200平成18  513 土曜日

漁業生産額は15億7500万円/宮古04年
マグロの水揚げが好調
前年比2.2%増
/県全体の8.5%占める

 宮古支庁のまとめによると、宮古圏域の二〇〇四年の漁業生産額は前年比三千五百万円(二・二%)増の十五億七千五百万円となった。マグロ類の水揚げが好調だった。宮古圏域の生産額は県全体百八十五億円の八・五%を占めた。

 宮古圏域では、沖合でのパヤオ(浮魚礁)を利用した漁業(流し釣り、さお釣り、引き縄)やカツオ一本釣り、曽根周辺での深海一本釣り、沿岸ではタカサゴ類を中心とした追い込み網やもり突き漁、モズク、クルマエビなどの海面養殖業が盛んに営まれている。
 主な漁業種類別生産額は、魚類が最も多く十一億二千万円(前年比八千万円増)。クルマエビなどの水産動物二億五千七百万円(同八千三百万円減)、海面養殖業のモズク一億七千四百万円(同三千二百万円増)、貝類千七百万円(同百万円減)の順となった。
 魚種別の生産額は、メバチマグロ二億三千六百万円、クルマエビ二億一千七百万円、キハダマグロ一億四千百万円、カツオ九千九百万円、タカサゴ類九千百万円などが多い。マグロ類の水揚げ額は前年比七五%伸びた。
 総漁獲高の推移を見ると、一九八九年に三十二億円あったものが九五年には二十一億円に減少。〇四年は十五億円と十六年間で半減した。
 漁船の数は六百五十四隻で、前年より三十八隻減少した。内訳は五d未満の小型漁船六百二十九隻、五d以上二十五隻となっている。
 (新城孝夫)

 資料写真・パヤオ周辺でのマグロ一本釣り top.gif (811 バイト)
 

最高気温30・7度/12日、宮古
平年より3度高く真夏日

 宮古島地方は十二日、高気圧の圏内で暑い一日となった。最高気温は午後二時十六分に三〇・七度を観測。平年(二七・三度)に比べて三・四度も高く、真夏日となった。
 この暑さで、平良地区では日傘を差した女性や、ハンカチで汗をぬぐいながら日陰を求めて歩く人の姿が見られた。
 ビーチでは、観光客らが海水浴やマリンレジャーで南国気分を味わっていた。
 宮古島地方気象台によると、きょう十三日も日中は三〇度を超えるものの、夕方からは曇り空が広がると予想。十四日は前線が南下するため、梅雨入りの可能性もあるという。

 写真説明・晴天の下、マリンレジャーを楽しむ若者ら=12日、下地前浜ビーチ

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地域包括支援センター事業/寝たきりを防ごう
器具使い足腰を強化/
介護予防「ワイドー教室」がスタート

 介護予防の拠点として設置された地域包括支援センター(安谷屋政秀所長)の介護予防教室「ワイドー教室」が十二日、下地地区を皮切りにスタートした。六十五歳以上を対象に三カ月間、健康チェックやウオーミングアップ、マシントレーニングなどを行い、寝たきりにならない健康な体づくりに取り組む。下地地区のほか城辺、上野、伊良部、平良でも実施する。

 同教室は四月に施行された改正介護保険法に伴い実施する介護予防事業で、高齢者の身体機能を向上させ転倒を予防し、生活機能の拡大につなげることが目的。三カ月間週一回のペースで、運動療法士の指導の下、無理なく体を動かし筋力を強化していく。
 安谷屋所長は「転倒を防ぐことで寝たきり防止にもなる。筋力があれば転倒することも減り、また教室に参加することでこもりきりを防ぐ。器具を使いながら楽しく運動し、体力と健康維持につなげていければ」と期待を寄せた。
 下地地区のワイドー教室は下地保健福祉センターで行われ、健康運動実践指導者の平良真菜美さんがストレッチやマシンを使った運動法を指導した。平良さんは「マシンを使って下肢の筋力アップを中心に行っていく。この教室が終了しても運動を続けられるよう自宅でできる筋トレも指導していきたい」と話した。参加者たちはストレッチで体をほぐした後、マシンを使って腕や太もも、ふくらはぎなどの筋力アップに挑戦。初めての健康器具に戸惑いながらも、体に無理のないよう自分のペースに合わせ取り組んでいた。参加した砂川静さん(77)は「初めて使ったけど、上等。きつくないし楽しくできる」と笑顔を見せた。
 ワイドー教室の日程は▽下地(五月十二日―七月二十八日)▽城辺(五月十六日―七月二十五日)▽上野(八―十月)▽伊良部(十―十二月)▽平良(二〇〇七年一―三月)の予定となっている。

 写真説明・健康な体づくりを目指しマシンを使い足腰の強化を図る参加者たち=12日、下地保健福祉センター
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中村弁護士に引き継ぎ/市川弁護士の任期満了に伴い
ひまわり法律事務所

 日本弁護士連合会(日弁連)が弁護士過疎地域対策として二〇〇三年五月に開設した平良ひまわり基金法律事務所の市川尚弁護士がこのほど任期満了を迎え、新たに大阪弁護士会所属の中村昌樹弁護士(34)に引き継がれた。十二日夕、市内のホテルで行われ、日弁連や九州弁護士連合会、沖縄弁護士会の立ち会いの下で、その引継ぎ式が行われた。中村弁護士は「前任者の培った地域の信頼を損なわないよう、地域の法的ニーズに応えられるよう頑張りたい」と抱負を述べた。事務所の名称は「平良」から「宮古島」に変わり「宮古島ひまわり基金法律事務所」となった。
 ひまわり基金法律事務所は、日弁連の会員が毎月千五百円を積み立てたひまわり基金からの支援を受けて開設する公設事務所で、現在、全国の弁護士過疎地域に六十一カ所ある。
 引継ぎ式であいさつした沖縄弁護士会の大城浩会長は「前任者が十分な活躍できたのは地域の法的ニーズの表れ。沖縄弁護士会としても、今後も最大限の支援をしていきたい」と述べた。任期を終えた市川弁護士は今後、市内で法律事務所を開設する予定で「今後も一緒になって宮古島の法的ニーズに応えていきたい」と述べた。引継ぎ式に続いてパーティーも行われ、弁護士会のメンバーや行政関係者らが中村弁護士の活躍に期待した。
 市川弁護士によると〇三年に事務所開設してから千人を超える相談を受け付けた。現在も継続している事件を五十件ほど抱えているという。宮古島の相談の特徴として「受ける相談内容は都会と変わらない」としたが、覚せい剤、会社経営、相続問題については全くなかった。

 
写真説明・
引継ぎ式で抱負を話す中村弁護士(左から2人目)と任期満了を迎えた市川弁護士(右端)=12日、ホテルアトールエメラルド宮古島

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城辺でも審議会が発足/ 地域の問題、市長に提言へ
会長に仲間克氏(旧城辺町長)

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の新市建設計画の変更に関する事項などを審議する城辺地域審議会が十二日、発足した。同日午後、下地学助役が委員十五人に委嘱状を交付した。会長は旧城辺町長の仲間克氏、副会長は旧城辺町議会議長の伊志嶺幹夫氏。地域審議会の発足は上野地区、下地地区に次いで三番目。週明けには伊良部地区でも発足を予定しており、平良地区は日程が確定していない。
 地域審議会は合併協議の中で設置することが決められており、旧市町村単位で設置される。審議会は▽新市建設計画の変更▽新市建設計画の執行状況や地域振興のための基金活用▽新市の基本構想の作成および変更―に関する事項を審議するほか、必要と認める事項について審議し、伊志嶺市長に意見を述べることもできる。
 あいさつした下地助役は「審議会は合併に伴う住民の不安や地域の課題を払しょくするため合併特例法に基づいて設置されるもの。地域の問題を取りまとめ市長に提言する役割を担う。現在は新市建設計画に基づいて行政を進めているが、見直すべき点や不必要なものもあり、それらを審議して提言してもらいたい。市全体がバランスの取れたまちづくり、また地域の特性を生かしたまちづくりが大事。委員の真剣な審議をお願いしたい」と話した。
 仲間会長は「いかにしてこの城辺地域を発展させるか、大事な審議会になる。協力し合いながら取り組んでいきたい」とあいさつした。
 委員らからは「市長の諮問事項だけを審議するのか」「地域の要望事項は審議できないのか」などの疑問が出されたが、当局側から「審議会が必要と認める事項について審議し、市長に意見を述べることができる」との説明があった。
 城辺地域審議会委員は次の通り。(敬称略)
 【会長】仲間克(前城辺町長)【副会長】伊志嶺幹夫(前城辺町議会議長)【委員】上里弘(部落会長会会長)▽西原利彰(南風ファーム代表)▽幸地和夫(宮古島海宝館長)▽宮国匡(かぎすま宮古代表)▽照屋秀雄(西城地域体協会長)▽川上哲也(西城中学校長)▽砂川美枝子(市婦人連合会副会長)▽吉永洋子(市社協城辺支所長)▽下地一美(城辺中央クリニック事務局長)▽宮国京子(民生委員)▽友利貞一(元学校長)▽松川博光(前城辺町収入役)▽新城元吉(前城辺町議会議員)

 写真説明 上・新市建設計画の変更に関する事項などを審議する城辺地域審議会が発足した=12日、宮古島市城辺庁舎
 写真説明 下・仲間克top.gif (811 バイト)

笑顔で患者と接する高校生が看護体験
「看護の日」ちなみ

 十二日は「看護の日」─。宮古島徳洲会病院(安富祖久明院長)は十二日、高校生の女性徒らが看護師の仕事を体験する「ふれあい看護体験」を実施した。生徒たちは白衣に身を包み、看護師の仕事を体験するとともに、命の大切さについて理解を深めた。
 同病院を訪れたのは▽宮古高校三年生の佐平睦美さん、伊志嶺麻依さん、花城志麻さん、松元美由紀さん▽宮古工業高校三年生の奥平明日香さん、宮国夢美夏さん▽宮古農林高校二年生の伊志嶺亜弓さん、上地優歌さん、志和山海依さん─の九人。それぞれ各病棟に分かれて、入浴介助やつめ切り、シーツ替え、食事介助などを体験。慣れない作業に戸惑いながらも、患者に笑顔で話し掛けたりスキンシップを取ったりと、積極的にコミュニケーションを深め、看護の仕事に触れていた。
 参加した宮国さんは「つめ切りなど、普段自分がやっていることを他人に対してやることが、どんなに難しいか実感した。高校生のうちに医療現場で体験できるのはとても貴重だと思う。将来の選択肢として、この体験をきっかけにしたい」と感想。
 総看護師長の桃原敦子さんは「看護学校の無い宮古島で、地元の高校生が実際に地元の現場で経験することは大変意義深いこと。宮古の人々が医療に感心を持ちながら、宮古の医療を島の人々で支えていけたら素晴らしい」と話した。
 
 写真説明・笑顔で患者と接する高校生=12日、宮古島徳洲会病院

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