200平成18  411 火曜日

宮古島市 管理職の削減なし/職員人事、行革進まず
     当局「適材適所の配置」

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の二〇〇六年度職員人事で、管理職を削減できず人事面で市の行政改革が進んでいない現状が浮き彫りになっている。市町村合併で膨れ上がった管理職については、市民で構成される行政改革推進委員会が主幹や参事の業務を明確にするよう提言していたため、今回の人事では退職者のポストに主幹らを横滑りさせる人事で管理職の減少も見込まれていたが、結果として増員となった。この人事に対しては市の内部からも「これだけ管理職があふれているのに減らないのはおかしい」などの声が漏れる。市総務部は新設課やプロジェクトチームの設置に伴う適材適所の職員配置を強調している。

 市の課長級以上に当たる管理職は昨年十月の合併で膨れ上がった。課長級の主幹や部長級の参事といったポストは合併による産物。管理職は手当などで人件費の増減に直接影響するため、歳出抑制を掲げる市にとって管理職の削減を進めていくことは課題の一つに挙げられている。
 三月末に退職した管理職は部長級が三人、課長級が八人の計十一人。これに対し、今回の人事では部長級への昇任こそ見送ったが、課長級に昇任した職員が十二人いるため、結果として管理職は微増。総務部などの調べによると、管理職の内訳は▽部長級十七人▽課長級七十六人▽主幹三十四人▽参事監一人―の計百二十八人となっている。
 管理職の削減が進まない現状について宮川耕次総務部長は「新設課やプロジェクトチームの設置で必要だった。女性登用もある」と話し、障がい福祉課や下地島空港および残地利用促進室、図書館建設準備室の設置に伴う人事と説明。ただ、「いきなりばっさり切ることはできないが、今後は管理職を減らしていかなければならない」との認識も示し、歳出抑制を図る上でも管理職削減の重要性を強調した。
 一方で、ある市の幹部は「管理職が退職して空いたポストは主幹級の職員を横滑りさせて起用すれば管理職を増やさずに済んだ」と指摘。「主幹級の業務内容については行革推進委員会から疑問視されている。これでは頭でっかちの行政と言われても仕方がない」と不満を漏らした。
 市から組織・機構の見直しについて提言するよう求められた行革推進委員会では、「主幹や参事が何をしているのか分からない」などの意見が大方を占めた。結果、提言の際には主幹や参事の業務を明確にするよう市長に申し入れている。
 宮古島市の管理職は合併により膨れ上がっているため単純比較はできないが、人口規模が類似する名護市の管理職数は〇五年度末で九十九人、糸満市は八十三人となっている。                       
                                        (山下誠)

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スポーツ環境の整備を/三宅副会長、関根選手が来島
日本トライアスロン連合

tri.JPG (30604 バイト) 一九六四年東京五輪、六八年メキシコ五輪重量挙げ金メダリストで日本トライアスロン連合副会長の三宅義信さんと、合宿のため宮古入りしているアテネ五輪トライアスロン十二位の関根明子選手が十日、宮古島市役所に伊志嶺亮市長を訪ね、意気込みを語るとともに、宮古のトレーニング環境充実を要望した。三宅さんは「気持ちよくトレーニングできる施設や合宿所など、総合的な施設があると、スポーツキャンプは気軽にこられると思う」と述べ、スポーツ合宿地としてさらなる環境整備を求めた。
 伊志嶺市長は「トライアスロンの合宿地に選んでいただきありがたく思う。トライアスロンはもちろんだが、他競技についても取り組んで、キャンプ地として最適であるという評価を得られるよう頑張りたい」と述べた。
 三宅さんは合宿地としての宮古島に関して、▽トレーニング施設の充実▽一貫したトレーニングのできる専門スタッフの配置▽航空運賃の低減―などを課題に挙げた。
 関根選手は六日に宮古入りし、今月十六日開催の2006ITUトライアスロンW杯石垣島大会に向けた最終調整を行っており、十三日に同地へ移動する予定。「(二〇〇八年)北京五輪へ向けた三年計画の一年目のシーズン。じっくり取り組んでいきたい。昨年の石垣島大会は三位だったのでそれ以上を目指したい」と闘志を燃やしていた。

 写真説明・伊志嶺市長(中央)を表敬訪問した三宅さん(左)と関根選手=10日、宮古島市役所
  
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新1年生を祝福/14小学校で入学式

hei-1.JPG (76168 バイト) ピカピカの一年生が仲間入り―。宮古島市立の小学校十三校と多良間村立の小学校一校で十日、入学式が行われ、合わせて五百五十三人の児童がお兄さん、お姉さんたちに温かく迎えられた。新入学児童たちは緊張した面持ちで自己紹介したり、大きな声で「一年生になったら」を歌うなどして元気ぶりをアピール。期待に胸を膨らませながら小学校生活の第一歩をスタートさせた。
 会場では学校関係者や在校生が一年生を歓迎。拍手で温かく迎え入れ、「おめでとう」と祝福した。会場に詰め掛けた父母らはビデオカメラやカメラを手に、我が子の晴れの舞台を収めていた。

 写真説明・小学校に入学したピカピカの1年生たち。我が子の晴れ姿を写そうと父母らもカメラ片手に奮闘する=10日、平良第一小学校

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島外販売額4億8000万円/05年度野菜・果樹
前年度比4%増、カボチャ押し上げJA宮古地区営農センター

kabca.JPG (87960 バイト) JAおきなわ宮古地区営農センター管内の二〇〇五年度島外出荷野菜・果樹の販売額は前年度比四%増の四億七千九百二十二万二千円となった。カボチャの飛躍的な生産拡大が、全体の結果を押し上げた。
 カボチャの販売額は前年度比六七%増の一億一千百十七万九千円となり、久々に一億円を突破。総販売額に占める構成比は二割を超え、出荷品目中第三位となった。価格が市場相場に左右されない値決め取り引き方式が、面積拡大と増産に結び付いた。
 宮古産カボチャが近年勢いづいている背景には、安全安心な国産指向の強まりがある。同センターの農産部は、そうした消費者ニーズに対応するため、〇五年度は農家に栽培履歴を記録させるなど、「安全・安心な農作物づくり」に力を入れたという。
 カボチャ以外の主要品目の販売額は多い順にゴーヤー一億五千六百五十三万九千円(前年度比一%増)、トウガン一億五千百二十九万二千円(同一%増)、インゲン二千二百三十九万一千円(同二%増)、メロン千九百六十三万円(同六%減)、マンゴー五百六十八万六千円(同七〇%減)となった。
 ゴーヤーは沖縄ブームに乗って近年は、需要量、価格ともに安定。トウガンは下地地区の拠点産地認定などにより、生産量が安定、品質も向上し市場の評価が高い。インゲンは単価の高い野菜で、これから期待できる品目。全農食品と契約栽培しているメロンは、安定推移。マンゴーは天候不良により、大不作となった。

 資料写真・飛躍的に生産が拡大したカボチャ

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トライ成功向け清掃東川根自治会100人参加

seisou.JPG (73059 バイト) 平良地区の東川根自治会(宮平准栄会長)は九日、全日本トライアスロン宮古島大会へ向けて自治会内のトライコースを清掃した。地域住民約百人が参加し、空き缶やペットボトルなど道端に落ちているごみを拾い集めたほか、歩道の妨げになっている雑草を除去。大会当日、選手たちが安全にレースに挑めるよう作業に精を出した。
 同自治会は市街地から総合体育館へ向けての広い範囲にあり、トライアスロン大会ではバイクやランのコースになっているほか、ゴール会場の宮古島市総合グラウンドも自治会内にあることから毎年住民総出で清掃を行っている。宮平会長は「今年は市町村合併して最初の年。我々も気持ちを新たに頑張ろうと思った。総合体育館周辺は最終コースでもあるので、選手たちに気持ち良くゴールしてもらいたい」と話した。参加者たちは清掃区域を分担し、作業に当たった。東小学校野球部の東少年ヤンキースも参加し大人に混じってごみ拾いに汗を流した。

 写真説明・ごみ拾いや雑草の除去に精を出す参加者たち=9日、東川根自治会

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   給食にトウガン/JAなど拡大キャンペーン実施
4月10日「とうがんの日」ちなみ

tougn.JPG (42110 バイト) 沖縄方言の「シブイ」と、和名の「トウガン」の頭文字の語呂合わせで、四月十日は「とうがんの日」―。宮古地区「とうがんの日」実行委員会(委員長・下地隆弘JAおきなわ宮古地区事業本部長)は同日、学校給食でのトウガン食事会を実施。宮古地区全域の小中学校で「トウガンのそぼろ煮」が登場し、子供たちがおいしそうにトウガンをほおばった。これに先立ち九日には、同事業本部内の「JAあたらす市」で、トウガンの特価販売と「地産地消」拡大キャンペーンも行われ、店内は市価より安いトウガンを買い求める市民らでにぎわった。
 十日の上野小学校での「トウガン食事会」には、下地委員長、宮古島市教育委員会の久貝勝盛教育長、宮古島市上野支所の砂川正吉支所長、JAと同市の関係者らが出席し、同校の子供たちと一緒に給食に舌鼓を打った。
 下地委員長は「子供たちと一緒に給食を食べられるのはめったにないので楽しい。すごく良い機会」と、子供たちとの食事会を満喫。五年生の新里拓己君、砂川佳輝君は共にトウガン農家で、「トウガンはいつも食べていて大好き。給食のトウガンもおいしいけど、お父さんのトウガンもおいしい」と笑顔を見せていた。
toubn2.JPG (77544 バイト) また、九日の消費拡大キャンペーンでは、一個で一・五`あるトウガンが百円で飛ぶように売れた。試食コーナーでは、トウガンカレースープ、トウガンヨーグルトが振る舞われ、家族連れは「おいしい」を連発しながらお代わりしていた。
 店内には、宮古産の安心・安全で新鮮なゴーヤーやラッキョウ、シュンギク、レタス、キャベツなども人気を呼んだ。
 トウガンを買い求めた砂川ヒメ子さん(60)は「スタミナがつくソーキ汁に入れて食べたい。今日の夕食は、トウガンざんまい」、四十代の下地和枝さんは「暑くなってきたので、トウガンはさっばりした料理で食べたい」と話していた。

 とうがんの日 一九九八年四月十日に沖縄経済連が主催した「とうがんの日」宣言大会で、同日を「とうがんの日」と宣言。沖縄方言の「し(4)ぶい」、和名の「とう(10)がん」にちなんだ。この宣言を機に関係機関が連携し、トウガンの生産・消費拡大に取り組んでいる。

 写真説明 上・給食でおいしそうにトウガンをいただく子供たち=10日、上野小学校
 写真説明 下・市価より安いトウガンが飛ぶように売れたキャンペーン=9日、JAあたらす市

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