200平成18  14 金曜日

入札再開で2600万円抑制/ごみ焼却炉運転業務など
     過去3年 随契で高止まり!?/宮古島市

 宮古島市(伊志嶺亮市長)環境保全課が二〇〇六年度、旧宮古清掃施設組合が発注してきたごみ焼却炉運転管理など三件の業務を、随意契約から競争入札による契約に切り替えた。この結果、前年度に比べて契約金が大幅に下がり、総額にすると二千六百十三万円抑制されることが十三日までに分かった。ごみ焼却炉運転管理委託業務は前年度より約二千万円安い価格で落札されている。同業務は〇二年の競争入札以来、同組合が三年間にわたり同じ業者と随意契約を続けてきた。当時の組合関係者は「特殊な業務であるため、慣れた業者に任せた方が良いという認識があった」などと話している。

 競争入札導入で、大きな歳出抑制効果が出たのは▽市クリーンセンターごみ焼却炉運転管理委託業務▽一般廃棄物最終処分場(川満、野田)運転管理委託業務▽し尿処理施設運転維持管理委託業務―の三件。
 本紙の調べなどで、ごみ焼却炉管理が年額約三千四百万円、最終処分場管理とし尿処理施設管理が月額約二十七万円で落札されており、前年度と比較してごみ焼却炉が約二千万円、最終処分場とし尿処理施設も数百万単位の歳出が抑制される見込みだ。
 ごみ焼却炉については〇二年三月に競争入札が行われ、市内の業者が約五千四百万円で落札。次年度以降は清掃組合が随意契約で管理を任せてきた経緯がある。価格も三年間は据え置かれた。
 今回の入札効果の要因には、入札時に提示する予定価格で旧宮古清掃施設組合と宮古島市の積算に大きな開きがあったことなどが挙げられる。年額で約五千四百万円をはじいた当時の組合関係者は「当時としては、それでも低い価格で落札されたという認識だった」などとし、適正な契約価格を主張。その後の随意契約については歴代事務局長らが「特殊な業務」などを理由に続けてきたことを説明した。ただ、市の関係者の中には「一度競争入札した後、随意契約を続けてきた根拠が分からない」などと指摘する声もある。
 旧宮古清掃施設組合は宮古本島内の旧四市町村の負担金で運営されてきた一部事務組合。〇二年途中から昨年十月の市町村合併まで、宮古島市の伊志嶺市長が管理者を務めてきた。 (山下誠)

 随意契約・地方公共団体の契約担当者が、任意に特定の相手方を選択して契約を締結する契約方法。競争入札に比べて手続きが簡略で、経費面での負担も少ない。ただ、運用を誤れば相手方の固定化を招いたりする恐れもある。

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今年もトライ記念ボトル発売/トロフィー型2種類/菊之露酒造

 本場泡盛メーカーの菊之露酒造(下地博社長)は十三日、「トライアスロンボトル」二種を発売開始した。
 今月二十三日に開催される第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会を記念したトロフィー型のボトル。
 二種のラベルは、宮古島の空と海をイメージした「青色」と選手の情熱を表した「赤色」。
 赤ボトル(容量七二○_g)は、五年古酒で度数が四○度。一本価格が二千六百円(税込み)。限定販売数は七百本。
 青ボトル(同)は、度数が三○度。一本価格が二千円(同)。限定販売数は八百本。
 同社営業の狩俣寛さんは「トライアスロン大会を記念したボトル発売は、今年で十二年目。選手やその家族、友人らが宮古島の想い出にお土産にしてもらえれば」とPRした。菊之露の各代理店、各スーパーで発売中。

 写真説明・発売が開始されたトライアスロン記念ボトル
 
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災害時の遠隔医療体制構築へトライ大会で実証実験
国内で初の試み 実用化目指す/沖縄遠隔医療推進協

 沖縄遠隔医療推進協議会(代表幹事・宮城隼夫琉球大学工学部長)は、四月二十三日開催の第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古島市など)で、人工衛星回線と地上網回線を用いて宮古と琉球大学を結んだ遠隔医療システムの実証実験を実施する。同協議会副代表幹事の久木田一朗医学博士(琉大医学部)は「災害時に衛星を使っての画像通信は国外であるが、国内では初めて」と説明。衛星回線と地上網回線を同時に使用するシステムも国内では新たな取り組みだという。同協議会では来年度までに実証実験のデータを重ね、宮古などの離島やへき地での災害時遠隔医療において、実用化に結び付けたい考えだ。

 宮古地区医師会館で、久木田医学博士と同協議会事務局の宮里智樹工学博士(琉大工学部)、宮古島トライアスロン実行委員会の砂川伊弘医療救護部長の三人が十三日、宮古地区医師会事務所で記者会見し、概要を説明した。
 今回は、スイム競技の会場となる前浜ビーチに隣接する宮古島東急リゾートに仮設のパラボラアンテナを設置。事故などで応急救護所に運ばれた場合、フィルムを必要としない可動式のデジタルレントゲン撮影機で肺などを撮影し、そのデジタルデータを、衛星回線を通して琉球大学へ送信する。
 琉球大学で待機する医師が画像から診断・所見を作成、宮古の応急救護所、現地救護本部、県立病院で、そのデータが受け取れる仕組みとなっている。久木田博士は「スイム競技で誤って水が肺に入り、肺水腫などの恐れがある場合にレントゲンを撮れば、単に外から見るよりも詳しい情報が得られる」と意義を強調。これまで宮古病院までの搬送には三十分ほどの時間を要する上、診断は病院に到着してからという場面にも、このシステムであれば現場で直接レントゲン撮影をし、宮古病院に搬送されるころにはすでに診断・所見が分かるという形で、スピードアップが図られる。
 砂川医療救護部長は「トライアスロン大会を通じて、いかに地域医療に貢献できるかを考え、さまざまなことに取り組んでいる。本来ならば自然災害が対象になるが、大会を通じて遠隔医療における危機管理システムができないかと考えている」と述べた。
 工学的な部分を担当する宮里博士は「今回の実証で得られるデータは大変貴重。まだ本格運用ではないが、実績を重ねていきたい」と強調した。
 実証実験は同協議会が主体となり、宮古島トライアスロン実行委員会事務局、宮古島市、宮古島東急リゾート、宮古テレビと、衛星や地上回線、テレビ会議システム、デジタルレントゲンシステムを担当する各企業などが協力する。

 写真説明 上・実証実験される遠隔医療システムについて説明した(左から)砂川医療救護部長、久木田博士、宮里博士=13日、宮古地区医師会事務所

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初のふれあい市開催島で取れた野菜を即売
多良間村

 【多良間】地産地消を目的に島で生産された野菜などを販売する「ふれあい市農産物即売会」(主催・百笑クラブ)が十二日、多良間村中央公民館前で行われた。準備委員会のメンバーや生産農家がそれぞれで栽培した野菜類を持ち寄り販売。農漁村生活研究会や婦人会によるてんぷらなどの総菜も並べられ、にぎわいを見せた。生産農家による即売会は初めてで、関係機関では今後の発展に期待を寄せている。今後も定期的に行っていく予定。
 多良間村では野菜の農家自給率が一二・五%と低く、栽培環境が悪化する夏場には島外や県外からの野菜に依存している。離島であるため野菜の鮮度が低下したり輸送費などで高値になったりするなどのリスクを負ってきた。こうした状況を改善しようと、宮古農政・農業改良普及センターの事業で発足した「百笑クラブ(津嘉山次生会長)」「地産地消部会(西筋米吉会長)」が中心となり、ふれあい市の準備を進めてきた。
 初の即売会ではカボチャやラッキョウ、葉ダイコン、チンゲンサイなど出荷野菜以外の農産物を生産農家が持ち寄り、百円ほどの価格で販売した。

 写真説明・島で取れた野菜を安値で販売したふれあい市=12日、多良間村中央公民館前

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GSA宮古が発足/チームキャプテンの砂川さんに参加証伝達
スポーツシーンで環境美化図る

 さまざまなスポーツシーンの中で環境保全を呼び掛ける世界規模のネットワーク「グローバル・スポーツ・アライアンス(GSA)」の宮古支部「GSA宮古」が発足し、十三日、チームキャプテンを務める多良川社長の砂川拓也さんに国連環境計画(UNEP)からの参加証が授与された。GSA宮古では、旗を掲げながらスポーツイベント会場の清掃やごみを減らす取り組み、会場までのマイカーの相乗りなどを推進するエコフラッグ活動を行い、環境美化への意識を高めていく。第一回目の活動として全日本トライアスロン宮古島大会翌日の二十四日、ゴール会場周辺の清掃を計画。午前中に活動する予定で、多くの参加を呼び掛けている。
 GSAはスポーツ愛好家の企業や団体、アスリートなどを中心にヨーロッパやアフリカ、アジア、アメリカなど十九カ国で発足しており、国内では宮古を含め十カ所が活動を展開している。GSAの活動には▽スポーツシーンで旗を掲げながら環境美化活動を行う「エコフラッグ」▽不用になったスポーツ用品を再利用する「スポーツエコネット」▽各地の活動を報告する「G―ForSE」―の三種類があり、GSA宮古ではエコフラッグ活動を中心に実施していく。
 参加証を伝達したGSA九州・沖縄チームキャプテンの伊藤寛之さんは「自然を生かすという宮古島の目指すものとマッチするということで、エコフラッグ活動を行うこととなった。GSA宮古として、島をどう素晴らしくできるか取り組んでいきたい」と意欲を見せた。また「活動はGSAのホームページで紹介する。小さな宮古島の活動が世界に伝わる」として期待を寄せている。
 GSA宮古では会員を募集中。問い合わせは、多良川宮古営業所内GSA宮古事務局(電話72・4014)まで。

 写真説明・砂川拓也さん(右)に参加証を伝達するGSA九州・沖縄チームキャプテンの伊藤寛之さん=13日、多良川宮古営業所

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   久々の再会喜ぶ大正11年、戌(いぬ)年生まれの同窓会

 大正十一年、戌年生まれの皆さんが参加する同窓会が十二日午後、市内ホテルで開催された。本土や沖縄本島からは十八人、宮古から約十五人が参加し、久々の再会を喜び合った。参加者は宮古方言で語り合い、楽しい時間を過ごしていた。
 この日は「われわれ戌年生まれの年男・年女全員集合」と銘打って同窓会を開催。遠くは札幌市を含む本土から合わせて四人、沖縄本島からは十四人が参加した。
 沖縄本島から参加したメンバーは現地で在沖同窓会を結成しており、毎月集まって故郷・宮古島の思い出を語り合っているという。
 十二日の同窓会では久しぶりの再会を喜び、女性たちは抱き合いながら喜びを表現した。中にはうれしさのあまり涙を見せる女性も。そんな和やかな雰囲気の中で食事や会話を楽しんでいた。
 在沖同窓会の平良賀計さんは「これまで還暦祝いや古稀祝いも開催してきたが、きょうの戌年の集まりは本当に夢のような気分。たくさんの友だちと会えて、素晴らしい思い出がつくれた」などと笑顔で話していた。

 写真説明・本土、沖縄本島からも参加し盛大な同窓会を開いた戌年生まれの皆さん=12日、ホテル共和

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