2006年(平成18年)
4月1日 土曜日
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新年度予算は23億円計上/伊良部架橋建設
海中道路建設に着手/橋脚建設仮桟橋なども予定
【那覇支局】二〇〇六年度の予算が三十一日に閣議決定したことを受け、沖縄総合事務局建設部では同年度の開発部予算、主要事業および施策を公表した。継続事業の伊良部架橋(一般県道平良下地島空港線)については、同年度予算としては二十三億円が計上され、事業の実施内容としては、海上部の橋台、橋脚を建設するための仮桟橋や宮古島側の陸上道路、伊良部島側の海中道路の一部の建設工事が実施されることとなった。また、継続事業の平良城辺線の電線地中化事業には新年度予算で二億五千万円が計上されている。
沖縄総合事務局開発建設部所管の新年度予算は、総事業費で二千百八十億円で、対前年度比では〇・六%増となっている。そのうち、直轄事業は八百二億円(対前年度比約〇・六%減)、補助事業は約千三百七十八億円(同比約一・四%増)となっている。
伊良部架橋については、〇五年度で建設事業費として六億八千万円を計上し、橋脚部分の地盤を確認するボーリング調査などを実施してきた。
〇六年度の予算は大幅に伸びて二十三億円が計上されたことで、さらに急ピッチで工事が進む予定となっている。
伊良部架橋は、平良字久貝と伊良部字池間添をつなぐ県道で、四`の長さは瀬戸大橋にほぼ匹敵し、離島架橋としては国内最長となる。全体事業費は約三百二十億円を見込み、二〇一二年度の完成を目指している。
新年度予算として二億五千万円が計上された平良・城辺線の電線地中化は、電線共同溝本体工事を行う予定となっている。
平良城辺線は、本年度からの新規事業。現況の歩道下に電線類を地中化するもので、事業期間は、○五―○八年度の四年間。○五年度は実施設計などの調査を実施。地中化延長は五千五百b(交差点部含む)。総事業費は十五億円。
同開発建設部予算の〇六年度事業区分別では、道路関係に千九十一億七百万円、治水関係に二百四億七千四百万円、港湾関係に二百九十億三千三百万円、空港関係に五億九千二百万円、公園関係に百七十一億一千二百万円、海岸関係に十七億六千八百万円、住宅関係に百五十五億九千七百万円、市街地関係に四十二億四千百万円、下水道関係に百七十七億八千九百円、官庁営繕に二十三億三百万円で、総合計は二千百八十億一千六百万円となっている。
新年度の事業方針については、〇四年度に策定された社会資本整備重点計画の「沖縄ブロックの社会資本整備に係わる地域の将来の姿」に基づき「活力」「安全」「環境」「暮らし」に関する四つの目標実現に向けた施策を展開するとしている。
具体的には「活力」が自立経済の構築と持続的発展を支える基盤づくり。「安全」が安全・安心な生活の確保と災害に強い県土づくり。「環境」が沖縄特有の豊かな自然環境保全・創出。「暮らし」が特性を生かした安らぎと活力ある地域づくりとなっている。
主な新規事業としては、浦添市の慢性的な渋滞を緩和するとともに那覇空港から中部地域へのアクセス性の強化を図る「沖縄西海岸道路浦添北道路」などが盛り込まれている。
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家族連れでにぎわう/サニツ/潮干狩り楽しむ
伝統行事のサニツ(旧暦三月三日)に当たる三十一日、宮古各地の海岸などでは潮干狩りを楽しむ家族連れらでにぎわった。波打ち際では、家族らが海水で顔を洗うなどして体を清め無病息災を願う伝統行事「ミナンガハナ」も行われた。
この日の天気は晴れ、絶好の潮干狩り日和となった。干上がった岩場の穴に潜むタコや貝を探しながら潮干狩りを満喫していた。
長浜博幸さんら家族三人は上野新里の海岸でタコやサザエ、ウニなどを取り「今年は大漁。この日を一年間待っている。この海の恵みをみんなで味わいたい」と大喜びだった。
下地の与那覇湾に祖母と訪れた杉本優心ちゃん(二つ)は、海水で体を清め向こう一年の健康を願った。また、岩場でアーサ採りを行い、笑顔を見せていた。
写真説明・干上がった湾内には大勢の家族連れでにぎわった=31日、大浦湾
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自然を散策、俳句楽しむ/特選に佐次田君ら3人
児童・生徒60人の感性光る/春休み子ども吟行会
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退職者22人に辞令/宮古島市
長年の労たたえる/伊志嶺市長
宮古島市(伊志嶺亮市長)は三十一日午前、二〇〇五年度の退職者二十二人に退職辞令を交付した。伊志嶺市長は「長年にわたり、市民のために働いてくれたことに心から感謝している」と退職者の労をたたえた。
退職者の内訳は定年が十六人、勧奨が四人、普通が二人。所属別の内訳は市長部局の退職者が十一人、教育委員会が八人、農業委員会が一人、消防二人だった。最長勤務年数は川満幸雄さんで四十二年だった。辞令交付は午前九時から平良庁舎で行われ、伊志嶺市長ら所属長が退職者一人ひとりに辞令を交付した。それぞれ「ご苦労さまでした」と声を掛けながら手渡した。
退職者の一人で、四十年間勤めた狩俣博三さんは「健康な体で退職辞令をもらえることをうれしく思う。これからの人生も精いっぱい頑張っていきたい」と感謝と決意を話していた。
退職者は次の皆さん。(敬称略)
【市長部局】▽狩俣博三▽川満幸雄▽下地敏雄▽与那覇清▽下里重剛▽佐久田剛▽上地栄長▽前里加代子▽糸数健▽根間昌良▽砂川永太郎
【教育委員会】▽前泊収▽下地義昭▽与那覇哲雄▽荷川取明喜▽伊良部洋一郎▽狩俣カツ子▽奥平春代▽砂川和子
【農業委員会】▽奥平良太郎
【消防】▽佐久田幸男▽仲原和茂
写真説明・退職辞令を受け取り庁舎前で記念撮影を行った退職者ら=31日、宮古島市役所
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22年の歴史に幕/新協会設立に向け
市文化協会総会
平良市文化協会(立津精一会長)の最後の総会が三月三十日午後、宮古島市平良のレストランで開かれた。四月に新たに設立される「宮古島市文化協会(仮称)に向け、「平良市文化協会解散承認の件」など四議案が上程され、全会一致で承認され、二十二間にわたる歴史に幕を閉じた。
平良市文化協会は、旧平良市の「文化都市ひらら」を建設する目的で一九八四年に設立された。昨年十月一日に旧五市町村が合併したことに伴い、その目的を終了し解散とした。
総会の冒頭、立津会長は、二十二年間の幕引きを惜しみながら「平和で心豊かな文化が薫る宮古島市文化協会を目指そう」とあいさつ。これまで支援・協力してきた個人・団体・賛助・特別賛助の会員らに感謝した。
来賓で出席した伊志嶺亮市長と久貝勝盛教育長は、同協会が果たしてきた役割や功績をたたえた上で、新協会の設立に期待を寄せた。
二○○五年度収支決算は、収入が百十三万六千円、支出が九十九万三千円で、差し引き十四万三千円の黒字。現金などの資産目録は新協会へ譲渡処分される議案は承認された。
また「文化協会関係施設の復元について」の要請文も承認。「宮古島市文化協会」が入る文化施設の建設を要請する内容。近く同協会の役員らが、伊志嶺市長へ要請する。
解散に伴い、功労者で表彰された方は次の皆さん。(敬称略)
【顧問】下地明増【役員】立津精一▽友利吉博▽中村逸子▽亀浜文▽下地勝子▽長浜隆▽下地利幸▽平良是守▽垣花泰隆▽仲宗根將二▽与儀一夫▽与那嶺達男▽野村安潤【監査委員】古堅宗和【事務局】平良恵子【方言弁論大会審査委員】上地照子▽与那覇博敏▽根間義雄▽親泊宗二
写真説明・会員などが功労者表彰された=3月30日、平良のレストランクール旧館
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支庁の新組織スタート/農林水産調整監を新設
県行財政改革プランの二〇〇六年度出先機関見直し(再編)計画に伴う宮古支庁の新しい組織がきょう一日からスタートする。今回の再編では、農業関係の三部署を統括する農林水産調整監を新設。次長職と農林水産振興課は廃止された。
新設の農林水産調整監は農林水産整備課、宮古農政・農業改良普及センター、宮古家畜保健衛生所の三部署を統括する。
県は「統括監級の農林水産調整監の配置は、農業行政に力を入れるため」としている。次長職と農林水産振興課の廃止については、伊志嶺亮旧宮古市町村会長らが昨年九月、行政機能を低下させる懸念があるとして組織の現行維持を県に要請したが、受け入れられなかった。廃止された農林水産振興課の農業行政事務は、農政・農業改良普及センターに、林務、水産行政は農林水産整備課に引き継がれた。今回の組織改編で、支庁の職員定数は前年度の二百五人から二百一人に減った。
行財政改革プランは、〇八年度には、支庁組織を県民センター、福祉保健所、農林水産振興センター、土木事務所の四組織に改編する計画を示している。
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