200平成18  5 木曜日

550匹が大空彩るドイツ文化村
子供たちの夢乗せ/
鯉のぼりフェスト開幕

 第八回うえのドイツ文化村「鯉のぼりフェスト2006」(主催・宮古島市、博愛国際交流センター)が三日、同文化村で開幕した。七日まで。子供たちや協賛企業による五百五十匹の手作りこいのぼりが大空を彩っている。期間中はちびっこカラオケ大会などさまざまな催しが行われる。主催者側は多くの親子連れの参加を呼び掛けている。

 同フェストのテーマは「僕の夢 私の夢 みんなの夢を宮古から!」。住民参加により地域活性化や子供たちへの情操教育を図ることが目的。
 この日はオープニングセレモニーが行われ、開会宣言や子供たちによるこいのぼりの掲揚が行われた。きょう四日は、午前十時からフリーマーケット、午後二時からアマチュアバンドのコンサートが行われる。
 あす五日は午前十時三十分に何でもつかみ取り大会、同十一時三十分にドイツ村○×クイズ、午後一時三十分にちびっこカラオケ大会、同四時にティダカンパニーによるミュージックショーが開催される。また、ふれあい動物園、宮古馬ふれあい乗馬も実施される。
 伊志嶺亮実行委員長(宮古島市長)は「子供たちや協賛団体が作ったこいのぼりを多くの人に楽しんでもらいたい。子供たちがこいのぼりのように、健やかに成長することが宮古島市の活力になる」とあいさつ。友利恵一市議会議長、藤村明憲宮古観光協会長らとともにテープカットした。
 会場に三家族九人で遊びに来た砂川瑞希さん(上野小六年)は「たくさんのこいのぼりが泳いでいるのがズミだった」と笑顔で話した。
 児童福祉週間にちなみ博愛記念館、キンダーハウス、水中展望船の子供料金が七日まで半額になる。また、四、五の両日は博愛記念館一階シアターで、「もののけ姫」、「となりのトトロ」などアニメ作品が上映される。
 (洲鎌恵仁)

 写真説明 上・550匹のこいのぼりが大空を泳ぐなかダンスなどが披露された=3日、うえのドイツ文化村
 写真説明 下・力を合わせてこいのぼりを掲揚する子供たち=3日、うえのドイツ文化村

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立憲主義の危機内包/「非常にお粗末なもの」
教基法改正案/琉大佐久間教授が講演

 「憲法記念日」の三日、琉球大学の佐久間正夫教授(教育行政学)を講師に招いた「憲法と教育基本法を考えるつどい」と題した講演会が市内の宮古教育会館で開かれた。今年四月に自民・公明が合意した教育基本法改正案について、「なぜ改正するのか、その根拠が全くわからない」としながら、「現行の憲法改正動向と同様、立憲主義の危機が内包されている」と指摘。条文についても、「格調高い現行法に比べると、改正案の内容は法の完成度という点では非常にお粗末なもの」と糾弾した。
 講演会には憲法改正問題に関心を持つ市民らが多数参加した。佐久間教授は現行法と改正案を対比させながら、問題を指摘した。佐久間教授は現行法について、「前文で理念を明確に述べており、格調高い文章。条文も優れた構成だ。国民の側から国(権力)に命令ができる立憲主義に立っており、国民の側から国の暴走をチェックすることができる性質を持っている。改正案では立憲主義が逆転し、一八〇度転換させられている。国が教育の中身に深く介入してくる内容だ」と批判した。また改正案が憲法に近い上位法でありながら細部まで規定していることについて、「現行法にすべて含まれている。条理解釈ができない議員レベルの低さを表している」とやゆしながら、個々の規定について「▽生命を尊び▽自然を大切にする−など細かな徳目を列挙しており、国家から見た国民の望ましい態度を規定している。また▽我が郷土を愛する−は心のありようを法律で規定する問題点がある」と次々と問題点を列挙し、改正の動きを批判した。

 写真説明 上・教育基本法改正案について知識を深めた=3日、宮古教育会館
 写真説明 下・佐久間正夫教授
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城辺移動図書館 夢の光号
地域密着のサービス

83歳 佐和田さんに260冊/「ダ・ヴィンチ・コード」も

 「一冊に一つでも心に残るシーンがあれば満足」と笑みを浮かべる佐和田文さん(83)=城辺地区字下里添=。読書が趣味で、推理小説に感動作にと毎夜胸をときめかせている。その知的探求心に応えるのは、宮古島市立城辺図書館(砂川玄正館長)の移動図書館「夢の光号」とスタッフたち。過去に一度も同館を訪れたことのない佐和田さんの貸出冊数は、「夢の光号」の自宅訪問で260冊を超えた。高齢者に夢と元気を届ける「地域密着型」の読書支援を取材した。
   推理小説に毎夜胸ときめかせ
 「夢の光号」は、地域別に学校や公民館、団地などを巡回する移動図書館。利用者は主に子供たちで、車内の書棚には児童書を中心に常時八百冊が積まれている。
 個人宅に配達するサービスはないが、数年前、佐和田さんの読書熱を知った当時の職員が「下南団地の巡回のついでに」と訪問。以来、新しい担当者らにも引き継がれ、ひざが悪く車もない佐和田さんのために月に一度の訪問が継続されている。
 貸し出しの方法は、職員が佐和田さんが好みそうな本を数冊選んで持参したり、本人のリクエストに応えたりと、相手を知ればこそのシステム。五月の訪問日には、内田康夫や東野圭吾ら人気作家の単行本に交じって話題の「ダ・ヴィンチ・コード」も。スタッフの下地隆子さん、下地多津子さんの勧めに「そうそう、映画になるってね。最後まで読み切れるか分からないけど挑戦してみよう」と瞳を輝かせる。
 下地多津子さんは「訪問に立ち寄ると、いろいろな話を聞かせてもらう。佐和田さんの話は勉強になることが多くて面白い。この間は晩御飯までごちそうになって…」と話し「読書欲は子供だけのものではない。喜んでくれる限り、毎月の楽しみを届けたい」と笑顔。佐和田さんも「皆さんが来てくれるのを心待ちにしている」と月に一度の交流を喜ぶ。
 「ジャンルにはこだわらないけれど、例えば無差別殺人みたいに不快なシーンは飛ばして読むし、心が温かくなるシーンは繰り返し読む」というのが独自のスタイル。好きなシーンの一つひとつが、佐和田さんの生活に一層の彩りを与えている。
 世界中の物語を乗せて走る「夢の光号」には、心と心で語り、手から手へと届けられる確かな温もりが息づいている。
 (砂川智江)

 写真説明・「夢の光号」の訪問を喜ぶ佐和田さん(中央)と図書館スタッフの下地隆子さん(後ろ左)と下地多津子さん(同右)=2日、城辺地区砂川の自宅で

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清掃を通し歴史学ぶ佐渡山さんが地域の由来講話
狩俣青年会・狩俣小ジュニアゴルフクラブ父母会

 狩俣青年会(佐渡山誠会長)と狩俣小ジュニアゴルフクラブ父母会(國仲義隆会長)は三日、集落の北側に延びる狩俣北海岸の清掃作業に汗を流した。清掃活動には両会のほか自治会、宮古青年会議所のメンバーなど子供から大人まで約二百人が参加。砂浜に流れ着いた漂着物を拾い集めた。清掃作業の後は、狩俣出身で元教員の佐渡山正吉さんが地域の歴史について講話し、平家の落人伝説や「ナービタ」と呼ばれる北海岸の由来などを取り上げ、参加者の興味を引いた。
 清掃は昨年に続き二回目。昨年は集落南側の海岸で行った。今回清掃した海岸は集落北側にあり約六百bの砂浜で対岸には大神島を望んでいる。主催者の予想をはるかに超える参加者があり「こんなにたくさんの人が参加してくれるとは」(國仲会長)と喜んでいた。
 講話した佐渡山さんは自身のこれまでの研究から「平家の落人伝説は各地にあるが、この海岸にも流れ着いたことは間違いない」と持論を紹介しつつ、この浜が地域の方言で「ナービタ」と呼ばれることを例にして、「狩俣の方言では『カ』の発音がない。本来なら『ナガビタ』となるべきところが『ナービタ』となった。『カ』を発音しないのは宮古では狩俣だけ」と話した。その他にも海岸側にある御嶽(ウタキ)にまつわる話などを紹介した。

 
写真説明 上・
海岸に流れ着いた漂着物を拾い集めた佐渡山さん(右端)の講話に聞き入る参加者ら=3日、狩俣北海岸
 写真説明 下・海岸に流れ着いた漂着物を拾い集めた

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スツウプナカきょう本番イム座大漁に沸く
多良間村

 【多良間村で伊良波彌】多良間村の伝統行事「スツウプナカ(節祭り)」はきょう四日、本番を迎える。本番を翌日に控えた三日、島は祭りの準備や竜宮の神へ料理などを供える祈りの一色に包まれた。四つの祭場の男性らは、旧年中の実りに感謝し、向こう一年間の豊作を祈願した。
 村には八つの字があり、二字ずつが一つの祭祀集団をつくり、四つの祭場で祭りを実施。祭場は、仲筋字にナガシガー(土原区、宮良区)とフダヤー(天川区、津川区)、塩川字にパイドニ(大木区、吉川区)とアレーキ(嶺間区、大道区)の計四つがある。
 各祭場には、供えものの魚をとる役割が任されたイム(海)座があり、三日の漁獲は大漁に沸いていた。島を取り巻くサンゴ礁は魚類が多く、この日はダツやブダイ、カワハギなど多種類の水揚げがあった。
 祭りの中心となるのが、五十−六十歳で組織される中老座。安里辰夫さん(59)は、今年初めて字塩川の中老座の座主(ザヌシ)を務める。
 安里さんは「中老座の参加者は約二十人。一人ひとりが自分にできる役割を持ち、楽しく、責任感を持ってこなす」と語り、参加者らが役割を忠実に守っていることに感謝の意を表していた。
 クバン座の男性たちは海座から運ばれてきた魚類を解体し、供え物のかまぼこなどを作り上げた。
 この日の夜遅く、祭りの開始を告げる「アカツキヌニガイ(暁の願い)」が執り行われた。男性らは「ヤッカ、ヤッカ、ヤッカ」のはやしを響かせていた。

  写真説明・供え物の魚類を水揚げしたイム座の男性=3日、多良間村の前泊港

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チョウにうっとり/GWイベント
みやこパラダイス

 上野字野原の「みやこパラダイス」は三日、ゴールデンウイークに合わせたイベントを開催した。五日まで。期間中、中学生以下は蝶々園の入場料が無料。チョウに関する○×クイズや宮古馬との触れ合いなどが楽しめる。多くの親子連れの来場を呼び掛けている。
 初日のこの日は、親子連れらが大勢訪れ、宮古馬の「次郎」と触れ合ったり、蝶々園でチョウの優雅な舞に見とれていた。
 きょう四日は地元バンド「TWO BIG」によるライブが午後三時から同園内にあるレストランで開催される。入場料千円(ソフトドリンクとサタパンビン付き)。宮古馬との触れ合い、○×クイズはそれぞれ午前十一時から。
 津嘉山太志君(六つ)、妃香ちゃん(四つ)、尚王君(三つ)は母の優子さんと家族四人で蝶々園に訪れ、オオゴマダラを観察。「大きなチョウチョだった。きれいだった」と声をそろえて大喜びしていた。
 
 写真説明・オオゴマダラを観察する子供たち=3日、みやこパラダイス

 
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