200平成18  24 金曜日

「助役2人制」で論戦/宮古島市議会一般質問

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)三月定例会は二十三日、一般質問を行った。伊志嶺亮市長が強く求める助役二人制導入案については野党各氏が反発。「経費削減と逆行している」などと追及し、過去に二度否決されていることも踏まえて導入断念を求めた。これに対し伊志嶺市長は合併後の市政運営の効率化に向けて「必要」との認識を重ねて強調。「トゥリバー地区売却や下地島残地の有効活用など対外的な折衝を行う上で助役二人は必要だ」と述べるとともに、今の定例会で否決されても再度提案する考えを示した。一般質問はきょう二十四日と二十七、二十八の両日も行う。
 助役を二人とする条例改正案については砂川明寛、新城啓世、嘉手納学の各氏が質問した。それぞれ過去二度否決されていることを強調し、「多くの市民が納得しない」などと追及した。
 これらの追及に対し伊志嶺市長は「各事業に対応する執行体制の強化と効率化を図る目的で提案している」と主張。さらに「トゥリバー地区の早期売却、下地島残地の有効活用など、対外的な折衝を行う上でも助役二人は必要だ」と述べ、現状を理解した上での慎重審議を求めた。
 四度目の提案があるかどうかについては「信念として助役二人は必要と思っている。否決されても出したい」と述べ、助役二人制導入に対する強い意欲をにじませた。
 この日の一般質問には三氏のほか下地明、佐久本洋介、与那覇タズ子、与那嶺誓雄の四氏も登壇して市政全般について当局の考えをただした。このうち行政改革推進委が提言した福祉保健部の平良庁舎移転について、伊志嶺市長は「行政改革推進本部でも協議したが私を含め大方が時期尚早と考えている」と答えた。また、サトウキビ新価格制度への対応では「全農家が国の支援を受けられるように市としても取り組んでいきたい」と述べた。下地氏に対する答弁。
 教育行政における奨学金制度については長濱幸男教育部長が「新規の貸し付けは一時凍結することになっている。財政担当と凍結解除に向けた話し合いを進めたい」と述べた。砂川氏への答弁。
 与那嶺氏は下地島空港について質問。伊志嶺市長は「軍事利用は絶対にしない。平和利用を基本に掲げており、二十一世紀にふさわしい空港に向けて多角的に検討していきたい」と述べた。

 写真説明・「助役2人制」導入に強い決意を示した伊志嶺市長=23日、宮古島市議会議場

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「助役2人制」提案を通知/29日の最終本会議で審議

 伊志嶺亮宮古島市長は二十三日、助役を二人とする条例改正案を同市議会(友利恵一議長)に通知した。今回で三度目の提案となる。開会中の市議会は二十九日の最終本会議で可否について審議する。
 同案件は過去二回否決されているが、伊志嶺市長はよりスムーズな行政運営を展開するに当たり「助役一人だけでは困難。対外的な対応のためにも助役二人は必要だ」などと述べ、助役二人制の導入に向け強い意志を示している。
 助役二人制導入案は昨年十二月定例会と今年二月の臨時会で審議。二月の臨時会では下地学氏を助役とする選任案件は可決したものの、助役を二人とする定数変更の条例改正案は賛成少数で否決されている。
 伊志嶺市長が助役二人制導入案を今市議会に通知したことで、同案は二十九日の最終本会議で審議される。
 二月の臨時会では与党の一部と野党が反対し賛成十、反対十七で否決されているが今定例会における可否については流動的。今月二十日の総務財政委員会では助役二人分の給与が可決されており、本会議における審議が注目される。

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感激かみしめ巣立ち/15小学校・養護学校で卒業式
/宮古島市立で初

 宮古島市、多良間村の小学校、県立宮古養護学校の計十六校で二十三日、卒業式が行われ、合わせて六百三十人が、門出の日を迎えた。宮古島市立となって初の卒業生となる。心も身体も大きく成長した卒業生が父母や教職員、在校生、地域住民らの祝福を受け、感激をかみしめながら、思い出いっぱいの母校を巣立った。きょう二十四日は、宮古島市の六小学校で卒業式が挙行される。(2、3面に関連)
 このうち、宮古島市立鏡原小学校(伊計喜和子校長)では、男子十七人、女子十三人の計三十人が、四月からの中学生活へ一歩を踏み出した。
 式では卒業生が全員で、「お父さん、お母さん、いつも温かく見守ってくれてありがとう。先生方の教えを胸に、中学校でも頑張りたい。これからも成長を見守ってください」と門出の言葉。涙ぐむ生徒もいた。同校では前川玲恵さん、徳嶺夏海さん、伊佐美千賀さんの三人が六カ年間皆出席賞として表彰された。

 写真説明・同級生と一緒の記念写真が添付された卒業証書が授与された=23日、鏡原小学校


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公務員「有給の休息」廃止へ/県、宮古島市も検討

 【那覇支局】公務員の勤務時間(八時間)にこれまで含まれてきた「有給の休息」(三十分)について、人事院が廃止する規則改正を行うことに伴い県、宮古島市も新年度から「有給の休息」廃止を含め、検討することが二十三日までに分かった。県の人事課は「今月八日に総務省からの通知も来ている。これまで、職員の勤務内容については国に準ずる形になってきた。今回の廃止についても新年度となる四月以降に検討していくだろう」と述べた。また、宮古島市の人事係も「総務省からの通知が県を通して市にも来ている。今後、職労などとの調整もあることから、新年度以降に『廃止』を含め検討していくと思う」と述べた。
 国家公務員の「法定の正規の勤務時間」には、これまで三十分間の「休息時間」が設けられており、実働時間は七時間三十分となっていた。しかし、民間企業のほとんどがこの「有給の休息」を認めていないことから、人事院は今回廃止を決定した。
 県職員、宮古島市職員とも、現在の勤務時間は午前八時三十分から午後五時十五分まで。その間に両方とも三十分の休息時間を設けているが、その間は給与が発生しながらの休息となっている。
 県の人事課では「総務省からの通知もあり、県としても新年度以降に検討に入るだろう。これまでも国に準じた形になっており、県としても国と同じ方向で検討していくことになると思うが組合との調整や、手続きなどもあり具体的なことはこれから」と述べた。
 宮古島市の人事係も「新年度以降の検討になるが職労との調整も必要。『有給の休息』については廃止を含めた検討になると思う」との見解を示した。
 一方、市の職員労働組合側は有給の休息廃止について「廃止になっても特に問題はない」との見解だ。「現実問題、十時と三時にしっかりと休みを取っているという現状にはなく、通常通りの業務が行われていることがほとんど」などとし、有給の休息廃止については大方納得しているようだ。
 人事院は、今月二日に国家公務員の「法定の正規の勤務時間」となる八時間に三十分の「休息時間」が含まれ、実働時間が七時間三十分となっていたことを受け、民間企業のほとんどがそれを認めていないことから廃止することとなり、今年の七月一日からの施行となっている。
 現行規則では、四時間ごとに三十分以上の「休憩」(無給)と十五分の「休息」(有給)を取ることとなっている。この場合は昼休みの一時間が「休憩」で、それとは別に八時間の勤務時間中に三十分の「休息」が通例となっている。
 国家公務員は今年七月一日からの施行だが、県や宮古島市とも今後の検討ということとなっており、「有給の休息」に対する判断が下り、廃止の決定となれば施行は秋以降となる。

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新年度から本格調査/伊良部の国営かんがい事業
/土地改良区総代会

 宮古土地改良区(仲間克理事長)の第十七回通常総代会が二十三日午後、宮古島市平良のJAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで開かれ、二〇〇六年度事業計画案、一般・特別会計予算案などについて審議した。任期満了に伴う役員(理事・監事)の選任も行われ、二十三人が承認された。理事長の選任は来月の理事会で行われる。総代会であいさつした仲間理事長は「伊良部地区の国営かんがい排水事業は、四月から着工に向け本格的な調査に入ることになっている。関係機関と連携し強力に事業を推進したい」と述べた。
 総代会で初めにあいさつした仲間理事長は地下ダムの利用で宮古の農業構造が変化し、利用量も年々増加していることや、新年度から伊良部島における国営かんがい排水事業に向けた本格的な調査が始まることを紹介した上で、「宮古の用水は、農水省の疏水百選に選ばれ、農業や地域振興をはじめ自然・環境・文化など国土、農村環境の保全形成に貢献した優れた用水として認定された。今後も幹線パイプラインと地下ダムなど、水源施設については引き続き適正管理に努め、農家負担の低減化を図っていく。末端施設の管理は農家、水管理人と連携を取りながら管理に当たりたい。未整備地区については、かんがい事業の必要性を関係機関に強く訴え、事業推進に努めたい」と述べた。
 沖縄総合事務局の山内勝彦土地改良課長、県宮古支庁の兼城克夫支庁長もあいさつし宮古の農業発展に期待を寄せた。〇六年度の予算は二億五百万円。国からの補助金が収入の四割弱、組合費四千八百万円や受託費五千七百万円などが主な収入となっている。
 役員が来月で任期満了を迎えることから新たな選任案も提案され、承認された。また総代を三期十二年以上務め、先月勇退した二十五人に感謝状が贈られた。
 選任された役員は次の通り。(敬称略)
 ▽理事=辺土名豊一、池間雅昭、伊志嶺孝一、福原貞雄、岸本博佳、渡真利貞光(以上平良)、新城武男、平良宗栄、前里財徳、砂川恵良、野崎達男、友利研一(以上城辺)、渡真利等、仲里敏夫(以上下地)、上地博通、川満久雄(以上上野)▽員外理事=宮平エミ(平良)、仲間克(城辺)、川満省三(下地)、川田正一(上野)▽監事=上里道明(平良)、下地玄俊(城辺)、友利廣夫(下地)
 感謝状を受けた方は次の通り。(敬称略)
 ▽四期十六年=山里雅信、大里英人、濱川清重、仲間和博、川満正昭、与那覇雄徳、伊良部寛、本永清雄、島尻景朝、宮国昌吉、砂川光雄、伊良部寛昭、下地正浩、石垣精一、塩川朝智、友利昌則、山口吉信▽三期十二年=前泊功一、本村勝則、平良清善、友利栄良、根間勇、宮国弥太郎、上地豪一、小禄繁

 写真説明・2006年度事業計画などを審議した総代会=23日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホール

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   川満部落有地を選定/ごみ処理施設建設

 宮古島市議会(友利恵一議長)三月定例会が二十三日開かれ、一般質問が行われた。伊志嶺亮市長は、これまで場所選定で住民の反対から暗礁に乗り上げていた新たなごみ処理施設建設場所ついて「現在、下地の川満部落有地を選定し、住民の理解を得られるように努力したい」と、初めて議会の場で明言した。与那覇タズ子氏の質問に答えたもの。
 与那覇氏は「現在のごみ処理施設は、年末年始になるとあまりにもごみが多いことから、二十四時間処理しても追い付かない状況。連続運転で故障の悪循環を繰り返している」と指摘。その上で「ごみ処理施設建設は宮古島市の最重要課題」と追及した。
 これに対し、伊志嶺市長は「ごみ処理施設建設では立地条件として、建設コスト、維持管理、周辺への環境を配慮しなければならない」と述べた上で「下地の川満部落有地で、用地選定を進めている。住民との意見交換の中で、住民から公害対策などの意見が出された」と語り、今後とも住民の意見を尊重していく考えを示した。

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