南聡会長)は昨年六月、平良の高野漁港一角にある養殖海ブドウ施設で養殖を開始した。
この組合は、正丸屋(宇座球次代表)、ゆうむつ(前泊裕一代表)、寿シーグレープ(楚南みゆき代表)、長崎シーファーム(長崎輝義代表)、丸裕(根間寛裕代表)、うみんちゅ(仲間勝也代表)の六生産業者で構成。
楚南聡会長は「各生産業者の、一カ月当たりの海ブドウ生産量は百五十`以上。これから生産は増産する。各生産業者は独立採算、独自で販売ルートを開拓する」と語る。
六生産業者とも家族で切り盛りするほか、女性パートを採用する。多い時は計十四人を雇った。パート採用の拡大で、地域の活性化につなげたい考えだ。
一方、サン宮古(平良毅社長)は昨年九月、上野字宮国の海岸近くに整備した養殖海ブドウ施設で生産を始めた。平良社長は「一日当たり十`収穫する。一カ月では計三百`の生産量だ」と順調な生産に笑顔を見せる。正社員二人と女性パート三人の計五人が品質管理や増産態勢などに取り組む。
平良社長は「各生産業者が、独自で販売する方法では力が弱い」と指摘し「各生産業者が一つになる組合組織をつくっては。組合ができれば、行政への補助金要請などもできる」と提言する。
写真説明・海ブドウの品質管理を任された女性たち=16日、平良高野漁港の海ブドウ養殖施設
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人選作業がスタート/与野党来月にも候補者擁立
県知事選
二〇〇六年の県内政局は、一月の名護市長選挙、四月の沖縄市長選挙が決着し、秋の県知事選に焦点が移った。
自・公枠組みの与党は、稲嶺恵一知事の勇退の決意は固いとみて、後任人選作業に動き出した。野党の社民党県連、社大党、共産党県委、民主党県連、自由連合沖縄も共闘体制を十五日の会合で確認した。政治団体「そうぞう」も共産党と一線を画する形で協調態勢を組む。
与野党共に、六月下旬の県議会定例会開会までには候補者を決める見通し。
与党・自民党は十三日に経済界と協議の場を持ち▽米軍基地の大規模返還に伴う経済政策▽沖縄の将来を担うリーダーの選出―などに力点を置く基本方針を確認。同党は、人選に向け党幹部や経済界幹部らで構成する準備会を立ち上げ、その後の選考委員会で決定する。
野党は十五日の会合で▽基地機能強化・新基地建設に反対▽基地に頼らない自立経済構築などの基本姿勢や、無所属での擁立を確認。候補者は、「そうぞう」や労働団体、市民団体の意見も聞き、決定する。
与党陣営では県商工会議所連合会長の仲井真弘多氏(66)、琉大教授の高良倉吉氏(58)、副知事の嘉数昇明氏(64)、衆院議員の西銘恒三郎氏(51)、那覇市長の翁長雄志氏(55)を推す声が上がっている。
野党陣営では参院議員の糸数慶子氏(58)、宜野湾市長の伊波洋一氏(54)、社大党委員長の喜納昌春氏(58)、元県出納長の山内徳信氏(71)、浦添市長の儀間光男氏(62)、衆院議員の下地幹郎氏(44)らの名前が浮上している。
今回の県知事選は、日米再編協議の最終報告で示された米軍普天間基地のキャンプシュワブ移設に対する考え方や、小泉改革路線の評価などが争点になるとみられる。 |
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「サッカー週間」を展開
吉武博文さん(日本サッカー協会コーチ)/21日まで中・高生指導
宮古の環境を高く評価/指導者講習も精力的に
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「世界の宮古」を期待/伊志嶺市長を訪問
日本サッカー協会・吉武さん
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西西友の会が優勝/第1回G・ボール大会開く
市老人クラブ連合城辺支部
二〇〇六年度宮古島市老人クラブ連合会城辺支部(喜屋武盛吉支部長)主催の第一回ゲートボール大会が十六日、城辺運動公園多目的広場で行われた。「連携の輪を広げ、心豊かなz世紀をこころよく、楽しく、和気あいあいと」をテーマに四十二チーム、約二百人の元気な高齢者がゲートボールに汗を流した。熱戦を繰り広げた結果、西西友の会一組が優勝。二位は西中一組、三位は福北三組となった。
同大会の上位十七チームは、二十五日に開催される宮古地区老人クラブゲートボール大会に出場する。
参加者たちには笑顔が絶えず、仲間同士で行うゲートボールを楽しみながら勝敗に一喜一憂していた。 写真説明・ゲートボールに一喜一憂した参加者ら=16日、城辺運動公園多目的広場
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バイオエタノール開発強化を/首相が経産相に対策指示
小泉純一郎首相は十六日、首相官邸で二階俊博経済産業相と会談し、サトウキビなどの植物を原料とするアルコール「バイオエタノール」を自動車燃料として利用するための施策を強化するよう指示した。これを受け、経産省はバイオエタノール専用車の開発などで自動車メーカーから意見を聞き、支援策の検討に着手するとともに、サトウキビの産地・沖縄県の地域振興の観点からも対策を講じる方針。
会談後、二階経産相は記者団に対し、「バイオエタノールは(最大の生産国)ブラジルからの輸入も考えなければならないが、沖縄で充足できる部分があれば、それを第一に考えるのは当然だ。(国内必要量の)約半分は沖縄を中心に対応できるのではないか」と指摘した。
また、二階経産相は今国会閉幕後に額賀福志郎防衛庁長官とともに沖縄を訪問し、バイオエタノールによる沖縄振興策を打ち出す考えも明らかにした。
バイオエタノール サトウキビなど植物に含まれる糖を発酵・蒸留させて作るアルコールの一種。温室効果ガスの排出量はゼロと見なされ、石油代替燃料として注目されている。現在、宮古島で環境省が各種実験を実施している。
写真説明・沖縄製糖宮古工場に設置されているエタノール生産設備
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