200平成18   火曜日

行政改革断行に決意新年度訓示で伊志嶺市長
       官公庁で新年度スタート/宮古島市

 宮古島市(伊志嶺亮市長)や県、国の出先機関の二〇〇六年度業務が三日、スタートした。昨年十月に合併した宮古島市にとっては初めて迎える新年度になる。伊志嶺市長は職員訓示で、「健全な行政運営を行っていくため行政改革の断行が強く望まれる」と強調。行革に対する職員の意識改革を求めた上で、各種施策と事業の推進に全力で取り組むよう促した。この日は異動職員に対する辞令交付も各官公庁で行われた。

 宮古島市は午前九時から、伊志嶺市長が市長部局の異動職員百八十八人に辞令を交付。伊志嶺市長は「これまで培ってきた経験を生かして、新しい部署でも頑張ってほしい」と激励した。
 午後一時三十分からは伊志嶺市長が庁内放送で職員訓示。地方分権や国の三位一体改革などによる影響で「合併しても厳しい財政状況に変わりはない」とし、この財政難を乗り切るためにも行政改革の断行が望まれると強調した。職員に対しては、「行政改革の実施計画を十分に認識し、常にコスト意識を持ってスピード感のある業務遂行に鋭意努力してほしい」とし、宮古島市民に最大限の行政サービスを提供するよう強く求めた。
 取り組むべき課題としてごみ処理施設や葬祭場の建設、下地島空港および残地の有効活用、県立公園の誘致、県立宮古病院の新築移転、市立図書館の建設などを掲げた。伊志嶺市長は「選択と集中を合言葉に、職員一人ひとりが国や県の動きにも目を向けながら、市が取り組むべき各種施策を十分に理解・認識し、事業の推進に全力で取り組むことを強く要望する」と期待を込めた。
 最後に「私も各庁舎を定期的に回り、皆さんと意見交換しながら各分野における課題解決に努めていきたい」と述べ、相互理解を深めながら行政運営に取り組む決意を強調していた。
 この日は宮古島市のほかに、市教育委員会や県宮古支庁、国の出先機関などでも新年度の業務がスタート。それぞれの機関の職員が新しい年度の業務開始に決意を新たにしていた。

 写真説明・異動職員に辞令を交付し激励した伊志嶺亮市長(右)=3日、宮古島市役所

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新採教員 緊張の面持ち「初心を忘れず日々精進を」
宮古教育事務所

 県宮古支庁では三日、職員人事辞令交付が行われ、百三人に二〇〇六年度の辞令が交付された。また宮古教育事務所では異動教職員、新規採用者へ新崎治教育事務所長が辞令を交付し激励した。
 このうち小、中学校の〇六年度新規採用者辞令交付では、九人が辞令を受け新たなスタートを切った。辞令を受けたのは小学校が四人、中学校が二人、養護教諭が一人、事務職員が二人の計九人。新崎所長は祝福の言葉を贈り「初心を忘れず日々精進してほしい。若さと情熱で自主的、積極的に取り組み信頼される教職員となることを期待する」と九人を歓迎した。
 新規採用者を代表してあいさつした平良第一小学校採用の伊良部真樹子さんは「この日を迎えられたことを心からうれしく思う。あきらめず何事にも挑戦し、人とかかわり合うことの大切さを子供たちにも伝えたい。一つ一つの出会いを大切に感謝の気持ちを忘れずにいたい」と決意を述べた。
 新規採用となった九人は一年間の初任者研修を通し、実践的指導力や使命感、幅広い知見を身に付ける。

 写真説明・新崎所長が新規採用者に辞令を交付し激励した=3日、宮古教育事務所

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新採用4人に辞令宮古島市

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は三日、二〇〇六年度の市長部局における新規採用職員四人に辞令を交付した。新規採用職員を代表して古謝輝美さんが「誠実、かつ公正に職務を実行することを誓います」と宣言し、宮古島市発展に尽力する決意を示した。
 辞令交付は午前十時二十分ごろ行われ、伊志嶺市長が新規採用職員一人ひとりに辞令を交付。辞令を受けた職員らは「頑張ります」などと述べ決意の表情を見せていた。
 伊志嶺市長は「市民の目線で公正、公平に業務を遂行してほしい。市民のために、宮古島市職員としてきっちり仕事ができるよう期待する」などと激励した。
 同市の〇六年度の職員採用候補者試験は二月五日に第一次候補者試験が実施され、計三百四十五人が受験し、狭き門に挑んだ。この結果、二十六人が同試験を突破、先月五日に行われた第二次試験に挑み、計十人が最終合格者となった。
 〇六年度、市長部局での採用は四人だが、同部局以外の部署で三人を採用しており、宮古島市の採用者数は合わせて七人となっている。

 写真説明・新規採用職員の古謝さん(左)が決意を表明した=3日、宮古島市役所

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懸案の教育研究所開設10月から研修受け入れ
離島のハンディひとまず解消/宮古島市

 宮古島市立教育研究所(島袋正彦所長)の開所式が三日、下地庁舎三階で行われた。県内十一市のうち唯一、宮古島市に無かった教育研究所。長年の懸案事項であったその設置に、教育関係者らは喜びを見せ、教育力の向上を図るための研修施設として期待を寄せた。同所では五人体制で十月一日の研修受け入れ開始を目指し、小学校、中学校から二人ずつ、年間で計四人の教職員を受け入れる。

 教職員の研修施設としての機能を持つ「宮古島市教育研究所」は、一九八二年からこれまで何度も県に同所の設置を要請してきたが、県は予算の都合で設置はできないと回答。九二年からは旧平良市に同研究所の設置を要請し続けてきた経緯がある。県立にこだわり幾度となく行われてきた要請だが、九六年に中断。〇五年二月に、宮古市町村教育会長から、宮古市町村会長へ市町村合併の目玉として市立教育研究所の設置を要請。市側が理解を示し今年三月の議会で設置が承認された。
 教育研究所は、教育に関する専門的、技術的事項の調査および研究や研修、研究成果の普及に関することなど、教職員の研究活動やその教育力の向上を図るための研修施設として設置された。宮古にはこれまで同様の施設はなく、研究を深めたい教職員は宮古を離れて、県教育総合センタ=沖縄市字与儀=で長期滞在型の研修を余儀なくしていたという。家庭や個人の事情で研修を断念する教職員も多く、離島の問題点として挙げられていた。
 伊志嶺市長は「豊かで活力ある島づくりを実現するため多様な人材を育成することは重要な施策の一つ。研究所の設置により、教育職員の研修体制が整えられたことは、子供たちの学力の向上と豊かな心の育成に大きくつながる。さらに子供たちをサポートするための教育相談体制の充実が図られるだろう」と期待を込めてあいさつした。
 市教育委員会学校教育課長と兼務する島袋所長は「宮古にはこれまで教職員の研究施設がなく、沖縄本島で長期滞在型の出張研修を余儀なくしていた。家庭を持つ教職員には途中で研究を断念しなくてはならない状況もあったと思う。十月までに最低限の設備を設置し、教職員らを迎え入れたい」と話した。
 同研究所は、小、中学校の公立教職員が対象。四―九月の前期、十―三月の後期に分けて、それぞれ小、中学校から一人ずつの教職員を受け入れ、指導主事らの下、各自のテーマに沿った研究を進める。また、不登校の生徒を受け入れる「適応指導教室」や、教育の相談全般を受け付ける「教育相談室」も同所に設置される。

 写真説明 上・開所式であいさつを述べる伊志嶺市長=3日、宮古島市教育研究所
 写真説明 下・「宮古島市立教育研究所」の看板を掲げた(右)伊志嶺市長と久貝教育長=3日、下地庁舎3階

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暴力相談支援センター保健所内に開設
婦人相談員が対応へ

 宮古福祉保健所(上原真理子所長)は、配偶者などからの暴力(DV=ドメスティック・バイオレンス)を主な相談業務とする「宮古配偶者暴力相談支援センター」を同所内に開設し、三日、看板を掲げた。同センターの婦人相談員にも同日辞令が交付され、今後は保健所職員と連携して相談者の支援を行っていく。同センター専用電話番号は、72・3132。
 宮古ではこれまで、県女性相談所からの駐在員が相談業務に当たってきた。相談件数は▽二〇〇三年度が八十四件▽〇四年度が百十一件▽〇五年度が百二十八件と増加傾向にあり、DV関係の内容が九〇%を占めている。今後は、同駐在員が行ってきた相談を受けての対応や自立支援を行う機能が同センターに移行、保健所として組織的に相談、支援業務を展開することで、より充実した支援体制の整備を目指す。同センターの婦人相談員は、原則として一カ月に十六日の勤務。時間は午前八時三十分から午後五時までとなっている。
 上原所長は「相談業務を通して、問題や悩みを抱える女性たちに役立つようにしたい」と話した。

 写真説明・宮古配偶者暴力相談支援センターの看板を掲げる上原所長(左)と糸数正美福祉総括=3日、宮福祉保健所

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   九州準V佐良浜中男子バレー部帰島父母ら活躍たたえる
「夏は雪辱目指す」

 福岡県で開催された第二十三回九州中学校バレーボール選抜優勝大会で準優勝した佐良浜中男子のメンバーが三日、帰島した。宮古空港には大勢の父母や学校関係者らが横断幕で出迎え選手たちの活躍をたたえた。上地将貴主将は「決勝は力不足だった。夏の大会で雪辱し全国制覇を目指したい」と決意を述べた。
 佐良浜は、水巻(福岡二位)との初戦に敗れたが、敗者復活戦から勝ち上がり再び水巻と対戦。セットカウント2―1で雪辱を果たし、波に乗った佐良浜は決勝まで駒を進めた。決勝は全国ナンバーワンと呼び名の高い日宇(長崎一位)と対戦し、善戦及ばずストレートで破れ、準優勝となった。
 佐良浜は、九州大会後、先月二十九日から同県で実施された九州や関東のトップチームを集めた合宿に参加。高いレベルでの強化試合を行ったという。
 仲間智監督が「準優勝というお土産を持ち帰れた。日宇は対戦したかった相手だった。力は及ばなかったが課題が見つかった。合宿で勝ちと負けのパターンが分かった。子供たちも全国への気持ちを再確認できたと思う」と述べた。
 平敷善盛校長は「準優勝おめでとう。宮古や沖縄の中学生に自信と勇気を与えた。感謝の気持ちを忘れずに練習に励んでください」と話した。

 写真説明・九州準優勝を手土産に帰島した佐良浜中男子バレーボール部=3日、宮古空港

 

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