200平成18  5 火曜日

JA、生産振興本部を設置/キビ新価格制度に対応
宮古地区にも対策室

 【那覇支局】JA沖縄グループは、二〇〇七年度から始まるサトウキビの新価格制度の導入に伴い、すべての生産農家が、国拠出の「経営安定対策費」の支払い対象となるよう支援する「さとうきび生産振興本部」を一日に設置し、さらに宮古地区を含む県内五地区にも対策室を設置した。同日にJA会館で行われた会見では、JA沖縄中央会の大城惟宏会長、JAおきなわの赤嶺勇代表理事理事長らが「新制度について農家には不安もあると思うが、JAとしては、すべての農家が『経営安定対策費』の支払いの対象となるよう国、県、市町村、製糖工場とも一体となって取り組むので安心して生産活動に励んでほしい」と呼び掛けた。

 同本部の下には、宮古地区を含む県内五地区で対策室が設置され、三十人の職員が配置された。さらに各支店とも連携することから全体では百人以上で取り組むこととなる。
 〇七年度から始まる新価格制度は、糖価の価格決定を国が行うこれまでの「最低生産者価格制度」と異なり、サトウキビの価格を工場側が支払う取引価格と国が農家に支払う「経営安定対策費」に分けて支払われることとなった。
 同対策費の支払い対象となる農家の要件としては▽認定農業者、特定農業団体等(面積要件なし)▽一定の作業規模を有する者(個人一f、組織四・五f)−などとなっており、県全体で七割以上いる一f未満の生産面積で、自ら収穫している小規模農家などは、その対象外となるのではとの不安があった。
 しかし、同対策費の支払い対象者には○七年度から三年間に限り「地域の生産組織に参加する者」との要件もあり、生産面積が一f未満でも、生産組織に参加すれば支払対象者となることから、JAグループでは組織化の支援のために同本部を設置した。JAグループでは今回設置した「生産振興本部」と宮古を含む五地区の対策室を中心に生産組織となる「生産組合」の設置に向け、農家への説明会などを実施するほか、生産組合の事務局的な役割も担っていく方針。
 JAグループでは、今年一月にプロジェクトチームを設置し、新価格制度移行に対する今後の対応を協議し、新制度の移行に当たってはグループの総力を挙げて取り組み、すべての農家が従来水準の価格補償を維持できるよう、地域ごとに生産組織の設置に取り組み、安定的生産を図るために担い手の育成や法人化の推進にも取り組むとしていた。
 生産組合の設置目的と構成は▽サトウキビの生産と生産者の相互理解の連携▽生産組合はサトウキビの生産者で組織し、市町村またはJA支店単位等で設置▽生産組合の下に必要に応じて、集落等の単位に支部を設置−となっている。
 また、活動内容としては▽サトウキビの品質および十e当たり収量向上▽栽培技術基本の励行と栽培技術の改善▽担い手の育成▽オペレーター育成や各種研修、講習会の開催▽その他サトウキビの生産振興−となってる。
 (垣花尚)

 写真説明・「さとうきび生産振興本部」設置について、その目的と今後の取り組みを役員が会見で説明した=1日、JA会館

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夜間駐車取り締まりで レッカー移動も辞さず
GW期間中の対策強化/宮古空港管理事務所

 四月二十九日からゴールデンウイーク(GW)に突入し宮古空港管理事務所(久貝元男所長)では、同空港駐車場の夜間駐車の取り締まりを強化する方針だ。同駐車場では宮古を離れる利用客が一泊、二泊と駐車するケースが常態化し、張り紙などで注意を促しているが抜本対策は見いだせていない。四月は一日平均百八十三台、最多で三百四台が夜間に駐車。四百三台収容の駐車場は毎日、半分から七割が埋まっている格好で、同事務所は「利用客の増えるGW中は、レッカー移動など強硬手段も辞さない」とし、利用客のモラル向上を促している。
 宮古空港の駐車場は無料。利用時間は午前七時−午後九時。看板で「二時間以上の利用はご遠慮ください」と呼び掛け、午後九時から翌朝にまたがる夜間駐車を禁じている。県から管理委託を受ける同事務所の久貝所長は、「家族や友人に送迎してもらったり、タクシーを利用してほしい」と呼び掛ける。県空港課も同事務所に対し、四月二十七日付で取り締まり強化を求めている。
 しかしながら現状では、単身赴任者が空港に車を置いたまま沖縄本島などへ帰省したり、旅行客による夜間駐車が後を絶たない。中には夜間駐車する営業車両も。乗り捨てされ回収されないままのレンタカーもあり、同事務所では一向に減らない夜間駐車車両に頭を抱えている。
 時にはこのような車両が原因の満車状態により、送迎などの利用客が駐車できないなどの苦情も多い。久貝所長は「一部のマナーの悪い利用者のために、一般客が迷惑を被っている。駐車場はすべての利用者のもので、レッカー移動を含めた強硬手段などの対策も講じたい」と強調した。
 また以前から求める声の多い有料化については、「県の条例制定が必要となるため、県への要請を続けている」と説明。▽一般客の利便性の向上▽財産収入の増加▽タクシー利用の増加▽駐車場の業務委託による雇用機会の創出−などの利点を挙げ、有料化が夜間駐車の抜本的な解決策との見方を示した。
 レンタカーに関しては現状を把握するため、四月二十五日付で各事業所に台数やナンバーを報告するよう文書で依頼している段階だという。久貝所長は「乗り捨て車両が翌日まで置かれて、次の客に引き渡されるといった、営業所代わりのような利用は困る」と話す。一方で、同駐車場の利用について、レンタカーの専用スペースなどを含め協議していく考えも示している。

 写真説明・夜間駐車車両には張り紙での呼び掛けも行っているが、いたちごっこの状態が続いている=1日、宮古空港

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小さな箱、地域との架け橋に/手作り小物など販売
チャレンジショップわかば/レンタルボックス、市民に提供

 精神障がい者小規模作業所若葉(橋本よし子所長)が一日、「チャレンジショップわかば」を同所内(旧宮古広域圏事務組合)でオープンした。同日、オープニングセレモニーが行われ、利用者をはじめ福祉関係者、地域住民など多数が出席しショップのオープンを祝った。

 チャレンジショップは、カラーボックスほどの大きさの棚を一人分の出展スペースとして設け、その中に商品を陳列し販売するもの。同所玄関隣に設置した三十三個のボックスはすべて契約で埋まり、小物やビーズ、雑貨などの手作りの作品や商品が所狭しと展示、販売されている。管理・運営は作業所の利用者が行い、ボックスのレンタル料は作業所の収入に、商品の売り上げはボックス出店者の収入となる。
 橋本所長は「今年四月から施行された(障害者)自立支援法にまい進しているところだが、精神の分野では(この支援法は)大きな変化である。皆さんの作品がボックス内いっぱいに展示されている様子に、利用者と一緒に喜んでいる。今後とも、交流の場として皆さんとの接点を設け集まってくれることを願っている」とあいさつ。
 来賓として出席した市福祉保健部の池村直記部長は「地域との接点を求め、自らが率先して行動する若葉に敬服している。市としてもいろいろな形でサポートし、小さな箱が地域との懸け橋となることを願っている」と期待を寄せた。
 利用者を代表してあいさつした盛島昭人さんは「皆さんのおかげでボックスが完成し、私たちも『やればできる』と実感した。これからもみんなで助け合い協力して自立していきたい」と感謝し、決意を述べた。その後、橋本所長らによるテープカットや利用者らによる踊り、関係者が持ち寄った一品料理などが振る舞われ、チャレンジショップの発展を祈念した。
 ショップの問い合わせは作業所若葉(電話72・8403)まで。水、土、日曜日は休み。

 チャレンジショップ 新たに商品を開発して販売を行おうとしている人や、新たに商売を始めようとしている人のために、レンタルボックスを廉価で提供。チャレンジする人の夢とやる気を応援するショップのこと。
利用者と地域との交流および、利用者の自立支援に期待されている。

 写真説明 上・橋本所長(左)や池村部長(中央)ら関係者によるテープカットが行われ、「チャレンジショップわかば」のオープンを祝った=1日、精神障がい者小規模作業所若葉
 写真説明 下・設置した33個のボックスはすべて契約で埋まった関係者集いオープン祝う

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プール開きに歓声佐良浜スポーツセンター

 伊良部字佐良浜にある佐良浜スポーツセンターのプール開きが一日、同センターで行われ、佐良浜小学校の児童約九十人が同プールの初泳ぎで歓声を上げた。同センターは児童週間期間中の今月七日まで、子供たちにプールを無料開放する。
 プール開きは午前十時から行われた。宮古島市教育委員会伊良部分室の久高義次室長は「皆さんお待ちかねのプール開きです。プールを使うときの決まりをしっかりと守りながら楽しんでください」と子供たちに呼び掛けた。佐良浜小学校の小川進校長は「目標を立てて頑張ってほしい。水泳で健康な体をつくってください」と話した。
 準備体操を済ませた子供たちは、合図とともにプールに飛び込んで水しぶきを上げた。得意な泳法で気持ちよさそうに泳いだり、水中に潜ったりしながら楽しんだ。下地茜さん(四年)は「プールが大好き。毎日でも泳ぎたい」と飛び切りの笑顔で話していた。

 
写真説明・
プール開きで大はしゃぎの子供たち=1日、佐良浜スポーツセンター

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地産地消で消費拡大をゴーヤーの日(5月8日)に島内産PRへ

 五月八日は「ゴーヤーの日」−。宮古地区「ゴーヤーの日」実行委員会(委員長・下地隆弘JAおきなわ宮古地区事業本部長)は、島内産ゴーヤーをPRするため、「ゴーヤーの日」の八日、JAの農産物即売所・あたらす市や宮古空港到着ロビーでキャンペーンを展開する。
 キャンペーンは「宮古島のヘルシー野菜ゴーヤーでパワーアップ」をテーマに、島内産ゴーヤーの良さを地元でPRするとともに地産地消による消費拡大を図り、全国にも発信することを目的に行われる。
 ムードを盛り上げるため、あたらす市では五日からゴーヤーの販売、ゴーヤージュースのボトル販売、ゴーヤーチップスの試食、先着十人までにゴーヤー一袋(三本入り)の無料進呈を七日まで行う。当日はゴーヤー一袋を通常の約半値、五十八(ゴーヤー)円で販売するほか、来場した子供を対象に「ゴーヤー争奪ちびっ子ダーツゲーム」も行う予定。宮古空港では東京直行便の到着時間(午前十時二十分)に合わせて、東京から来島する観光客にゴーヤージュースの試飲、ゴーヤーチップスの無料配布を行い、PRする。
 JAおきなわによると、〇五年度の宮古におけるゴーヤーの生産量(JA扱い)は三百五十四d、金額で一億五千六百万円となっており、島内野菜では最も販売金額が大きい。

  写真説明・「ゴーヤーの日」のキャンペーンをPRする下地委員長(左から2人目)=1日、JAおきなわ宮古地区事業本部

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池間6段が3位平良6段は4位
朝日アマ囲碁名人戦県大会

 昨年までの朝日アマ囲碁十傑戦から名称を変えた第一回朝日アマ囲碁名人戦の県大会が四月三十日、那覇市の伊波棋友会で開かれた。宮古からは昨年の十傑戦県大会を制した招待選手の池間博美6段と宮古地区大会を勝ち抜いた平良博彦6段の二人が出場し、各地区代表と熱戦を繰り広げた結果、池間6段が三位、平良6段が四位の上位入賞を果たした。第一回大会は伊波行庸7段(那覇市)が優勝した。
 池間6段は準決勝で、優勝者の伊波7段と対戦。白番の池間6段は終盤までやや優勢のまま打ち進めたが、ヨセを打ち損ね二目半の僅差で敗れた。三、四位決定戦は同じく準決勝で西原清三6段(浦添市)に敗れた平良6段と池間6段の宮古勢同士の対戦。結果、池間6段が平良6段を破り、それぞれ三位、四位が決定した。

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