200平成18  21 火曜日

一頭平均価格41万8797円/05年度肉用牛競り

 二〇〇五年度最後の三月肉用牛競り市が十九日にJAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、二億一千七百二万二千四百円の取引が成立した。この結果、宮古地区二市場(宮古、多良間)の今年度総販売額は、過去最高となった昨年度を三億一千三百八十六万五千八百円上回る、二十九億五千七百五十四万二千三百五十円となった。宮古地区の肉用牛販売額は四年連続二十億円を突破。目標としていた〇八年度までの三十億円達成が目前に迫った。JAおきなわ宮古地区営農センター畜産部の砂川辰夫部長は要因として、全国的な和牛不足と枝肉価格の高騰を挙げている。
 今年度の上場頭数は宮古五千七百頭、多良間千四百三十一頭の計七千百三十一頭。このうち宮古五千六百六十二頭、多良間千四百頭の計七千六十二頭の取引が成立。取引率は九九%となった。
 二市場合計の販売体重は百八十六万七千五百三十九`。一頭平均の体重は二百六十四`、一頭平均価格が四十一万八千七百九十七円(昨年度比二万五千百五十八円高)、平均キロ単価は千五百八十四円(同百十一円高)の高値を記録した。
 性別で成績を見ると、去勢は一頭平均価格四十五万八千六百二十七円、キロ単価千七百四十七円。雌は一頭平均三十六万八千百四十五円、キロ単価千三百七十九円だった。
 市場別の実績は宮古が販売額二十四億六千八百一万三百円。一頭平均が四十三万五千八百九十円、キロ単価が千六百十六円。月別のキロ単価は十二月の千八百円が最も高かった。
 多良間は販売額が四億八千九百五十三万二千五十円、一頭平均三十四万九千六百六十六円、キロ単価が千四百三十九円。月別キロ単価最高は十二月の千六百九十五円。宮古と多良間では一頭当たり八万六千二百二十四円の開きが出ている。
 来年度の見通しについて砂川部長は「いつ米国産牛が輸入再開になるか分からない。今後は値下がりも予想されるが増産運動でカバーし、目標の三十億円を達成したい」と語った。

 写真説明・2月より下落したものの高値取引となった肉用牛競り=19日、JAおきなわ宮古家畜市場

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「助役2人」の給与を可決/宮古島市議会総務財政委

 宮古島市議会総務財政委員会(新里聡委員長)は二十日、市の二〇〇六年度一般会計予算案を審議し、助役二人分の給与を含む総務費を賛成多数で可決した。伊志嶺亮市長は今の定例会に助役を二人とする条例改正案を提案する方針だが、今回の総務財政委の判断は二十九日に開かれる最終本会議の審議に少なからず影響を与えそうだ。
 総務費については全体の採決を取る前に、助役二人分の給与を含む「特別職給与関係費」を認めるかどうかを審議。採決を取ろうとしたが真栄城徳彦氏が退席、残る八人による多数決で可否を決めた。賛成したのは与党の仲間明典、前川尚誼、山里雅彦の三氏と「そうぞう」の池間健栄氏の合わせて四人。減額修正を求めて反対したのは野党の池間雅昭、新城啓世、嘉手納学、公明の富浜浩の四氏で同数となったが、最終的に委員長を務める「そうぞう」の新里聡氏による判断で可決された。
 先月二十七日の臨時会では助役二人制導入案に対する採決で賛成の挙手をせず、反対の意思を示した真栄城氏だが今委員会では退席。取材に対し真栄城氏は「この件は与党の問題だ」と言葉少なに退席の理由を話した。本会議での態度については「賛成討論と反対討論を聞いた上で判断する。(可否が)私の判断になったときは決断したい」と含みを残した。
 今回の総務財政委の判断は二十九日の本会議で報告されるが、可否については流動的。助役二人制については与党の一部が反対するなど過去二度にわたり否決されていることもあり、三度目の審議の行方が注目される。

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「チャレンジショップ」オープンへ/地域の人が障害者支援で計画

 趣味で作製した小物などを販売する「チャレンジショップ」が、四月中にも精神障害者小規模作業所若葉内にオープンする。地域の活動支援を行っているチーム・サポート(ひらおか敏子代表)が精神障害者の支援を目的に計画したもので、出店者は作業所の利用者をはじめ地域住民が対象。一人ひとりの「店」として商品を陳列するチャレンジボックスを設置し、その中で小物やアクセサリーなど手作りの商品を販売する。管理・運営は作業所の利用者が行い、ボックスのレンタル料は作業所の収入に、商品の売り上げは出店者の収入となる。チーム・サポートでは「ボックスは小さいけれど可能性は大きい」として期待を寄せている。
 チャレンジショップは、カラーボックスほどの大きさの棚を一人分の出店スペースとして設け、その中に商品を陳列し販売するもの。現在、那覇市が第二牧志公設市場跡地で実施しており、百二十人の出店者がそれぞれ趣味で作製したアクセサリーや小物類、ポストカード、帽子、バッグなどを販売している。
 チーム・サポートでは、地域を巻き込んだ形で障害者の自立を支援しようと作業所若葉での実施を計画。利用者たちの作品をはじめ、家族、地域ボランティア、そのほか趣味で小物作りを行っている地域住民の作品を展示・販売することで、障害者と地域との接点を持たせることが目的だ。
 代表のひらおかさんは「障害者の支援がベース。地域がかかわることに意義がある」と強調。「主婦など趣味でいろいろな物を作っている人はたくさんいる。その趣味を生かし利益があれば社会参加にもつながる」と多くの理解と参加を呼び掛けている。
 作業所若葉の橋本よし子所長は「ショップを通して利用者と地域との接点を持ち、関心をもってほしい」と期待した。

 写真説明・那覇市が実施しているチャレンジショップの様子。ボックス一つが出店者の「店」となる

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観光資源の活用を/リピーター増へ体験教室

 春休み体験教室「観光地域づくり実践プランメニュー」(主催・宮古島市)が十八、十九の両日、宮古織物事業協同組合や東平安名崎などで行われた。この取り組みは国土交通省の観光交流空間づくりモデル事業として実施したもので、延べ五十人がモニターとして藍染めや宮古馬乗馬、三線など五種類の体験型観光メニューを楽しんだ。同市ではアンケートを実施し参加者の意見をまとめ、リピーターを増やすための観光メニューづくりに生かしていく。
 観光地域づくり実践プランとは、観光客の増加や地域の経済活性化、生活環境の向上などを目的に全国三十三カ所で実施しているもので、地域特性を踏まえ観光資源を活用しながら魅力ある「一地域一観光」の推進。
 今回、春休み体験教室と銘打った実践プランでは、宮古観光協会の協力を得て二日間で▽宮古の工芸品体験▽三線教室▽宮古馬触れ合い乗馬体験▽黒糖づくり体験▽ゆし豆腐づくり体験を実施。きょう二十一日はシーカヤック体験を行う。こうした体験メニューを通して周遊型の観光から滞在体験型のメニューを確立し、リピーター増加につなげていく考えだ。
 このうち下地地区与那覇のウインディまいばまで行われた三線教室には、十人が参加した。辺土名清志さんの指導の下、工工四を見ながら「きらきら星」や「てぃんさぐぬ花」などを演奏し島の文化に触れた。



ハンカチを使い藍染めに挑戦・
18日、宮古織物事業協同組合



工工四を見ながら三線を演奏する参
加者たち・18日、ウインディまいばま


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3人が決勝リーグ進出/本社主催・宮古本因坊戦2次予選

 第二十八期宮古本因坊戦二次予選(主催・宮古毎日新聞社、主管・日本棋院平良支部、協賛・こすみ囲碁教室)が十九日、同囲碁教室で開かれ野原常彰6段、下地孝治5段、池村浩明5段の三人が決勝リーグに勝ち進んだ。二十六日の決勝リーグは、現本因坊の平良博彦6段と同三氏の四人によって行われる。一次予選から勝ち進んだ下地春義4段は一勝を挙げ五段に昇段した。
 開会式で松原清吉宮古毎日新聞社編集局顧問は「持てる力を大いに発揮し、充実した大会にしていただきたい」と、池村浩明日本棋院平良支部長は「わくわくするような、いい碁を打ちましょう」と、それぞれあいさつした。
 二次予選には五段以上と一次予選の勝者合わせて三十人が参加。対局はA、B、C三つのブロックに分かれ、互先のトーナメント方式で行われた。
 Aブロックの決勝は下地孝治5段と知念一将6段が対戦し、下地が中押し勝ちした。知念は勝ちをほぼ手中にしたかに見えたが、大事なところでミスが出て、逆転を喫した。
 Bブロックは野原6段と仲間勝之6段が対戦した。仲間は中盤でパンチを決め形勢をリード。しかし終盤の見損じで形勢不明となり、ヨセ勝負の結果、野原が半目残した。
 Cブロックは池村5段が勝連常吉5段を五目半差で破った。勝連は中央の地模様を荒らされたのが響いた。
 下地は久々のリーグ入り。「負けていた碁が勝てたのは、運がいいと言うしかない」と決勝を振り返り、「(リーグでは)思いっ切り伸び伸び打ちたい」と意欲を見せる。
 野原は「リーグ入りは久々。決勝は相手のポカに助けられた。リーグでは、精いっぱい頑張るだけ」と、感想と抱負。
 池村は「初めてのリーグ入りは、最高にうれしい。ツキがあった。次回は精いっぱいぶつかっていく」と話した。

 写真説明・30人が参加し熱戦を繰り広げた=19日、こすみ囲碁教室

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   将来構想計画へ意欲/全療協会長、6月に就任/
宮里光雄さん(南静園自治会長)インタビュー

 国立療養所宮古南静園入所者自治会長の宮里光雄さん(71)が、今年六月一日付で東京都にある全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)の会長に就任する。県内からの会長職は初めて。就任を前に、全国に十三カ所(入所者計三千百十四人)の国立療養所の将来構想計画などについて聞いた。
 ―今の心境は
 会長を引き受けて以来、日々責任の重さを感じている。
 ―将来構想計画に向けての考えは
 全国的に入所者が年々非常に多く亡くなる。そういう中で、入所者一人ひとりが、どういう形で自分の生涯の終えんを遂げていくのか。有終の美をどのように形づくっていくかが最大の課題。有終の美は、寂しい思いをせずに最期を遂げること。
 将来構想計画は、その有終の美を原点に置いて取り組んでいきたい。
 ―南静園と国立愛楽園の位置付けは
 両園とも、一九七二年の本土復帰前までの二十七年間、異民族の支配に置かれていた。これが本土の国立療養所とは大きく違う。そういう時代の経緯や違いを乗り越えて、全体が安心して療養できる施設づくりを目指して頑張りたい。
 入所者の意思が反映された将来構想計画が大事。
 ―今後の療養所の在り方は
 全国の入所者は高齢化が急速に進む。南静園の入園者は百八人で、平均年齢は七九・七歳。全国的にデイケア施設を造り、一般の人にも利用させたらという考えがある。退所者の受け入れも考えているが。
 ―記録を残す計画は
 南静園と愛楽園で「資料集」の編集作業が進んでおり、今年五月に発刊予定。ページ数は七百ページを予定。発刊後、引き続き「証言集」を来年発刊予定。ページ数は五百ページを予定。貴重な歴史記録集になる。

 宮里 光雄(みやざと・みつお)1934(昭和9)年12月18日生まれ。71歳。平良出身。現在南静園入所者自治会長。過去に全療協の前身である全国ハンセン病患者協議会中央執行委員を歴任。趣味の囲碁は六段。 

 写真説明・6月1日付で全療協会長に就任する宮里光雄さん=19日、南静園入所者自治会事務所


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