200平成18  17 金曜日

介保事業計画策定委・介護予防に力点
宮古島市第3期事業計画まとまる

 宮古島市の「高齢者保健福祉計画・第三期介護保険事業計画」がまとまった。同市介護保険事業計画等策定委員会(下地徹委員長)の最終会議が十六日、市中央公民館で開かれ、同計画を審議、承認した。計画では、介護保険法の改正に伴い、地域支援、介護保険の両事業で介護予防に重点を置き、介護保険非該当者も含めた各種関連事業の実施を推進。同計画では「自助、共助、公助」の必要性を基本理念に、五つの基本目標を掲げている。実施期間は二〇〇八年度までの三年間。近日中にも伊志嶺亮市長に答申する。
 同委員会では、〇六年度から三年間の第三期介護保険事業運営期間の開始に向け、昨年十二月から四回にわたり委員会を実施。介護保険に該当しない一般高齢者にまで範囲を広げ、介護予防に重点を置いた介護保険法の大幅改正を受け、高齢者保健福祉事業と地域支援事業、介護保険事業を一体化して策定した。これまでに同市の地域福祉計画のマスタープランは策定されておらず、福祉関連では同市最初の計画となる。
 基本目標は▽若年層からの介護予防▽包括的サービスの推進▽生きがいづくりの推進▽持続可能な介護保険事業の推進▽自助・共助・公助を醸し出すまちづくり―の五つ。寝たきりや認知症は、若年世代からの予防が重要とし、健康増進事業の施策を推進。リハビリなどを必要とする市内在住の四十―六十四歳までの層に対しては、下地保健センターで機能訓練が実施される。
 また、介護保険に該当しない一般高齢者の介護予防を進めるため、「地域支援事業」を実施。一般高齢者のほか、今後、要支援・要介護状態になる可能性が高い虚弱な高齢者に向けての事業を展開。一般高齢者には▽転倒骨折予防▽認知症予防指導▽運動指導―などの事業を導入。特定高齢者(虚弱高齢者)に対しては▽運動機能向上▽栄養改善▽口腔機能向上▽うつ・閉じこもり・認知症訪問―などの施策が展開される。今後、後期高齢者が増加が見込まれる中で、介護給付を抑制し介護財政の悪化、保険料の増額を防ぐとともに健やかな高齢化社会を創出するため、「予防」事業を重点的に推進していく。
 介護保険の新予防給付は、事前アセスメント(評価)、ケアプランの作成後、個々の必要に応じて通所介護、通所リハビリ、訪問介護などの各事業所に委託して行われる。

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14年間の利息1億4000万円/財政難で用地購入できず

 宮古島市土地開発公社が一九九一年に先行取得した市総合体育館横で駐車場として利用されている用地を、市がいまだに購入できず同年から利息だけで約一億四千三百万円を支払っていることが十六日までに分かった。九五年に同公社が取得した下崎埋立地も同様に取得できず、累計で約三千五百万円の利息を支払っている。市は〇六年度も財政難を理由にこの二つの用地を購入する予算を計上しておらず、厳しい財政事情を浮き彫りにしている。
 市総合体育館横にある六千五百六十二平方bの用地は、九一年に駐車場用地として先行取得。土地開発公社が財政にゆとりが無かった旧平良市に代わって二億八千四百五十五万四千円で取得した経緯がある。同用地では武道館や給食センターを建設する案が浮上していたものの立ち消え、現在は各種スポーツ大会で駐車場として利用されており九一年当初の目的で使用されてはいる。
 下崎埋立地(二千五百九十五平方b)は環境整備施設用地として一億一千百八十九万六千四百円で取得しているが、この用地も市が買い切れずに利息だけを支払い続けているのが現状だ。
 二つの用地を合わせた利息の累計額は約一億七千八百七十万円だが、市が〇六年度も財政的に厳しいため、この額はさらに膨らむ見込み。用地購入費の約四億円を確保することが急がれるが、財政課では「購入費があれば買いたいが財政が苦しいために購入することができない」などと説明している。市は総合体育館横の用地はスポーツアイランド構想に基づき計画を立てる方針だが具体的には煮詰まっていない。

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宮古島を「ヒマワリの島」に/休耕地生かし観光産業創出

 緑肥として植え付けるヒマワリの観光資源活用を目指した「ひまわり講演会―ひまわりで地域興しを―」(主催・宮古地域農業推進会議)が十六日、県宮古支庁で開かれ、行政や観光関係者が全国での事例や利活用法など今後の可能性について提言した。県宮古支庁と宮古島市では今年五月に県内初のヒマワリ祭りを開催する計画で、「日本一早いヒマワリ」の島として全国へPRし、新たな観光産業の創出を目指す。
 宮古地区では毎年、サトウキビ収穫を終えた約四千fの畑が夏植えまでに休耕地となっており、このうち約二十fで緑肥としてヒマワリやクロタラリアが栽培されている。宮古地区農業推進会議では、こうした休耕地を活用し緑肥ヒマワリによる地力回復を図るとともに、地域の景観づくりを図りたい考え。
 県宮古支庁では二〇〇四年度から県営事業として城辺の山地地区でほ場整備を行っており、今年は休耕地となる七・二fにヒマワリの種をまいた。連休が始まる五月ごろには満開となる計画で、開花の時期に合わせてヒマワリ祭りの開催を計画している。いずれはヒマワリの種から採れる油などを活用した特産品づくりも視野に入れており、農家の協力など島を挙げての取り組みを目指している。
 ヒマワリ講演会では、行政や観光関係者ら六人が、全国のヒマワリによる地域興しの事例や、緑肥としての特性、種子の利活用など多方面からヒマワリについて紹介した。
 このうち県宮古支庁農林水産振興課の名嘉真清美さんは、北海道や宮崎県など全国の取り組みを紹介。行政と地域が一体となった取り組みでイベント開催や特産品づくりなど地域興しにつながった事例を紹介した。
 農業試験場宮古支場の太郎良和彦研究員は、ヒマワリがクロタラリアと同等の緑肥効果があることや、増収効果も期待できることを説明した。課題として、種子価格や施肥で農家負担が大きいことを上げた。

 写真説明・県宮古支庁が休耕地に植え付けて満開となったヒマワリ(資料写真)

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カレー、ヤギ乳ヨーグルトなど試食/たらまピンダ島興し事業

 【多良間】ヤギを活用し自立と活性化を目指す「たらまピンダ島興し事業検討委員会」(多良間朝時委員長)は十五日、たらまピンダを使った料理の試食会と講演会を同村中央公民館で開催した。試食会ではヤギ肉のカレー、ソーセージ、ヤギ乳ヨーグルトを使ったサラダなどが出され、参加者たちがヤギ料理を試食。ヤギ汁とは違った新たな味わいの料理を堪能した。講演会では、ヤギ専門家ではごろも牧場代表の新城将秀さんと、ヤギ研究家で県中央食肉衛生検査所長の平川宗隆さんがそれぞれの取り組みや研究内容を紹介し、多良間村でのヤギ活用法について提言した。
 ヤギ肉料理試食会では、農漁村生活研究会が琉球料理研究家の西太八重子さんを講師に招き、ヤギ肉を使った調理法を学んだ。村の観光関係者や児童を招待し、出来上がった料理を試食しながら新たな可能性を探った。
 午後七時から行われた講演会では、ヤギ乳を使った製品作りに取り組んでいる新城さんが「私とピンダとの関わり」と題して講演。自らの取り組みなど実例を話し、ヤギ活用について紹介した。平川さんは、東南アジアなど世界のヤギについて写真で紹介しながら離島である多良間村の可能性について話した。平川さんは加工製品の開発を促し、試食会で評価の高かったヤギ肉のレトルトカレーなどを提案した。

 写真説明・ヤギ乳のヨーグルトサラダやヤギ肉のカレーなどを試食する参加者たち=15日、多良間村中央公民館

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来月から供用開始・機能訓練の拠点に/下地保健福祉センター

 宮古島市の下地保健福祉センターがこのほど完成し、四月一日から供用を開始する。旧下地町の庁舎跡地(下地字上地)に位置し、高齢者の介護予防やリハビリを必要とする人々の機能訓練の拠点として活用されるほか、予防接種や赤ちゃん広場開催など市民の健康増進の役割を担う。
 同センターは、旧下地町が建設。総事業費二億三千四百万円。施設面積は八百二十平方bで、日常生活訓練室、栄養実習室、健康相談室、作業室、会議室などが設けられている。敷地内屋外には芝生の広場にあずまやを整備し、高齢者や親子連れの市民も気軽に来所できるようにした。職員は保健師二人と運動指導士、事務職の計四人を配置する予定。
 同施設は、市内各地区の保健センターの中でも、特に身体機能訓練の拠点として筋力トレーニング用の設備が充実。四月から施行される改正介護保険法では高齢者の心身機能の維持、改善が重点事項となっており、宮古島市では介護保険非該当者や障害者、六十五歳未満の住民に対しても、同センターを利用して同法に基づいた筋力向上や栄養改善指導などを行う。また、広く健康増進事業が展開されるほか、予防接種会場として平良保健センターとともに活用されていく予定だ。
 市福祉保健部健康増進課の奥原一秀課長は「保健師の配置の仕方や業務内容を含めて、効率的で質の高い住民サービスが展開できるようにしたい」と話した

 写真説明・このほど完成し、4月開所となる下地保健福祉センター=下地字上地

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   全国制覇向け合宿/中央学院大ゴルフ部46人が来島

 千葉県にある中央学院大学のゴルフ部が十六日、昨年に続き二度目となる宮古合宿のため来島した。訪れたのは総勢四十六人で、合宿は二十四日まで。同部は関東学生ゴルフ連盟Aブロックに所属し、昨年は春、秋ともリーグ戦三位で全国大会へ出場した実績を持つ。石田鈴千代主将(三年)は「一人ひとりが力を発揮できるようなチームづくりをしたい」と語った。
 同日、宮古空港に到着した同部は、宮古ゴルフ協会などの歓迎を受けた。同協会の上地安増会長は「短い期間ではあるが、それぞれが自分の腕、技を磨き上げ、世界でも超一流のプロとして活躍することを期待したい」と激励のあいさつをした。
 歓迎を受けた河内喜文監督は「この合宿を機に、団体での全国優勝を目指して頑張りたい。また、技術だけでなく、人間形成の面でエチケットやマナーなど、生活面も厳しくやりたい」と力強く語った。また、この四月に入学する新一年生も合流しての初合宿とあって、「新入生がどの程度やれるのかも確認をしたい」とも述べた。
 父・昌彦さんが宮古出身で、四月に入学する仲宗根一樹君=沖縄尚学高校卒=も合宿に参加。「ラウンド数をこなして、しっかり体力を付けたい」と、意欲を見せていた。

 写真説明・2度目の宮古合宿のため来島した中央学院大学ゴルフ部の選手ら=16日、宮古空港

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