200平成18  29 土曜日

経済効果は3億4700万円/ 今年のトライ大会
交流、人材育成にも波及/おきぎん経済研究所が試算

 【那覇支局】おきぎん経済研究所(北原秋一社長)は二十八日、今月二十三日に開催された「第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会」における経済効果(試算)を発表した。それによると、直接、間接合わせた経済効果は約三億四千七百万円で、前回大会に比べて一・〇二倍となった。産業別では、ホテル等のサービス業、製造業、金融・保険・不動産等を中心に波及している。  

 第二十二回大会の最終エントリー数は、千三百四十六人で内訳は、県外が八二・三%、県内が八・七%、地元宮古が五・四%、海外が三・四%で、今回の試算は二十一日の開会式から二十三日の大会本番、二十四日の表彰式・閉会式までの大会にかかわる短期的な経済効果を県産業関連表等を用いて試算した。
 実行委員会等へのヒアリング調査によると、大会参加者は選手、マスコミ関係者およびボランティアを合わせると約六千四百人と推定。内訳は参加選手が千三百四十人、マスコミ関係が二百八十人、ボランティアが四千八百人となっている。
 データと関連情報を踏まえ、圏域経済に与えた影響は、直接効果(実行委員会の設営、広告、宣伝などの事業費と宿泊、土産費用などの合計額)が約二億一千万円。間接一次効果(直接効果のそれぞれの産業を通じて波及される他産業への影響)は約八千万円が誘発された。
 これら、直接・間接一次効果により雇用者所得から消費活動を通じて波及する間接二次効果については、約五千七百万円となり、全体では約三億四千七百万円の経済効果となっている。
 生産波及額全体によって生み出された所得等を示す付加価値誘発額(県内総生産ベース)は、総額で約二億円となり、これは宮古島市の純生産額(二〇〇三年度)約一千億円の約〇・二%に相当し、雇用効果については二〇〇〇年県産業関連表雇用表を用いると、約三十二人の雇用者が新たに誘発されたことになる。
 そのほかの効果として同研究所では、地元住民と参加選手との交流、地元住民同士の地域活性化等へのさらなる意識向上と人材育成等の意義が大きいことや選手、地元住民との触れ合いは平和にも貢献し、マスコミ等を通じてユイマールの精神が大きく他地域へ広がることになり、独自の地域振興の在り方にも大きな一石を投じていると説明している。  (垣花尚)

 写真説明・4月23日に行われた第22回全日本トライアスロン宮古島大会


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市に球場の改善要望/ ブルペン拡張など7項目
オリックス球団

 宮古島市民球場で春季キャンプを行っているプロ野球パ・リーグ、オリックス・バファローズの横田昭作・球団本部長補佐と金田義倫・球団本部管理グループ部長は二十八日、宮古島市役所で伊志嶺亮市長と面談し、市民球場施設の改善要望を行った。これに対し伊志嶺市長は「財政的に厳しいが、キャンプは大事だ。オリックスが来やすいような環境をつくるため、しっかりと取り組んでいきたい」と答えた。以前からオリックスが要望していた項目のうち、室内練習場の人工芝化については今年度予算に改修費用が計上されており、十一月ごろまでには改修する予定だ。
 面談には宮古島オリックス協力会の中尾英筰会長、平良勝之事務局長も同席。市の取り組みを求めた。横田補佐は人工芝への改修決定に感謝した上で▽ウエートトレーニング場の新設▽ブルペンの拡張▽内野部分の雨用シート購入▽ロッカー用のプレハブ設置▽走塁練習用大型ネット購入▽移動路のラバーマット敷設▽球場整備用ローラーの購入−を要望した。横田補佐は「かねてから要望してきたが、なかなか実現しなかった。合併して宮古島市になったということで、改めて要望しようということになった」と説明し、「期間があると思っていても(二月のキャンプは)あっという間に来てしまう。早めに取り組んでもらいたい」と要望した。

 写真説明・伊志嶺市長(左)に施設改善を要望する横田補佐(中央)と金田部長(右)=28日、宮古島市役所

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宮古から砂川さんら受賞/県さとうきび競作会表彰式

 【那覇支局】県糖業振興協会(諸見武三理事長)主催の第三十回県さとうきび競作会表彰式が二十八日、那覇市の自治会館で開かれた。宮古関係では砂川昌幸さん(宮古島市下地)が県糖業振興協会理事長賞(奨励農家)を、松原シゲさん(同市城辺)が県農林水産部長賞(多量生産の部)を、友利俊子さん(同市城辺)と洲鎌三郎さん(同市下地)が県糖業振興協会理事長賞(特別表彰の部)をそれぞれ受賞した。
 砂川さんは、二〇〇五−〇六年期のさとうきび競作会夏植えの部に、宮古地区代表として出品し、甘蔗糖重量は一〇eあたり千八百七十九`、蔗茎重量は同一万四千三百四十`を上げた。
 松原さんは生産量十九万四千六百二十五`、甘蔗糖度十五度だった。
 県一位(農林水産大臣賞)は八重瀬町の神谷福方さん(夏植えの部)で、甘蔗糖重量は一〇eあたり二千九百九十八`、蔗茎重量は同一万九千三百四十`だった。
 特別表彰受賞者は、長年地域の模範として高反収、高品質のキビ作りに尽くしてきた功績が認められた。
 表彰式では稲嶺恵一知事(代読・嘉数昇明副知事)らがあいさつし、受賞者の成績をたたえるとともに、今後、地域のリーダーとして活躍するよう激励した。
 ▽特別表彰賞受賞者の主な受賞理由
 友利俊子さん 農業の基本である土作りを徹底し、安定生産と品質向上に努め、地域の模範となっている。七十七歳。栽培歴四十六年。
 洲鎌三郎さん 畜産と複合経営の中、毎年百d以上を生産し、甘蔗糖度も十五度以上と高品質なサトウキビ作りを実践している。七十二歳。栽培歴四十八年。
 (川満勇人)

 写真説明・左から洲鎌三郎さん、友利俊子さんの夫・盛義さん、砂川昌幸さん、松原シゲさんの息子・広幸さん=28日、自治会館

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各分野で活躍春の叙勲
宮古地区・出身3人が受章

 政府は29日付で、2006年春の叙勲の受章者を発表した。宮古地区からの受章者は3人で、元那覇税務署長の藤原吉夫さん(70)=宜野湾市(城辺字福里出身)=が瑞宝章小綬章(税務行政事務功労)を受章。元公立小学校長の平良恵和さん(75)=平良字東仲宗根=と元公立小学校長の松原清吉さん(75)=平良字下里=の2人が瑞宝章双光章(教育功労)を受章した。沖縄県からは桐花大綬章・旭日章が13人、瑞宝章が23人で、合計36人の受章となっている。叙勲は、国家または公共のために功労のあった人を対象に発令している。毎年、春と秋に実施される。

 税務行政に、長年の尽力
 瑞宝章小綬章(税務行政事務功労)
 
藤原 吉夫さん(城辺出身)
 【那覇支局】「叙勲受章の連絡を頂いた時には、大変びっくりした。本当に光栄に思っている。これも家族や職員など、皆さんの協力があったお陰」と、周囲の支えに対して深く感謝する藤原吉夫さん。税務行政事務功労で、二〇〇六年春の叙勲瑞宝章小綬章を受章した。
 「税務の仕事は、全職員がその仕事の重要性を十分に認識して、それぞれの立場で職責を忠実に遂行すること。それと同時に納税者の方々の税務行政に対するご理解とご協力、こういうことに支えられて初めて円滑に運営できる」と、当時、税務行政に尽力した日々を熱く語る。
 現在でも、税務に関する地域の良きアドバイザーとして活躍している。「これまで経験し、学んだ税務の知識を生かして今後も、税務に関する立場から地域のために役立てるように頑張っていきたい」と抱負を語る。
 藤原 吉夫(ふじわら・よしお)1935(昭和10)年12月16日生まれ。城辺字福里出身。城辺小、城辺中、宮古高校から琉球大学に進学。58年、大学卒業と同時に琉球政府酒税局入り。その後、総務局人事課、税制室、沖縄国税事務所、北那覇税務署長、沖縄税務署長、那覇税務署長などを歴任した。退職後は税理士事務所を開き、地域住民のために税務相談などを受け、現在に至る。妻・洋子さんとの間に2男、1女。

 写真説明・「光栄です」と受章を喜ぶ藤原さん=27日、宜野湾市の自宅


 大・小規模校の対応に力 瑞宝章双光章(教育功労)
 
平良 恵和さん(平良字東仲)

 「今回の受章は、在職中の職責が評価され認められたことだとうれしくありがたく思う」と受章の喜びをかみしめる。
 小規模校ではへき地教育に力を注ぎ、大神小中学校では復帰後初の県へき地教育研究大会会場校として研究発表も行った。約二千百人が在籍する宮古最大のマンモス校、平良第一小学校へも赴任。あふれかえる児童たちの教育に職員一丸となって取り組んだ。宮古教育事務所長時代には学校の適正規模を図るため平良第一小学校から南小学校が、北小学校から東小学校が分離。「痛感していた大規模校の悩み解消が実現できたことが、最も印象深く思い出される」と振り返る。両校の職員人事にかかわったことも思い出の一つだ。
 現在の教育現場は少子化により学級数が減少している。「当時は大規模校の適正化を目指したが、今は逆に少子化の傾向にある。それに向けた学力対策を講じる必要がある」。四十年にわたる教職を終えた今でも、子供たちを思う気持ちは熱い。
 平良 恵和(たいら・けいわ)1930(昭和5)年6月10日生まれ。平良字西里出身。北中学校を皮切りに中城中、西辺中、平良中の数学教師として教べんを執る。教育事務所指導主事として7年勤めた後、来間小中学校長、平良第一小学校長、宮古教育事務所長、北小学校長を歴任し91年に定年退職。

 写真説明・受章について「在職中の職責が評価されうれしく思う」と話す平良さん=27日、平良字東仲宗根の自宅


 37年間、教育の場で奮闘 瑞宝章双光章(教育功労)
 
松原 清吉さん(平良字下里)
 
「教育に携わった三十七年の中で、時には生徒指導や進路指導のことで悩むこともあり、教科指導の面でも理想の教師像とはほど遠い形で定年を迎えた」と、教え子たちの教育に情熱を傾けた現役時代を振り返る。
 高校三校、中学校三校、小学校一校の計七校で教べんを執り、十五年の月日を教育行政に費やした。子供たちの成長を多面的に後押しし、「長く広い視野で教育を考える機会に恵まれたことは、私にとって良い経験だった」と自身を見詰める。
 今回の受章については「身に余る光栄。優れた先輩教師の薫陶や同僚教師の協力、そして家内の励ましがあったればこそと心から感謝している」と周囲の支えに謝意を表す。
 現在は、宮古毎日新聞社の編集局顧問として、文化・スポーツ行事に参加する小中高校生と接する日々。「それらの出会いを通して、青少年の健全育成に少しでも役立てば」と、子供たちの成長を温かく見守る。
 松原 清吉(まつばら・せいきち)1931(昭和6)年2月12日生まれ。平良字松原出身。琉球大学卒。54年の知念高校を皮切りに宮古農林高校、宮古水産高校の教壇に立ち、61年から8年間、宮古連合区教育委員会指導主事を務める。西城中教頭、平良第一小学校長などを経て91年に定年退職。現在、宮古毎日新聞社編集局顧問。
 
 写真説明・「周囲の支えのおかげ」と受章を喜ぶ松原さん=27日、宮古毎日新聞社
 
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生涯学習に意欲満々講師に天久さんら8人
ひらら大学が開講式

 二○○六年度ひらら大学講師委嘱状交付式および開講式が二十八日、宮古島市老人福祉センターで行われた。同市の伊志嶺亮市長に代わって下地学助役が、講師を務める天久宏さんら八人に委嘱状を交付した。開講式に臨んだ大勢の受講生らは生涯学習に意欲を示していた。今年度の受講生は五百二人を予定。
 同大学は、地域の高齢者が仲間づくりの輪を広げながら学習することにより、充実した生活を創造し地域社会の活性化を図るのが目的。受講生らは書道や大正琴、三味線、舞踊などを学ぶ。来年三月に修了式が行われる。
 開講式で、伊志嶺市長(代読・下地助役)は「ひらら大学の受講を契機に、健康で生きがいのある楽しい生活が送られますよう願うとともに、高齢社会であっても光り輝く『光齢社会』をつくりましょう。そして、すべての市民の皆さんが『心身とも健康な百歳への挑戦』をしましょう」と激励した。
 各担当講師は次の通り。(敬称略)
 【書道】天久宏(宮古島市老人福祉センター)【大正琴】砂川寿美(西原分校、同センター)【三味線】与那覇寛仁(同センター)【舞踊】外間トヨ(同センター)▽長田千枝美(西原分校)▽根間幸子(久松分校、狩俣分校)▽与那覇勝子(池間分校)▽與那城美和(宮古南静園分校)

  写真説明・下地助役(右)が講師一人ひとりに委嘱状を交付した=28日、宮古島市老人福祉センター

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   市議会に支援要請/ 県発注工事談合業者の減免措置
商工会議所

 宮古島商工会議所の中尾英筰会頭は二十八日午前、宮古島市議会に友利恵一議長を訪ね、県発注公共工事の談合で公正取引委員会から排除処分を受けた建設業者に、県が損害賠償を請求することについて、減免や分割納付が可能となるよう県への働き掛けを要請した。友利議長は「法律を守ること、法律を犯した者がペナルティーを受けることは当然のこと」と前置きした上で、「要請の趣旨は理解できる。議員の皆さんとしっかりと相談していきたい」と理解を示した。
 中尾会頭は要請の中で、「県内建設業者に対する公正取引委員会の処分が下されたことは誠に遺憾であり、業界に対して深く反省を求めているところ」としながらも、「本県の建設業は県内総生産の一五・四%、就業者の割合も一二・八%といずれも全国値を上回り、地域経済および雇用を支える重要な産業。建設業のすそ野が広いことから、今回の処分による影響は宮古島市にとっても看過できない重大な問題」として、▽損害賠償の可能な限りの減免▽最長十年の分割納付方式−を県に働き掛けるよう求めた。
 
 写真説明・県への働き掛けを求める中尾会頭(左)=28日、宮古島市議会


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