200平成18  510 水曜日

琉球朝日放送 宮古でも視聴/地デジで2010年めど
民放3局、同時実現目指す

 【那覇支局】現在、宮古地域を含む先島地区では視聴できない琉球朝日放送(QAB、平田嗣弘社長)が地上デジタル放送では宮古、八重山地区でも放送する予定であることが九日までに分かった。本紙の取材に対して平田社長は「現在、先島地区ではアナログ放送が受信できない状況だが、地上デジタル放送では民放三局一斉に先島地区での放送を目指している」と説明した。宮古地区における地上デジタル放送は二〇〇八年にNHKが、二〇一〇年に民放各局が放送開始の予定となっている。

 同日に那覇市内のホテルで行われた「沖縄地上デジタル放送推進協議会」の第三回総会では、本年度の事業計画案などを審議したほか、NHKや琉球放送、沖縄テレビ放送、琉球朝日放送の民放三局が現在の取り組み状況や今後に向けた課題について報告した。
 今後の課題については、民放三局とも先島地区の早期デジタル放送開始を挙げ「先島地区の放送については大きな課題で、二〇一〇年中には何とか放送開始できるよう進めたい」「先島地区でのデジタル放送は民放だけでは難しい部分もあるので、国、県サイドも『力』を貸してほしい」「先島をどうするかNHKと民放三局で協議して、スムーズな放送開始を目指したい」などの意見が出された。
 琉球朝日放送の平田社長も「宮古など先島での放送は自社だけでは難しい部分がある。本島と先島の情報格差をなくすためにも放送実現に対しては関係機関にも協力してほしい」との意向を示した。
 本紙の取材に対しても平田社長は「地上デジタル放送は先島での放送を目指している。予算などもこれからだが、民放三局同時に先島地区での放送を実現させたい」との意向を示した。
 そのほか、総会では〇六年度の事業計画、収支計画、役員選任などが全会一致で承認された。
 県内の地上デジタル放送は、四月一日からNHKが沖縄本島を中心に放送をスタートさせており、民放三社は十二月一日から放送開始の予定となっている。
 宮古地区の地上デジタル放送は、NHKが〇八年をめどに、民放三社が一〇年を予定している。
 宮古地区の民放テレビ放送は、琉球放送と沖縄テレビ放送が一九九三年から放送を開始し、九五年に開局した琉球朝日放送は、現在も先島地区での視聴ができない状況が続いている。
 地上波デジタル放送では、デジタルハイビジョン放送に代表される高画質・高音質に加え、双方向番組や暮らしに役立つ最新情報サービスの提供が可能となる。
 BSデジタル放送などが全国一律の番組を放送しているのに対し、地上デジタル放送では、ローカル色豊かな地域密着型の番組も放送され、より視聴者のニーズに合ったサービスが提供できるようになる。
 (垣花尚)

  写真説明・地上デジタル放送では宮古地区でも視聴が実現する予定の琉球朝日放送(QAB) top.gif (811 バイト)

きょうから愛鳥週間/コアジサシが求愛活動

 きょう十日から十六日までは愛鳥週間(バードウイーク)。南半球で越冬していた渡り鳥の中には、北半球の繁殖地へ向けて移動中の鳥もいる。宮古ではコアジサシ(カモメ科)などが飛来し、繁殖期を前に婚約を成立させる光景が見られるようになった。(q面に写真特集)
 平良の埋め立て地では八日、コアジサシの雄が、雌に小魚を何回も贈る姿が確認された。雌が小魚を受け取ったことで婚約は成立。これから繁殖の準備に入る。
 コアジサシは、雌雄同色。夏羽は頭頂から後頭にかけて黒い。のどや胸などは白色。くちばしは黄色く先端は黒い。足はだいだい色。「キリッ、キリッ」と鳴く。全長二六a。環境省のレッドデータブックでは希少種で掲載されている。
 同週間は、野鳥観察会など愛鳥活動を通して、自然に生きるすべての生命の尊さを学び、人間と野鳥が共存できる緑豊かな環境の創出と、自然とともに生きる心がはぐくまれることを目指すのが狙い。

 写真説明・雄(右)が雌に小魚を贈り婚約が成立した?コアジサシ=8日、平良(撮影・伊良波彌)
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宮古地区入域観光客数/幸先良く12万153人
1−3月期
前年同期比25%増ホテル稼働率 高水準で推移

 宮古地区の二〇〇六年一−三月期の入域観光客数は十二万百五十三人で、前年同期に比べ二五%増と好調なことが、県宮古支庁総務・観光振興課のまとめで分かった。清原和博、中村紀洋両選手の加入、イチロー選手の来島で話題となったオリックス・バファローズや各種スポーツキャンプのキャンプ効果、先島を周遊する農協観光ツアー、修学旅行の増加などが要因となった。

 同課では「主要ホテルの客室稼働率が予想以上の高い数字で推移している。宮古を含めた県全体で沖縄ブームによる観光需要が続いている」と説明している。一方で、四−九月に就航していた台湾からのクルーズ船が、今年から運航休止となることを夏場の懸念材料に挙げた。
 まとめによると、〇六年一月の入域観光客数は三万八千八百四十七人(前年同月比二七・五%増)、二月は三万八千三百五人(同一八・〇%増)、三月は四万三千一人(同二九・六%増)と、軒並み大幅な増加を示した。同課は〇六年から統計手法をより実態に近づく算出法に変更しており、それによる数字の増加も見られるとしながらも、宮古観光の好調ぶりは続いており、それが大幅な観光客数の増加につながった形だ。
 目安となるホテル稼働率は〇六年一月が七〇・七%(前年同月比六・九]上昇)、二月が七九・四%(同四・一ポイント上昇)、三月が八六・五%(同一七・一ポイント上昇)。この時期の稼働率は例年、七〇%前後で推移することから同課は「全体として高い状態で推移し、予想をはるかに超えている」と強調。ピークを迎える夏場の観光客数にも好材料との見方を示した。
 一方、台湾からのクルーズ船は昨年実績で、五月に二千九百五十六人、八月には三千六十九人を運ぶなど、昨年は四−九月に毎月千−三千人が入域観光客数に加算されていることから、今年はそのマイナス効果を不安視している。
 増加要因の一つとされる統計手法は、計算の際に乗じる宿泊日数を年平均二・一八日で計算していたものを、各月ごとの平均宿泊日数に変更。同課によると、冬場は修学旅行や団体旅行など宿泊日数が短く回転が早いために、従来の計算方法よりも前年比で観光客数が増えるという。
 一方で夏場は少人数で宿泊日数を長く滞在する観光客が多いために、前年と比べた数字が減少する可能性があるというが、同課は「ホテル稼働率が非常に高く、このままの推移でいくと、算出方法変更の影響も少なくなるのでは」とみている。

 資料写真・イチロー選手来島などで例年に比べ注目度が高く来場者が多かった2月のオリックスキャンプ
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「情熱的応援に感謝」/台湾のトライ選手からお礼状
下地中に

 宮古島市立下地中学校(亀浜敏郎校長)の生徒らに九日、第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会に出場した台湾選手から、応援のお礼と交流を記念したメモリアルカードが届いた。同日、旧下地町の国際交流委員の羽地芳子さん=台湾出身=が同校を訪れ、選手から預かったカードを手渡した。生徒らは交流の証しに笑顔を見せていた。
 カードには「皆さんの情熱的な応援に感謝している。とても良い思い出になりました」とメッセージが添えられ、出場選手やその家族ら十五人の顔写真、ゴール後の記念写真や交流会の様子が印刷されている。
 選手の応援に競技場に駆け付けた仲里早紀さん(三年)は「完走した選手に『ありがとう』と言われたことがうれしかった」と大会当日を振り返った。また、与那覇穂奈美さん(同)は「カードをもらってうれしい。交流はとても良い思い出」と笑顔だった。
 亀浜校長は「生徒たちも選手が身近に感じたと思う。来年も交流を続けたい」と述べた。
 台湾から訪れた選手八人は、生徒らの声援を受け全員が完走を果たした。

 
写真説明・
メモリアルカードが生徒らに手渡された=9日、下地中学校

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「消費者被害防ごう」チラシ配布し月間PR
宮古支庁、宮古島市、宮古島署

 五月は消費者月間−。消費者月間をPRしようと県宮古支庁(県民生活センター宮古分室)と宮古島市、宮古島警察署は合同で九日午後、市内のスーパー前で買い物客らに啓発チラシを配布し、架空請求などの消費者被害に遭わないように呼び掛けた。
 今年の月間テーマは「知恵と勇気で消費者被害を防ごう」。消費者保護基本法制定二十周年を記念して一九八八年に消費者問題への関心を高めるために設けられたもの。二〇〇五年度中に県民生活センターに持ち込まれた消費者相談件数は一万一千件を超え、うち宮古分室では四百二十三件を受け付けた。相談件数が最も多かったのは「サラ金・フリーローン」に関するもので全体の二割を占めた。
 期間中、宮古支庁および宮古島市役所平良庁舎のロビーでパネル展やビデオ上映などを行い、月間をPRしていく。

 写真説明・啓発チラシを買い物客に配布して消費者月間をPRした=9日、サンエーショッピングタウン宮古前
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新運動場が完成生徒たちがリレーや綱引きで祝う
北中で「開校記念・こけら落とし」

 宮古島市立北中学校(与那覇正博校長、生徒五百四人)の「開校記念・運動場こけら落としイベント」が八日、同校運動場で行われた。生徒たちは整備された運動場でリレーや綱引きなどを楽しみ、学校を挙げて開校記念日を祝福した。
 以前は雨が降ると広範囲の水たまりができ、生徒の活動に支障を来すていたという運動場。国や行政の補助を受けて昨年八月から進められた整備事業は、今年二月に工事完了した。また、四月一日で創立三十一周年を迎えた同校の開校記念日と合わせて同イベントが行われ、保護者や地域住民、工事関係者なども参加。エイサーや兄弟学級リレー、兄弟学級綱引き、荷川取自治会(与那覇秀夫会長)と踊る荷川取クイチャーなどでイベントを盛り上げた。
 与那覇校長は「運動場いっぱい羽ばたく雄姿を披露し、北中学校の生徒としての誇りを持って伝統ある北中の名をますます高めてほしい」と話した。
 同校を代表して生徒会長の花城朱里さん(三年)は「協力してくださった人たちへの感謝を忘れずに、運動場を大切に使おう。今まで以上に精いっぱい頑張ることで感謝の気持ちを示し、これからの北中の飛躍・発展につなげていこう」とあいさつした。
 
 写真説明・整備された運動場で綱引きなどのイベントを楽しんだ=8日、北中学校運動場
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