200平成18  19 日曜日

伊良部大橋が建設着工/圏域の悲願、結実
4`の海峡結ぶ、完成は2012年

 

 圏域最大のプロジェクトと位置付けられ伊良部島住民だけでなく宮古圏域の悲願だった伊良部大橋の起工式が十八日午後、伊良部島の長山の浜近くの取り付け道路現場で行われた。起工式で稲嶺恵一知事(代読・嘉数昇明副知事)は「架橋によって海上交通から陸上交通に変わることにより、伊良部島の医療や教育環境の改善、生活環境や福祉の向上、地域の活性化が図られる。宮古圏域の地域振興に大きく寄与することが期待される」と述べた。引き続き行われた祝賀会には三百人を超える関係者や地元住民らが参加。かつては「夢の大橋」とまでいわれた伊良部大橋の着工を盛大に祝った。宮古島・伊良部島間約四・三`の海峡を結ぶ大型工事で、総事業費は三百二十億円を見込み、完成は二〇一二年度を予定してる。完成すれば宮古圏域では池間、来間に次ぐ三つ目の大型架橋となる。

 伊良部大橋建設は一九七四(昭和四十九)年に、当時建設中だった下地島空港に合わせる形でコンサルタント会社が架橋構想を示したのが最初で、その年の十月、川満昭吉伊良部村長が沖縄開発庁長官に口頭で要請したのが要請行動の始まり。その後、八五年からは宮古圏域としての取り組み、要請行動が繰り返し行われた。これに対し県は二〇〇一年から着工準備調査を始め、それを踏まえ新年度から本格的な工事に入る。
 起工式は安全祈願祭、起工式、祝賀会が引き続き行われ工事着工を祝うと共に期間中の工事安全を願った。あさいつした稲嶺知事は「伊良部島は離島であるが故に医療、教育、福祉の面において不利・不便を余儀なくされてきた。架橋によってそれらが改善され、地域の活性化が図られる」と述べた。
 小池百合子沖縄担当大臣(代読・武田宗高内閣府審議官)は「政府は本土復帰以来、三次にわたる振興開発計画に基づき、沖縄の自立的発展を目指した社会資本の整備を進めてきた。特に道路整備による円滑な交通の確保は基本的かつ重要な課題。伊良部大橋は交通物流を促進し、とりわけ台風や荒天時の生活物資輸送や救急患者の搬送などへの障害を抜本的に改善する。内閣府としても関係機関と連携を密にして事業への支援を進めていきたい」と述べた。国土交通省の谷口博昭道路局長は「橋が架かることで住民の暮らしが安全、安心になるのに加え、宮古の観光産業の振興にも寄与する」と期待した。
 宮古島市の伊志嶺亮市長は「これまでの関係各位の労苦に敬意と感謝を表したい。大橋の建設は交通の利便性向上による生活圏の拡大だけでなく地域産業経済の発展に大きく寄与する」と喜んだ。
 伊良部大橋は橋梁(きょうりょう)と海中道路を併用した構造で、本橋部が三千五百四十b、取り付け橋梁が百七十b、海中道路部が六百b。橋梁部の幅員は八・五bで、本橋の中間地点付近は綱アーチがかかる。宮古島市平良と伊良部下地島空港を結ぶ一般県道平良下地島空港線六・五`の一部として整備される。

 

写真説明・関係者がくす玉を割り、伊良部大橋の起工を祝った=18日、伊良部長山の浜近くの取り付け道路現場


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「夢の大橋」が始動/伊良部大橋起工祝賀会
声高らかに乾杯

 三十二年の悲願実る―。伊良部大橋起工式祝賀会(主催・宮古島市)が十八日、同市伊良部公民館で行われた。会場には国、県、市の行政関係者や県出身の衆・参議員、県議、市議ら大勢の関係者が一堂に集まり、「夢の大橋」と言われた伊良部大橋の着工を盛大に祝った。各テーブルでオトーリが回り、中には踊り出す出席者の姿も見られ、会場は祝賀ムード一色に包まれていた。
 主催者を代表して伊志嶺亮市長は「昭和四十九年に伊良部村長だった川満昭吉さんが要請してから、三十二年の歳月を経て起工式を迎えることができた。国や県の皆さんの多大なご配慮のたまもので心から感謝をしている。伊良部大橋をいかにして宮古圏域の発展につなげていくか、宮古島市でしっかり取り組みたい」とあいさつした。
 アトラクションでは新風太鼓のメンバーが勇壮な太鼓演舞で会場を沸かせた。また、島袋本流紫の会の湧川絢子さんら四人が「かぎやで風」を披露。あでやかな舞で祝賀会に花を添えた。
 祝賀会では来賓の衆議院議員の西銘恒三郎さん、下地幹郎さん、参議院議員の西銘順志郎さん、沖縄総合事務局長の竹林義久さんが次々に登壇しお祝いの言葉を述べた。宮古島市議会の友利恵一議長が乾杯の音頭を取り、出席者全員で祝杯を挙げた。
 また、伊良部大橋の功労者として元伊良部町長の川満昭吉さん、前伊良部町長の浜川健さん、元平良市長の下地米一さん、前城辺町長の仲間克さん、前下地町長の川満省三さん、元下地町長の上地武則さんが紹介され、盛大な拍手を受けた。
 児童を代表して佐良浜小学校六年の善平大樹君が「夢と希望の橋が平良と伊良部島の間に堂々と横たわる日を楽しみに待っています」と述べた。
 祝賀会の最後には、県議会議員と宮古島市議会議員らがオトーリを回し、出席者と喜びを分かち合っていた。

写真説明・ 宮古圏域の発展を願って乾杯する出席者ら=18日、宮古島市伊良部公民館



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「迎恩」掲げ、結成10周年公演/琉球國祭り太鼓宮古支部

 琉球國祭り太鼓宮古支部(新垣太作支部長)の「結成十周年記念公演―迎恩の心 あららがま魂と共に―」が十八日、マティダ市民劇場で行われ、総勢九十人が地域へ感謝の気持ちを込め力強い演舞を披露した。公演には宮古支部のメンバーをはじめOBや本部、那覇・八重山支部からも参加。琉球民謡・宮古民謡など伝統音楽や創作エイサーも披露し詰め掛けた観客を楽しませた。また歌手の日出克さんなども共演し舞台に花を添えた。
 琉球國祭り太鼓宮古支部は一九九六年四月に発足。旧平良市民会館で本部が初公演を行い、感動した若者たちが楽屋に詰め掛けたのが宮古支部発足のきっかけになったという。宮古支部はマティダ市民劇場のこけら落としプレイベントで結成記念公演を行ったのを皮切りに、トライアスロン大会などに出演。エイサー文化を宮古に広げた。現在は七歳から五十歳代のメンバー約六十人が、年間百五十回を超える各種イベントに出演している。
 新垣支部長は「青少年の健全育成と文化意識の向上、沖縄文化の各内外への紹介に寄与するという基本理念に基づき、日々の練習に励んでいく」と意気込みを見せている。
 十周年記念公演では「かぎやで風」「トーガニアヤグ」のほか、下地暁さんの「太陽の歌」、日出克さんの「ミルクムナリ」など表情豊かに披露。久田本流久田多嘉子舞踊研究所、創作芸団レキオス、荷川取クイチャー保存会も共演し舞台を盛り上げた。


写真説明・結成10周年を記念し感謝の気持ちを込め演舞を披露した琉球國祭り太鼓宮古支部=18日、マティダ市民劇場


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交流で防火意識高める/幼年クラブ・婦人クラブ

 宮古島市内の幼年・少年防火クラブと婦人防火クラブの「交流会」(主催・宮古島市幼年・少年・婦人防火委員会)が十八日、宮古島市消防本部で開催された。七つの保育所・保育園・幼稚園の防火クラブが踊りなどを披露。参加した親子連れは、間近に消防車両や、消防隊員による救助・放水訓練に見入った。参加した三つの婦人防火クラブはそばを振る舞っていた。また主催の同委員会から各幼年・少年防火クラブに火の用心を呼び掛ける紙芝居が贈られた。
 交流会は、消防行政に協力している婦人防火クラブや幼年・少年防火クラブの交流を通して、互いの親睦(しんぼく)を深め、今後の連携がスムーズにできるようにするのが目的で、消防本部での開催は初めてという。
 同委員会の洲鎌菜保子会長は「子供も大人もじかに消防車両に触れ、仕事を生で見ることで、さらに防火意識を高め、これからも頑張ろうという気持ちになった」。伊舎堂勇消防長は「たくさんの方々に来てもらい、消防の仕事を知ってもらえたのは大きなプラス」と意義を強調し、「これからも住民の皆さんには防火に協力していただきたい」と話していた。

写真説明・消防の「赤バイ」にまたがり、記念撮影する子供たち=18日、宮古島市消防本部

 

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黒糖づくりで交流を深める/少年補導員協など

 宮古島地区少年補導員協議会(根間貞倶会長)と宮古島警察署(岸本亮署長)は十八日、青少年の健全育成に向けた活動の一環として黒糖作りを平良地区の添道公民館で行った。保育園児や小・中・高校生のほか、父母ら関係者など約八十人が参加し黒糖作りに挑戦。和気あいあいと交流しながら、サトウキビから黒糖ができるまでを体験した=写真
 黒糖作りでは、同会会員の池村英三さんの畑から収穫したサトウキビ二百五十`を使用。圧搾機でサトウキビの汁を搾り取り、大釜に入れまきで炊きあげた。
 根間会長は「こうした取り組みを通して共同作業の大切さを学んでもらえれば」と期待。参加した池間真子ちゃん(6つ)は「サトウキビが甘くておいしい。上手に黒砂糖が出来上がりそう」とうれしそうだった。

 

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   創立5周年で文芸詩を創刊/南風原町文化協

 南風原町文化協会の創立五周年を記念して同協会文芸部会がこのほど、文芸誌「はえばる文芸」を創刊した。創刊号では「戦争体験を風化させないために」との特集を組み戦前・戦時下・戦後の南風原の様子を証言や写真で収め、町内の小中高校生の平和学習を通して考えた「戦争と平和」を収録した。そのほか、インタビューや俳句、昔話、論功などをまとめている。
 文芸誌編集長は伊良部出身で元南風原高校教頭の西原正幸さんが務めている。
 問い合わせは垣花富夫さん(電話098・889・3064)まで。宮古ではブックボックス宮古店、沖教販、麻姑山書房で扱っている。価格は千円。
 

写真説明・「はえばる文芸」創刊号を手にする垣花富夫さん




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