200平成18  23 木曜日

28万8000d生産に決意/サトウキビ生産者大会

 宮古地区さとうきび生産者大会(主催・宮古地区農業振興会)が二十二日午後、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで開催された。生産農家をはじめ宮古島市、多良間村、JA、製糖工場の関係者が集い、二〇〇六年産の全体生産量を二十八万八千dに設定、反収七・五d、糖度一五度以上の達成に向け決意を新たにした。さらに〇七年産から適用される新価格制度を含む経営安定対策に対する取り組みの強化も確認。関係機関の連携を密にし、すべての農家を支援対象の枠内に入れるよう生産者の組織化を促進していく。大会後は記念講演が開かれ、生産者が栽培技術の向上に努めた。
 宮古地区農業振興会の会長を務める伊志嶺亮市長は「堆肥投入量の激減や土壌病害虫被害などもあり、サトウキビの栽培方法を見つめ直す絶好の機会になる」と大会開催の意義を強調。「市場原理を導入する価格体系に移行することもあり、農家にとっては大きな変革期とも言える。今後は農家自らが参加する生産組織の確立が急務。関係機関が一丸となり『サトウキビは宮古の宝』を合言葉に頑張ろう」と生産拡大を呼び掛けた。
 この後、土づくりや病害虫防除および培土時期など徹底した栽培管理を強化することや、経営安定対策に対する取り組みを記した大会決議文を採択。さらに▽〇六年産生産量二十八万八千dの達成▽徹底した土づくりの実践による反収七・五d以上、糖度一五度以上の達成▽土壌の還元▽防風林整備▽キビ共済への全戸加入―と明記した大会スローガンも決めた。
 大会宣言には@夏植え集中型からの脱却を図り春植え・株出しの面積拡大による生産量の増大A反収アップに向け緑肥栽培やバガス・ケーキおよび家畜ふん尿を有効利用した土づくりBキビ経営安定対策に向けた担い手や生産者組織の育成C防風林の整備とキビ共済への加入促進―を記した。
 生産者を代表して友利秀樹さんと下地博敏さんが決意表明を行い、それぞれ生産計画の達成に向けて全力で取り組むことを宣言した。
 稲嶺恵一知事(代読・護得久友子農業振興統括監)や県農業協同組合中央会の小那覇安優副会長が激励のあいさつを行い〇六年度生産計画の達成に期待を込めた。
 最後は参加者全員でガンバロー三唱を行い、〇六年産サトウキビの生産量二十八万八千dの達成を誓い合った。
 宮古地区の〇五―〇六年産サトウキビ生産量は前期の二十一万七千dを大きく上回る二十七万d台が予想され、平均糖度も一五度台という高い糖度帯で推移している。
 大会後は県糖業振興協会のアドバイザー・島袋正樹さんによる記念講演が開かれた。島袋さんは春植え、株出し栽培の積極的な実施や緑肥栽培の大切さを訴え。収穫面積の拡大と生産量の増加に向けた農家個々の取り組みに期待を込めていた。

 写真説明・06年産サトウキビの生産量28万8000dを誓いガンバロー三唱を行う生産者ら=22日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホール

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「子供の笑顔が原動力」/8年間通学路で子供たちにあいさつ

 八年間にわたり、毎朝久松小学校の通学路で児童生徒たちの安全を見守っている松川英文さん(53)。登校時間と通勤ラッシュが重なり混雑する通学路の交通整理をし、子供たちが安全に学校へ登校するのを見届けている。同校のPTA会長を務めていた一九九八年から始めた朝の活動は、PTA役員を辞めた今でもボランティアで継続中。「子供たちの毎朝の笑顔が楽しみ」と、学校へ向かう子供たちと交わすあいさつと元気な姿が原動力となっている。
 朝のあいさつを始めたのは、松川さんがPTA会長を務めていた当時の校長から声を掛けられたのがきっかけとなった。登校時間と通勤ラッシュで交通量が増える午前七時半から同八時十分ごろの時間帯、複雑な構造の五差路で子供たちの安全確保に努めようと学校職員やPTAで始めた。同校に通う自分の子供が卒業するまでとスタートさせた活動だが活動は日課となり、振り返れば八年が経過していた。雨の日には雨具を着て立ち、学校が休みの日以外は毎日通学路で登校する子供たちに声を掛ける。「横断中」と書かれた黄色い旗は使い込んでぼろぼろだが、ガムテープなどで補修し今でも活躍中。「松川のおじさん」と親しまれ、活動を始めた当初の児童たちは今では高校生になった。
 そんな松川さんには毎年、久松小学校の子供たちから感謝の手紙と手作りの感謝状が贈られる。「感謝の気持ちが何よりうれしい。手紙を見ると少しでも子供たちのためにと思う。励ましてもらっています」と笑顔を見せる。
 同校の菅間雅子校長は「八年間も地域の子供を見守っていることにすごく感謝している。松川さんの見守りは子供たちにとって心強く、安心して学校に来れる」と感謝しきり。地域の防犯・未成年の非行防止にも期待を寄せる。保護者も「交差点には信号機がないので危ないが、松川さんが立っていると安心して子供を送り出せる」と感謝する。
 松川さんは「地域の力が強くなれば子供の健全育成につながる。大人が地域の子供にかかわることで非行や犯罪防止にもなる」と強調。「学校と地域と子供の関係づくりに少しでも役に立てれば。いつまで続けられるか分からないが、子供たちから元気なあいさつをもらえる以上は続けていきたい」といっそうの意欲を見せた。
 「おはようございます」の声と笑顔を楽しみに、きょうも「松川のおじさん」は五差路に立ち、学校へ向かう子供たちを迎える。

 写真説明・「おはようございます」。あいさつを交わしながら子供たちが安全に学校へ登校するのを見届ける=22日、平良地区の久松小学校近く

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小中は109人、25・4%が異動/教職員 退職は14人、新採9人

 宮古教育事務所(新崎治所長)は、二〇〇六年度学校教職員定期人事異動を二十三日付で発表した。宮古地区では、小・中学校の全職員四百八十四人のうち、異動率二五・四%の百九人が異動する。退職者は定年、勧奨を含め十四人、新規採用は九人で、前年度より十七人少ない四百六十七人となった。異動教職員に対する辞令交付式は、四月三日に同事務所研修室で行われる。(2面に異動名簿)
 管理職昇任者は、校長昇任が小学校で一人、中学校で二人、教頭昇任が小学校で一人となっている。
 小学校では、校長二十二人のうち一人が定年退職、六人が異動となった。教頭は二十人のうち九人が異動。教諭は百八十七人のうち五人が退職、三十九人が異動する。
 中学校では、校長十六人のうち四人が異動。教頭は十八人のうち二人が退職(定年一、勧奨一)。教諭は百四十八人のうち二人が退職し三十六人が異動する。
 養護教諭は三十四人中、退職三人、異動二人。事務職員は三十二人中、退職一人、異動五人、学校栄養職員は七人中二人の異動となった。辞令交付の日程は、退職教職員が今月三十一日、新規採用者が来月三日、臨任・非常勤講師などが同四日となっている。
 県立学校(高校・特殊学校)の人事異動は百八人。このうち校長は一人が定年退職。教諭は三人が退職する(定年一、勧奨二)。採用は六人。

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本番へ練習にも熱/トライまであと1カ月

 四月二十三日開催の第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会(主催・宮古島市など)まで、きょう二十三日であと一カ月と迫った。市町村合併後の宮古島市で初の主催となる今大会へ向け、今月二十九日に専門部担当職員の全体会議、四月六日に宮古トライアスロン実行委員会事務局の同市総合体育館への引っ越しと、職員が慌ただしさを増す。また現在、昨年四位の河原勇人選手らが所属する「チームケンズ」、宮古島大会七度目の出場となる小原工選手、アテネ五輪十三位の田山寛豪選手らが所属する「チームテイケイ」が、宮古島で合宿を行い、大会に備えている。
 このうち、二十日から合宿を張っている「チームケンズ」の河原選手、アテネ五輪日本代表の忽那静香選手、若手の井出樹里選手の三人は二十二日午前、短い距離のスイム、バイク、ランを繰り返すトレーニングで汗を流した。河原選手は同日午後には、「チームテイケイ」のメンバーと合流し、ラン四十`を走り込んだ。
 今回で四度目の出場で表彰台を狙う河原選手は一カ月後の本番へ向け、「練習に手応えを感じている。今年はバイクまで上位を狙える位置を保って、最後のラン勝負に持ち込み、例年以上にどん欲に上を目指したい。目標は優勝」と力強く話した。

 写真説明・練習でスイムからバイクへと移る「チームケンズ」の選手ら=22日、前浜漁港近く

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交通事故防げ 死亡事故多発で警戒/白バイ隊員ら出発式

 「交通死亡事故非常事態宣言」発令に伴う特別取り締まり出発式(主催・宮古島警察署、宮古島地区交通安全協会)が二十二日、同署で行われた。今年度に入り集中して多発している交通事故に歯止めを掛けるため、県警から派遣された白バイ隊員らを含む三十三人体制で、交通指導取り締まりや交通事故防止の警ら活動に当たる。
 同署管内で今月八―十二日の五日間で、二件の死亡事故が発生した。十四日に「交通死亡事故非常事態宣言」を発令し、交通指導の取り締まりを強化しているが、十四―二十二日までの間に七件の人身事故が発生し、二十四件(昨年同期比二件増加)の交通事故が発生している。この事態を受け、県警本部交通部内から白バイ隊員ら六人を含む要員を派遣(二十六日まで)。期間中は署員らが二十四時間体制で、スポット検問やレッドローリング(赤ランプ点灯)を行い、飲酒運転など悪質違反の検挙に当たるほか、レンタカー対策として、観光地および行楽施設周辺道路における警戒取り締まりに当たる。
 出発式に先立ち岸本亮署長は「前方不注意や一時停止無視など、基本的ルールを順守していないのが事故発生の大きな原因」と指摘した上で「署員、機動隊と一体となり、取り締まりを強化し、事故のない宮古島づくりに尽力したい」とあいさつ。
 同協会の上地健三副会長は「三月は異動などで心も落ち着かなくなり、事故発生の危険性は増すばかりだろう。協会でも、趣旨を理解して自らの責任と認識を持って広報啓発活動に力を入れていきたい」と述べた。

 写真説明・白バイ隊員ら含め33人体制で交通安全の取り締まり強化に当たる=22日、宮古島警察署

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   初の宮古「暖かくて最高」/大分県「環微研」陸上競技部

 大分県の環境関連企業「環微研」の陸上競技部が十日から、初めての宮古島合宿を行っている。来島しているのは女子選手五人と溝渕太郎監督、宇野淳コーチの合わせて七人。各選手とも長距離を専門としており、走り込みを中心としたメニューで汗を流している。溝渕監督は「合宿では基礎体力づくりに力を入れている。宮古は暖かいが真夏というほどではなく、体力づくりには最高」と話した。合宿はあす二十四日まで。
 同部は創部一年目。今回の合宿には吉良晴菜選手、古賀翔子選手、高村知佐選手、森綾香選手、吉原由佳選手の五人が参加。宮古島市陸上競技場を拠点に、ロードでの練習も加えるなど、選手ごとにメニューを組み、体力づくりを図っている。
 当面の目標は今年五月の「九州実業団陸上競技大会」。溝渕監督は「この大会で各選手がベストを出せるよう、しっかり練習を積みたい」と意欲を見せた。
 また要望として、「十二月から二、三月は日の出が遅いので、競技場の早朝練習でも照明が使えればありがたい」と強調。「いつでも練習できる環境にあれば、もっと合宿が増えるのではないか」と提言していた。

 写真説明・初の宮古島合宿を行っている環微研陸上競技部。(前列左から)森選手、古賀選手、(中列左から)吉良選手、高村選手、吉原選手、(後列左から)宇野コーチ、溝渕監督=22日、宮古島市陸上競技場

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