200平成18  516 火曜日

大規模プロジェクト始動へ/宮古島砂山リゾート

 会社更生手続き中の宮古島砂山リゾートの管財人が十五日、東京地裁で不動産関連会社の株式会社ゼファー(東京都、飯岡隆夫社長)と事業スポンサー契約を締結した。ゼファーは同日付で、砂山ビーチ一帯の自然を生かしながらリゾート施設を開発していく方針を表明。併せてホテルの建設をはじめサッカー場、テニスコートなどを設置する開発計画を示した。事業スポンサーの決定により、懸案事項とされてきた砂山ビーチ一帯をリゾート化する大型プロジェクトが始動する。

 事業スポンサーの選定については開発計画エリアに隣接する下崎、成川の両自治会や宮古島市がゼファーを選定するよう県や東京地裁に求めてきた経緯がある。三者は▽昨年十二月定例議会におけるゼファーのスポンサー推薦▽スポーツアイランド構想への積極的参加―などゼファーの実績を踏まえて評価してきた。管財人側はこうした地元の意向を尊重しながら事業スポンサーを絞り込み、最終的にゼファーとスポンサー契約を締結した。
 ゼファーは開発計画に当たり、自然との調和や環境対策、文化財の保護など地域振興を図りながら事業を展開していく方針を表明。具体的に総客室数三百七十五程度のホテル建設をはじめ、スポーツアイランド宮古島を打ち出すことを前提としサッカー場やテニスコートを併設する計画を示している。
 砂山ビーチのリゾート計画は一九九二年に開発許可が下りている。しかし、事業を手掛けた大手スーパー・ダイエーの系列会社の経営悪化で計画が頓挫。二〇〇四年には宮古島砂山リゾート社が事業を継承したものの、債務超過に陥り会社更生手続きを申請した。 (山下誠)top.gif (811 バイト)
 

約400人が八重干瀬上陸観光客ら「周遊観光」を提言

 本土からの農協観光のツアー客約四百人が十五日、宮古フェリーのフェリーを利用して八重干瀬(やびじ)のドゥ干瀬に上陸した。観光客らは約一時間の散歩を楽しんだが、観光客の中には「八重干瀬には上陸しないで、周遊観光に切り替えてもよいのではないか」と提言する人もいた。
 サニツ(旧暦三月三日)を含む前後に行われる八重干瀬ツアー以外で、フェリーを利用して上陸したのは今回が初めて。
 一方、はやて海運では、今月二十八日と六月十三日に八重干瀬ツアーを実施する予定。
 八重干瀬は、宮古島市池間島の北方に広がる大小百余り散在するサンゴ礁の総称。日本有数のサンゴ礁群だ。
 この日は、ボランティアのサンゴ礁ガイド十二人が参加した。
 ガイドを務めた大浦康雄さん(58)と長谷川有紀さん(32)は「サンゴを踏まないことやオニヒトデに注意することなどを指導した」と話した。
 八重干瀬に初めて上陸した遠藤文夫さん(57)=東京都=と友人三人は「上陸するとサンゴは踏みつぶされる。八重干瀬の自然は保護し、周遊観光へ転換した方が良い」と口をそろえて話した。別の五人の友人らも同じ提言を行った。
 一方、東京から参加した大手企業の一人は「八重干瀬は上陸するから魅力がある。サンゴ礁保全と上陸観光を推進してほしい」と提言した。

写真説明=八重干瀬行きのフェリーに乗船する観光客ら=15日、平良港
 

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愛鳥週間に夏羽の珍客/ハジロクロハラアジサシ

 夏羽に衣替えしたハジロクロハラアジサシ(カモメ科)の成鳥一羽が十五日、宮古島市平良の海岸で確認された。宮古では、夏羽で飛来するのは珍しい。今年の愛鳥週間は、きょう十六日まで。
 鳥名はハジロ・クロハラ・アジサシと区切って呼ぶ。飛来したハジロクロハラアジサシは、頭から腹は黒く、翼と尾は白い。黒と白のコントラストが美しい。足は赤い。冬羽では全体的に白っぽい。全長二七a。
 平良の海岸に姿を見せたハジロクロハラアジサシは、海面上空で舞っていた。
 中国東北部などで繁殖し、東南アジア、インド、オーストラリアで越冬する。宮古には中国へ向かう途中に立ち寄ったと思われる。

写真説明=黒と白のコントラストが美しいハジロクロハラアジサシ=15日、平
良(撮影・伊良波彌)
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家賃滞納者7人を提訴/市営住宅
最高47カ月、総額114万円

 宮古島市は十五日までに、市営住宅家賃の悪質滞納者七人に対し、滞納家賃の支払いと、住宅からの退去を求める訴えを起こした。七人のうち、最高は四十七カ月の滞納で総額百十四万三千七百円。同市住宅課がまとめた二〇〇五年度市営住宅家賃収納状況によると、入居戸数千三百七十戸に対し、一年以上の悪質な滞納者は百三十三世帯で全体の九・七%に上っており、同課は「入居希望者は多い。催告に応じない悪質滞納者については、裁判や連帯保証人の財産差し押さえなど強い姿勢で臨みたい」と強調している。 家賃滞納者を相手取り訴えを起こすのは旧平良市で例があるが、宮古島市としては初めて。
 まとめは市町村合併後の〇五年十月一日以降の収納状況で、〇六年三月三十一日までの調停額は一億九千九百四十六万六千二百円。調停額には旧五市町村の合併前の九月末までの未済額も含まれている。これに対し、五月一日までの収納額は一億五千九百五十六万四千八百円で、未済額は三千九百九十万一千四百円、収納率は八〇%となっている。また〇四年度までの繰越滞納額は九千九十六万三千二百八十四円で、〇五年度の未済額と合わせると、滞納額は累積で一億三千八十六万四千六百八十四円に上る。
 四、五月は〇五年度分の出納整理期間に当たり、同課は戸別訪問など徴収に努めている。同課は「五月いっぱいで収納率八五%を目指す。累積滞納についても全力を挙げたい」と説明している。
 同課は滞納世帯に対しては督促状を送付、それでも納付がない場合には催告状を送付する。これと並行して電話や戸別訪問などで徴収を促している。「住んでいる以上、家賃を納めるのは基本。滞納している場合、まずは納付相談を。一括で難しい場合は少しずつでも納付してほしい」と話す。問い合わせは下地庁舎の同課(電話76・6137)まで。
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砂川さん(八千代バス)友利さん(協和タクシー)を表彰
陸運・観光功発展に貢献

 【那覇支局】沖縄総合事務局(竹林義久局長)は十五日、那覇市内のホテルで二〇〇六年度の陸運および観光関係功労者を表彰した。宮古からは八千代バス・タクシー代表者代行の砂川信子さん(77)=平良字西仲宗根=と協和タクシー運転手の友利寛榮さん(65)=平良字下里=が竹林局長から表彰された。
 今回表彰を受けたのは陸運関連事業および観光関連事業の各分野において多年にわたり業務に従事し社会の発展に大きく貢献した二十六人。
 竹林局長は「これまで培ってきた豊富な知識と経験を存分に生かして今後さらに業界のリーダーとして活躍していただきたい」とあいさつした。
 砂川さんは、「思いがけない賞を頂き喜んでいる。この仕事を五十年余りやってきた。いろんな事があったが周囲の支えがあり職務を遂行することができた。今後ますます頑張っていきたい」と気を引き締めた。
 タクシー運転手として二十年間、無事故無違反で業務従事し評価された友利さんは「本当にうれしい。これからも安全運転で仕事に励みたい」と受賞を喜んだ。(川満勇人)

写真説明・受賞を喜ぶ砂川さん(右)と友利さん=15日、かりゆしアーバンリゾート那覇
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宮古角力を奉納/島尻竜神祭/航海の安全祈願

 島尻集落の伝統行事「竜神祭」が十四日、集落内にある祭事場で催された。男たちが宮古角力(すもう)を奉納し、航海安全と豊漁を祈願した。
 この日は午前中、集落の役員たちが竜宮の神に魚を供え祈願。祭り本番は午後三時から同集落内キバナイ(祭事場)で始まった。
 奉納角力には子供や若者たちが参加し、白熱した試合を展開。周りには男たちが海の幸をさかなに酒を酌み交わし、豪快な宮古角力ならではのだいご味を味わった。
 宴席に並んだ刺し身などの魚料理は各家庭から持ち寄ったもの。島尻自治会長の池間貞夫さんは「以前は取れたての魚を持ち寄り、大鍋で煮たものを分け合って食べていた。しかし現在は漁をする人が減り、料理は各家庭でこしらえて持ち寄るようになった」と祭りの変わり様を語った。

写真説明=若者たちが角力を奉納した=14日、島尻集落内キバナイ(祭事場)
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