200平成18  14 火曜日

5カ年計画の指針/宮古島市・行革大綱を決定

 宮古島市行政改革推進本部(本部長・伊志嶺亮市長)は十三日、行革推進委員会から答申のあった「宮古島市行政改革大綱(案)」の内容を確認、決定した。行革大綱は同市が五カ年計画で実施する行財政改革の指針となるもので、今後、専門部会が大綱を基に「集中改革プラン」を策定する。答申に加え委員会から提言された福祉保健部の平良庁舎配置など組織見直しについては、業務量の把握や地域の声の取りまとめなど、慎重な審議が必要であるとして、集中プランが策定される九月ごろまで議論を重ねる方向でまとまった。
 行革推進本部には本部長の伊志嶺市長、下地学助役、各部長、各支所長らが出席。伊志嶺市長は行革推進委員会から提言のあった福祉保健部の平良庁舎配置などについて一人ひとりの意見を求めた。
 池村直記福祉保健部長は「分庁方式は地域の過疎化防止や地域活性化のため。意義をしっかり受け止めなければならない。時間をかけて総合的に議論すべき。個人的には時期尚早だと思う」との見解を示した。
 平良富男建設部長は「市民からは見直しの声が多い。合併しいろいろな問題が出ている中、福祉部を含め支所機能などの見直しは当然すべき」と早急な対応を求めた。
 宮國泰男経済部長は「部の入れ替えはある程度柔軟にできないものか。この一年しっかりと議論すべきでは」と慎重な審議を強調。久貝智子企画政策部長は「市民サービスが前提。早めに対応した方が良い」と述べた。
 狩俣公一平良支所長、饒平名健次城辺支所長、砂川正吉上野支所長は合併協定項目の決定事項を尊重すべきとの見解を示し、「事務量や事業内容を細かく点検する必要がある」(平良支所長)、「福祉部だけでなく全体的な組織をどうするか。人事や事務分量などが落ち着いた時点で見直すべき」(城辺支所長)、「いろいろな角度から議論し検討する時間が必要」(上野支所長)などと意見。上地廣敏下地支所長は「支所は縮小ではなく充実することで地域活性化する」と支所機能の充実を強調し、組織見直しについては「早急に地域審議会を立ち上げ地域の意見を聞き、その上で結論を出すべき」と各地域での議論を求めた。
 今後は専門部会が中心となり、具体的な改革策を盛り込んだ「集中改革プラン」を策定するが、この日の会合では専門部会の構成を指摘する声が上がり、同部会の再考が行われることとなった。

 写真説明・行政改革大綱を決定し、組織見直しなどについて意見を交わした行革推進本部=13日、宮古島市役所

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特別職、議員の報酬大幅カット/多良間村議会で可決

 【多良間】開会中の多良間村議会(西平幹議長)の三月定例会は十三日、当局が村長など特別職の給与や議会議員報酬などを削減する条例改正十二議案を提案し、可決された。これにより村長、助役、教育長、議会議員の給与および報酬が七・五%から最大一〇%のカット。職員定数も二人削減の五十一人にしたほか、長期滞在型宿泊施設「夢パティオたらま」の使用料を値上げするなど、厳しい財政に対応するための行財政改革に踏み切った。
 特別職の給与については、村長給与を六十八万円から七・五%減の六十二万九千円に削減。助役給与は五十五万円から五十万三千円(八・五%減)に。また教育長は四十八万二千円から四十三万八千円(九%減)とした。
 議員報酬は議長が二十四万一千円とあるのを二十一万九千円(九%減)に、副議長は二十万一千円を十八万一千円(一〇%減)、議員は十八万八千円を十六万九千円(一〇%減)とした。
 職員定数については昨年七月にも三人を削減しており、今回も二人を削減。一年もたたずに計五人を削減した。
 夢パティオたらまの使用料もシングル、ダブルそれぞれ五百円ずつ値上げした。

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伊良部―平良を10分で結ぶ/「スーパーライナー」就航

 はやて海運(川平三秀代表)の高速旅客船兼自動車渡船「スーパーライナーはやて」(一四五d、佐久川清修船長)が十三日午前、宮古島市伊良部の佐良浜漁港と宮古本島の平良港を結ぶ離島航路で本格就航させた。これまでの高速旅客船より総トン数が約二倍の大きさ。揺れの少ない安定性や安全性のほかに、利便性、快適な環境などが一段と確保されている。県内の離島航路の高速旅客船では、初めてのバリアフリーが採用され、離島航路は新しい時代に突入した。
 「スーパーライナーはやて」は、前高速旅客船「第18はやて丸」が就航十八年を迎え老朽化したことに伴い、代替船として導入した。船体材質が双胴型のアルミ合金製のため、海上がしけても横揺れが少ない。エンジンは二千馬力を二基搭載。佐良浜―平良までの所要時間は約十分。時速は約五十`。
 新高速旅客は、全長三十二・八b、幅八・四b。旅客定員三百人で、車両搭載時は百五十人。搭載車両台数八台。一階の船尾部分にお年寄り用の優先座席、車いす用スペース、トイレが設置されている。
 佐久川船長は「海上がしけても横揺れが少ない。快適な離島航路の乗船が楽しめる」と話す。
 川平代表は「安全運航が第一。楽しい船旅が提供できる」と語った。

 写真説明・海上がしけても横揺れが少ない「スーパーライナーはやて」が就航した=13日

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小学校 基礎学力が定着/宮古地区05年度達成度テスト

 宮古教育事務所(新崎治所長)は、二〇〇五年度達成度テストの結果をまとめた。宮古地区小学校の総合平均得点(国語、算数)は五十点満点の四二・九点で、県の目標点数四十点をクリアしている児童は全体の七六・九%を占め、昨年とほぼ同レベルで推移している。中学校は総合平均(国語、数学、英語)が三六・七点と目標に届かなかったものの県平均の三三・八点を上回っている。同事務所では「小学校においては学力向上対策の取り組みが定着しており、中学校では北中、平良中の大規模校の得点の伸びが全体を底上げした」と分析。今後は、基礎学力や意欲、生活態度など個別の要因を把握し、各ケースに応じた対策の強化を示した。
 達成度テストは、県立小、中学校の児童生徒の基礎学力達成状況を把握するため、小学六年生、中学二年生を対象に実施。小学生は国語と算数の二教科、中学生は国語、数学、英語の三教科で行われる。
 今年度の宮古地区(宮古島市、多良間村)の状況は、小学校が前年度の総合平均四二・五点に対し〇・四点伸び、今年度の県平均四三・一点に比べると〇・二点低い。教科別には、国語が四二点。算数が四三・八点。四十点以上の得点率は国語で七四・八%、算数では七九%と多数を占め、逆に二十点未満の児童は国語で〇・八%、算数で一・七%と極めて少数だった。得点の低い児童は年々減少しており、宮古教育事務所では「習熟度に応じた指導や教諭の二人体制の指導など各校の取り組みの成果。小学校に関しては基礎学力が定着し、安定期に入ったと言える」と強調した。
 一方、中学校では前年度三二・二点に対し今年度は三六・七点で四・五点伸びた。県平均三三・八点よりも二・九点高く、特に数学では県平均を四・八点上回る好成績を上げた。四十点以上の得点率は、国語で四八・一%、数学で四九・九%、英語で四五・一%。二十点未満の生徒は国語で三・六%、数学で一三・七%、英語で六・八%となった。
 宮古教育事務所によると、毎年の達成度テストの分析結果は、これまで日常の授業や年間指導計画の改善に生かされなかったとして、今後は教科の時間配分など指導計画策定の基礎データとしての活用を推進するとしている。
 また、特に中学校の数学と英語では、学習において過去の知識がものをいう「積み上げ教科」のため、得点の低い層の引き上げに力点を置く必要があるとして、各校の取り組みから実際に効果の高かった取り組みを選び出し全体として重点的に推進・展開することで学力向上を図る。さらに、得点が伸び悩む児童生徒については基礎学力や意欲、生活態度など個別の要因を把握し、各ケースに応じた対策を図ることの重要性を挙げ、家庭との連携体制を引き続き強化していく方針を示した。

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吹かせ、八重商工旋風/宮古乗り継ぎセンバツへ出発

 今月二十三日から十二日間の日程で、甲子園球場で開催される第七十八回選抜高校野球大会に出場する八重山商工野球部(伊志嶺吉盛監督)のナインら二十五人が十三日午後、大阪へ向かう乗り継ぎのために宮古空港へ降り立った。在宮古八重山郷友会(佐原忍会長)の会員らが出発ロビーで温かく迎え入れた。伊志嶺監督は「初戦を勝ち、狙うは頂点だ」と闘志を燃やした。佐原会長らの激励を受けた後、優勝を目指すナインらは伊丹空港へ向かった。あす十五日、抽選会が行われ、対戦相手が決まる。
 歓迎式で、佐原会長らは、カツとおにぎりをプレゼント。「カツを食べて勝っていく」と激励。佐原会長らは、今月十一日に石垣で開かれた歓送会で、ナインらに激励金を贈った。中央ツーリスト宮古支店の平良雄一支店長代理は、チョコレートのキットカットを贈呈し、「きっと勝ってください」と励ました。
 宮古出身の伊志嶺監督は「先島からの応援の風を、甲子園で吹かしたい。ナインの調子は上がってきており、甲子園ではいい実践の成果を出したい」と言葉に力を入れた。
 キャプテンの友利真二郎君は「目指すは優勝だ。初戦は絶対勝つ」と決意を新たにした。祖父は宮古出身という。
 夢実現!行くぞ!甲子園 宮古島応援団の平良勝之会長は「県代表の誇りを持って、夢の舞台で暴れてほしい」と話し、「甲子園には応援に行く」と強調した。

 写真説明・「目指すは優勝」と決意を新たにしていた八重山商工ナインら=13日、宮古空港出発ロビー

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   会場に伝統校の響き/宮高吹奏楽部が演奏会

 県立宮古高校吹奏楽部(長浜隆顧問)の第三十四回定期演奏会が十二日、マティダ市民劇場で開催され、約八十人の部員たちが会場いっぱいにハーモニーを響かせた。またモーツァルト生誕二百五十周年記念として、バイオリン奏者の天野智美さんとビオラ奏者の誠さん夫妻もゲスト出演。宮高吹奏楽部のオーケストラと共に美しい音色で観客を魅了した。
 定期演奏会は毎年開催しているもので、同部の伝統的な催しとなっている。会場には生徒たちの家族や友人、愛好家など多数が詰め掛け、生徒たちが奏でる曲に耳を傾けていた。
 舞台は三部構成で行われ、J・P・スーザの行進曲「マンハッタンビーチ」で幕開け。フルートやサクソホン、トロンボーン、パーカッションなど、さまざまな楽器を総勢約八十人が奏で、一つのハーモニーを生み出した。このほか本年度コンクール課題曲の「吹奏楽の為の一章」やイギリス民謡組曲、マーチングショー、アニメ「ハウルの動く城」などの曲を次々と披露し、さまざまな表情で観客を楽しませた。

 写真説明・総勢約80人が美しいハーモニーを響かせた定期演奏会=12日、マティダ市民劇場

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