200平成18  27 木曜日

春植え、株出し推進/増産向け中・長期計画設定
宮古島きびプロジェクト会議

 宮古島さとうきび増産プロジェクト会議は二十六日までに、伊良部、多良間を除く宮古本島内の五年後、十年後の中・長期的な生産計画の素案をまとめた。春植え、株出しを推進し、五年後に当たる二〇一〇年度には二十二万三千八百十二d、十年後の一五年度には二十三万八千八百九十九dを生産する方向で各種取り組みを強化する。特に株出しの収穫面積、生産量の大幅増を見込む。計画通りに進めば伊良部、多良間を含めた宮古地区の全体生産量は三十万d台に達する見通しだ。この計画は今後、プロジェクト会議作業部会で詰める。

 生産計画は国の方針に従い島ごとに設定されるもので、宮古本島ほか伊良部島、多良間島でも設定される。計画を策定するのは島ごとに設置されるプロジェクト会議。同会議の構成メンバーが連携を密にして生産計画を具体化させていく。
 宮古本島の生産計画素案では春植え、株出しを積極的に推進する内容となっている。特に〇六年度は百一f(見込み)の株出し収穫面積を一〇年度には四百fに、一五年度には九百fと大幅に拡大する方針だ。夏植え一辺倒の宮古本島内の作型を少しずつ変え、安定的なキビ生産を目指す。
 そのほか計画の素案では▽経営基盤▽生産基盤▽生産技術−に関する課題解決に取り組むことも明記。経営基盤強化に向けた取り組みでは@認定農業者と生産法人の育成A受託組織の育成B反収向上による生産コストの低減−を図る。五年後の計画には、認定農業者百十一人、生産法人十六法人、受託組織は五組織に設定した。生産農家のサトウキビ共済への加入も求めていく。生産基盤では防風・防潮林の強化を柱にし、植林作業を推進する。農家の高齢化に伴うハーベスターの導入も積極的に推進する方針だ。技術面では各種病害虫対策を強化するとともに▽台風、干ばつに抵抗性のある品種の導入による品種構成の適正化▽健全無病苗の活用による生産性の向上▽側枝苗を活用した安定生産技術の開発、普及−を図っていく。
 サトウキビ生産は〇七年産から新価格制度が適用されることもあり、大きな変革が求められているのが実情。プロジェクト会議ではこうした現状を踏まえて協議を繰り返し、足腰の強い生産地と増産に向けた各種取り組みを強化する方針だ。
 (山下誠)
top.gif (811 バイト)

 

土づくりの大切さPR/緑肥活用へヒマワリの種まき
「さとうきびの日」開催セレモニー

 四月の第四日曜日は「さとうきびの日」−。宮古地区農業振興会と宮古地区さとうきび糖業振興会は二十六日、「さとうきびの日」開催セレモニーの一環で緑肥種まき作業を上野地区で実施した。糖業の関係者約五十人が参加してヒマワリの種をまき、増産に向けた土づくりをアピールした。
 「さとうきびの日」は県糖業振興条例により毎年四月の第四日曜日に定められている。「サトウキビの重要性について認識と理解を深める」ことが狙いで、毎年県内各地で開催セレモニーが行われている。
 宮古地区のセレモニーは午前十時三十分から行われ、宮古地区農業振興会の伊志嶺亮会長(宮古島市長)が「サトウキビは宮古の宝、を合言葉に各種活動に取り組んでほしい」と呼び掛けた。
 生産者を代表して宮古地区ハーベスター運営協議会の辺土名豊一さんがスローガンを宣言。@生産目標二十八万八千dの達成A緑肥作物による土づくりで反収アップB肥培管理の徹底による品質向上C緩効性肥料の利用促進D防災営農によるキビ振興−を訴えた。
 この後、関係者全員でヒマワリの種をまき土づくりをアピールした。ヒマワリは約三カ月後に満開となり、咲き終えた後は土中にすき込まれ、緑肥として活用される。

 写真説明・ヒマワリの種をまき土づくりの大切さをアピールした=26日、上野字豊原

top.gif (811 バイト)
 

「魅力的な観光地」/東平安名崎など視察
王毅中国大使

 宮古島の観光地視察目的で来島している中国の王毅駐日本国特命全権大使は二十六日午後、報道陣のインタビューに応じた。島内観光について王大使は「大変美しく魅力的な観光地。私にとって良い体験になった」などと絶賛。その上で「観光で大いに協力できる」と述べた。
 王大使は二十五日に来島し、島内の観光地を視察。東平安名崎や池間島などを回り観光地としての可能性を探った。
 宮古空港で報道陣のインタビューに応じた王大使は「沖縄県は観光を大事にしている。中国も外に旅行に行く時代に入った」と述べ、中国からの観光客が増加する可能性を強調。宮古島観光については「地元の人が温かく、有力な観光地になる大きな可能性がある。魅力的で観光に有利な条件がある」などとした。
 印象に残ったことは市内のホテルで宮古そばを食べたことや、下地字与那覇内のビーチが「素晴らしかった。砂が細かくてきれい。世界のどこにも劣らないビーチ」と絶賛していた。
 王大使は二十六日午後の便で宮古を離れた。

 写真説明・宮古島の観光地を絶賛した中国の王毅大使=26日、宮古空港

top.gif (811 バイト)

殺菌装置を導入/モズクの洗浄海水
「食の安全」へ万全
平良市漁協

 平良市漁業協同組合(上原正行組合長)はこのほど、モズク洗浄用の海水を殺菌する「紫外線殺菌装置」と「砂ろ過装置」を導入した。海水に含まれる大腸菌などの殺菌を行い、より高い食の安全を図る。県水産業拠点強化特別対策事業として国や県、市の補助を得て約二千五百万円で導入したもので、今月十三日から稼働している。上原組合長は「装置の導入により、安全で安心できるモズクの生産ができる」と期待を寄せた。

 これまで平良市漁協では、独自で造ったろ過装置で海水をろ過し、モズクの洗浄に使用。不純物の除去はできたが、海水の殺菌効果はなかった。上原組合長は「これまで異常はなかったが食の安全を求める傾向があり、本土の取り引きメーカーからも要望があった。より食の安全と信頼性を高めることが大事。大きなPRにもなる」と話す。
 今回導入した砂ろ過装置は、湾内からポンプでくみ上げた海水の不純物を、砂を使ってろ過するもので、ろ過した海水は紫外線殺菌装置でほぼ無菌状態になるまで殺菌される。モズク洗浄のほかにもモズクの種となる種苗の生産・保全用にも活用できるという。紫外線殺菌装置はすでに県内でモズク生産を行っているほとんどの漁協で導入されている。
 モズクは宮古地区の三漁協では平良市漁協のみが生産しており、一月から六月にかけてピークを迎える。狩俣、西原、島尻、久松、下地、来間の漁場で採れたモズクが一日約十d運ばれるという。洗浄し塩漬けしたモズクは二次加工用に県外へ出荷される。

 写真説明 上・殺菌した海水のシャワー洗浄機=26日、平良市漁業協同組合共同加工場
 写真説明 下・モズク洗浄用の海水を殺菌する「紫外線殺菌装置」と上原組合長
 
top.gif (811 バイト)

解散記念しデイゴ植樹平良市文化協会
29日には新組織が発足

 合併により二〇〇五年度で解散した平良市文化協会(立津精一会長)は二十六日、解散記念植樹として袖山にある宮古島市浄水場敷地内に宮古島市市花木のデイゴ十五本を植樹した。植え付けたのは解散総会で功労者表彰を受けた十五人で、それぞれのデイゴに名前の入ったプレートを打ち付けた。二十九日には「宮古島市文化協会(仮称)」の発足総会が開かれ、新しい文化協会が誕生する。
 記念植樹で立津会長は「自然の美しい島を守り育てたい。助け合い、育て合う街がテーマ。宮古島の発展につなげていきたい」と話した。
 植樹は仲間開発の協力を得て行い、デイゴの根本にはインパチェンスも植え付けた。参加した平良市文化協会の会員らはスコップやシャベルを手に、穴を掘ったり花の苗を植え付けるなど作業に精を出した。
 新しく発足する宮古島市文化協会(仮称)は、旧市町村から選出されたメンバーで構成する予定。

  写真説明・解散を記念し宮古島市の市花木デイゴを植樹する平良市文化協会の会員ら=26日、宮古島市浄水場

top.gif (811 バイト)

   トライ事務局解散大きな事故なく「お疲れさま」

 二十三日に開催された第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会を終え、二十六日、大会を運営した実行委員会事務局の引っ越し作業が行われた。スタッフたちは宮古島市総合体育館二階に設置した事務所から、パソコンや机、各資料などを搬出。二階と一階を何度も往復しながらダンボールに詰め込んだ荷物を運び出した。
 総務や庶務などを担当した宮国作恵さんは「今年はトラブルもあったが、大きな事故もなく無事に終わることができた」と安堵の表情。「引っ越しの片付けが落ち着いてから、やっと私たちのトライアスロンが終了します」と最後の片付け作業に精を出していた。
 財政や車両整備を担当した上地俊暢さんは大会十二回目のベテラン。「疲れました」と苦笑いしながらも「地元の皆さんには交通規制に協力していただいた。ありがとうございます」と感謝した。
 五月には各部の反省会を行う予定で、七月には第二十三回大会のテーマの応募が始まるという。担当する事務局スタッフたちが息つく間もなく、来年のトライアスロン大会は始まる。
 
 写真説明・ダンボールに詰めた各資料などを運び出すスタッフたち=26日、宮古島市総合体育館 

top.gif (811 バイト)