200平成18   土曜日

土地、ビル 市に寄贈源河朝明さん
     伊志嶺市長ら感謝、「ともの家」と命名/「イーザト」の福祉・交流拠点へ

 宮古島市平良字西里出身で元医師源河朝明(げんか ともあき)さん(84)=東京都世田谷区在=が七日、字西里の生家跡の土地とその土地に私財を投じて新築した多機能多目的施設の源河ビルを土地と建物をセットで同市(伊志嶺亮市長)に寄贈した。源河ビルの名称は「ともの家」と命名。今後、西里地域(イーザト)のお年寄りたちが気軽に茶飲み話や食事、宿泊などができる福祉・交流拠点を基礎に本格的な運用を目指す。「ともの家」での交流会では、伊志嶺市長ら関係者多数が出席し、源河さんへの感謝の言葉で満ちあふれていた。

 生家は源河商店(マッチャ)と呼ばれ、当時の地域住民から親しまれていた。生家跡の土地は約四百平方b。新築の源河ビルは、鉄筋コンクリート造りの二階建てで、今年二月に竣工。一階の床面積が二百五十四平方b、二階が二百八十五平方b。
 施設内の一階には食堂、厨房、機能訓練室、静養室、ホームエレベーターなどを整備。二階には居室、食堂兼居室、畳室、洗濯場、台所などが設けられている。屋上には庭園、鶏小屋などを整備した。
 入り口看板には、源河朝明さんの「とも」にあやかって「とも」と呼ぶ漢字が十文字並ぶ。また源河さんが酉年生まれのことから、鳥のデザインが描かれている。
 源河さんは「平良の中心市街地は空洞化が進み、高齢化が著しく進んでいる。昔のようにお年寄りたちが寄り集まり、お茶を飲みながら楽しく過ごせる施設になれば、みんな元気が出る」などと語り、今後の運営管理に期待を寄せた。
 伊志嶺市長は「今後はNPO法人『萌え』の伊志嶺敏子代表理事らと連携し、効率的な運用方法を模索するための試験的な事業を展開していく」など述べた。
 寄贈式典では、伊志嶺市長が源河さんに感謝状と市貝のスイジガイを贈った。引き続き交流会が開かれた。源河さんは「寄贈が実現し、ホッとした」と笑顔で語っていた。

 写真説明 上・源河さん(右)と交流を深める伊志嶺市長(左)ら=7日、平良字西里の源河ビル「ともの家」

 写真説明 下・源河さんから寄贈された源河ビル「ともの家」

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みんなピッカピカ/小学校7校で入学式/宮古地区

 宮古島市の小学校七校で七日、入学式が行われ、ピカピカの新入生七十四人が小学生の仲間入りをした。
 真新しい式服に身を包んだ子供たちは希望に満ちあふれた初々しい表情でそれぞれの学校の校門をくぐり、先輩や教諭らから温かい歓迎を受けた。
 入学式では、自己紹介や合唱などで元気いっぱいな姿をアピール。担任の教諭に導かれた教室で今後六年間を過ごす小学校生活のスタートを切った。
 この日は、多良間村を含む中学校十八校、県立高校五校、宮古養護学校でも入学式が行われた。
 十日には十四校の小学校で行われる。

 写真説明・入学式を終え、元気いっぱいな笑顔を見せる新入学児童ら=7日、西辺小学校
  
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プラスチック類は「資源ごみ」に/新「分別方法」に異議
環境考える市民委
/始まったばかり、市民に混乱も

 宮古島市環境を考える市民委員会(中西康博委員長)は七日、伊志嶺亮市長に対し、▽今月一日から始まったプラスチック類などを「可燃ごみ」として焼却処分する収集方法をやめ、「資源ごみ」に分類し将来的に再利用・再資源化すること▽サトウキビ栽培における緩効性肥料の利用普及―を提言した。提言を受けた伊志嶺市長は現在の収集方法を改めることに理解を示し、「市の広報紙を通して周知していきたい」と答えた。しかし開始したばかりの分別方法を変更することになり、市民の混乱を招きそうだ。

 合併以前の旧平良市ではプラスチック類や発泡スチロールなどは「資源ごみ」として「燃やせるごみ」とは分別して収集していた。しかし最終的には「燃やせるごみ」と同じように焼却処分されていた。
 これまでの経過と分別をしていなかった旧町村との収集方法の統一を図る目的で、市は四月一日から、「可燃ごみ」として位置付け、新しい分別・収集方法をチラシで全戸に知らせた。
 これに対し市民委員会は、「子供たちに与える環境教育上の観点からも問題であり、ごみ行政の後退」と指摘、▽「可燃ごみ」のうち、「生ごみ」「プラスチック類」「その他」に分別して収集することを明示した通知を市内全戸に配布すること▽将来的に「生ごみ」と「プラスチック類」の再利用・再資源化を図ること▽排出ガスをはじめ焼却処分場の安全性を厳正に検査すること―などを提言した。
 伊志嶺市長は「これまで分けて収集しても結局は燃やしていたということがあったので、燃やせるごみにしてもよいという考えだった」と答えたが、提言を受けて分別収集に戻す意向も示した。市ではすでにプラスチック類を分けたチラシを新たに三千部印刷しており、近く配布する予定。市内には約二万五千戸あり、全戸配布には足りないことから、「広報」を利用して呼び掛けたいとしている。
 また緩効性肥料の利用普及については、農家への補助金やモデルほ場のPRなどに努めていくとした。

 写真説明・伊志嶺市長に提言書を手渡す中西委員長=7日、宮古島市役所

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おいしいよトウガン給食に使ってとプレゼント
JA宮古

 四月十日の「とうがんの日」を前に、宮古地区「とうがんの日」実行委員会(委員長・下地隆弘JAおきなわ宮古地区事業本部長)はこのほど、宮古地区内の給食センターと宮古養護学校に計一dのトウガンを贈った。このうち七日は、JAおきなわ宮古地区野菜果樹生産出荷連絡協議会とうがん専門部会の嵩原健一部会長らが平良地区の学校給食共同調理場に友利秀男場長を訪ね、四百`のトウガンを手渡した。
 この取り組みは、トウガンの消費拡大と生産者の意識高揚を図る「とうがんの日」キャンペーンの一環。嵩原部会長は「宮古で栽培したトウガンを地元の子供たちにおいしく食べてもらいたい」と話した。これを受け、友利場長は「大変ありがたい。今後も地元の食材を学校給食に活用していきたい」と謝辞を述べた。贈られたトウガンは十日の学校給食のメニューに使われる。
 またこの日は、農家の生産意欲を促そうと、JAおきなわから同専門部会へ百三十個の帽子がプレゼントされた。専門部会の構成農家数は百十五戸。昨年十二月から今年五月末までの今期出荷計画は九百六十一dを目標としており、現在までに目標値の六割を達成している。
 宮古産冬春期トウガンの出荷量は全国で最も多く、主に関東、関西方面で販路が拡大している。近年は低カロリーの健康食材として知られ、料亭など一部の業務筋から、一般の量販店などへ販路が広がるなど需要が増加傾向にあるという。

 写真説明 上・JA宮古地区とうがん専門部会から学校給食の食材用にトウガンが贈られた=7日、平良地区の学校給食共同調理場

 写真説明 下・下地本部長(右)からJA宮古地区とうがん専門部会の嵩原部会長(左)に帽子がプレゼントされた=7日、JA沖縄宮古地区事業本部

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環境保全と観光推進/「東平安名崎プロジェクト」立ち上げ
観光協青年部

 宮古観光協会青年部環境保全観光推進委員会(根路銘康文委員長)は、東平安名崎の自然の美しさを観光客をはじめ地元住民にも感じてもらう新たな試みとして、「東平安名崎環境保全観光推進プロジェクト」を立ち上げた。今月十五日に市民の参加を広く呼び掛けながら清掃活動を実施。また、東平安名崎に生息する草花など同地の自然を紹介するチラシの作製や、太平洋と東シナ海の境界線の目印となる看板設置など、「宮古で一番の観光地」(根路銘委員長)である東平安名崎で、環境保全を訴えながら宮古の観光振興を推進する。
 発表記者会見が七日、市内のホテルであり、根路銘委員長と同協会青年部の我那覇宗広部長、砂川靖夫副部長が同プロジェクトについて説明。根路銘委員長は「観光客にとってだけでなく、地元住民も含めて、宮古一の観光地と言っても過言ではない」と述べ、同プロジェクトの意義を強調した。趣旨に賛同した宮古島市と宮古島環境自然保護募金推進協議会(美ぎ島募金推進協議会)が共催する。
 我那覇部長は「展望台だけで年に四万人が訪れる。入域観光客の十人に一人が訪れている計算になる。人工的なものを作るのではなく、東平安名崎の自然をより楽しみ、紹介できるものにしていきたい」と述べた。
 全日本トライアスロン宮古島大会を一週間後に控える今月十五日の清掃活動では、東平安名崎のトイレなど各種施設のごみ拾いや、港近くの砂浜、海岸線の漂着ごみの処理などを行う。同委員会では広く市民の参加を求めている。
 東平安名崎の自然を紹介するチラシについては、口語体で分かりやすく説明し、散策しながら気軽に見られるものを作製する計画。また、太平洋と東シナ海の境界線を示す看板には、新たな写真撮影スポットを演出する。両者とも、六月から夏場の観光シーズンをめどに取り組む。
 初めてとなる今年度は東平安名崎にスポットを当てての取り組みとなるが、我那覇部長は「方向性として、いろいろな観光地について取り組みたいとの意思はある」と述べ、来年度以降は東平安名崎以外の場所でプロジェクトを行う可能性も示した。

 資料写真・環境保全と観光振興が図られる東平安名崎

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   674人が夢膨らませ宮古地区5高校で入学式

 宮古地区の県立宮古高校(仲間博之校長)など五高校の入学式が七日、一斉に行われた。五高校の一年生計六百七十四人はそれぞれ夢を膨らませ、高校生活のスタートを切った。
 五高校のうち、宮古高校では同校体育館で入学式が行われた。在校生や父母らが見守る中、一年生三百九人が、夏の制服を身にまとって堂々と入場。父母らから大きな拍手が送られた。 
 式で、仲間校長は「豊かな人間性とチャレンジ精神を持ってください。お互いに切磋琢磨しながら自分のドラマを展開し、自己実現に努めてください」と式辞。同校PTAの島尻正弘会長は「本年度も新入生を含めた生徒が躍進するようご指導のほどよろしくお願いします」と祝辞した。
 新入生代表で、松岡愛美さんは「良き友人をたくさんつくり、何事にも精いっぱい打ち込んでいきたい」とあいさつ。同じく嵩原由紀さんは「それぞれの進路目標の実現に向け、高校生活を有意義なものにしていく」と、誓いの言葉を述べた。
 宮高以外の新入生は、宮古農林が九十二人、宮古工業が百十五人、翔南が百十三人、伊良部が四十五人。

 写真説明 ・堂々と入場した新入生ら=7日、宮古高校

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