200平成18  24 月曜日

第22回全日本トライアスロン宮古島大会
パクが初優勝/前回の雪辱果たし栄冠
     女子は塩野が新女王に

 「ともに競い ともに讃え みんな輝け宮古島」をテーマに、第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古島市など)が二十三日、池間島、来間島を含む宮古全域で総距離200・195`の過酷なレースが行われ、パク・ビョンフン(34)=韓国=が7時間54分26秒のタイムで優勝した。外国勢の優勝は二年ぶり十一回目。韓国勢の優勝は初めて。日本勢二連覇の懸かった松丸真幸(31)=茨城県=は最終種目のランで逆転された。女子は塩野絵美(26)=東京都=が8時間56分46秒のタイムで優勝した。最終出場者千三百四十六人に対し千百五人が完走を果たし、完走率は81・10%だった。悪天候でスイム実施が危ぶまれたが、予定通り実施された。市町村合併で昨年十月に誕生した宮古島市が主催となって初めての大会だった。

 今大会には海外十一カ国・地域と全四十七都道府県から千三百六十一人がエントリー。最終的には千三百四十六人(海外・四十七人、県外・千百八人、県内・百十八人、宮古・七十三人)が出場した。スイム3`、バイク155`、ラン42・195`の総距離200・195`で、限界に挑む選手たちに島中が興奮に包まれ、住民ボランティアと共にトライアスロン一色となった。
 宮古島地方は前夜から強い風が吹き、夜明け前には雷を伴った強い雨が降り、スイム実施が危ぶまれたが、スタート前にやや回復、予定通り競技が実施された。競技開始前、強く降る雨に選手たちはホテルのロビーや軒下でヤキモキしながら競技実施の決定を待っていた。午前六時四十五分から始まった競技実施検討委員会でスイム実施を決定。この知らせが場内放送を通じて伝えられると選手たちから歓声が上がった。
 レースコンディションはスタート前こそ雨だったが徐々に上がった。午前六時三十分の気温は二三・五度、波高は〇・四bだった。日中は気温が二五・七度までしか上がらなかったが、雨模様から一転して好天となるコンディションだったため、選手を苦しめた。
 レースはスイムで、アテネ五輪日本代表の田山寛豪(24)=兵庫県=が引っ張り、スイムの大会記録を持つ疋田浩気(33)=静岡県=が後を追うが及ばず、そのまま田山が約1分の差をつけてトップで上がった。
 バイクに入りスイムで14位、トップと六分遅れだった松丸が城辺字友利のティダファームたらま付近(85`地点)でトップに立つと、好調に飛ばし、後続に徐々に差をつけた。結局は2位に約10分差でバイクを終えた。
 ランではバイクを4位で終えたパクが猛烈に追い上げ、城辺保良を折り返した25`付近、松丸をかわし、そのままゴールに飛び込んだ。
 女子はスイムを久保田早紀(24)=兵庫県=と井上由佳子(32)=東京都=が競り合うように上がった。バイクに入ると塩野絵美(26)=東京都がトップに立った。ランでも塩野がトップの座を譲らずそのままゴールした。県勢の千葉ちはる(34)=那覇市=はバイクを終えて2位に付けたが、ラン途中でリタイアした。
 今年も四千八百人の住民ボランティアが大会を支えた。日が暮れかかるとゴール地点の宮古島市陸上競技場では、家族や友人など大勢に囲まれてゴールする選手が続き、感動の渦に包まれた。
(恩川順治)

 写真説明 上・前回の雪辱を果たし初優勝したパク・ビョンフン=23日、宮古島市陸上競技場
 写真説明 下・両手を高々と挙げ初優勝のゴールに飛び込む塩野絵美=23日、宮古島市陸上競技場

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エネルギーの源に/弁当店、一日フル稼働
6800食を気持ち込め

 選手や大会を支えたボランティア。それを支えた裏方は−。大会当日、島内にある弁当店十三業者はフル稼働し、各エイドステーションにいるボランティアや警察官、協力関係者などの弁当六千八百食を作った。スタッフ一人ひとりが気持ちを込めて手作りした弁当は、午前と午後、夜に分かれて各ボランティアの手元へ。長いレースを支えるボランティアのエネルギー源となった。

 このうち、平良字下里にある若松食品(高橋一雄代表)では、早朝四時からスタッフ六人で弁当作り。通常、一日に百五十食ほどの注文を受けるが、この日は五百八十食の弁当を作り、食糧本部が設置された宮古島市中央公民館に配送した。
 高橋代表は「第一回大会から継続してボランティアの弁当を作っている。ボランティアの体力や気力が大会を成功させる必要事項なので、衛生管理に気を付けて取り組んでいる」と話す。具材作りに三時間、折り箱に詰める作業に二時間の計五時間かけ、午前に三百食、午後に二百八十食の弁当を準備。弁当の中身はトライアスロン実行委員会から指定を受けた食材を使って作ったという。高橋代表は「島を挙げての大きなイベントに協力できることはとても光栄です。『縁の下の力持ち』を支える存在として次の大会も協力したい」と述べた。
 一方、平良字下里にあるフードセンターかりゆし(下地トヨ代表)では、朝七時からスタッフ七人で弁当五百八十食を作った。下地代表は「ボランティアから『おいしかった』と喜んでいただけるのでこちらもうれしくなる。スタッフ一同、この日を楽しみにして、愛情込めて弁当をたくさん作りました」と笑顔を見せた。

 写真説明・早朝からボランティアのために弁当作り。実行委員会から指定された食材を使っておいしい弁当を作った=23日、平良字下里にある若松食品


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宮古が大好き/ゼッケンもこだわり385(みやこ)
子供に地名を命名/森岡秀文さん(埼玉)

 「良平とくりまに宮古を紹介した」−。宮古を愛し、生まれた子供に宮古の地名を付ける森岡秀文さん(38)=埼玉県=は十三回目となる完走を果たした。昨年に引き続きゼッケン385(みやこ)を胸に宮古路を駆け抜けた。
 長女のひららちゃん、二女の故・都(みやこ)ちゃんに続き、昨年十一月に双子が誕生。平良から「良平」を男の子に、来間から「くりま」を女の子に名付けた。レースシャツに子供たち四人の名前をプリントし「ここが池間大橋だよ」「東平安名崎だよ」などと紹介しながら走ったという。
 「育児や仕事が忙しくてなかなか練習できなかった。出場もあきらめたがゼッケン385を頂いたからには無理してでも出たかった」と話した。
 埼玉県さいたま市の大宮桜木小学校と宮古島市立北小学校が姉妹校とあって森岡さんと北小の児童と交流を深めていたため、児童らも声援を送った。また、同校のPTA役員が結成した「がじゅまるの会」も応援幕を制作し、森岡さんを激励。児童や同会のメンバーに感謝の気持ちを込め完走のメダルはすべてプレゼントするという。
 いつもなら家族で訪れる宮古。今回は二人が生後四カ月と幼いため、一人で来島。「すごく寂しい」と語り、来年は家族全員で訪れることを約束した。

 写真説明・ゼッケン385を胸に13回目の完走を果たした森岡さんとがじゅまるの会=23日、宮古島市陸上競技場

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長い時間お疲れさま/真心込めてマッサージ
ボランティアの高校生ら

 宮古島市総合体育館では、高校生を中心とする約二百五十人のマッサージボランティアがレースを制した選手を迎え、酷使した体をほぐした。
 ボランティアメンバーらは、来場した選手一人ひとりに「お疲れさまです」のねぎらいの言葉を掛けて拍手で迎え、それぞれの体調に合わせてマッサージ。身体をもみほぐすだけでなく、冷却用のタオルを用意したり選手を誘導したりとてきぱきとした様子で役割をこなし、疲れた体を癒やした。
 全日本トライアスロン宮古島大会に初参加、9位の好成績を残した県勢1位の桑原寛次さんは、「ボランティアの皆さんの真心を感じる。明るく元気な皆さんで、マッサージを受けていてとても楽しい。これからも宮古のトライアスロン大会に出場し、皆さんに再会したい」と笑顔で話した。
 初めてのボランティア体験となった仲間史香さん(宮古高校一年)は「不安もあるが、先輩に教わりながら頑張っている。選手の皆さんに『マッサージを受けて良かった』と心から感じてもらえるように、お疲れさまの気持ちを表したい」と話した。
 前里美奈子さん(同三年)は「選手とのコミュニケーションは勉強になることが多い。ボランティアに参加させてもらえることに感謝している」と、貴重な経験を喜んだ。

 写真説明・選手の疲れた体をマッサージでほぐす=23日、宮古島市総合体育館
 
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宮高、決勝リーグ進出/平安杯バレー

 【那覇支局】平安杯第五十一回全九州バレーボール総合選手権兼第六十一回国体選手選考高校県予選大会第二日は二十三日、男女四回戦まで行い、男子の宮古がベスト4に入り、決勝リーグに進出した。決勝リーグ第一戦で宮古は西原と対戦したが0−2のストレートで敗れ、黒星発進となった。
 男子は宮古、西原、美工、沖工が、女子は中商、小禄、西原、名護が決勝リーグに進出した。
 最終日はきょう二十四日、那覇市民体育館で決勝リーグの残り試合が行われる。
(川満勇人)


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