200平成18  12 水曜日

バイオエタノール生産設備が完成/試運転で高性能実証
     今月末から本格運転/キビ糖蜜の有効利用に大きな一歩

 サトウキビの糖蜜からバイオエタノール(ガソリンに混ぜる燃料)を生産する設備が、今年一月末に沖縄製糖宮古工場の隣に完成。二月二十日と三月二十日の二回試験運転をした結果、エタノール濃度は基準値(九九・五%)を上回る九九・六%超を達成し、施設の性能の高さが実証された。本格運転は今月末を予定。地球温暖化防止対策として、りゅうせきが環境省の委託を受けて実施する同事業は二年間の試験後、商業運転への移行を目指す。

 エタノール生産設備は、糖蜜に培養した酵母菌を入れて発酵、蒸留しエタノールを取り出す仕組み。
 先月の試験運転では、四百gを生産し、エタノール濃度は九九・六%超と高水準だった。フル操業した場合、一日に千二百gの生産能力があり、年間の操業日数を二百五十日とすると、ガソリンにエタノールを三%混ぜるE3燃料は一万`g確保でき、宮古の自動車の半数に供給できるという。商業運転後は、施設を増設し全量を賄う計画。
 宮古島では、すでにE3燃料で走らせる試験を公用車を対象に実施。現在、同エタノールは本土から取り寄せているが、本格運転後は、全量を宮古産で賄う。
 試験運転は二〇〇七年度までの二年間行い、生産率や生産コストなどを実証する。
 今回の実証試験では、バイオエタノール燃料を生産した際に出る廃水から肥料や飼料を作る研究も併せて行う。同実験を担当する、りゅうせき産業エネルギー事業部の芳山憲雄マネージャーは「副産物として肥料や飼料を生産することは、地力の増強やキビの生産向上に結び付く」とエタノール生産が環境保全ばかりでなく、宮古の農業発展を支援する効果が期待できることを強調。その上で「農家に希望を与えることができるように、いい成果を目指して頑張りたい」と意気込みを話す。
(新城孝夫)

 写真説明・沖縄製糖宮古工場の隣にこのほど完成したエタノール生産設備

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30人に当選証書付与/市選管 「後継者育成に頑張って」
伊良部町土地改良区総代

 今月九日執行の伊良部町土地改良区総代選挙の当選証書付与式が十一日午後、宮古島市東地区構造改善センターで行われた。同市選挙管理委員会の亀浜文委員長が無投票で当選した下地武さんら
三十人に当選証書を付与した。任期は四年。当選証書を手にした下地さんらは今後の農業発展に決意を新たにした。
 付与式で亀浜委員長は「伊良部の農業発展に全力を傾注することに期待。皆さんは農業指導者であり、後継者育成にも頑張ってください」と激励した。
 同市の下地学助役は「地域の中核となり、地域の農業発展に尽くすことを期待する。第一次産業の発展が、宮古島市の発展につながる。地域のリーダーとして頑張ってください」とあいさつ。
 当選者を代表して平良玄輔さん(75)は「新しい総代に選ばれ、責任の重大さを感じている。伊良部の農業の生産を高め、農業発展に頑張ります」と抱負を語った。
 伊良部町土地改良区は、今後定款を改正し、「伊良部土地改良区」に改称する予定。
 当選証書を付与された皆さんは次の通り。(敬称略)
 【伊良部】下地武(47)=会社員=▽下地正昌清(65)=農業=▽宮城勝彦(49)=同=▽下地昇(52)=団体職員=▽儀間邦夫(66)=農業=▽平良玄輔(75)=同=▽平山榮治(51)=会社員=▽平山武吉(49)=同=▽近角敏通(53)=農業=
 【仲地】佐和田方源(68)=農業=▽島尻明男(39)=会社員=▽下地政吉(44)=農業=▽池間照夫(67)=同=▽山里英也(57)=会社員=▽佐久本秀希(49)=同=
 【国仲】伊佐善博(56)=農業=▽手登根剛久(49)=会社員=
 【長浜】謝花明(70)=農業=▽棚原恵良(65)=同=▽平良寛朝(72)=同=▽比嘉英彦(48)=会社員=▽玉元巌(59)=農業=
 【佐和田】上里昌市(58)=農業=▽佐久眞徳一(54)=団体職員=▽濱川正弘(51)=農業=▽山口基一(57)=同=▽国仲拓(46)=同=
 【池間添】佐久田郁男(60)=同=
 【前里添】前泊芳男(51)=同=▽與儀勇英(60)=同=

 写真説明・当選証書を手に記念撮影に応じた関係者ら=11日、宮古島市東地区構造改善センター
  
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昨年度の入館者数8433人市総合博物館
前年度比1256人の減少
/企画展の回数減が影響

 宮古島市総合博物館(下地和宏館長)の二〇〇五年度入館者数は延べ八千四百三十三人で、前年度と比べ千二百五十六人減った。前年度は開館十五周年特別企画展として開催した全国重要無形文化財展など、計四回実施した企画展により入館者数が増加。それに対し〇五年度は特別企画展回数
が減ったのが入館者数に影響した。今年度は「宮古のチョウと食草」など三回にわたる特別企画展を計画している。各種体験を行う子ども博物館は合併により全地域の小学校五年生が対象に。今年度は昆虫の標本作りや石臼の豆腐作り、草木染めなどを予定している。

 開館十五周年の節目に当たった〇四年度は、▽現代宮古の作家たちZ▽不思議な種子の世界展▽開館十五周年記念特別展(全国重要無形文化財展)▽アイヌ工芸作品in宮古―など四企画を実施。重要無形文化財展では全国各地の保持団体などが訪れたため、全体の来館者数増につながった。
 〇五年度は特別企画展として七月に「湧水に暮らす甲殻類」として宮古島の湧水に生息する生物を紹介するなど、二回にわたる企画展を開催したが、前年度より企画展数が減ったため来館者が減少した。最も入館者数が多かった一九九〇年度の二万六千七百二人と比べ三分の一の入館者数となった。
 下地館長は「定期的な企画展が大事。学芸係が研究できるような環境を整え、充実させていきたい」と話した。
 今年度の特別企画展では▽現代宮古の作家たち[(五月二日―六月四日)▽宮古のチョウと食草(八月一日―九月三日)▽近世時代の宮古の人々(十一月一日―十二月三日)―を計画している。
 同館は八九年に宮古の自然と歴史、民俗、文化を明らかにすることを目的に開館。「宮古の自然と風土」をメーンテーマに、自然科学・歴史・民俗・美術工芸の四部門で宮古全域を視野に入れた資料の収集・保存、展示、研究を行っている。

 写真説明・宮古島市総合博物館
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「宮古に専門学校を」JCに誘致で協力要請
夢・アクションプレジデント

 事業所の代表者ら八人で構成し、宮古島の発展に向けて活動を行うグループ「夢・アクションプレジデント」の川満和彦さん(日建電気産業社長)は十一日、宮古青年会議所(宮古JC)の砂川拓也理事長を訪ね、同グループが提唱する宮古への専門学校誘致活動への協力を要請した。川満さんは「島外へ進学させる保護者の負担が減るだけでなく、人口流出を防ぎ、島外からも若者が来ることで地域活性化につながる」と強調。砂川理事長は「簡単なことではないが、ぜひ実現させるために頑張りたい」と協力を約束した。
 要請書は「幅広い層の若者が進学を希望する状況にありながら、宮古にはそれに応える本格的な専門学校がない。多くの進学希望者は多額の資金を掛けて沖縄本島や本土へ移住しなくてはならず、費用の捻出は多くの世帯の家計を圧迫している」と指摘。宮古へ専門学校を誘致することで▽島外での生活費などの莫大な経済的負担の軽減▽島外・県外からの進学者、職員の受け入れとそれによる消費経済効果―が期待できるとしている。
 川満さんは「JCの行動力に期待感がある」と要請の理由を説明。学校の分野については、「私たちの行ったアンケートによると、福祉関係が多いようだが、どの分野が必要か、JCの皆さんとも相談しながら考えたい」とした。また、同グループでは今後、宮古島商工会議所や宮古島市など、官民を含めて協力を求めていく考えを示した。

 写真説明・川満さん(左)から砂川理事長に要請書が手渡された=11日、宮古青年会議所会館

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オレンジレンジなど出演/6月24日、トゥリバーで開催
ミヤコ・ロック・フェスティバル

 「MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL(ミヤコ・アイランド・ロック・
フェスティバル)2006」(主催・ウッドチャック)が六月二十四日、宮古島コースタルリゾートヒララ・トゥリバー地区で開催される。オレンジレンジやモンゴル800など十アーティストが出演。宮古島の夏を盛り上げる。ステージ看板コンテストも実施しており、小・中・高校生を対象にメーン看板を募集する。チケット販売の詳細については、二十日、実行委員会オフィシャルサイトで発表する。アドレスはhttp://www.miyakofes/com.問い合わせはウッドチャック(電話72・9666)まで。
 同イベントは今回で二回目で、テーマは「海に優しく 空に優しく 美ぎ島音楽とECOな祭典」。会場内に「美ぎ島募金」箱を設置するほか、イベントグッズ売り上げの一部を寄付する。来場者にはごみ袋を配布し、イベント終了後に清掃を行うなど、環境に配慮した取り組みを会場一体となって行う。
 十一日、実行委員会が会見を開き、多くの来場を呼び掛けた。平良直也実行委員長は「宮古の魅力は海と空。アーティストたちにも宮古の熱い思いが届いている。イベントでは、東京でのライブとは違ったアーティストたちの熱い思いが伝わると思う。宮古の若者たちが夢を持って頑張っていくことを願っている」と期待を寄せた。

 写真説明 上・会見を開きイベントをPRする平良実行委員長(中央)ら=11日、ホテル共和

 写真説明 下・ロック・フェスティバルのポスター

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   交流試合など開催へ地元強化で支援要望も
県高野連地区理事ら市長に報告

 県高校野球連盟の新崎直昌宮古地区校長理事と垣花正夫宮古地区部長監督代表理事は十一日、伊志嶺亮市長を表敬訪問し、今月末に宮古で予定している島外高校と地元高校野球チームとの交流試合開催について報告した。また地元チームの強化を図るため、今後も島外選手との交流試合継続へ
向けた行政側の支援を要望した。伊志嶺市長は「宮古のチームも甲子園へ行かせたい。ぜひ行政としても応援したい」と前向きな姿勢を見せた。
 島外高校との交流試合は日本トランスオーシャン航空(JTA)と市内のホテルニュー丸勝の協力を得て、昨年から実施しているもので、昨年は県立前原高校(具志川市)との試合が行われた。今回は県高校野球春季大会の準優勝校である県立興南高校(那覇市)が来島し、宮古の高校野球チームと試合を行う予定。
 新崎校長理事は、昨年夏の甲子園予選で宮古高校が県でベスト4入りするなど、宮古地区の高校野球のレベルが上昇傾向にあることを挙げ「交流試合を行うことで、能力のある生徒たちが島外へ出て行くのを引き留める手だてになれば。ぜひ行政の支援をお願いしたい」と要望。伊志嶺市長は「行政としてもぜひ応援していきたい。地元チーム強化のため頑張っていただきたい」と述べた。

 写真説明 ・伊志嶺市長を表敬し島外チームとの交流試合で行政の支援について要望した新崎校長理事(中央)と垣花部長監督代表理事=11日、宮古島市役所

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