200平成18   火曜日

組織・機構見直し提言/行革推進委

 第四回宮古島市行政改革推進委員会(棚原恵照委員長)が五日、宮古島市役所で開かれ、伊志嶺亮市長から諮問を受けていた「宮古島市行政改革大綱(案)」の一部を修正・追加し、同案についての審議を終了した。城辺庁舎にある福祉保健部の平良庁舎移行などを含んだ組織・機構見直しの提言と合わせ、今週中にも伊志嶺市長へ答申する予定。今後は、答申を踏まえ当局が具体的な改革策を示した「集中改革プラン案」を作成し、同案について委員会の意見を求める。
 この日の委員会では、当局から示された行政改革大綱案の訂正個所の確認や答申、今後の日程について審議した。修正・追加を確認したのは四カ所。
 一つは、職員の定員管理と給与の適正化について記した文中に、「官民格差の是正」を加えることを確認した。二カ所目は、歳出の適正執行の中で行政連絡員制度の見直しをうたっているのに対し、委員から「大まかな大綱の中に『行政連絡員制度』だけが限定されて記されているのは違和感がある」などの意見が上がり、「行政連絡員制度」の文言を削除し「行政委託・諸制度の見直し」とすることを全会一致で決定した。三カ所目は、上水道事業と下水道事業について「上下水道事業の合理的な経営の推進」と記された項目を、上水道事業、下水道事業それぞれ別に項目を設けることを確認した。このほか、委員から新しい島づくり計画(新市建設計画)を踏まえたプラン作成を求める意見が上がったことから、大綱案の中に文言を付け加えることを確認した。行政連絡員制度については行政内部で案を作成し、集中改革プランに取り入れ再び同委員会の意見を仰ぐこととなった。新しい方向性が決まるまでは、現状のままで実施するという。
 同委員会は来年度からスタートする「行政改革大綱(案)」に市民の声を反映させようと発足したもので、伊志嶺市長の諮問を受け四回にわたり審議してきた。その中で市側は大綱案の審議に加え、▽組織・機構の見直し▽行政連絡員制度についての意見も要望した。
 大綱(案)は▽基本的な考え方▽実施期間および進行管理▽行政改革の具体的施策―からなり、委員からの答申を踏まえ行政改革の具体策を示した集中改革プランが作成される。

 写真説明・宮古島市行政改革大綱案について審議した委員会=5日、宮古島市役所

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亀山君(宮農高2年)大賞に輝く/全国高校生詩のコンクール

 中野重治記念文学奨励賞・第十四回全国高校生詩のコンクール(主催・丸岡町文化振興事業団)の表彰式がこのほど福井県丸岡町であり、県立宮古農林高校(下地恵吉校長)二年生の亀山隆二君が詩「静かな夜」で大賞を受賞した。県内の高校生が同コンクールで大賞を受賞するのは、亀山君が初めて。今回の快挙に学校関係者らは喜びに沸いている。
 亀山君は、初めての応募で大賞に選ばれたことについて「とてもうれしい」と物腰の柔らかい言葉で語り「これからは小説も書いてみたいが、今は(上級学校への)進学のことを考えている」などと話した。
 同コンクールの応募資格は、高校、高等専門学校、盲学校、ろう学校、養護学校の高等部に在学中の生徒。今回は三百三校から二千八百六十一人が応募し、三千四百三十三編が審査された。今春県立宮古高校を卒業した立津絵美さん(18)の詩「僕の夏」は佳作に選ばれた。
 立津さんは「まだ佳作の連絡は受けていないが、佳作ならうれしい」と語った。
 審査員は、現代詩作家の荒川洋治さん、詩人の定道明さん、作家のねじめ正一さんの三人。
 ねじめさんは、亀山君の「静かな夜」について「作品は静かな夜を射抜く目が光っている。家でお兄さんたちが酔っ払ってけんかしているので、耐え切れなくなって、屋根に上って、闇を見据えている。過疎である自分の島が好きなのである。平易な言葉で自分の生きている場所の息遣いを正確に表現できている」と選評した。
 下地校長は「亀山君は物静かな人だが、内に秘める闘志にはすごいものがある。これからの文学
執筆も頑張ってください」と激励した。
 国語担当の下地若枝教諭は「亀山君の文章は好き。これからも詩や小説に頑張ってください」と励ました。
 亀山君は、多良間島生まれ。現在は平良で母と一緒に暮らす。高校に入ってから詩作を始め、「静かな夜」は四編目。昨年は「山之口貘・神のバトン賞」(主催・琉球新報社)に初めて応募。神のバトン賞の高校生の部で、佳作に選ばれた。

 写真説明・大賞の賞状を手に喜びを語る亀山隆二君=6日、宮古農林高校の校長室

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臨海道路が開通/全長210b、大型客船入港に対応

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が平良港第2ふ頭で整備を進めていた、臨海道路漲水2号線がこのほど完工。六日午後一時三十分から開通し、車両の通行が本格化した。同ふ頭は大型旅客船の接岸バースになっており、新道路の開通に伴い旅客船の発展に寄与するものと期待されている。
 同2号線は二○○四―○五年度にわたって整備された。ふ頭入り口起点から終点まで直線で全長は二百十b、二車線、幅員十二b。総事業費は三千六百五十万円。
 同市建設部港湾課の賀数剛課長は「新しい道路はかさ上げして整備した。このため、一部のふ頭区域が低くなっている。低い区域は、新年度からかさ上げ整備する」と話す。
 同2号線の完工を記念し、ふ頭入り口に平良港碑、大型旅客船の接岸バース近くに待合客用テントがそれぞれ設置された。碑には「平良港」の銘板と同市の市章が刻まれている。碑の高さ二b、幅三b、重さ約十d。テントは高さ四b、縦横とも五・四b。
 平良港碑と待合客用テント寄贈者は次の通り。同市では、後日、感謝状を贈呈する。
 【平良港碑】若築建設宮古工事事務所(西原信一郎所長)、りんかい日産宮古作業所(我喜屋宗隆所長)、佐伯建設宮古工事事務所(一ノ瀬浩一所長)、先嶋建設(黒島正夫代表取締役社長)
 【待合客用テント】りんかい日産宮古作業所(我喜屋宗隆所長)

 写真説明・第2ふ頭の臨海道路開通と同時にバスが通行を始めた=6日午後1時30分ごろ、平良港


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工場排水を浄化/宮糖城辺・排水処理施設が完成

 宮古製糖城辺工場にこのほど、排水処理施設が完成した。同施設は工場から出る汚水を生物処理で浄化させる施設で宮古製糖がおよそ一億三千万円を投じて設置した。六日には竣工式があり、関係者が施設の完成と稼働を喜んだ。
 設置に携わった明電舎によると、同施設は生物処理システムが特徴。バクテリアを繁殖させて工場排水の中の有機汚濁物質を食べさせて浄化するという。浄化した排水は海へ放流する。
 同施設は悪臭を放っていた工場排水を浄化する施設だけに、地域住民に対する配慮や環境に優しい施設として注目を集めそうだ。
 六日の竣工式では宮古製糖の新里光男社長をはじめ、宮古島市福祉保健部の池村直記部長ら関係者が出席。それぞれ施設の完成を祝った。
 新里社長は「この施設導入を機にこれまで以上に排水の浄化に努めていきたい」と述べた。
 池村部長は「環境問題に対する宮古製糖の取り組みに感謝したい。この施設設置を機に、宮古島で環境を考える意識も高まると思う」と述べ、施設設置に伴う波及効果に期待を込めた。

 写真説明・このほど設置された排水処理施設=6日、宮古製糖城辺工場

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サンゴの状態「やや不良」/八重干瀬でリーフチェック

 宮古でのリーフチェックは五回目で、今回の八重干瀬での調査にはダイビングショップのブルーフォレスト(平本明彦代表)、宮古島サンゴ礁ガイドの仲間たち(友利博一会長)、コーラル・ネットワーク(宮本育昌代表)ら六人が参加。「フガウサ」と呼ばれる八重干瀬の中でも池間島寄りのサンゴ礁で行われた。調査は水深六bと十bで実施し、それぞれ百bの距離内で▽魚類▽無脊椎動物▽サンゴの状態―について調査した。
 その結果、水深六bでは面積に対し二五%のサンゴを確認。〇三年調査の二二・五%から二・五%増えた。オニヒトデは確認されなかった。これに対し水深十bでは〇三年の調査より八・一%多い三五%のサンゴを確認したが、オニヒトデ十匹も発見。浅い場所では小型が、深い場所では直径三十aほどの大型のオニヒトデが多く見られたという。
 また、〇三年の調査では見られなかったオニヒトデ同様にサンゴを食べる「シロレイシガイダマシ」と呼ばれる巻き貝の発生も目立ったという。
 調査に当たったコーラル・ネットワークの伊藤健さんは「複合的な要因はあるが、海の状態が不健全になり、サンゴの抵抗力が弱まるとオニヒトデの大発生という異常な状態になる可能性が高い」と分析した。
 リーフチェックは地球規模でのサンゴ礁調査として一九九七年から世界各地で実施されているもので、約五十カ国以上で統一内容での調査が行われている。宮古地区では二〇〇〇年から始まり、今回で五回目となった。世界各地での調査結果は、アメリカのリーフチェック本部へ集約される。

 写真説明・八重干瀬のサンゴの状態を調査する調査員=5日、八重干瀬の「フガウサ」

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    自然の中で遊び満喫/宮古少年自然の家まつり

 第二十三回宮古少年自然の家まつり(主催・県立宮古少年自然の家)が五日、施設や周辺の森林で開催され、大勢の親子連れが宮古馬乗馬体験や各種体験コーナー、森林散策などで自然と親しんだ。「おもちゃづくりの達人」目島興速さんによるおもちゃ作り教室では、身近な素材を使ったアイデアあふれるおもちゃが子供をはじめ大人たちの人気を集めた。
 同まつりは宮古少年自然の家で行われている各事業や活動内容の周知を図り、今後の青少年教育施設としてのあり方と方向性を探る機会として開催。体験活動としてクラフト作り、火起こし体験、ムーチー作りなど野外で楽しめる遊びが行われたほか黒糖作りなど昔ながらの体験も行われた。大野山林ではアスレチックを利用した「冒険の森探検」や「森林ウオーク」も実施。参加した子供たちは自然の中で伸び伸びと遊び歓声を上げていた。
 宮古馬に乗った新城歩夢君(城辺小六年)は「思ったより揺れたけどすごく楽しい」と笑顔。手作りおもちゃを楽しんだ山本雄飛君(平良第一小二年)は「見たことのないおもちゃがたくさんあって面白い」と喜んでいた。親子三人で訪れたという仲地厚子さんは「身近に手に入る素材で作れそうなおもちゃばかり。民具に興味があるので参考にして家でも作ってみたい」と話した。

 写真説明・大勢の親子連れが訪れ、好天の下、野外の遊びで自然に親しんだ=5日、県立宮古少年自然の家

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