200平成18  11 土曜日

包丁で脅し 現金奪う平良でコンビニ強盗
宮古島署 若い男の行方追う

 十日午前六時五分ごろ、宮古島市平良字下里にあるコンビニエンスストアに、客を装い入店した二十歳くらい男が、「金を出せ」と包丁のようなものを突き付け男性店員を脅し、現金約十万円を奪う強盗事件があった。店員にけがはない。男は現場から逃走。宮古島署が行方を追っているが、午後十一時現在で捕まっていない。

 男は年齢が二十歳くらいとみられ身長約一七〇a、体形は中肉。黒色のサングラスとヘルメットで顔を隠し、服装は白っぽいジャンパー、黒色のズボン、白っぽい運動靴を着用していたという。
 店内で商品を買い物かごに入れるなど客を装った男は、レジにいる店員に包丁を突き付け金を要求。店員から現金を奪うと、男は店員を店外に出させ、みつば幼稚園方面へ店から離れるよう指示。男は平良港方面へ走って逃走したとみられているが、その後の逃走方法・経路は不明。男は宮古なまりで話していたという。店員は当時、一人だった。
 店員は近くにある別のコンビニエンスストアに駆け込み、警察へ通報した。店側は防犯カメラのテープを宮古島署に提供。捜査員に男の写真を配布し、現場近くで聞き取り調査を実施している。
 現場は市場通りに面し、普段は人通りが多い場所。当時は早朝のため、人通りは少なかったという。
 同署は署長以下四十二人体制で男の行方を追っている。

 写真説明・犯行現場を調査する署員=10日午前7時45分ごろ、平良字下里のコンビニエンスストア


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市税滞納総額は7億200万円/市議会本会議

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)は九日の本会議で、当局提案の議案質疑を行った。二〇〇六年度一般会計など予算関係に質疑が集中、市税滞納額や徴収方法についての質問も行われ、市税の滞納総額は一月末現在で七億百九十一万五千円であることが税務課から報告された。その上で同課は、合併した昨年十月から少しずつ徴収しているとし、「新年度も徴収体制を強化したい」と答えた。
 市税関係については上地博通氏が質問。現在の滞納額や、合併により旧町村で実施されてきた区長徴収制の廃止で市税徴収に影響は無いかなど、当局の見解を求めた。
 これに対し下地実税務課長が滞納額を報告。市税のうち▽市民税一億七百五十五万八千円▽固定資産税五億三千六百七万一千円▽軽自動車税千五百六万七千円▽たばこ税九百二十三万三千円▽特別土地保有税三千三百九十八万六千円―が滞納であることを説明した。その上で〇六年度の徴収業務に意欲を示した。
 伊志嶺亮市長は「滞納整理は重要な課題。徴収体制を強化し、旧市町村に負けないような取り組みをしていきたい」と自信を見せた。
 市税の滞納額は昨年十月一日現在で、七億四千百八十一万四千円、市はこの四カ月間で三千九百八十九万九千円を徴収している。
 質疑ではこのほか、特別職の給与についての質問もあり、現行の給与について宮川耕次総務部長は「市長が八十三万円で助役が六十六万円」などと答弁した。市は今定例会で市長の給与を現行より一〇%カットの七十四万七千円、助役の給与は現行五%減の六十二万七千円とする一部条例改正案を提案している。

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土地購入費 工面できず水源涵養(かんよう)林造成
市長、市民負担も検討

 宮古島市水道局が実施している水源涵養林造成のための土地購入費が同局の二〇〇六年度予算で工面できないことが十日、開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)本会議の議案質疑で分かった。伊良部の漏水問題対応などで財源にゆとりがないことなどが原因としている。市は一般会計からの持ち出しも検討したが断念。地下水の保全を公約に掲げる伊志嶺亮市長は「財政が非常に厳しい。市民の水道料金にわずかばかりの負担をお願いすることも含めて検討したい」と述べ、水源涵養林造成に向け市民に理解を求めていく姿勢を示した。
 水道局が実施する水源涵養林造成に関する事業では〇五年度当初で水源保全対策費に二千三百五十七万円、土地購入費には約五千万円を計上している。〇五年四月から九月末までの実績では三万九千五百八十七平方bの土地を購入、三千五百五十万円の購入費を投じている。
 十日の市議会本会議では富永元順氏が同件を取り上げ、具体的な対応を取らなければ地下水保全対策が停滞するとし、当局の考えを聞いた。これに対し伊志嶺市長は「水道局のみで取り組むのは大変厳しい。ただ、水源涵養林の造成は地下水保全の意味でも非常に重要な事業」と強調した。その上で「市部局で対応できればやっていくが財政は厳しい。市民の水道料金にわずかばかりの負担をお願いすることも含めて検討したい」と述べ、新たな収入源を模索する考えを示した。
 市水道局によると、九五年から〇五年九月末までに、三十一万三千九百五十四平方bの土地を購入し、三十二万七千五百二十五平方bで植林を実施している。植付本数は四万本以上におよび、宮古地区における水源涵養林の造成に大きく貢献している。

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「自立の道切り開く」/下地村長が施政方針
多良間村議会/3月定例会開会

 【多良間】多良間村議会(西平幹議長)三月定例会が十日、開会した。下地昌明村長は施政方針で、国の三位一体改革などによるいっそう厳しい財政運営を見据え「最小の経費で最大の効果を上げる」地方自治の原点に返った村政の執行を主張。「思い切った改革を断行し、自立の道を切り開いていく覚悟」と強調した。初日は宮古島市に続き宮古支庁の組織見直しの撤回を求める要請案を可決したほか、村当局が提案した二〇〇五年度一般会計補正予算正など四議案を可決した。会期は十七日まで。一般質問も十七日に行う。(8面に施政方針全文)
 施政方針を述べた下地村長は、農業用かんがい用水の需要を満たすために引き続き国や県へ国営地下ダム事業化を要請していく構えを見せた。また第一次産業の所得向上へ向けた「農業生産者大会」の開催や、村民の声を行政に反映させるための地域懇談会開催などの考えを示した。
 宮古支庁の組織見直し撤回を求める要請案では、「支庁長の権限を格上げした一九九六年の支庁改編と逆行するものと強い懸念を持っている」と強調。離島を中心とした組織見直しは、合併せず自立を選択した多良間村をはじめ宮古全体の発展を図る離島振興策などの推進が危惧されるなどとして、組織見直しの撤回を求めている。
 当局がこの日提案した議案は▽〇五年度一般会計補正予算▽〇五年度国民健康保険事業特別会計補正予算▽〇五年度簡易水道事業特別会計補正予算▽〇五年度介護保険特別会計補正予算―の四議案。四議案とも原案通り可決された。

 写真説明・宮古支庁組織見直し撤回の要請案などを可決した多良間村議会=10日、多良間村議会議場

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大学世界選手権に出場へビーチバレー
浜川直洋さん(伊良部高卒)、日本代表に

 国際大学スポーツ連盟(FISU)が主催する「第三回FISUビーチバレー大学世界選手権大会」の日本代表に、伊良部高校出身の浜川直洋さん(22)=鹿児島県・鹿屋体育大学四年=がこのほど選出され、十日、里帰りした。大会は六月、地中海のキプロス共和国で行われる。県ビーチバレー連盟によると、同競技で県選手が日本代表に選ばれるのは初めて。浜川さんは「日本代表の名に恥じないプレーで、プレッシャーを力に変えて楽しみたい。(大学日本代表最高の)五位を上回りたい」と力強く語った。同日夕には伊良部島で親せきや関係者による祝賀会も行われた。
 浜川さんは伊良部小、佐良浜中、伊良部高校とバレーボールを続け、鹿屋体育大では、屋内のバレーボールとビーチバレーの両方に取り組んでいる。昨年八月の全日本大学ビーチバレー選手権では、三位に入った。
 代表選考会は二月にあり、二十五人が参加。浜川さんはプレーの安定度が評価され、二人の代表選手に選出された。「大学卒業後二年以内」の規定に該当する同じ大学の先輩、瀬田久史さん(23)とコンビを組む。
 身長一八〇aと同競技では小柄な浜川さんは、瀬田さんのバックを守るレシーバー。「自分の頑張り次第で勝敗が決まる。六月までに体力強化を図りたい」と語った。
 県バレーボール連盟の新城武副理事長は「浜川選手は身長がないハンディを補うためにどうするかを常に自分で考えている」と評価し、「伊良部という小さな島から日本代表に選ばれたことに感謝したいし、頑張ってほしい」とエールを送っていた。

 写真説明・「日本代表の名に恥じないプレーをしたい」と話す浜川さん=10日、パイナガマビーチ


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   「誇り、自信になる」活躍たたえ記念碑建立
上野中男子バスケ部
次は全国、「挑戦者達」と刻む

 昨年三月の全九州春季選手権準優勝など、県大会や九州大会で好成績を収めた宮古島市立上野中学校(普天間裕校長)男子バスケットボール部の活躍をたたえる記念碑の除幕式が十日、同校で行われた。中心選手として活躍した三年生をはじめ部員らが、「挑戦者達」の文字と活躍を刻んだ石碑を除幕した。前主将の小禄洋平君は「上野中の歴史に名を刻めるのは誇りで、自信になる。後輩たちには僕たちが行けなかった全国大会を目指してほしい」と話した。
 同部は昨年の九州準優勝をはじめ、同年二月の県大会で優勝、七月の県大会で準優勝、八月の九州大会でベスト8と、各大会で活躍した。
 式には、記念碑の建立に中心的な役割を果たした父母会、教職員らが出席。外間聡監督は「上野小にはミニバスケの碑があるが、中学校には今までなかった。非常にうれしい。卒業する三年生はさらに上を目指して挑戦を」とエール。現主将の根間力哉君は「先輩たちより上を目指して頑張ります」と決意を表した。
 父母会の小禄玉枝会長は「碑に恥じない飛躍を」、普天間校長は「自分の夢実現へ向け頑張って」と、それぞれ激励した。コーチの新里修一郎さん、PTA会長の上地登さんも記念碑建立を喜び、生徒らの活躍に期待した。

 写真説明・男子バスケットボール部員らによって除幕された記念碑=10日、上野中学校
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