200平成18  12 日曜日

支所機能 統廃合へ来月から段階的に実施
宮古島市

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は二〇〇六年度、支所にある班の統廃合を実施する方針だ。平良支所の地域振興班を廃止するほか、各支所の地域振興班、事業推進班の統合を軸に調整し、四月から段階的に実施していく。支所機能については各方面から見直しを求める声が相次いでおり、市が抜本的な統廃合に踏み切ることは確実。ただ、各支所は旧町村にとって行政サービスのよりどころとして定着しており、統廃合による混乱を避けるためにも市の慎重な対応が求められている。

 支所機能を統廃合する背景には現状の行政運営を「非効率的」とし、合併後に見えた組織のひずみを早急に改善したいとする市の判断がある。組織の見直し実施については伊志嶺市長も各庁舎や支所を回る移動市長室などで公言。「合併後に組織を見直す部分が出てきている。見直しを求める市民の声もあり、四月からは何らかの形で見直しを進めていかなければならない」と述べ、〇六年度中に着手する姿勢を示している。
 旧市町村ごとにある支所は、合併後に地域格差を生じさせないことを前提に設置された。班は窓口業務を担当する市民生活、総務企画に関する業務を行う地域振興、各種事業を展開する事業推進の三つ。合併当初は一支所三十五人以上の体制が敷かれたが、その後の人事異動で職員数は減少傾向にある。
 市民生活班については窓口業務が多忙、かつ必要性の度合いも強いため据え置きが濃厚。一方で地域振興班や事業推進班は業務の役割をめぐって本庁と温度差があり「支所の機能が十分生かされていない」(市幹部)のが現状だという。これらの点を解消する一つの手段として統合案が浮上しており、現在は詰めの作業が進められている。
 市の幹部は地域振興班と事業推進班の統合について、人員の適正配置をメリットに挙げる。統合する班の職員数を減らして業務過多の本庁へ異動させることにより、人員および業務の適正化が図れることを主張した。
 市は〇六年度にも各支所にある班の統廃合を実施する方針だが、地域振興班、事業推進班を一斉に統合する案については流動的な部分も残しており、今後の協議内容が注目されるところだ。


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美ぎ島づくりに汗植樹活動に150人参加
伊良部

 美ぎ島宮古グリーンネット(会長・伊志嶺亮宮古島市長)の二〇〇五年度最後となる植樹活動が十一日、同市伊良部の佐良浜地区で行われた。子供から大人まで約百五十人が参加。防風林帯(長さ百二十七b、幅五b)にテリハボクなど三樹種の苗木七百四十二本を丁寧に植え付けた。伊良部での植樹は今回が初めて。この日の植樹で、〇五年度に植え付けた苗木の総本数は五千本を超えた。同グリーンネットでは、〇六年度から再び植樹活動を展開していく。
 開会式の前、伊志嶺市長、農林水産省農村振興局整備部の斎藤晴美部長、県宮古支庁農林水産振興課の長間孝課長、同水産整備課の根間恵勇課長の四人が標柱のそばで、テリハボクの苗木を記念植樹した。
 伊志嶺市長は「このグリーンネットは、宮古を緑いっぱいの島にしようと、昨年六月に立ち上げた」とあいさつし、ボランティアの参加者らに感謝の意を表した。斎藤部長は「ほ場整備を担当しており、今後も農業生産向上に努めたい」などと述べ、宮古島をグリーンベルトで取り囲む計画に関心を寄せた。
 参加者らは軍手をはめ、スコップなどを使って苗木の一本一本を丁寧に植樹した。
 参加した四十代の女性は「伊良部島が緑いっぱいになると、十月に飛来するサシバの群れがゆっくり休める」と語った。 この日植え付けた苗木は、テリハボク二百四十七本、イヌマキ二百四十八本、フクギ二百四十七本の計七百四十二本。〇五年度の植樹は平良の狩俣地区が二回、城辺が一回、伊良部が一回の計四回実施した。

 写真説明・ボランティアで子供から大人まで参加した植樹=11日、伊良部の佐良浜地区

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平均糖度は1521度今期キビ搬入を終了
沖糖宮古工場

 沖縄製糖宮古工場は十一日、二〇〇五―〇六年産サトウキビの搬入を終了した。一月十一日の製糖開始から六十日間の搬入量は十一万一千三百二十八dで、ほぼ平年並みの収量を確保。一方で平均糖度は一五・二一度と過去三番目に高い数字となった。トン当たりの農家手取り額は二万一千四百四十四円(対策費除く)。操業はきょう十二日までを予定している。
 沖糖は当初、十一万三千dの搬入を見込んでいたが若干の目減り。それでもほぼ平均並みの収量を確保していることから同工場では「上出来の成績」としている。
 一方、品質面は今期取引当初から好調。平均糖度の六十日間の累計を見ると基準糖度帯(一三・一―一四・三度)内のキビは全体の一六・二一%で、基準以上のキビは八一・五三%を占めた。基準以下はわずか二・二五%と品質取引においては高水準の成績を収めた。
 品種別の平均糖度は「ナーナシ」が最高の一五・三九度、これに次いで「宮古1号」が一五・二八度、「農林15号」が一五・二〇度、「農林8号」が一五・一三度と、同工場の主力品種である「宮古1号」をはじめ、いずれの品種も基準糖度帯を上回る高品質取引となった。
 品質上昇の要因には、大きな台風被害を受けなかったことや、年末年始の冷え込みなど、気象条件に恵まれたことが挙げられる。
 同工場の搬入終了により、宮古製糖城辺工場の八万三千九百八十二dと合わせた宮古本島内の生産量は十九万五千三百十dとなった。宮古製糖の伊良部工場と多良間工場の搬入は四月上旬まで続けられる予定。

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組踊を堂々と披露国立劇場で研修生発表会
川満香多さん(平良出身)、伝承に意欲的

 【那覇支局】第二回組踊研修生発表会が九日夜、国立劇場おきなわ小劇場で行われ、宮古出身で県立芸術大学に通う川満香多さんが、組踊の「二童敵討」と「上り口説」を演じて会場から大きな拍手を受けた。川満さんは「緊張し過ぎて練習の成果が半分しか出し切れなかったが、研修生として後二年間あるので、しっかりと日々練習に励み、将来的にはいろいろな舞台に立ちたい」と夢を膨らませた。今回の発表会には川満さんを含む十人の研修生が日ごろの練習の成果を披露した。 
 川満さんは、「二童敵討」では、天下取りの野望に燃える勝連城主のあまおへ(阿麻和利)の役を堂々と演じた。「上り口説」では、踊り手として繊細な表現で会場を沸かせた。
 川満さんが組踊研修生として国立劇場おきなわ運営財団に入ったのは二〇〇五年四月。県立芸術大学に学生として通う傍ら、月曜日から木曜日まで毎日、午後六時半から午後九時まで同劇場などで研修仲間たちと琉球方言や琉球芸能史論などの講義のほか発声訓練や作法などの基礎、組踊や琉球舞踊、三線などの実技研修に励んでいる。
 川満さんは「今回の役は、豪傑な役だけに、荒々しさを表現するのが難しかった。また声量が求められており、いかに荒々しい声を出せるかが今後の課題」と、組踊の伝承者としての演技の向上に意欲を示した。
 物心が付く前から伯母に当たる亀浜律子さんの琉舞練場で踊っていた川満さん。研修生として組踊を学んでいる現状について、「今ここに居るのも自然なこと。ぜひ、ふるさと宮古でも組踊の魅力を紹介したい」と笑顔で話した。
 組踊の魅力を多くの人に知ってもらいたいとの気持ちで、自らにも厳しい姿勢で日々、研鑽に励む川満さん。ふるさと宮古ではさらに洗練された踊りを披露するはずだ。
 川満 香多(かわみつ・こうた)1984年(昭和59年)3月27日生まれ。21歳。平良出身。平良中学校卒業後、南風原高校郷土文化コースに進学。現在、県立芸大の4年生で国立劇場おきなわ運営財団の組踊研修生。

 写真説明・繊細かつ迫力ある演技を披露した川満香多さん=9日、国立劇場おきなわ小劇場

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大型車と衝突、男性死亡3日間で2件の死亡事故
宮古島署 レンタカー運転手の身元確認急ぐ
平良・城辺線

 十一日午後五時四十五分ごろ、宮古島市平良字西里の県道78号線(通称、平良・城辺線)で、大型トラックとレンタカーが衝突する事故があった。レンタカーを運転していた四十五歳くらいの男性が、全身を強く打ち、県立宮古病院に運ばれたが約一時間後に死亡した。トラックの運転手にけがは無かった。死亡事故は八日にも起きたばかりで今年二件目。
 宮古島署によると、現場は県農業試験場宮古支場前の見通しの良い緩やかな右カーブ。レンタカーは城辺方面から平良方面へ進行中に対向車線に進入し、対向車線を進行していた大型トラックの右前部に衝突した。
 事故の衝撃でレンタカーの右前部は大破。運転手の男性は全身を強く打った状態で車内に閉じ込められていたという。通報を受けて駆け付けた消防署員が救出し、県立宮古病院に搬送した。搬送時に意識は無く頭部から出血が見られたという。同病院で午後六時五十三分、死亡が確認された。
 同署ではレンタカーを借りた県外に住む男性が、運転手と一致するか身元の特定を急いでいる。事故原因については調査中。

 写真説明・大型トラックと衝突し右前部を大破したレンタカー=11日午後6時35分ごろ、県農業試験場宮古支部前


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   「マイバッグ賞」 に幸地さんの作品ごみ減量化に工夫光る
平良婦人連合会がコンクール

 平良市婦人連合会(下地勝子会長)は十一日、レジ袋に代わるお手製の買い物バッグを募集していた「マイバッグコンクール」の審査会を行い、幸地恵子さんの作品を「マイバッグ賞」一位に選定した。底の部分に保冷シートを使った工夫作で、軽さや使いやすさも評価された。下地会長は「ビニール袋を使わないことでごみは減る。今後もマイバッグの普及に取り組んでいきたい」と話した。出品作品は十五日まで市役所城辺庁舎で、二十二日から二十五日までは平良庁舎で展示される。
 このコンクールは、買い物の際にビニール袋を使わないことでごみを減量化し、環境保全に寄与しようと開催。今回で二回目。昨年十二月から二カ月半の期間、ビニール袋の代わりとなるお手製バッグを会員から募集し、集まった三十六点を同連合会役員と宮古島市環境保全課の職員らが審査。機能性、利便性、デザインを重視して選んだ。
 幸地さんの作品は、保冷シートで商品を守る工夫がされているほか、外側に施されたポケットの便利さなどが評価された。
 幸地さんは、別の作品が「おしゃれ賞」にも選ばれたほか、「アイディア賞」には傘の布を再利用した下地会長の作品などが選ばれた。
 下地会長は「ビニール袋が身近にあると、ついごみを入れて捨てる人も多いはず。ビニール袋をできるだけ使わないことでごみの捨て方も変わり、環境保全への意識も高まると思う。商品化へ向け行政の協力も求めていきたい」と意気込みを話した。
 結果は次の通り。(敬称略)
 【マイバッグ賞】▽一位=幸地恵子▽二位=奥平スミ子▽三位=下地勝子【アイディア賞】▽宮平美代▽奥平スミ子▽下地勝子【おしゃれ賞】▽幸地恵子▽下地廣子

 写真説明・マイバッグ賞の1位に決まった幸地さんの作品(中央上)
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