200平成18  5 水曜日

「地域審議会」が発足/住民の意見反映へ
上野最初に、旧市町村単位で/宮古島市

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の「上野地域審議会」が二日、発足した。地域審議会設置は同地域が初めて。同市役所上野庁舎で行われた委嘱状交付式では、伊志嶺市長が委員十五人に委嘱状を交付。引き続き第一回委員会が開かれ、会長には川田正一前上野村長が、副会長には垣花義一前上野村助役が、それぞれ互選された。十一日には下地地域審議会が発足する予定。同審議会設置は宮古五市町村合併推進協議会の確認事項で、旧市町村区域ごとに設置され、市長の諮問に応じて地域振興に関することなどを地域の実情に合った審議を行い答申するほか、審議会独自で市長に意見を述べることもできる。

 就任した川田会長は「地域の声を入れて、宮古島市を発展させることが重要であり、審議会の役割は大きい。地域のことは地域住民がよく知っている。住民の声を集約し、宮古島市発展の方向につなげていきたい」と抱負を述べた。
 地域審議会は合併特例法により定められたもので、宮古島市については合併協議会で設置を確認し、旧市町村の各議会においても設置を議決している。委員は学識経験者や老人会、婦人会、青年会、教育、観光、農林水産など多岐にわたる十五人で任期は二年。
 委嘱状を交付した伊志嶺市長は「宮古島市には行財政改革など多くの課題があり、目標は新しい宮古島市をどのようにつくっていくか。皆さんの協力、慎重な審議をお願いしたい」と述べ、委員らの協力を求めた。
 委嘱状交付式に引き続いて開かれた第一回委員会では、宮国くみ子委員は「上野・下地は燃えるごみが週に二度、燃えないごみは二週に一度の収集だが、平良などは燃えるごみが週に三度、燃えないごみは毎週、収集されている。同じ市民なら同じサービスを受ける権利があるはず」と、ごみ収集の方法が地域によって異なることを疑問視した。
 砂川博岳委員は、県植樹祭の植樹場所について、「これまで住民がグラウンドゴルフなどをして活用していた場所。住民に一言あっても良いのでは」と苦言を呈した。
 川田会長は「住民にとって何が必要か、地域の状況を調べ、改善するところは改善する必要がある」と述べ、次回委員会までに調査するよう事務局に求めた。
 委員は次の皆さん。
 【会長】▽川田正一(前上野村長)【副会長】▽垣花義一(前上野村助役)【委員】▽砂川博岳(宮国部落会長)▽新城武一郎(JAおきなわ上野支店長)▽古賀哲馬(宮古島市上野観光振興協議会長、博愛国際交流センター専務理事)▽上地登(上野中PTA代表)▽西里直樹(上野小PTA代表)▽砂川直輝(上野地区青年会代表)▽新里文子(上野地区婦人会長)▽新里盛繁(宮古島市老人クラブ連合会上野支部長)▽宮国くみ子(上野博愛農産グループ会長)▽仲元成美(前上野村議会議員、合併協議会委員)▽砂川信雄(宮古島市社会福祉協議会上野支所長)▽島尻昭子(民生委員児童委員)▽伊志嶺モリ子(更生保護委員)
 (砂川拓也)

 写真説明・活発な意見交換が行われた上野地域審議会の第1回委員会=2日、宮古島市役所上野庁舎

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1000匹 大空を泳ぐ/きょうから鯉のぼりフェスト
ドイツ文化村

 第八回うえのドイツ文化村「鯉のぼりフェスト2006」(主催・宮古島市、博愛国際交流センター)がきょう三日から、同文化村で開催される。七日まで。同文化村には二日までに、空を泳ぐ千匹のこいのぼりが取り付けられ、フェストの準備が整えられた。三日は午後二時からオープニングセレモニーが開催され、宮琉族太鼓団による演舞などが披露される。
 四日にはアマチュアバンドのコンサートやフリーマーケットを開催。「こどもの日」の五日には、ちびっ子カラオケ大会や「ティダカンパニー」によるライブ、宮古馬試乗会、竹馬や一輪車などで遊べるキッズコーナー、遊具コーナーなど多彩なイベントが用意されている。
 このほか三−五日の三連休は、博愛記念館一階シアターで、「魔女の宅急便」や「ハウルの動く城」、「もののけ姫」、「となりのトトロ」など、宮崎駿監督が手掛けるスタジオジブリの作品を中心に、各日ともそれぞれ三本ずつのアニメ作品が上映される予定。
 また、児童福祉週間にちなみ同文化村では期間中、博愛記念館やキンダーハウスなどの有料施設が、中学生以下は半額となる。問い合わせは同文化村(電話76・3771)まで。

 写真説明・フェスト開幕を前に空を舞うこいのぼり=2日、うえのドイツ文化村

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ガソリン価格、急騰きょうから4円上げ
今月中にA重油も 漁民らに影響大/宮古の一部給油所

 原油価格の高騰で、石油元売り大手各社が一日にガソリンの卸価格を引き上げたことを受け、宮古本島の給油所の一部ではきょう三日から、レギュラーガソリン一g当たり四円の大幅な値上げを実施する。残りの各給油所では四日から値上げに踏み切る見通し。大型連休でドライブする家族連れや帰省客らの財布を直撃しそうだ。漁船燃料用のA重油や軽油が今月中に値上げされることから、宮古島沖合に設置されている浮魚礁(パヤオ)周辺で操業している漁民らの経費増は深刻になりそうだ。

 宮古の各給油所では、これまで段階的な元売り価格の値上げに、経営の合理化や経費削減で対応。給油所の利用客には負担は掛けられない、として値上げを控えてきた。
 平良のある給油所の代表取締役は「当社では、四月中に仕入れ値が六円五十銭上がった。今回の卸価格値上げでは、経費削減も限界」と苦痛の表情で語った。レギュラーガソリンを一g当たり四円値上げし、百三十七円にした。
 値上げ幅と実施日を検討中の別の給油所の幹部職員は「値上げはつらいが、上げざるを得ない経営状況。値上げしないと経営が厳しい」と説明した。
 平良の運送会社役員の一人は「運送料を値上げするわけにはいかない。今の段階では、会社の自助努力で乗り切るしかない」と複雑な表情で話した。
 二日、自家用車に給油した四十代の女性は「四円値上がると負担が大きくなるが、我慢するしかない。家族のドライブ回数を減らしたい」と話した。
 一方、漁民らは、A重油などの値上げの動きに心配の表情を募らす。伊良部の五十代の漁師一人は「魚の資源枯渇で水揚げが落ちている。こうした中、A重油が値上げされると、パヤオへ行く経費が増加する。困ったものだ」と声を荒げた。

 写真説明・給油所ではきょう3日からの値上げを知らせる看板が設置された=2日、平良地区

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美術家の個性が「競演」「現代宮古の作家たち」開幕
市総合博物館

 宮古島市総合博物館(下地和宏館長)企画展「現代宮古の作家たち[」が二日、開幕した。同博物館が「宮古島市」に改名してから初の企画展。六月四日まで。宮古出身の美術家十一人の作品二十三点が並び、各作家の個性が「競演」する展示内容となっている。下地館長は「地元出身作家の芸術性の高さや思い入れを、それぞれに感じてほしい」と話し、多くの来場を呼び掛けている。月曜日と祝日は休館だが、ゴールデンウイーク期間中の三−五日は開館。
 この展示会は、宮古島内外で活躍する宮古出身作家の作品を一堂に展示し、宮古芸術文化の向上に寄与するのが目的。「平良市」時代から八回目を数え、これまでに、宮古出身作家二十八人の作品を紹介してきた。
 今回は下地一司さん、下地敏一さん、砂川則男さんら十一人の、二十三作品を展示。具象画から抽象画、大きさも6号から100号までとさまざま。シルクスクリーン(孔版画)や紙をモチーフにした「ペーパーワーク」の作品もあり、作家それぞれの趣向が楽しめる。
 下地館長は「地元作家の展示を行うことで、底辺拡大にもつながっていると思う」と、同展示会の意義を強調。「芸術は見る人それぞれに違う感動を与える。絵画を見て、自分なりの良さを感じてもらいたい」と語った。

 
写真説明・
個性豊かな作品の数々に見入る来場者=2日、宮古島市総合博物館

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社会全体で子育てを/ 車両パレードで呼び掛け
児童福祉週間

 児童福祉週間の広報パレードが二日、伊良部島と宮古本島で行われた。宮古島市、宮古福祉保健所、民生委員・児童委員ら約五十人の児童福祉関係者が参加し、社会全体で子供の健全育成を推進するよう呼び掛けた。
 同週間は、五日から十一日までの期間に全国で展開中。児童福祉に関する啓発活動が行われている。宮古では四月二十九日から始まっている。
 広報パレードの出発式で宮古福祉保健所の上原真理子所長は、「子供たちの権利を市民全員で守りながら、宮古の心である『子供は宝』の精神を伝えていこう」とあいさつした。
 パレードでは▽社会全体で子供を育てよう▽障害を持つ児童に対して正しく理解し、必要に応じて協力しよう▽親子で対話しよう−などを広く呼び掛け。児童福祉週間中の児童生徒優待施設や家庭児童相談室の情報を掲載したチラシも配布した。

  写真説明・広報パレードに出発する車両=2日、平良港マリンターミナルビル前

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大物カジキ揚がる/伊良部
刺し身なら60人分以上

 宮古島市伊良部の佐良浜漁港に四月三十日、体長二b余、体重七十`ある大物のクロカワカジキが水揚げされた。住民らが見守る中、二人がかりで計量器に乗せた。住民らは計量器の目盛りを見て「オーッ」と歓声を上げていた。
 宮古島沖合に設置されている浮魚礁(パヤオ)周辺で、漁師の親子二人が釣り上げた。親子は「カジキがぐいぐい引っ張っていく、感触が気持ち良かった」と笑顔で語った。
 クロカワカジキの頭部と腸は、水揚げ前に除去された。引き取った仲買人は「この時期のカジキは油が乗り、おいしい」と語った。
 計量に立ち合った住民の一人は「少なく見積もっても六十人分以上の刺し身は取れる」と感心していた。
 
 写真説明・頭部が付いていた時は重さ70`あったクロカワカジキ=4月30日、伊良部の佐良浜漁港
 
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