200平成18  10 金曜日

「集中改革プラン」策定に着手/市行革推進委

 伊志嶺亮市長の諮問を受け「宮古島市行政改革大綱(案)」の審議を行ってきた宮古島市行政改革推進委員会(棚原恵照委員長)は九日、伊志嶺市長に対し一部修正した同案の答申と、福祉保健部の平良庁舎配置などを含めた組織・機構に関する提言を行った。伊志嶺市長はこれまでの審議に感謝し、「宮古島市らしさを出しながらしっかりと大綱に沿って論議していきたい」と述べた。二〇〇五年度内にも行政改革推進本部で大綱(案)の内容を最終決定し、専門部会、幹事会が大綱を基に具体的な改革内容を示した「集中改革プラン」の策定に着手する。提言のあった組織・機構の見直しは、先行事項として審議し、早ければ〇六年度にも実施する見込み。
 今年一月に発足した同委員会はこれまで四回にわたって委員会を開き、「市民の目線」で行革大綱(案)について審議してきた。大綱(案)は、一部文言の修正を行い大筋で承認し答申。行革大綱の審議に併せ、分庁方式にひずみが出ているとして市側から意見を求められていた組織・機構と行政連絡員制度については、▽福祉保健部の平良庁舎配置▽支所機能の見直しを早急に進める▽参事、主幹等を適材適所で活用する仕組みづくりを進める―の三項目を提言した。審議が先送りとなっている行政連絡員制度は、行政内部で改めて議論し方向性を決め、再び同委員会の意見を求める。
 棚原委員長は今後大綱を基に策定される集中改革プランについて、具体的な実施計画であること、実現性を重視するものであることを要望。「宮古らしさを基調とした大胆かつ斬新な発想をもって、行政と当委員会が連携して策定することを希望する」と述べ、伊志嶺市長に答申・提言した。


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市税滞納総額は7億200万円/市議会本会議

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)は九日の本会議で、当局提案の議案質疑を行った。二〇〇六年度一般会計など予算関係に質疑が集中、市税滞納額や徴収方法についての質問も行われ、市税の滞納総額は一月末現在で七億百九十一万五千円であることが税務課から報告された。その上で同課は、合併した昨年十月から少しずつ徴収しているとし、「新年度も徴収体制を強化したい」と答えた。
 市税関係については上地博通氏が質問。現在の滞納額や、合併により旧町村で実施されてきた区長徴収制の廃止で市税徴収に影響は無いかなど、当局の見解を求めた。
 これに対し下地実税務課長が滞納額を報告。市税のうち▽市民税一億七百五十五万八千円▽固定資産税五億三千六百七万一千円▽軽自動車税千五百六万七千円▽たばこ税九百二十三万三千円▽特別土地保有税三千三百九十八万六千円―が滞納であることを説明した。その上で〇六年度の徴収業務に意欲を示した。
 伊志嶺亮市長は「滞納整理は重要な課題。徴収体制を強化し、旧市町村に負けないような取り組みをしていきたい」と自信を見せた。
 市税の滞納額は昨年十月一日現在で、七億四千百八十一万四千円、市はこの四カ月間で三千九百八十九万九千円を徴収している。
 質疑ではこのほか、特別職の給与についての質問もあり、現行の給与について宮川耕次総務部長は「市長が八十三万円で助役が六十六万円」などと答弁した。市は今定例会で市長の給与を現行より一〇%カットの七十四万七千円、助役の給与は現行五%減の六十二万七千円とする一部条例改正案を提案している。

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豊作願い田植え/宮島小泥んこで体験学習

 宮古島市立宮島小学校(与儀透校長)の全校児童十八人が九日、毎年恒例の稲の田植えに挑戦した。児童らは泥だらけになりがらも笑顔で田植えを楽しみ、七月の収穫に向けて「おいしいお米」が取れるよう期待していた。この日の田植えには地元老人クラブのメンバーや地域住民ら約二十人も参加。児童たちに教えながら一緒に田植え行事を楽しんでいた。
 同校近くの田んぼで行われた田植え行事。開会前には児童会の仲原翼君(五年)が「おいしいお米が作れるように心を一つにして頑張りましょう」と元気よく呼び掛け。与儀校長は「七月にはおいしいお米を収穫できるよう心を込めて植えてください」と話した。
 開会行事を終えると児童たちは一斉に田んぼ入り。手足を泥だらけにしながらも七月の収穫、十二月の収穫祭を心待ちに、稲の苗を大切そうに植え付けていた。
 同校の田植えは毎年の恒例行事。昨年は七十`のお米を収穫している。

 写真説明・笑顔いっぱいで田植えを楽しんだ児童たち=9日、宮島小学校近くの田んぼ

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環境保全に関心なし?/「美ぎ島募金」助成応募わずか2件

 環境保全に関心なし―? 宮古島環境自然保護募金推進協議会(長濱政治会長)は、同会が展開している「美ぎ島募金」の二〇〇六年度助成事業活用について公募を行っているが、きょう十日の締め切り(当日消印有効)を前に、応募は二件しか届いていない。募金は昨年十月一日からこれまでに約三百八十万円が集まっており、うち約二百七十万円の交付を予定していたが、同協議会は「申請書類を書くのが難しいのか、問い合わせはあるものの応募が少ない」と困惑。「ボランティアで環境保全、美化活動を行っている団体は少なくないはず。ぜひ活用してほしい」と話している。
 「美ぎ島募金」は、宮古島の自然と環境の保全、緑化推進のための財源確保が目的。行政、観光業、建設業などの会員でつくる同協議会が、沖縄本島を含め約四十カ所に募金箱を設置した。集められた募金や寄付金は、募金管理などの一部経費を除き、宮古の自然・環境保全などに関する事業に助成される。
 同会では二月二十日、記者会見を開いて「目的は宮古の自然環境を守ることであり、住民や観光客の善意で集まった募金を、環境保全、美化活動に取り組む団体に使ってほしい」と呼び掛けたが、九日現在、応募があったのは郵送で一件、持ち込みで一件の計二件のみとなっている。
 助成金は二十万円を限度に、総事業費の九割を助成し、交付する。例えば、清掃活動を行う際に、ごみ袋や軍手などで事業資金が一万円必要である場合、その九割に当たる九千円を助成する。
 今回、募集している助成の対象は▽宮古の自然、環境保護活動▽宮古の美化活動▽その他、募金の設置趣旨に沿った活動―の事業活動団体。希望する人は、「美ぎ島募金」ホームページ(http://www.kagisuma.jp/)から、交付申請用紙をダウンロードし、同協議会事務局に郵送する。
 申請書には▽団体名▽代表者名▽活動内容▽事業名、内容、目的▽期待される効果▽対象経費の内訳―などを記載。同協議会で審査を行って決定団体を公表する。
 同協議会事務局では「宮古の自然を保護する目的であれば、特に制限は設けていない。申請したい人、興味がある人は、まずは問い合わせてほしい」としている。
 申請書の郵送先および問い合わせは、同協議会事務局。〒906―0013 宮古島市平良字下里一三一四の六〇三 NPO法人地域活性化プランニングオフィス スーパーブレイン内 佐藤(電話090・1940・2487)まで。

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息ぴったりで喝采浴びる/温かい三線の音色響かせる

 【多良間】三月四日の「さんしんの日」のイベントとして開催された多良間村サンシンの集い(主催・同村文化協会)。その中で徳嶺春洋さん(91)、妹の池城トミさん(84)、池城さんの息子の池城三千雄さん(50)三人が息の合った演奏を披露し盛大な拍手を浴びた。三人合わせて二百二十五歳。長い人生を歩んできた「がんずううやき」たちの奏でる温かい三線の音色が、島に響いた。
 今年初め、三千雄さんが声を掛けたのが出演のきっかけとなった。妻を亡くした伯父の徳嶺さんを励まそうと「いつか一緒に三線を弾こうね」と一月ごろから声を掛け続け、母のトミさんも賛同。三人の初めての共演が実現した。
 徳嶺さん、トミさん、三千雄さん共に多良間村中央公民館講座として行われていたサンシン教室で三線の基本的な知識と技術を学んでおり、講座修了後も趣味で三線を続けていたという。本番では三人が演奏できる曲目として「守礼の邦」「なりやまあやぐ」「祝節」の三曲を演奏。当日へ向けた練習は二回ほどだったが、息の合った演奏で観客を楽しませた。
 徳嶺さんは「記念になると思って出演した。うまく弾けたんじゃないかな。三人で楽しめました」と満足な様子。トミさんは「もう三十年ぶりのステージだったから緊張したさー」と笑顔を見せ、三千雄さんは「伯父と母が喜んでくれたので良かった」と舞台デビューの成功を喜んだ。

 写真説明・3人合わせて225歳。(左から)池城トミさん、徳嶺春洋さん、池城三千雄さん=4日、多良間村中央公民館


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    宮古を世界遺産登録に/川勝平太さんが講演

 県宮古支庁(兼城克夫支庁長)は八日午後、国際日本文化研究センター教授の川勝平太さんを講師に招いて講演会を開いた。川勝さんは「地方分権時代における南の島の役割」と題して講演。その中で、川勝さんは「宮古は、世界に誇れる地下ダムで水の都となった。それに加えて鎮守の森があり、緑のガーデンランドだ。宮古全体を世界遺産に登録しては」と提言した。会場には行政や会社代表の関係者ら約百五十人が出席し、熱心に聞き入っていた。
 川勝さんは▽古い時代の西欧列強と日本との関係比較▽江戸時代が中国の文化を取り入れず独自の文化を築き上げた社会▽日本で地震災害が起こったときの日本人のボランティア活動(ユイマール=相互扶助精神)▽岩の島・シンガポールが緑づくりで成功した事例―などを説明した。
 その上で「各地域のネットワークで、東アジア共同体というのがあれば、その中心は沖縄・宮古にある。宮古の美しいエメラルドグリーンの海や水の都、鎮守の森は世界遺産に値する。世界遺産に登録すれば平和のとりでになり、世界から多くの人が訪れる」などと述べ、世界遺産登録に向けての意識改革を促した。

 写真説明・大勢の関係者らが出席し熱心に聞き入っていた=8日、県宮古支庁

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