200平成18  21 金曜日

琉球海運 旅客事業から撤退へ/利用者減など影響
     貨物運送事業に専念

 【那覇支局】宮古−那覇、宮古−石垣間などの旅客定期航路事業を展開している琉球海運(比嘉榮仁社長)が旅客事業から撤退し、貨物運送事業に専念することが二十日までに分かった。同社で唯一の旅客フェリー「わかなつおきなわ」は九月の中旬に最終就航の予定となっている。観光振興を図る宮古圏域にとっては、圏域外への交通アクセスの一つがなくなることになり、入域客への影響も懸念されている。琉球海運の旅客事業撤退で、宮古圏域外への船舶による旅客業務は有村産業のみとなった。

 今回の旅客事業撤退について、同社は「旅客はピーク時で三十五万人だった。しかし、昨年は年間約一万人と大幅に落ち込んでいる。航空会社の格安チケットなどもあり、船の利用者が激減していることやかさむ人件費などもあり、旅客事業からは撤退することとなった」と説明した。
 現在、同社が持っている旅客定期航路は那覇−宮古、博多、鹿児島、石垣と宮古−石垣の五航路で、「わかなつおきなわ」の就航終了とともに五航路での旅客事業も終了する。
 同社の旅客輸送は、海洋博覧会が開催された一九七五年から七六年にかけては、最高の年間三十五万人を記録した。
 しかし、航空業界に客足を奪われ、近年は年間一万人台にまで落ち込み、二〇〇四年は一万人を割った。
 こうした利用客の減少に加えて、復帰特別措置法で沖縄航路の新規参入を規制していた「沖縄航路配船調整規定」が九五年に撤廃となり、本土企業などが参入してきたことも影響したようだ。
 同社によると、〇五年の約一万人の利用客のうち、宮古からの利用者は全体の二二・五%で、年間二千二百人の利用となっていた。
 今後について同社は「今回の措置は、会社として生き残るための手段でもある。時代の流れで旅客は減り、一方で貨物は伸びてきた。増加する貨物のニーズに合わせて船も近代化を図ってきた。これからは物流を的確にそして迅速に沖縄本島、本土に輸送することで先島の人たちにも貢献したい」と述べた。
 同社の旅客事業撤退について宮古島市の宮國泰男経済部長は「これまでの実績を見ると今回の会社の方針は理解できる。今後どのような影響が出るのか推移を見守っていきたい」と述べた。
(垣花尚)

 写真説明・琉球海運が旅客事業撤退となり、同社唯一の旅客フェリー「わかなつおきなわ」(写真)も9月中旬で最後の就航となる

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前回優勝の松丸選手来島/国内招待選手も続々
トライアスロン

 二十三日開催の第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古島市など)の国内招待選手で前回大会優勝者の松丸真幸選手(31)=茨城県=をはじめ、前回四位の河原勇人選手(28)=東京都=、同六位の藤原裕司選手(42)=栃木県=、同女子二位の塩野絵美選手(26)=東京都=らが二十日、続々と来島した。松丸選手は「またここへ来られたことがうれしい。昨年より速いタイムで、連覇を目指したい」と力強く語った。
 二月に沖縄本島で、三月にアメリカ・サンディエゴで合宿した松丸選手は「三種目ともコンスタントに練習できた。練習量には自信がある」と成果を強調。「海外勢の強い選手や河原選手、アテネ五輪代表の田山寛豪選手あたりが強敵だが、普通にやるだけ」と、気負わずに話した。
 今年に入り宮古島で三度の合宿を敢行した河原選手は「昨年に比べ、バイクで良い感触を得ている」と、手応えを感じている様子。昨年まで徐々に順位を上げており、「目標は三位以内と言いたいところだが、走るからには頂点を目指したい」と述べた。
 藤原選手は十四回目出場のベテラン。「強い選手が多く厳しいレースになると思うが、チャンスがあれば優勝を狙いたい」と語った。
 塩野選手も宮古島合宿を行っており、「苦手のスイムを冬からみっちり練習し、バイク、ランとも力を入れた。三種目とも昨年より力は上がっている」。大会当日が誕生日で、「目指すは優勝。一生の思い出に残るレースにしたい」と笑顔を見せた。

 写真説明 上・レースへ向け意気込む(左から)塩野選手、松丸選手、藤原選手=20日、宮古空港
 写真説明 下・宮古入りし笑顔を見せる河原選手=20日、宮古空港


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トライ外国人選手と交流/市内の3校/伝統文化など披露
生徒たち本番向けエール

 二十三日に開催される第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会を前に宮古島市立平良中学校(平良正校長)、福嶺中学校(仲宗根恵司校長)、来間小中学校(宮城正侑校長)の三校は二十日、外国人選手を招待し、国際交流会を開いた。児童生徒たちは、招待選手出身国の言葉を交えて伝統文化の披露やゲームなどで楽しいひとときを満喫。大会本番に向けてエールを送り、選手一人ひとりの完走を願って激励した。

 平良中
 宮古島市立平良中学校(平良正校長)の二、三年生ら約三十人は、第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会に出場する外国人選手ら十人を同校に招き、「トライアスロン外国人選手との交流会」を開いた。生徒らは、春休み期間中から学んできたという韓国語で自己紹介をしたり、選手は宮古島について英語で質問するなどして交流を深め、和気あいあいとした時間を過ごした。
 交流会に参加したのは、韓国人選手十人とその家族ら。前年度二位のパク・ビョンフン選手(34)=韓国=も参加した。
 交流会では、友利翔太君(三年)と宮良正道君(同)による空手演舞や、パク選手の奥さんであるキム・ヒョンヒさんによる韓国の踊りなどが披露され、魅力ある演舞に会場から拍手が起こっていた。その後、グループごとに分かれて交流。生徒らは事前に準備していた質問内容を韓国語や英語で問い掛けたり、韓国の歌「アリラン」を合唱したりして互いの交流を深めていた。招待を受けたパク選手は「皆さんの歓迎を受けて感激している。この気持ちを受け、優勝につなげたい」と感謝し、意気込みを見せた。
 参加した吉濱千華さん(三年)は「春休み期間中ずっと、この日のために独学で韓国語の勉強をしたので、韓国語で自己紹介がちゃんとできるか不安だった。この機会に、韓国に対する知識を深めたい」と笑顔で話した。
 ヨーロッパの一部やモンゴルなどで繁殖し、中央アジアやインドなどで越冬する。日本では繁殖しない旅鳥または冬鳥。
 飛来したヒメコウテンシは、暖かく、餌が豊富なことから当分の間滞在しそうだ。

 写真説明・踊りなどで文化の交流を深めた=20日、平良中学校図書館

 福嶺中
 宮古島市立福嶺中学校(仲宗根恵司校長)では、宮古島市教育委員会所属のALT(外国語指導助手)、ニコラス・ファブリズィオさん(30)=アメリカ出身=とジャスティン・オータニさん(24)=同=、過去に上野小、中学校でALTの経験があり、出身地のイギリスから大会に参加するトーマス・ハーディさん(26)の三選手を迎え、トライアスロン交流会を行った。生徒たちはゲームや三線演奏などで国際交流を深め、大会で良いレースを展開するよう激励した。
 交流会には、三選手のほかに、ハーディさんの家族を含め計五人が招待された。それぞれの出身地の特徴を紹介した後にはゲームの時間が持たれ、選手たちは生徒たちに交じって体育館を走り回ったりバスケットボールのフリースローをしたりと大ハッスル。生徒を代表して二年生の平良奈穂さんは「今日はとても楽しかった。大会では皆さんの完走を願って応援します。頑張ってください」と英語で激励した。

 写真説明・来校に感謝し、生徒らが選手たちに記念品を贈呈した=20日、福嶺中学校体育館

 来間小中
 宮古島市立来間小中学校(宮城正侑校長)にはウィル・ヤマモト選手(31)=アメリカ=、オスカー・ファベラ選手(45)=同=とオスカー選手の息子アンドレス・ファベラさんが訪れ児童生徒たちとゲームなどで楽しいひとときを過ごした。全校生徒十四人が一行を温かく出迎え三線演奏やダンスで歓迎。レース当日へ向けエールを送った。
 宮城校長は「来間小中学校は小さな学校だが、宮古の中でも特に美しい島にある。トライアスロンに出場する選手はヒーロー。当日は島を挙げて応援する。最後まで頑張ってほしい」と激励。選手たちはそれぞれ自己紹介し、島の印象や大会への抱負を話した。
 ゲームタイムではいす取りゲームに似た「カラーバスケット」を行った。選手も子供たちも歓声を上げてゲームを満喫。最初は緊張気味だった子供たちも次第に打ち解け、和気あいあいとにぎやかなひとときを楽しんだ。小学生たちはダンス、中学生たちは得意の三線演奏を披露し選手たちを楽しませた。また三三七拍子や手作りのメダルで大会の無事と健闘を願った。

 写真説明・笑顔で交流を深めた選手と児童生徒たち=20日、来間小中学校体育館

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サルビアの花で「ファイト」トライ応援フラワーボード設置
ふれあいの里

 知的障害者更生施設ふれあいの里(清水聡施設長)は二十日、トライアスロン大会の出場選手を激励するフラワーボードを、ランコースとなる平良地区の下里東通りに設置した。真っ赤なサルビアでかたどった「ファイト」の文字がマリーゴールドの黄色に映え、沿道を彩っている。
 ふれあいの里では、園芸班のメンバー八人がトライアスロン大会に向けて花々を栽培。土作りから始めて一月に種子をまき、大会当日に満開になるよう大切に育ててきたという。フラワーボードは、横六b、縦二・五bのボードに並べられた計千鉢の花で作製。沿道に設置すると、早速信号待ちのドライバーや下校中の子供たちの目を引いていた。
 園芸班で中心的に作業を行った奥平光枝さんは「出来映えに満足している。花の力で選手の皆さんに元気を与えられたらうれしい」と話した。

 写真説明・トライアスロン大会に向けて作ったフラワーボードが沿道を彩っている=20日、下里東通り

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外国人招待選手が市長表敬レースへ意気込み
トライアスロン

 第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会に出場する外国人招待選手らは二十日、宮古島市役所を訪れ大会長の伊志嶺亮市長を表敬訪問した。選手たちは一人ひとりレースへの意気込みを話し、健闘を誓った。伊志嶺市長は一行を歓迎し「力のある選手が参加することで宮古島大会も有名になった。大会まであと三日。当日は宮古の住民みんなで応援するので実力を発揮し良い成績を残してほしい」と激励した。
 訪れたのは前大会二位のパク・ビョンフン選手(韓国)やアイアンマンハワイで二十四位の実績を持つハンス・ムエルバウアー選手(ドイツ)ら九人。選手たちは「全力を尽くして頑張る」「良いレースになるよう楽しみにしている」など、それぞれレースへの意気込みを話した。今回優勝を狙うパク選手は「昨年はランで失敗したが今年はそうならないよう頑張る」と決意を述べた。同席した選手兼コーディネーターのカン・ジョン・ギュさん、コーディネーターのゲイリー・サトウさんは、帰国後の選手たちによる宮古島のPR効果に期待した。
 今大会の外国人招待選手は七人、国内では十二人を招待選手として招いている。

 写真説明・大会長の伊志嶺亮市長を表敬訪問した外国人招待選手たち=20日、宮古島市役所

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   新城海岸などに大量の廃油ボール/宮古支庁の職員らが清掃
ウミガメの産卵海浜も汚染

 県宮古支庁(兼城克夫支庁長)は二十日午後、宮古島の北海岸などで清掃を実施した。ウミガメが上陸し産卵する城辺の新城海岸では、重油などが固まってできる固形物「廃油ボール」が、大量に打ち上げられ海浜環境を汚染していた。漂着原因は不明。各地の海岸で参加した職員らは廃油ボールを回収したほか、散乱したプラスチック類などの大量ごみを撤去した。
 この日の清掃は、農林水産整備課(下地功祐課長)が農林海岸、土木建築課(前泊勇栄課長)が一般海岸で実施した。職員約五十人が各グループごとに分かれ、平良の砂山ビーチ、下地の前浜ビーチ、城辺の吉野海岸などで清掃した。
 このうち、新城海岸に漂着した廃油ボールは小さいもので直径約一a、重さ○・二c。大きいものは長さ八a、幅五a、重さ三○c。廃油ボールは数百bにわたって打ち上げられていた。
 この活動は、宮古管内の主要な海岸・ビーチの清掃を行い、県内外から訪れるビジネスマンや観光客などに美しい宮古島の海をアピールするとともに、海岸環境の良好な保全、美化に関する地域住民の意識高揚を図ることが目的。 

 写真説明・集められた廃油ボールの一部=20日、城辺の新城海岸

 
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