200平成18  25 土曜日

来月に推進室設置国際交流の拠点で活用へ/下地島空港
市議会一般質問

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は四月一日、下地島空港の有効活用を図るため、企画政策部内に同空港推進室を設置することを決めた。一九八八年に県と旧伊良部町が策定した土地利用計画を基に現代に即した具体的利用を検討する。市は国内外からチャーター機を就航させるなどして国際交流の拠点として活用したい方針だ。伊志嶺市長は「コンベンション機能を持つ国際交流センターの建設に向けて取り組んでいきたい」と述べた。開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)三月定例会一般質問で、新里聡氏の質問に答えた。
 推進室には三人の職員を配置し下地島空港の具体的活用を検討する。二〇〇六年度内にも検討委員会を設置し、専門家を交えた協議を進めることになる。
 下地島空港は米軍機が給油を目的にたびたび利用しているほか、自衛隊の誘致問題に揺れた経緯がある。さらには空自那覇基地司令が有事をにらんだ訓練や、航空機の一時保留の活用が望ましいと発言するなど大きな問題をはらんでいただけに、今回の市の方針は、伊志嶺市長が公約に掲げる平和利用に向けての第一歩となる。
 伊志嶺市長は「下地島空港は三千b級の滑走路を有し、世界中から航空機の発着が可能」と国内外を問わない国際空港としての可能性を強調。伊志嶺市長は〇六年度施政方針でも「平和利用を促進し、あらゆる軍事利用の動きには断固反対」とする見解を示している。
 この日の一般質問には新里氏のほかに、宮城英文、上地博通、平良隆、真栄城徳彦、池間健栄の五氏も登壇した。
 平良氏は旧平良市職員に対する合併前の残業手当支給について質問。宮川耕次総務部長は「総時間数は六万三千時間になる」と説明し総支給額は約一億四千万円になるとした。上地氏は助役二人制案についてただした。伊志嶺市長は「二度も否決されているが、議論を深めれば議会も市民も考え直してくれると思っている」と答弁した。
 また、全日空の関西(大阪)―宮古直行便が廃止されることについて伊志嶺市長は「大変な問題だと考えている。先島だけでなく沖縄全体の問題。今後は廃止撤回に向けた行動に取り組みたい」と要請を行う考えを示した。真栄城氏に対する答弁。
 
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生コン組合 今月末解散/出荷量減り自由競争へ

 宮古本島内の生コンクリート製造業者で組織する宮古地区生コンクリート協同組合(豊見山景順理事長、六社)が出荷量の激減などを理由に今月末で解散することが二十四日までに分かった。同組合は一九八七年に設立され、生コンの安定的供給などの役割を担ってきたが、近年の公共工事減少で、建設業界全体が厳しい状況に陥っており、特に二〇〇〇年以降は生コン製造業者も同様な状況となっていた。今月二十三日に総会を開き、状況の打開策として、組合を存続させるより、製造業者おのおので、経営改善に取り組んでいく道を選んだ。一方、建設業者らは同組合の解散について、「個別の取り引きになることで、値下げなど交渉の幅が広がる」と一様に歓迎の雰囲気だ。
 現在、宮古本島内の生コン供給は同組合が窓口となり一括して行っている。建設業者から発注を受け、それを生コン製造業者に発注し、建設業者に納品する仕組み。営業活動や集金業務は組合が行うため、販売価格は均一となっている。販売価格には製造業者が組合運営のために納める賦課金(負担金)が含まれるため、割高になるという指摘もあった。販売価格は一立方b当たり約一万六千円で、組合は賦課金として五百円程度を製造業者から受け取り、運営費用に充てていた。
 同組合によると、設立当時は年間二十万立方bを超える取り扱い高があり、その後も十七、八万立方bほどの実績で推移したが、県宮古支庁舎や宮古空港ターミナルビルの大型建設工事を終えてからは、目立った公共事業がなく、徐々に取り扱い高が減少。現在は九万五千立方bにまで落ち込んでいる。
 組合加盟の製造業者は平良土建、大米建設、協栄生コン、宮古生コン、みやこ建材商事、狩俣砕石の六社。製造業者は人員整理など経営努力で長引く建設不況に対応してきたが、将来的な見通しが不透明で、組合への賦課金納入も経営圧迫の要因となっていることから、解散に踏み切った。
 現在、組合には七人の職員がいるが、残務処理を終える四月初旬には解雇される。職員は製造業者が再雇用する方向で検討しているが、まだ決まっておらず調整中だ。

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てぃだ生産組合に認定証/沖縄、ふるさと百選
/県農林水産部

 【那覇支局】農山漁村の魅力を広く紹介し、地域活性化に役立てる二〇〇五年度「沖縄、ふるさと百選」に、地下水で育てたブランド野菜で地域活性化に取り組む「まてぃだ野菜生産組合」(友利博佳組合長)が活動する宮古島市の「友利・砂川地区」が認定され、同組合に対する認定証の交付式が二十四日、県庁で行われた。
 交付式では国吉秀治農林水産部長が「今回の認定を機にこれからも魅力あるふるさとづくりに励むとともにそれを地域活性化にもつなげてほしい」と激励した。
 認定証を受け取った友利組合長は「今回の認定はこれまでの努力が認められた結果。ますます生産農家が増えているので、農家が一体となった生産活動をこれからも展開したい」と感想を述べた。
 本年度の「沖縄、ふるさと百選」認定は、今月十五日に行われた県農政審議会の農村地域振興対策部会(部会長・大城惟宏県JA沖縄中央会会長)で県内の六地区とともに同組合が活動する「友利・砂川地区」も新たに認定された。
 「友利・砂川地区」は、畑地かんがい施設整備の完了で、安定した農業用水が確保されたことにより地域で野菜農家が増加。まてぃだ野菜生産組合は、「がんずう」ブランド野菜の契約栽培農家三十八戸による組合で、「地下水で育てたブランド野菜でふるさとづくり」に励んでいる。
 その結果、島のスーパーのほか県内外への販路を確立し、消費者に高い評価を得ていることで今回、認定となった。
 「沖縄、ふるさと百選」は、農林水産業とかかわりを持ち、地域が誇れる魅力ある農山漁村を形づくる地域団体を認定し、県民に広く紹介することによって、農山漁村に対する理解を促進し、地域の活性化に寄与することを目的に実施している。認定は▽集落部門▽生産部門▽交流部門ーの三部門となっている。

 写真説明・友利組合長(左)と同組合に生産委託している「ティダファームたらま」の多良間伸也代表取締役=24日、県庁

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インフルエンザ患者数が増加
「せきが出たらマスクを」/福祉保健所が注意呼び掛け

 宮古地区でインフルエンザが増加している。宮古福祉保健所(高江洲均所長)によると、三月十三―十九日までの一週間で一定点当たり十三人の患者が報告され、注意報基準値の十人を上回っている。今年に入り最少患者数だった二月二十日の週の二人からは約六倍に激増。同所では、ウイルスのまん延を防ぐために「せきが出たらマスク着用を」と呼び掛けている。
 同保健所のまとめによると、二月二十日から一週間ごとに一定点当たり二人、三人、六・七人、十三人と増加。同所では、インフルエンザ患者数増加の要因について、マスク着用率の低さを推測。また、県全体では二月中旬がインフルエンザ流行のピークとなっており、例年県のピークの後に宮古でも増加傾向となることから、今後も患者数が増える可能性もあるとして予防に注意を呼び掛けている。
 予防の対策としては、マスク着用(特に、医療機関へ行く際はお見舞いであっても着用)のほか、最も効果の期待できる手洗い、うがいの励行を呼び掛け。予防接種を受けたり、栄養と休養を十分に取るほか、空気が乾燥しているとウイルスが死ににくいため、部屋の換気に注意を促している。
 また、インフルエンザの治療薬は早期にしか効かないため、発症の疑いがある場合は四十八時間以内に受診することや、特に抵抗力の弱い高齢者や乳幼児は重症化する危険性があるため、家族が気を配るよう呼び掛けている。
 高江洲所長は「インフルエンザのウイルスはせきによって飛び散るため、症状のある人はマスクを着けて出掛けて」と話した。

 ことば
 ◆一定点医療機関当たり◆
 一つの医療機関に一週間で何人の患者が訪れたかを知る方法。宮古地区では、四カ所の医療機関が指定されている。この医療機関から報告のあった患者数を足して医療機関数で割った数が宮古地区における患者数の目安となる。
 現行規則では、四時間ごとに三十分以上の「休憩」(無給)と十五分の「休息」(有給)を取ることとなっている。この場合は昼休みの一時間が「休憩」で、それとは別に八時間の勤務時間中に三十分の「休息」が通例となっている。
 国家公務員は今年七月一日からの施行だが、県や宮古島市とも今後の検討ということとなっており、「有給の休息」に対する判断が下り、廃止の決定となれば施行は秋以降となる。

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宮古でも商品撤去アクセサリーに高濃度鉛
/各店 安全性重視で

 東京都の調査で百円から千円の価格で販売されている外国製金属アクセサリー類に有害な鉛が含まれているのが判明したことを受け、宮古地区にある百円ショップでもメーカーからの指示を受けた商品が撤去されている。乳幼児が鉛を含んだ商品を誤ってのみ込んだ場合、体内に溶け出すと脳や神経へ影響を及ぼすとされており、各店とも安全性を重視し商品を撤去した。また子供が誤ってのみ込まないよう注意を呼び掛けている。
 平良地区にある百円ショップでは、調査結果が報道された翌日から商品を撤去。ヘアピンやネックレスなどのアクセサリー類のほか、キーホルダー、携帯電話のストラップ、文具類など約三百種類を撤去した。またチラシを張り、「安全確認のため」などとして消費者へ理解と周知を図っている。店長は「鉛の濃度が高いというのには驚いたが、すぐに商品を撤去した。子供の健康を考え品質を重視するお客さんも中にはいる」と話した。
 鉛には脳や神経を侵す毒性が含まれており、特に乳幼児には影響が大きいとされている。東京都の調査では中国や韓国、台湾で製造された商品の中から基準値を上回る鉛を含んでいるのが判明した。

 写真説明・対象となる商品を撤去した陳列棚。チラシを張り出し消費者へ周知を図っている=宮古島市内の100円ショップ

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   成績上がったかな?/各小・中学校で修了式
/きょうから春休み、4月から進級

 きょうから春休み―。宮古地区のほとんどの小・中学校で二十四日、二〇〇五年度修了式が行われ、児童・生徒たちが一年間の学習課程を終えた。四月には進級し、一つ上の学年で新しい学校生活が始まる。
 このうち宮古島市立北小学校(来間恒祐校長)では午前八時四十五分から体育館で修了式を行い、来間校長が児童たちに修了証書を手渡した。来間校長は「修了証書は一年間で頭も心も体も成長した証し」と話し児童たちの一年間の頑張りをたたえた。またあいさつや言葉遣い、相手の話をしっかり聞くことなどを呼び掛けた。
 一年一組のクラスでは児童たちが一年間過ごした教室を大掃除。感謝の気持ちを込めて丁寧に片付けた。一年間の学習の成果や体の成長などを記した「よいこのあゆみ」も配られ、児童たちは互いに見せ合いながら自分の成長を確認していた。 

 写真説明・「よいこのあゆみ」で自分の1年間の成長を確認する児童たち=24日、北小学校

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