200平成18  19 水曜日

新地下ダム事業化へ始動開所式・祝賀会
     かんがい用水不足に対応/伊良部への送水も計画

 宮古島市城辺に新たな地下ダム二カ所(仲原、保良)を造る国営土地改良事業宮古伊良部地区の事業化に向けた各種調査と、多良間島の地下ダム開発の可能性について地域整備方向検討調査を実施する沖縄総合事務局土地改良総合事務所宮古支所(仲間雄一支所長)の開所式が十八日、平良港ターミナルビル三階にある同支所で行われた。同局土地改良総合事務所の山下正所長ら関係者ら多数が出席。同支所の名称が刻まれた看板が掲げられ、本格的な業務がスタートした。事業費は国分だけで約五百億円見込み、二○○九年度の着工を目指す。

 既存の砂川、福里の両地下ダムを造った国営宮古土地改良事業は、二○○○年度に完了。これに続く国営土地改良事業宮古伊良部地区は、将来予想される宮古島のかんがい用水不足の対応や、伊良部島への送水による両地区の農業発展を狙いに行う計画。新地下ダムを二カ所造り、パイプラインは約七十`を敷設する。同島へは、建設される伊良部大橋を通して送水される。事業完了は、着工から十二年後の二○二一年を予定。受益面積は九千五百f(宮古八千f、伊良部千五百f)。
 開所式で、山下所長は、両地区の事業などを説明した上で「開所を契機に、調査が一層円滑に進み、国営事業や県営事業などの事業化、ひいては地域の農業の発展が実現することを祈念する」とあいさつ。
 来賓で出席した同局農林水産部の秋本佳則部長は「宮古地域における農漁村の振興のため、二地区の調査に全力で取り組んでいく」と決意を新たにした。
 次いで伊志嶺亮宮古島市長、仲間克宮古土地改良区理事長、下地昌明多良間村長らがあいさつ。宮古全域が水無し農業からの脱却に期待を寄せた。
 山下所長、秋本部長、伊志嶺市長、仲間理事長、下地村長、仲間支所長の六人が看板の幕を引いた。
 この後、祝賀会が行われ、両地区のさらなる農業発展を祈念した。
(伊良波彌)

 写真説明・看板の幕を引いた(左から)下地昌明多良間村長、仲間克宮古土地改良区理事長、伊志嶺亮宮古島市長、秋本佳則沖縄総合事務局農林水産部長、山下正同局土地改良総合事務所長、仲間雄一同事務所宮古支所長=18日、土地改良総合事務所宮古支所

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特勤手当/「状況踏まえ見直したい」/野党の申し入れに市長

 宮古島市の伊志嶺亮市長は十八日、一部関係者や市民の間で「手厚い手当だ」と指摘される市職員の特殊勤務手当について「組合との話し合いの状況を踏まえて見直していきたい」との見解を示した。宮古島市議会野党議員団(十一人、池間雅昭会長)の申し入れに答えたもので「不具合な面もある」と見直しの意思があることを野党議員らに伝えた。同議員団は特殊勤務手当のほか、管理職の削減と適正配置や随意契約の見直しを求める申し入れも行った。
 野党議員団は伊志嶺市長に対し▽管理職の削減と適正配置▽特殊勤務手当の見直し▽随意契約の徹底見直し▽行政連絡員の実情に見合った契約の実施▽職員削減計画の見直し−を求めた。
 特殊勤務手当については本紙報道を受けて「市民は驚いている。抜本的な見直しが必要。いつまでに、どの程度見直していくのか、しっかりと情報公開してほしい」と強く求めた。
 これに対し伊志嶺市長は「不具合な面もあるのだが、長い行政の中で組合との関係もある。改善の方向であり、議員の皆さんの指摘の通り。今後は組合との話し合いの状況を踏まえて見直していきたい」と述べた。
 管理職の削減と適正配置については「部長への昇任はなかったが、下地島空港などどうしても取り組む必要がある部署に課長を配置した。女性登用率を上げることにも重点を置いている」などと話し理解を求めた。
 随意契約では「見直せる部分については見直していく」と強調。行政連絡員の契約は「不十分な面もある」として議員指摘の契約方法に向け取り組む姿勢を示した。
 職員削減計画は「退職者数の三分の一を採用し、目標(合併十五年目で五百人規模)に到達させていきたい」と述べた。

 写真説明
・管理職の削減や特殊勤務手当の見直しを求めた野党議員団のメンバーら=18日、宮古島市役所
 

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宮古の泡盛、海外でPRへ/県酒造組合 7酒造所が出展
東アジア最大の食品見本市/日本貿易振興機構が協力

 【那覇支局】「宮古の泡盛を海外にPR」−。日本貿易振興機構(ジェトロ)の協力を得て、県酒造組合連合会(佐久本武会長)は今月下旬にシンガポールで開催される東アジア最大の食品総合見本市「フード・アンド・ホテルアジア2006」に県内の酒造所の泡盛を紹介することとなった。この中には宮古の七酒造所の泡盛も含まれ、おいしい「宮古の酒」が海外で紹介されることとなった。また、一部の酒造所は現地で商品の展示と商談も行う予定で、その中には宮古の酒造所も一社含まれている。

 シンガポールと香港で交互に開催されている同見本市。今年は、今月の二十五日から二十八日までシンガポールのシンガポールエキスポ(国際見本市展示場)で開催され、主要出品物はアジアの食品、飲料およびホテル・レストラン・ケータリング機器となっている。
 前回、二〇〇四年のシンガポールでの実績は、参加企業が二千七百十八社で、参加国は六十一カ国。来場者数は三万七千十二人となっている。
 今回は、ジェトロが確保した日本ブースのうち、三ブースで県内四十七酒造所の泡盛が紹介され、そのうち宮古地区は▽渡久山酒造所▽宮の華▽千代泉酒造所▽池間酒造▽菊之露酒造▽沖之光酒造▽多良川−七社の泡盛が展示される予定となっている。
 また、見本市の前には現地大手酒卸業者が主催する泡盛の試飲・商談会(後援・県酒造組合連合会、県物産公社)を開催し、専門家が量販店のバイヤーなどを対象に泡盛についての講演も予定している。
 泡盛を海外に紹介することについて同組合連合会は「これからは、同様の趣旨のイベントに参加して泡盛をどんどん、海外に紹介していきたい」と述べた。(垣花尚)


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求人合同説明会に50人求職者 「職種の幅 広い」と歓迎
本社主催

 宮古毎日新聞社主催の第一回求人合同説明会が十八日、市内のホテルで開かれ約五十人が面接を受けた。求職者らは「参加企業が多く、職種の幅が広い」と初の試みを歓迎。一方、求人側は「履歴書を持参する人が少ない」と、求職活動に対する認識不足を指摘していた。
 同説明会には、人材派遣会社など九社が参加した。仕事を求めて訪れた人たちは、各社のブースに足を運び、仕事の内容や雇用条件などの説明を受けた。
 城辺に住む五十歳の男性は「普通は四十五歳以下の人を採用しているが、ここでは五十歳以上を採用する会社もある。いい収穫になった」と、表情をほころばせた。
 五十二歳の男性は、宮古で仕事が探せないため、やむなく来たことを強調し、行政に雇用対策を最優先するよう求めていた。
 友人同士で訪れた二十歳の女性二人は「直接話を聞くことで、詳しい情報が得られた」と話していた。
 新日本の安田陽彦総務部長は、求人エリアの拡大のため大阪から来島した。同社のブースには十人が訪れ、そのうち履歴書を持参したのは二人。安田部長は「履歴書が無いと、話が先に進まない。土地柄のせいか就職に切羽詰まっている感じを受けなかった」と、感想を話した。
 わずみ産業グループの新崎智枝さんは、四十−五十代の求職者が主なのに対し、メーカー側がそれ以下の条件を提示している不一致を指摘、今後はそうした人たちのために年齢制限の緩和をメーカーに働き掛けていく考えを話した。

 写真説明・多くの人が訪れ雇用条件などの説明を受けた=18日、ホテルアトールエメラルド宮古島
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「無事に帰ってね」/下地幼へカエルのお守り寄贈
下地児童館母親クラブ

 下地地区にある下地児童館母親クラブ(平良美智子会長)は十八日、子供たちの安全無事故を願い下地幼稚園へ手作りのマスコットのお守りを寄贈した。平良会長は紙芝居で道路の安全な渡り方や車の乗り方を伝え「みんなが元気に登園できるよう、大事に使ってください」と呼び掛け。受け取った園児たちは「カエルのマスコット、大事にします。ありがとうございました」と元気な声で礼を述べた。
 寄贈したお守りは園児五十一人と職員分で、すべて会員の手作り。子供たちが無事に家に帰ることができるようにとの願いをカエルのマスコットに見立てた。
 平良会長と仲間末子さんが同園を訪れ、紙芝居などで交通安全の大切さを説明。紙芝居では「道路へは急に飛び出さない」「チャイルドシートは自分のサイズに合ったものにちゃんと座る」を伝えた。平良会長は「散歩や歩いているときは、車やオートバイ、自転車に気を付けてほしい」と呼び掛けた。

 写真説明 上・手作りのマスコットのお守りを贈る平良会長(中央)と仲間さん(右)=18日、下地幼稚園
 写真説明 下・下地児童館母親クラブが贈ったカエルのマスコット


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   正副委員長辞任で混乱/与党内部の乱れ浮き彫りに
市議会総務財政委

 宮古島市議会総務財政委員会の新里聡委員長と仲間明典副委員長が十八日午前の委員会で辞任の意向を表明、各委員がこれを了承した。だが、新しい委員長と副委員長を選任する際に、与党側の就任を求める野党とこれを拒否する与党側の意見がかみ合わずに委員会は混乱。先月二十九日の助役二人制導入案審議で生じた与党内部の乱れが再び表面化した格好だ。同日の委員会で予定していた二〇〇五年度四−九月の旧市町村決算の審議は先送りした。
 この日の委員会で辞任した新里氏、仲間氏は先月二十九日の三月定例会最終本会議で辞任の意向を固めていた。総務財政委で助役二人分の給与を認める予算を可決(賛否同数で委員長判断)しながら本会議で否決されたため「責任を取る」としていた。
 しかし、委員会開会直後に仲間氏が新里氏の委員長継続を要望。突然の展開に困惑した各委員が両氏を退席させて対応を協議した。結局、両氏は辞任することで委員会が了承したが、新たな正副委員長を決める段階で与野党の激しい攻防が繰り広げられた。
 野党側は「市長を支える与党が正副委員長を務めるのは常識。これは与党の問題だ」として与党と与党寄りのスタンスを取る「そうぞう」側が正副委員長を務めるよう求めた。与党および「そうぞう」は「正副委員長は責任を取るために辞任した。今後は与野党を問わずに正副委員長を決めればよい」と主張し、互いの意見は最後までかみ合わなかった。結局、この日の審議は午後二時三十分ごろに打ち切り、近く再度委員会を開き協議することを確認し閉会した。
 総務財政委を構成する議員は与党が仲間氏をはじめ前川尚誼、山里雅彦の三氏。「そうぞう」が新里氏と池間健栄氏。野党は池間雅昭、富浜浩、新城啓世、嘉手納学、真栄城徳彦の五氏。

  写真説明・正副委員長の辞任で混乱した市議会総務財政委員会=18日、宮古島市役所

 
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