200平成18  26 日曜日

原野に大量のごみ/県が許可? 
産廃保管の基準満たさず

 城辺新城の原野に大量のごみが山積みになっていることが二十五日までに分かった。現場には産業廃棄物と一般廃棄物が散乱、産業廃棄物の保管基準で定められた保管場所を示す掲示板や周囲の囲いはなく、不法投棄の疑いもある。ただ、この現場については県が仮置きなど何らかの許可を出していたとする関係者の話もあり、事実であれば県の産廃行政のあり方が問われそうだ。県宮古福祉保健所の高江洲均所長は二十五日の本紙取材に対し「把握していないため答えられない」としている。

 現場は城辺総合運動公園野球場から東平安名崎方面に向けて約一`の原野。一周道路沿いからはまったく確認できないが、この道路から海岸方面に少し進むと大量のごみの山が点在している。
 ごみの種類はさまざまだが、中でも産業廃棄物が多く、コンクリートのがれきや建築資材など建物を解体して出た廃棄物が目立つ。ほかには冷蔵庫やたんす、いすなどの粗大ごみをはじめ、家庭から出たと思われるごみも散乱している。
 関係者によると、現状を確認したのは城辺地区の住民という。この住民が警察に通報したことで問題が発覚。宮古島市や保健所の職員が現場に出向き、警察とともに現場の状況を調べた。
 調査した職員らは現場の状況から不法投棄の疑いが強いとみて調べを進めていたが、調査中に県が保管に関して何らかの許可を出していたという話があり、その後は警察と保健所が対応を協議したという。
 県宮古福祉保健所の高江洲所長は「まだ把握していない」とし、事実確認を急ぐ考えだ。
 一見すると不法投棄と思われるごみの山積みだが、県の許可が事実であれば「保管」扱いも考えられる。ただ、現場は産廃保管場としての基準を満たさず、結果として周辺の景観を乱しているということもあり、県の産廃行政のあり方が疑問視される。

写真説明=大量の産業廃棄物が見つかった現場=25日、城辺新城

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水面下で多数派工作/助役2人制で与野党/市議会

 伊志嶺亮宮古島市長が今の市議会に提出する助役を二人にする条例改正案で、多数派工作の動きが水面下で繰り広げられている。与党は審議する九人全員の意思統一に懸命、一方の野党も足並みを揃えようと躍起だ。条例改正案を可決するためには一部野党の同意が必要との見方が強く、この方面で多数派工作が続けられているようだが背景事情など各氏の思惑が複雑に絡み合い、二十九日の本会議における可否は流動的のままだ。
 二月の臨時会で、審議する九人のうち五人が反対した与党。五人の反対の意思は今も固く、賛成に回ることは考えにくい状況だ。与党議員会の仲間明典会長は「与党をまとめることが私の仕事」としており、最後まで五人の説得を続ける方針。
 一方の野党は二月の臨時会で、助役二人制は十二人が反対の立場を示したが、下地学氏を助役とする選任案件では判断が分かれ足並みの乱れを露呈している。
 水面下での動きを懸念する野党議員団の池間雅昭会長は「助役二人分の給与について、減額修正を求めることで十二人の考えが一致している」と強調。その上で「もし誰かが賛成に回れば、われわれはばらばらだ」などと話した。
 与党寄りのスタンスを取り、六人の全員が賛成することが確実な「そうぞう」の動きも注目されるが、今は目立った動きが見られない。
 与党の意思統一、あるいは一部野党の動きで賛否が拮抗(きっこう)した場合は真栄城徳彦氏らの判断がカギを握りそうだ。これまで二度反対の立場を示した真栄城氏だが、今月二十日の市議会総務財政委で助役二人分の給与で可否を取る際に退席。本会議での態度については「私の判断で(可否が)決まるようなことになれば決断したい」と心境の変化をうかがわせている。
 二十九日の本会議で三度目の審議が行われる助役二人制導入案。可否の結果によっては、議会内再編という憶測も現実味を帯びてくる。

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海びらき向け清掃作業/観光協主催、100人参加
前浜ビーチ

 宮古観光協会(藤村明憲会長)主催の前浜ビーチクリーンアップ作戦が二十五日行われ、四月二日に同ビーチで開催される「サンゴの楽園未来まで 集まれ遊ぼう 宮古島の海びらき」に向け、参加した親子連れら百人余がごみ拾いに汗を流した。「ウインディまいばま」を中心にその周辺を清掃したが、参加者からは「思ったよりごみが少ない」などと、うれしい反応が聞かれた。
 開会セレモニーで藤村会長は「海びらきに向け、皆さんの協力をお願いしたい。最後まで楽しく、瓶の破片などに気を付けて清掃を」と呼び掛け。海びらきを主管する同協会青年部イベント企画運営委員会の下地一世委員長の「ガンバロー」の掛け声で、クリーンアップ作戦がスタートした。
 参加者は三つのグループに分かれ、東急リゾート側と前浜漁港側、入り口までの道路などを、こまめに清掃。空き缶やペットボトル、流木などを丁寧に拾い集めた。
 息子の雅紀ちゃん(一つ)と一緒に親子で参加した山里美沙さん(29)=平良=は「予想していたよりごみが少なくて、きれいに使われているということが分かり良かった。天気が良ければ、海びらきにも参加したい」と笑顔を見せていた。
 「海びらき」は四月二日午前十時から前浜ビーチで。海びらき宣言に引き続き、携帯ゲーム機が当たるトレジャーハンティング(宝探し)、クルマエビとウナギのつかみ取り、小学生十人十一脚レース、まるごと宮古島○×クイズなど多彩なイベントが用意されている。
 また、同時開催で、宮古馬ふれあい体験乗馬、シーカヤック体験試乗会、宮古島マリンリゾート協同組合による海の環境パネル展とシュノーケリング指導、宮古島動物保安会によるペット相談室なども行われる。

写真説明=海浜のごみを拾い集める参加者ら=25日、前浜ビーチ


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下地清吉氏の「天皇杯」受賞を祝う/郷友ら集い「宮古の誇り」

 【那覇支局】「下地清吉氏 第四十四回農林水産祭『天皇杯』受賞記念祝賀会」(主催・沖縄宮古郷友連合会、在沖旧城辺町郷友会、在沖上区郷友会)が二十四日夕、那覇市内のホテルで行われ、約五百人の関係者が出席し、下地さんの天皇杯受賞を盛大に祝った。
 主催者を代表して、兼島恵孝沖縄宮郷友連合会長は「四十年余りにわたる下地氏の研究成果が、このたび世に認められ受賞につながった。これも奥様のマツ子さんの支えがあってこそ。本当に宮古の誇りだと思う。今後ますますの発展と大成を祈念する」とあいさつした。
 稲嶺恵一県知事(新垣幸子出納長代読)は「受賞は県民の誇り。これを契機にさらに活躍し、健康事業の発展に尽力していただきたい」と祝辞を述べた。
 下地さんは「このように大勢の方にお集まりいただき、心より感謝しお礼申し上げる。この賞は私ひとりの賞ではなく、多くの方の協力の下、頂いたものと感謝している。これからも皆様の健康と長寿を願い頑張っていきたい。今後もご指導のほどよろしくお願いします」と感謝した。
 祝賀会は、県工業連合会の島袋周仁会長の乾杯、日舞や琉舞などの余興で大いに盛り上がった。
 宮古島市城辺出身で沖縄長生薬草本社(南城市)社長の下地氏は、長年にわたる薬草に関する研究開発が高く評価され、第四十四回農林水産祭において農林水産関係の表彰事業で最高の権威にあたる『天皇杯』を県内で初めて受賞した。

写真説明(上)・祝賀会で集まった関係者に感謝した下地夫妻=24日、那覇市のパシフィックホテル沖縄

写真説明(下)・乾杯し、下地氏の「天皇杯」受賞を盛大に祝った=24日、那覇市のパシフィックホテル沖縄

 
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サンゴ礁ガイド41人誕生/養成講座が修了、保全呼び掛けへ

  八重干瀬(やびじ)まつり(共催・はやて海運、宮古フェリー)が今月三十日―四月一日までの三日の日程で開催される。
 期間中、本土からの観光ツアー客ら約二千五百人が宮古島市池間島の北方に広がる巨大サンゴ礁の八重干瀬に上陸する。同まつりを控え、「サンゴ礁ガイド養成講座」(主催・同市、市教育委員会、宮古観光協会)の修了式が二十五日、市中央公民館であり、伊志嶺亮市長が受講生四十一人に修了証書を授与。修了証書を手にした一人ひとりが晴れ晴れとした表情を見せた。ガイドらはボランティアで、同まつりに参加する観光客らに同行し、サンゴ礁の自然や文化などを紹介し、保全を呼び掛ける。
 八重干瀬は、池間島北方約五―十五`の沖合に広がり、日本最大のサンゴ礁群。大潮の干満の差が大きい時に広大なサンゴ礁が浮上することから、別名幻の大陸と呼ばれている。大小百余りのサンゴ礁から形成され、南北約十`、東西約七`に及ぶ。
 同講座は、二○○○年度に初めて開講し、本年度で六回目となり、今回の受講生を含めると計二千百六十一人が受講。このうち新規受講生は計百七十六人。受講生の中には、連続して講座を受けた人もいた。
 八重干瀬観光上陸において、観光客に同行しサンゴ保全などに必要な注意を促しながら、サンゴ礁の自然や文化を紹介する人材を養成・導入し、サンゴ礁や漁場の保全、観光振興を図る。併せて、社会教育として地域の自然や文化に理解のある人材を育成し、地域の健全発展に寄与することを目的に実施されている。
 修了式で、伊志嶺市長は「八重干瀬に上陸する本土からの観光客は、物を取るつもりではなく、自然散策を満喫しているのが見られる。皆さんの知識を観光客や子供たちに教えてください」と述べ、ガイドとしての活躍に期待を寄せた。
 次いで宮古観光協会の渡久山明事務局長と同市地域振興課の伊良部平師課長がガイドらを激励した。

写真説明=伊志嶺市長(右)から修了証書を受け取り笑顔を見せたガイド=25日、宮古島市中央公民館


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   幼稚園でも頑張って/保育園 卒園式シーズン

 宮古地区の保育所、保育園の卒園式シーズンを迎えている。卒園児たちの多くは、父母や保育士たちの愛情とたくさんの体験を力に、四月からは幼稚園で新たな生活をスタートさせる。
 このうち、竹の子保育園(玉城竹子園長)は二十五日卒園式を行い、十四人の子供たちが慣れ親しんだ教室に別れを告げた。
 式辞で玉城園長は「皆さんは優しくて強い子になりました。幼稚園に行っても元気と勇気を持って頑張って」と励ました。  式服に身を包んだ卒園児らは引き締まった表情でそれぞれ卒園証書を受け取り、在園児たちからの祝福の言葉に大きな声で「ありがとうございます」と答えていた。
 訪れた父母らは、たくましく成長したわが子の姿に目を細め、写真や映像に成長記録を残していた。

写真説明・元気いっぱいに歌を歌う卒園児たち=25日、竹の子保育園


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