200平成18   木曜日

オリックスキャンプ経済効果は11億円
      イチロー・キヨ・ノリ 話題豊富が奏効/「スポーツアイランド」を推進

 おきぎん経済研究所が試算
 【那覇支局】おきぎん経済研究所は五日、「宮古島におけるプロ野球キャンプの経済効果(試算)」を発表した。それによると、今年二月のプロ野球オリックス・バファローズの宮古島キャンプにおける経済効果は十一億一千百万円と試算し、宮古島の代表的イベント「全日本トライアスロン宮古島大会」の二〇〇五年大会における経済効果三億七千万円(同研究所試算)の約三倍となったことが報告された。

 今年のオリックスキャンプは、二月一日から二十三日までの期間で行われ、巨人から移籍した清清原和博選手と大リーグから移籍の中村紀洋選手の入団や、さらに紅白戦にも参加した米大リーグマリナーズのイチローもキャンプに合流するなど、例年に比べ盛り上がった。
 今年のオリックスキャンプについて同研究所では、球団広報、宮古毎日新聞社、宮古島オリックス・バファローズ協力会などからのヒアリング調査を行い今回の経済効果を試算した。
 調査結果によると、今年のキャンプ関連の来島者は、約一万八千人と推定され、その内訳は球団選手・関係者が約九十人、マスコミ関係者が約六百五十人、ファンなど紅白試合等の観戦者が約一万七千四百人となっている。
 この約一万八千人の新たな需要が地元の産業へどのような効果をもたらしたかを試算すると、選手・球団関係者やマスコミ、ファンなどが実際に支払ったホテル代金、お土産代金などの直接効果が六億五千六百万円。
 次に直接の費用であるホテル代、お土産代などを生産するに当たり、その経費を通じて他産業への波及効果となる間接一次効果が、二億六千八百万円。両方の効果により、生じる雇用者所得が消費活動を通じて各産業に波及する間接二次効果は一億八千七百万円と試算している。
 また、付加価値誘発額(生産波及額全体によって生み出された所得等)は総額で約六億円となり、これは宮古島市の純生産額(〇五年度)の約一千億円の約〇・六%に相当している。
 今後の展望について、同研究所では「宮古島の経済状況が公共投資の予算額の低減等から不振に陥っている中で、プロ野球キャンプやトライアスロン、ダイビング、ゴルフ等を中心としたスポーツアイランドを推進するとともに、関連商品の開発、サービスの開発振興など独自性の高い土産品などで自給率を上げ、島内経済につなげながらトータル的に自立した宮古島経済社会の展開を期待したい」とまとめている。

 資料写真・清原和博選手の入団やイチロー選手の来島で多くのファンや報道陣が訪れた今年のオリックスキャンプ

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東ヤンキースが初V/JTA杯先島少年野球
宮古勢では6年ぶり2度目

 第十回JTA杯先島地区少年野球交流大会(主催・先島地区少年野球交流大会「JTA杯」実行委員会)は大会最終日の五日、宮古島市民球場で東少年ヤンキース(宮古)―新川オリオンズ(八重山)の決勝戦を行い、東が4―0で新川を破り、初優勝を飾った。
 東の優勝は宮古勢としては二〇〇〇年の平一竹原以来、六年ぶり二度目。優勝した東は八月に徳島県で開催される大鳴門橋西日本学童軟式野球大会へ県代表として派遣される。



 写真説明 右・新川打線を1安打完封に抑えた東の比嘉大智投手=5日、宮古島市民球場
 
 写真説明 左・
宮古に6年ぶりの優勝旗をもたらした東少年ヤンキースのメンバーら=5日、宮古島市民球場
 
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市木にガジュマル新市のシンボル決定
市民アンケート結果で選出
/選定委

 宮古島市市木・市花等選定委員会(久貝勝盛委員長)は五日、最終委員会を開き、新しい市のシンボルとなる市花などを全会一致で決議。同日午後、久貝委員長らが伊志嶺亮市長に答申し、七種が決定した。今後、同市の新しいシンボルとして活用されていく。五月号の広報「みやこじま」に、七つの決定種をカラーで掲載する方針。

 決定されたのは、市木「ガジュマル(クワ科)」、市花「ブーゲンビレア(オシロイバナ科)」、市花木「デイゴ(マメ科)」、市鳥「サシバ(タカ科)」、市魚「タカサゴ(フエダイ科)」、市蝶「オオゴマダラ(マダラチョウ科)」、市貝「スイジガイ(スイジガイ科)」の七種。いずれも、市民アンケート調査ではトップだった。
 伊志嶺市長は「市民から支持されたものが決まった。(決定種は)新しい宮古島市を象徴するもので、宮古島市のさらなる発展へつなげたい」と述べ、市民がそれぞれトップに選んだ種が決定されことを喜んだ。
 答申では、久貝委員長が決定に至るまでの経緯を説明。砂川泰忠副委員長は「子供たちや各世帯が、分かりやすいものを選定した。選定委員だけの選定ではない」と述べた。
 同調査では、公平を期すために無作為中抽出による市民アンケートを実施。アンケート用紙は、一般市民六百六十三件、中学生百五十七件の計八百二十件に配布。
 回収は一般市民から三百九十七件、中学生から百五十七件の計五百五十四件(三月二十八日現在)があった。回収率は六七・五%。

 写真説明・久貝委員長(中央)が伊志嶺市長(右)に答申した=5日、宮古島市平良庁舎

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支庁1階に開所農政・農業改良普及センター

 県の組織・機構改革に伴い、二〇〇五年度で廃止された県宮古支庁農林水産振興課の農政係と宮古農業改良普及センターが統合された、「宮古農政・農業改良普及センター」が五日、同支庁一階に開所した。農林水産振興課が所管した農政部門を担当する「農政班」と、旧普及センターの機能として普及に取り組む「普及企画班」、技術改良に努める「農業技術班」の三班で、農政と農業改良普及の行政サービスを行う。
 同支庁一階八重干瀬ホールでの開所式では、同センターの本村隆信所長と、四月に赴任した砂川光弘・農林水産調整監が真新しい看板を掲示した。
 兼城克夫支庁長は「農業改良普及だけでなく、農政も一元的に進めることが望ましく合理的。砂川調整監を中心に、全職員で業務を進めてほしい」と式辞を述べた。
 組織・機構改革で就任し、同センターや農業水産整備課、県家畜保健衛生所などを統括する砂川農林水産調整監は「農政に対応できるスピード感のある農業構造の改善、集落営農の実現を進めていく上では、従来あった農政関係と、常に農家と接してきた普及センターが一体的に動いた方が効率的」と、統合の意義を強調。「地域農業振興のコーディネートと技術の高度化という機能が非常に重視される」と述べた。
 本村所長は「普及と農政が車の両輪のごとく連携することで効果的な面が出てくる。支庁の一階で入りやすいと思うので、農家の皆さんにもどんどん来ていただきたい」と意気込みを示した。
 平良字西里にある旧宮古農業改良普及センターは、▽農家の研修・会議▽土壌分析▽農産加工▽農家や農村地域対象の担い手育成―などの面で活用される。

 写真説明・「宮古農政・農業改良普及センター」の看板を掲げる砂川農林水産調整監と本村所長=5日、県宮古支庁

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大神小が休校へ1人転校で児童数ゼロ
中学生の2人だけに

 宮古島市立大神小学校(座嘉比幸枝校長)が二〇〇六年度、この春四年生になる児童が転校し児童数がゼロになることから休校になることが五日までに分かった。これにより新年度、大神島で学校に通う子供は中学生の二人だけに。同小学校は一九九五年にも休校しているが、歯止めが掛からない児童・生徒数の減少に島民は「本当に残念」などと話している。
 同校や市の教育委員会によると、この春四年生になる児童が五日までに転校手続きを済ませたことから、児童数ゼロで休校が決まった。転出児童は市内の小学校に通う。
 これにより大神島で学校に通う子供は中学一年生が一人、三年生が一人の二人だけとなる 市学校教育課は「来年度の入学についても見通しはない」と、来年度の休校も懸念。ただ、「これまでのように、転入の子供がいるかもしれないので何とも言えない」としている。
 新しく同校に赴任した座嘉比校長は「何と言えばいいのか、今でも戸惑いはある」と、残念そうに語った。その上で「中学校で頑張りたい」などと話した。
 大神小学校は過去、九五年三月に休校。翌九六年には児童の転入があり再開した。中学校は九六年三月に休校、九七年に再開している。

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   収穫が楽しみ泥にまみれて田植え
西辺小児童

 宮古島市立西辺小学校(前泊宣夫校長)の児童約三十人は五日、同市平良字大浦の田んぼで稲の苗を植え付けた。児童らは泥まみれになりながら苗一本一本を丁寧に植え付け、農業の喜びを体験していた。七月には収穫を行う予定で、収穫量は百`を見込む。
 児童らは横一列に並んで田植えを開始。ロープに付けた印に沿って約二十五a間隔で植え付け、「愛情込めて植えよう」と声を掛け合いながら楽しそうに体験した。児童の中には田んぼに寝そべったり、顔を付けたりと普段味わえない泥遊びに夢中になる姿も見られた。
 初めての田植え体験に見里剛輔君(五年)は「最初、泥は気持ち悪かったけどだんだん楽しくなった。初めてにしてはうまく苗を植えることができた。七月の収穫が楽しみ」と満面の笑み。
 この稲の苗の植え付け作業は市むらづくり課と同農地整備課の事業で今回で五回目。県宮古支庁や大浦土地改良区も協力して作業が行われた。

 写真説明・泥まみれになりながら田植えを体験する児童ら=5日、平良字大浦

 

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