200平成18  31 金曜日

特A152社に命令通知/宮古関係9社も対象
/県発注工事談合で公正取引委員会

 【那覇支局】県発注の土木建築工事をめぐる談合問題で公正取引委員会は二十九日付で独占禁止法に基づき、同法違反で県指定特A業者百五十二社に対して談合廃止を求める排除措置と納付期限を六月三十日とする課徴金総額約三十億円の納付命令を出した。この中には宮古関係と思われる九社も含まれている。三十日には渡辺健一公正取引委員会事務総局審査局第一審査上席審査専門官が那覇市で会見を開き処分内容について発表した。
 対象となった宮古関係と思われるの九社はすべて排除措置命令を受けた。また、九社のうち課徴金の対象となった八社の合計は二億四千八百二十六万円で、さらに県に支払う違約金(損害賠償金)は最大で八億二千七百五十三万円となり、課徴金と違約金の合計は最大で十億七千五百七十九万円となっている。
 公取委が示した排除措置、課徴金命令の内容は、県発注の特定土木工事で排除措置命令が百社、課徴金納付命令が九十九社となり、課徴金額は十九億五千五百十七万円となっている。
 県発注の特定建築工事では、排除措置命令が百三社、課徴金納付命令が七十二社で課徴金額は十一億四百六十七万円となっている。
 両方の工事における排除措置命令対象は延べ二百三社(実数百五十二社)、課徴金納付命令対象は延べ百七十一社(実数百三十六社)となり、課徴金額は三十億五千九百八十四万円となっている。
 公取委が示した違反行為の概要は、県が発注する土木一式工事の入札参加業者百社と、建築一式工事の入札参加業者百三社は、県発注の特定建築工事について、それぞれ、遅くとも二〇〇二年四月一日以降、受注価格の低落防止及び受注機会の均等化を図るため、共同して、受注予定者を決定するなど、公共の利益に反して、各工事の取引分野における競争を実質的に制限したとしてしている。
 〇二年四月から昨年六月までの県の発注工事は土木工事で二百九十七件。そのうち違反と認められた工事は二百七十八件で、受注額は六百二十億円以上となっている。建築工事は百一件で違反は九十八件となり、受注額は三百五十億円以上となっている。今回の問題における課徴金額は全国で過去七番目の額となっている。
 今回の処分対象は、県の六部局が発注した土木・建築工事で課徴金は県工事請負金額の三%、県が求める賠償金は同請負額の一〇%となっている。

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「幻の大陸」に歓声/八重干瀬まつり始まる

 八重干瀬まつりが三十日から四月一日まで三日間の日程で始まった。初日は県内外から観光客ら約八百人がツアーに参加し、「幻の大陸」ともいわれる干上がったサンゴ礁群を訪れ、「すごい」「きれい」などと歓声を上げて雄大な景色を楽しんだ。
 八重干瀬は、池間島の北方約五―十五`の沖合にある日本最大のサンゴ礁群で、総称して「やびじ」と呼ばれている。全体の大きさは南北約十`、東西約七`に及ぶ。大潮で潮が引くと、大小百余りのサンゴ礁群が海面に姿を現す。
 この日は、宮古フェリーとはやて海運の二隻で出発。このうち宮古フェリーの「ゆうむつ」は「キジャカ」と呼ばれる東西約一`、幅約六百bのリーフに到着。ツアー客らはサンゴを踏みつぶさないよう気を付けながらリーフ上を歩き、一面に広がった雄大な自然を満喫した。また、二十九人のサンゴ礁ガイドも同行し、ツアー客らにサンゴの名前や八重干瀬にすむ生き物の生態などを紹介した。
 茨城県から家族六人で訪れた西麻衣子さん(30)は「普段は海中に沈んでいる所に立っているのが不思議。家族全員で楽しんでいます」、西彩音ちゃん(9つ)は「魚も夜光貝も見たよ。色がきれいだった」とそれぞれ感動した様子だった。
 八重干瀬まつりは、あす四月一日まで行われる予定。期間中、約二千三百人のツアー客が八重干瀬を訪れる。

 写真説明・雄大な景色を楽しむツアー参加者ら=30日、八重干瀬の「キジャカ」と呼ばれるリーフ

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4団体8個人を表彰/心豊かなふるさとづくり表彰式

 平良市民運動実践協議会(前川尚誼会長)は二十九日、第二十三回心豊かなふるさとづくり表彰式を市内のレストランで行い、地域の美化に貢献したとしてクリーン・グリーン・グレイシャスの各部門で四団体と八個人を表彰した。代表してあいさつした「緑の街角賞」受賞者の本村一雄さんは「期待に応えられるよう庭造りなど緑化活動に取り組んでいきたい」と喜びと意気込みを話した。

 同協議会は一九七七年に発足。「心豊かなふるさとづくり」に取り組んできたとして、緑の街角賞で二十六団体延べ二百六人を、クリーン賞で二十団体十七個人を、親切運動賞で二十三団体二百十個人の計六十九団体四百三十三人を表彰している。昨年十月の市町村合併により今回が平良市として最後の表彰式となった。
 あいさつに立った前川会長は「新市に基づく新しい協議会を立ち上げ、全島を網羅したクリーン・グリーン・グレイシャス活動が展開されるよう努力する所存」と話し関係者に感謝した。
 受賞者は次の皆さん。(敬称略)
 【クリーン部会】▽クリーン賞=ふたば保育園、共和産業
 【グリーン部会】▽緑の街角賞=本村一雄▽緑化推進賞=仲里長造▽植栽美化賞=砂川昌則▽緑の塀賞=前泊豊彦▽特別賞(花いっぱい賞)=下地恵吉▽特別賞(植栽努力賞)=亀浜勇助
 【グレイシャス部会】▽親切運動活動賞=健康がんずぅグループ、三和建設、友利吉博、久高洋子

 写真説明・クリーン・グリーン・グレイシャスの各部門で表彰された皆さん=29日、レストランクール

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平良6段が連覇/第28期宮古本因坊決定戦

 囲碁の宮古一を決める第二十八期宮古本因坊戦(主催・宮古毎日新聞社、主管・日本棋院平良支部、協賛・こすみ囲碁教室)の決定戦が三十日、こすみ囲碁教室で行われ、平良博彦6段が優勝した。第二十七期に続き二連覇となり、五度目の宮古本因坊の座に就いた。平良6段は「皆が注目する伝統の大会で優勝できうれしい。これからもできるだけ多く碁を打ち、他の大会でも優勝を狙いたい」と喜びを話した。
 決定戦は午後三時から行われ、対局に先立ち宮古毎日新聞社の松原清吉編集局顧問、こすみ囲碁教室主宰で審査員長の池間博美名誉本因坊があいさつし、二人を激励した。
 二十六日の決勝リーグを持ち越して行われた決定戦では、平良6段と野原常彰6段が対戦した。二連覇を目指す平良6段と初タイトルを狙う野原6段の対局は、布石は互角の状態で進行。途中から白番の野原が黒の大石を狙い過ぎて少し遅れを取り、その後も黒の大石をめぐる攻防が続いたが、黒番の平良がうまく打ち地合でリード。その後大きなコウ争いが起き、フリカワリも黒が得をし終盤に入るころには優勢が明確に。結果、黒が中押し勝ちを収めた。
 これまでの対戦を振り返り平良6段は「最近碁を打つ機会が減り実践不足だったのでどうなるかと思っていたが、全体的にまあまあの碁が打てた」と感想。碁を始めてから約四十年という平良6段は「碁は奥が深い。いくら打っても答えが見つからない。今でも分からないことばかり。そこが長年続いている碁の魅力」と話した。
 野原6段は「二時間という長時間で根気が続かなかった」と敗因を述べながらも「碁は楽しい。これからも楽しみながら続けていきます」と話した。
 第二十八期宮古本因坊戦の一次予選は十二日に行われ、四段以下十二人が参加。十九日に行われた二次予選には一次予選を勝ち抜いた勝者二人を含めた三十人が参加し、頭脳戦を展開した。決勝リーグは二十六日に行われ、平良6段と予選を勝ち抜いた野原6段、下地孝治5段、池村浩明5段が対戦。プレーオフの末、平良6段と野原6段が勝ち進んだ。

 写真説明・2連覇で5度目の宮古本因坊の座を獲得した平良博彦6段=30日、こすみ囲碁教室

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宮古島の松食い虫被害終息/発生確認から13年ぶり

 県は三十日、宮古島における松食い虫被害の終息を宣言した。終息宣言は被害発生が確認された一九九三年以来、十三年ぶり。旧市町村の徹底した駆除作業が功を奏した。終息宣言は兼城克夫宮古支庁長と国吉秀治農林水産部長が、それぞれ支庁と県庁で同時発表した。
 宮古の旧市町村は、松食い虫の被害を受け集団的な枯れ松が確認されるようになった九三年から、被害木を切り倒して焼却する駆除作業を自主的に実施。九八年から国、県の補助を受け徹底駆除を行ってきた。その結果、被害木が減少。二〇〇二年から三年間、森林総合研究所と同九州支所で調査した結果、病原体「マツノザイセンチュウ」の生息が確認されなかったため、「宮古島では根絶された可能性が高く、生息しない」と結論付け、終息宣言となった。
 記者会見で兼城支庁長は「今後は伐採木や苗木の島外移動が自由になり、(終息は)経済的な面で効果がある。それと、緑も守れる」と意義を強調。その上で、再侵入防止のため沖縄本島など汚染地域から松材を持ち込まないよう、市民の協力を呼び掛けた。
 支庁は今後の課題に、松材の輸移入の水際での監視体制強化を挙げ、具体的に県、宮古島市、港湾・運輸関係者、関係団体が連携して松材の輸移入防止に取り組んでいく方針を示している。
 被害木の駆除量は九三年度から〇四年度までの十二年間で二千四立方b(約六千本)に上った。被害は旧平良市と旧下地町に集中し平良で千七百八十三立方b(約五千三百五十本)、下地で二百十二立方b(約六百三十本)が伐採焼却された。

 写真説明・松食い虫被害の終息を宣言した兼城支庁長(左)=30日、宮古支庁

 松食い虫被害 媒介虫「マツノマダラカミキリ」が運ぶ病原体「マツノザイセンチュウ」によって起こる被害。ザイセンチュウが松の中に侵入すると、急激な生理異常をもたらし松を枯らす


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   06年度予算1億3000万円を計上/商工会議所通常議員総会

 宮古島市商工会議所(中尾英筰会頭)の第六十二回通常議員総会が三十日、平良港ターミナルビルで開かれ、二〇〇六年度は「地域に役立つ総合経済団体」を目指していく方針を確認した。新年度予算は一般会計三千六百二十七万四千円、特別会計九千三百七十四万四千円の合計一億三千二百二十四万三千円を計上した。
 あいさつで中尾会頭は、サトウキビや肉用牛、モズクなど農水産業の好調な実績や、伊良部大橋の本格着工を宮古経済の明るい材料として列挙。今後に向けて地域産物の付加価値を高めるための加工や、大橋工事の地元業者優先発注、観光誘客活動強化の必要性を強調した。
 〇六年度事業計画は宮古島市元年のスタート時期に当たり商工会議所の果たす役割は大きくなったとし、重点目標に▽中心市街地活性化への取り組み▽宮古圏域の観光振興▽地域活性化のための諸施策―など七項目を掲げた。
 具体的に中心市街地活性化に向けては「独自性」「魅力再発見」「観光振興」などの観点から多角的に意見を集約し魅力あるまちづくりに取り組んでいく方針を示した。観光振興は宮古の歴史を正しく学び、宮古島の奥深い魅力・元気さを全国に発信することが重要と、これからのあり方を明示。地域産業の振興に向けては▽農水産物を主体としたイベントの企画・拡充▽地産地消運動の推進と宮古島ブランドの確立―に取り組むとしている。

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