200平成18   月曜日

海水浴シーズン幕開け海びらき宣言 子供たちが初泳ぎ
       与那覇前浜ビーチ

 宮古島市発足後初の開催で、今年で第二十八回を数える「サンゴの楽園未来まで 集まれ遊ぼう 宮古島の海びらき」(主催・宮古観光協会、共催・宮古島市、多良間村)が二日、下地の与那覇前浜ビーチで行われ、二〇〇六年の海びらきが宣言され、宮古島の海水浴シーズンが幕開けした。「東洋一の砂浜」と呼ばれるビーチには、訪れた親子連れや観光客ら約三千人(主催者発表)の歓声が響き、初泳ぎや各種イベントを満喫した。

 この日は、朝からあいにくの雨に見舞われ、開催が危ぶまれた。しかし主管する宮古観光協会青年部が随時、天気予報を注視しながら、午前十時の開始を同十一時すぎまで順延。しばらくすると雨も上がり、オープニングセレモニーが始まるころには雲の切れ間から太陽の光も差し込むなど、予定したイベントのほとんどが実施された。
 海びらき宣言を前に、ツカサと関係者らが、海に向かって今年一年の海の安全を祈願。オープニングセレモニーでは冒頭、主催者を代表して宮古観光協会の藤村明憲会長が「この一年の海の安全と豊漁、宮古圏域の隆盛を祈りながら、島に住む人たちに環境保全、観光振興への理解と協力をいただきたい。今年は観光入域客数四十万人を達成して盛大に祝いたい」と力強くあいさつ。宮古島市の伊志嶺亮市長、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の洲鎌孝常務理事がそれぞれ祝辞を述べた。
 これに引き続いて同協会の我那覇宗広青年部長とミス宮古の三人が、高らかに海びらきを宣言。ラジオ体操で体をほぐした子供たちが、合図とともに一斉に海へとダッシュ。青い海に歓声がこだました。最高気温は二六・六度を観測。参加者らは一足早い夏を大いに楽しんだ。
 砂浜では、トレジャーハンティング(宝探しゲーム)、ウナギ・クルマエビのつかみどり、宮古島○×クイズ、小学生十人十一脚レース、宮古馬乗馬やシーカヤック、漂着物アート体験のコーナーなど、多彩なイベントが行われ、大いに盛り上がった。
 砂川鉄信君(久松小四年)は友人たちと参加。「思ったより水は冷たくなかった。いっぱい海で遊べるのが楽しみ」と笑顔を見せた。
 松本あかねさん=埼玉県=と池浦登紀江さん=新潟県=の姉妹は、互いの家族同士で初めて来島。池浦さんは「新潟はまだ雪が残っていて、四月に泳げるのはすごい」と驚いた様子。松本さんの娘の莉央さん(五年生)は「初めてシーカヤックに乗った。少し怖かったけど楽しかった」と話した。
 那覇市から来た屋比久弾君(城南小四年)は、トレジャーハンティング(宝探しゲーム)で携帯ゲーム機を獲得し、「とてもラッキー」と満面の笑み。下地出身の母・麻美さん、父・亨さんと里帰りを満喫していた。

 写真説明・合図とともに一斉に海へと駆け出す子供たち=2日、与那覇前浜ビーチ

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豊作に期待込め/芯止め作業がピーク
葉タバコ

 二〇〇六年産葉タバコの芯止め作業がピークを迎えている。一部で収穫作業を始めている農家もいるが、本格的な収穫は四月中旬以降になる見込みだ。今期葉タバコは気象条件などに恵まれて作柄はまずまず。最近の雨の多さが気になるところだが、各農家ともに今後の気象条件の上向きに期待を込めている。
 芯止めは花を摘み、葉の部分に栄養分が行きわたるために行う作業。二日、下地字川満の畑で作業に精を出していた農家は「雨の多さが気になる。今は雨の影響で上(葉)と下(根)のバランスがいまいちかみ合わないが、これからの天候に期待している」と話していた。
 〇六年産葉タバコは昨年十二月初旬に播種されている。気象条件により苗の発育がやや遅れたものの今年一月の下旬には本畑に移植。今は収穫を待つばかりだ。
 県たばこ耕作組合によると、宮古地区の〇六年産葉タバコの栽培面積は合計六万三千二百十三eで、前期と比べ八十七eの減少。地区別にみると▽平良八千六百四十e▽城辺二万三千二十e▽下地一万四千百三十三e▽上野一万一千四百六十e▽伊良部三千六百五十e▽多良間村二千三百十e―となっている。農家戸数は▽平良二十五戸▽城辺五十戸▽下地三十八戸▽上野三十一戸▽伊良部十五戸▽多良間村十一戸―で計百七十戸。

 写真説明・芯止め作業に精を出す農家=2日、下地字川満

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宮古の森つくろう再生願い植樹祭
タブノキなど2500本/100人参加

 フィールドノート・みゃーく塾(主宰・松崎治筑波大学大学院講師)は二日、平良地区の宮原水源涵養林造成地で「宮古島・土地本来の森」のモデルづくり植樹祭を行った。親子連れら約百人が参加しタブノキやヤブニッケイなど計二千五百三十四本を植樹。宮古本来の森の再生を願った。

 この植樹は、昨年七月から開催された植物生態学連続講座(全十回)の一環。潜在自然植生理論を基に、科学的な見地から宮古島の土地本来の森に適した木を選定し、縦三十b横十四bの土地に、主木となるタブノキとヤブニッケイを、主木を囲むようにトベラやシマヤマヒハツなどを植えた。
 主催者を代表して松崎さんは「宮古の遺伝子を持った木を植え、宮古本来の森を造ろう」と呼び掛けた。
 植樹の開始時は、大粒の雨が降る悪天候だったが、作業を続けるうちに回復し、暖かな日が降り注いだ。参加者はスコップで苗を植える穴を掘り、一本ずつ丁寧に植えていた。
 友利正治さんは、惇平君(南小四年)、桃子ちゃん(同一年)とともに参加。惇平君は「木を植えるのは楽しい。ミミズがいっぱい出てきた」と笑顔。正治さんは「宮古や子供たちのためになると思って参加した。活動を続けていけば子供たちにも環境に対する意識が芽生える」と話した。
 友人四人らと参加した前泊優美さん(宮古高校二年)は「今は実感がないが、植樹は宮古の将来につながると信じている。大きく育ってほしい」と汗をぬぐった。
 また、植樹中には久貝哲雄さんが三線を奏で民謡を披露。参加者らは口ずさみながら作業を続け、和やかな雰囲気で作業が行われた。

 写真説明・雨が振りしきる中作業する参加者ら=2日、宮原水源涵養林造成地

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「えんどうの花」 上映/本永監督らが舞台あいさつ
宮良長包の人間像を描く

 沖縄の音楽家、宮良長包を描いた映画「えんどうの花」(本永良夫監督)が二日、マティダ市民劇場で上映された。故宮良さんの人間像と音楽教育に触れようと、会場には大勢の市民が足を運んで宮良長包一色の世界を堪能した。
 宮良さんは教育者であり作曲家。石垣島の出身で現代沖縄歌謡における著名な人物だ。今回の映画は、その宮良さんの生誕百二十周年の記念したドキュメンタリードラマとなっている。
 午後二時三十分に舞台あいさつに立った本永監督は「多くの県民の強い後押しで完成させることができた。昔は至るところにえんどうの花が咲いていた。そんな昔を思い出しながら映画を楽しんでほしい」と来場者に呼び掛けた。
 上映会が始まると、観客らは静かにスクリーンに映し出される宮良さんの人間像に触れた。上映後は「感動した。素晴らしい映画」などと話し本永監督ら制作スタッフに感謝の気持ちを表していた。
 上映会後に会見した主演の池田卓さんは「離島で上映することができてうれしく思う。来場してくれた方々に心から感謝しています」などと話していた。

 写真説明・上映会で舞台あいさつした本永監督ら=2日、マティダ市民劇場

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当局が再度説明会開くごみ処理施設建設
一部住民は退席
/下地川満地区

 下地地区川満部落は二日、二〇〇五年度第三回定期総会を開き、この中でごみ焼却炉施設導入について候補地として挙がったいきさつや視察などこれまでの経緯を説明。市当局が施設整備事業計
画の概要について説明した。この日は、施設受け入れについて賛否は問わなかった。久貝順一前部落会長は、施設導入のメリットについて「部落の安定収入につながる」と述べながらも住民側の判断に委ねた。説明を拒否する住民と受け入れる住民とで賛否両論あり、一部住民は当局側の事業説明時に退席した。役員改選も行われ新部落会長に久貝正明さんを選任。ごみ処理施設建設については新しい役員に引き継がれていくが、今後のめどは立っていない。
 説明会で住民は、候補地として挙がったいきさつや事前説明が無かったことについて当時かかわった部落役員に説明を求めた。前部落会長の久貝さんは、以前から公共施設用地の構想が部落内にあったことや、説明会は多忙な製糖期を避けたことを話し理解を求めた。
 久貝さんは「候補地に挙がっている以上、部落民が真剣に考えなければならない。説明を十分に聞き、時間をかけて皆で真剣に考えてほしい」と呼び掛けたが、一部住民は「説明を聞く必要はない」と説明を拒否した。説明を拒む住民に対し、別の住民は「自分たちの生活から出ているごみはどうするのか。門前払いでいいのか。自分たちでも考えてみてもいい。施設に対するイメージを払しょくする必要がある」として説明の必要性を主張。これにある住民はすでに川満最終処分場が建設されていることに触れ「今の段階で十分に負担している。いまさらなぜ負担を増やさないといけないのか。他に持っていってほしい」と反対の理由を話した。
 今後は、新部落会長の久貝正明さんら〇六年度の新役員らで協議していくが、久貝新部落会長は「これまでの部落役員と行政との関係を把握していない。はっきりと把握してから評議員会で今後について決めていく」と話した。

 写真説明・住民へごみ処理施設建設の事業計画を説明する当局。住民の一部は退席した=2日、川満構造改善センター

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   歌や踊りで激励/高校生が「新入生歓迎大演芸会」
池間島

 新しく高校に入る生徒たちを歓迎しながら地域住民との交流を深める、池間島の「新入生歓迎大演芸会」(主催・池間生徒会)が一日夜、池間島離島振興総合センターで行われ、新入生を合わせた高校生十七人が、歌や踊りで島の住民たちを楽しませた。
 演芸会はもともと、大橋が架かる以前に島から高校へ行くための資金造成が目的で始まり、その歴史は戦後から、五十年以上にもなるという。学費という目的がなくなった今でも、演芸会は島の高校生たちの手で受け継がれ、池間に四月の到来を告げる恒例行事となっている。
 今年は七人が高校へ進学。新三年生四人、新二年生六人の計十七人で、この日に向けて練習した「港町十三番地」「沖縄娘」「チャイナタウン」など二十のプログラムを披露した。
 会場には、地域の子供からお年寄りまで多くの島民が詰め掛け、一生懸命に楽しませようとする高校生たちに、大きな拍手を送っていた。
 「池間生徒会」会長の勝連翔太君(翔南高校三年)は「演芸会をやらないと、四月、春にならない感じがする。踊ったりするのは緊張するけれど、自分たちも、来てくれる皆さんにも楽しんでもらえれば」と話した。宮古工業高校に進む仲間大介君は「練習は大変だったけれど、きょうの出来はまあまあ。高校では危険物取扱者など、いろいろな資格を取りたい。将来は自動車関係の仕事をしたい」と語った。
 来場者の一人、野原悦子さんは「私も三十年くらい前に踊った」と懐かしみ、「毎年四月はこの演芸会が楽しみ」と話していた。
 池間島から高校へ入学するのは次の皆さん。(敬称略)
 【宮古高校】▽浜川和樹▽勝連優希▽奥浜靖▽佐久本沙織【宮古工業】▽仲間大介▽山口修也【 翔南高校】▽嵩原優希

 写真説明・たくさんの歌や踊りで島民を楽しませた高校生ら=1日、池間島離島振興総合センター

 

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