200平成18  228 火曜日

助役に下地学氏選任/宮古島市議会臨時会
「助役2人制」は再び否決

 宮古島市議会(友利恵一議長)の臨時会が二十七日開かれ、伊志嶺亮市長が提案した下地学氏(68)=平良字久貝=を助役に起用する選任同意案は与野党の賛成多数で可決。「助役二人制」への条例改正案は一部与党と野党の反対多数で昨年十二月定例会に続き再度否決された。伊志嶺市長は閉会後、直ちに下地氏に辞令を交付。市長就任後、約三カ月にわたり空席となっていた助役が決まり、久々に執行体制を整えた。伊志嶺市長は「二人制」導入へ強い意向を示しており、来月七日開会予定の三月定例会に再々提案することを明言した。
 臨時会は午前十時の予定より約三十分遅れて開会。伊志嶺市長が選任同意案と条例改正案を提案した後、質疑が行われた。質問に立った野党議員は選任同意案は取り上げず、条例改正案についてのみ、提案理由の説明を求めた。ほとんどが「財政難の中で、多くの市民が四年間で五千万円も人件費を要する助役を二人置く必要はない。なぜ助役一人ではだめなのか」「助役二人制は選挙公約として市民の信を問うべきだった」と追及した。これに対し伊志嶺市長が「合併により行政の範囲も広がり、解決すべき諸課題も多くある。そのため効率的に行政を進めるためには助役二人制が必要だと考え提案している」と繰り返した。
 先に採決された選任同意案では与党九人、「そうぞう」六人、野党五人が賛成し、賛成多数で可決された。野党の池間雅昭、下地秀一、新城啓世、砂川明寛の四氏と真栄城徳彦氏の合わせて五人が反対した。
 「助役二人制」では与党の亀浜玲子、上里樹、佐久本洋介、友利光徳、与那嶺誓雄の五氏が昨年の十二月定例会に続き反対。野党も反対したことから反対多数となり再び否決された。
 閉会後、伊志嶺市長は「助役二人制」を再提案する考えを示した。与党議員会の仲間明典会長は「与党内部でも十分な理解が図られていなかった」と述べ、二人制を強く求める「そうぞう」の豊見山恵栄会長は「今後も推移を見守りながら、市長を支持していく」と述べた。

◇◇◇野党に足並みの乱れ/与党は分裂状態続く◇◇◇
 昨年十一月に新しく発足した宮古島市議会は、伊志嶺亮市長を支える与党、与党寄りのスタンスを取る中間会派「そうぞう」、保守系市議や公明で構成し伊志嶺市長と対決姿勢を取る野党議員団の三大勢力で綱引きを繰り広げている。しかし二十七日の臨時会に提案された助役選任同意案の採決をめぐり、野党内部の微妙な足並みの乱れが表面化し、与党の分裂状態も続いていることから「議会再編か」と憶測を呼んでいる。
 助役に提案された下地学氏は旧平良市助役で、伊志嶺革新市政の中枢を担った人物。当初、保守系野党は全面的に拒否の姿勢を取るものとみられていたが、採決では十一人のうち反対票を投じたのは四人だけ。残りは「下地助役」に同意した。
 臨時会が告示されてから野党議員団は数回にわたり会合を持ち、対応を協議してきたが、最後までまとまらなかった。池間雅昭会長は「(野党議員団として)統一行動を取ることを前提として協議を重ねた。与党が分裂している状況であり、そんな中で賛成というのはどうか、退席という方法も提案した。しかし議員個人が結論を出したことであり、(野党議員団として拘束せず)自主投票の形にした」と説明。あくまでも議員個人を尊重したと強調した。これまでも人事案件では、保革を問わず出身地の縁で賛成票を投じることがあったが、今回は下地氏と違う出身地の議員にまで賛成票が広がったため、「野党分裂」の憶測を呼んでいる。
 一方、「二人制」をめぐって分裂状態が続く与党は、事態収拾の糸口が見えない。与党議員会の仲間明典会長は二人制に反対する五人に対し、「市長の考えをまだそしゃくしていない」と批判。「調整はしたが期間的に難しかった。十分な理解が図られなかった」と打つ手無しの状況だ。「二人制」を強く求める「そうぞう」は与党強硬派懐柔と野党取り込みという「両にらみ」で三月定例会を迎えることになりそうだ。
(恩川順治記者)

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1人当たり192万8000円/03年度宮古地域所得

 【那覇支局】県企画部統計課は二十七日、二〇〇三年度市町村民所得の概要を発表した。宮古地域の市町村民所得は千六十九億八百万円で、前年度より一・〇%増加。一人当たり市町村民所得は百九十二万八千円で、県内六地域の中で最も低かった。県平均(二百四万五千円)を一〇〇とした指数は最高の八重山が一〇六・六、最低の宮古は九四・三で、その差一二・三ポイントは前年度(一三・一ポイント)より〇・八ポイント縮小した。市町村別で城辺町は百十九万七千円で県内五十二市町村で最下位、下地町は百四十六万三千円で下位から三番目だった。
 県全体の市町村内純生産(県内純生産)は二兆五千五百十億円、前年度比〇・二%(六億円)増となった。市町村民所得(県民所得)は二兆七千五百四十七億円となり、前年度比〇・二%増加した。一人当たり市町村民所得は二百四万五千円で、前年度比〇・五%減少した。
 宮古地域の市町村内純生産は千三十八億一千五百万円で、前年度と比べ一・九%の減少。公共工事の減少などが大きく影響した。
 宮古地域の市町村民所得を項目別に見ると、雇用者報酬は六百八十八億八千三百万円で前年度より二・二%減、財産所得は四十二億四千万円で〇・九%増、企業所得は三百三十七億八千五百万円で八・二%増となった。市町村別の増加率では▽上野村(五・五%)▽下地町(四・三%)▽伊良部町(二・九%)▽城辺町(二・一%)がそれぞれ増加したが、多良間村が三・九%減少した。
 宮古地域の一人当たり市町村民所得を市町村別で見ると、平良市が二百二十万六千円(前年度比〇・一%増)で最も高く、次いで多良間村が百八十九万五千円(五・二%減)、上野村が百七十五万七千円(五・七%増)、伊良部町が百五十八万六千円(五・六%増)、下地町が百四十六万三千円(五・一%増)、城辺町百十九万七千円(三・四%増)の順となっている。

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福祉部の移設など提言へ/第3回市行政改革推進委員会

 第三回宮古島市行政改革推進委員会(棚原恵照委員長)が二十六日、宮古島市役所で開かれ、組織・機構改革や行政連絡員制度について協議した。市側が分庁方式の抜本的見直しのため意見を求めていたのに対し、同委員会では▽福祉部を平良庁舎に配置する▽支所機能の見直しを早急に進める▽参事・主幹などを適材適所で活用する仕組みづくりを進める―の三項目について意見が一致。今後、伊志嶺亮市長へ提言する。行政連絡員制度については見直しが必要と思慮し、次回の委員会で具体的な協議を進めることになった。次回の委員会は三月五日。
 同会は行政改革大綱案の答申に加え、前回の委員会で市側から合併後の分庁方式でひずみが生じていることに対し、「組織・機構改革について」「行政連絡員制度について」の二件について意見・提言を求められていた。
 組織・機構改革についての協議では、城辺庁舎に配置されている福祉部について委員から「福祉部が城辺にあるため、高齢者や障害者は不便だという声がある」「支所から本部へという時間的、人的コストがある」「弱者や利用者の声を第一に考えるべき」などの意見が上がり、平良庁舎への福祉部配置を提言することを確認した。
 支所機能組織の見直しについても協議し、合併後の分庁方式で本庁と各支所との役割分担が複雑化していることを指摘。課や班の統廃合も含め、機能の見直しが必要との意見でまとまった。
 合併により、部長や課長職のほかに参事、主幹などの管理職クラスが新たに設置されたことについては、職務の明確さを求める声が上がった。その対応策として、合併特例債充当事業や市民税、国民健康保険、支援住宅使用料、土地改良負担金の徴収などの課題解決のためのプロジェクト班を立ち上げ、参事や主幹を配置し取り組むよう提言することとなった。
 行政連絡員制度については委託料などでさまざまな意見が飛び交ったが、市街地と旧町村で業務量に格差があることなどから、次回の委員会で具体的に協議していくことが確認された。


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下地さん、故郷の後輩へメッセージ/navy&ivoryが来社

 城辺字保良出身の下地正晃さんがボーカルを務め、ヒット曲「指輪」で昨年日本有線大賞新人賞を受賞した男性デュオ「navy&ivory(ネイビーアンドアイボリー)」の下地さんと吾郷水木生さんが二十七日、宮古毎日新聞社を訪れ、今後の豊富を語った。下地さんは「夢を持って頑張れば必ずかなう。宮古の若い人たちにも夢を持って頑張ってもらいたい」と故郷の後輩たちへメッセージ。吾郷さんは「宮古での初ライブを目標に頑張りたい」と宮古島ライブの開催へ意欲を見せた。
 今回の来島は、二十六日に那覇市で行われたミニライブに伴い下地さんの帰省も兼ねており、マネジャーやスタッフとともに宮古入りした。下地さんの帰省は三年ぶりで、滞在中は保良の実家でのんびり過ごしたという。下地さんは「おばあも喜んでくれた」と笑顔。「年内にはぜひ宮古でライブができるよう、頑張りたい」と話した。初来島となった吾郷さんは「話に聞いていたように素晴らしい所」と気に入った様子だった。
 ネイビー&アイボリーの名は、二人がピアノやオルガンなど鍵盤楽器の音色が好きだという音楽性に合わせ鍵盤の色にかけて名付けたものだという。

 写真説明・宮古初ライブに意欲を見せたネイビー&アイボリーの下地正晃さん(右)と吾郷水木生さん=27日、本社

那覇でデビュー1周年記念ライブ
 【那覇支局】「navy&ivory(ネイビーアンドアイボリー)」のライブが二十六日、那覇市のサンエー那覇メインプレイスで開かれ、大勢の音楽ファンを魅了した。
 ネイビー&アイボリーは二〇〇〇年に結成され、〇五年二月にシングル「指輪」で、ブロー・ウィンド・レコードから全国デビュー。オリコンチャートでも、じわりじわり順位を上げ、ロングヒット中。今回、デビューから一周年を迎え、ふるさと沖縄でライブを開くこととなった。
 ライブでは「指輪」など六曲を、力強い声で歌い上げた。下地さんは「自分たちの歌を全国に届けていき、紅白に出たい」と今年の活動に懸ける決意を話した。

 写真説明・「指輪」など6曲を力強く歌いファンを魅了した=27日、サンエー那覇メインプレイス

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故郷に感謝の気持ち/gulffが母校でライブ

 宮古出身のバンドgulffのデビュー後初のライブとなる「宮古島フリーライブ―故郷から新たなスタート―」が二十六日、ボーカル末広尚希さんらの母校である県立宮古高校グラウンドで開催された。故郷への感謝の気持ちを込めて行われたライブには小雨が降る悪天候にもかかわらず、ファンや関係者らが詰め掛け、宮古島初となるロックバンドのデビューを共に喜んだ。
 ライブを主催し、宮古島での受け入れ準備を進めてきた同校生徒会の友利文香会長は「たくさんの人が雨の中来てくれてうれしい」と笑顔を見せた。 ボーカルの末広さん、ギターの池間正樹さん、ベースの佐渡山武士さんは宮古島出身。末広さんの父親・末広富男さんは、「音楽の道は息子が自分で選んだ道。好きな道で働けるのが一番。思う存分頑張ってほしい」とエールを送った。ギター・池間さんの父親である池間博美さんは「厳しい道だが、母校でのライブを機にこれからもどんどん大きなバンドに育っていってほしい」と願った。
 ライブでは「天に獅子」「デイゴの赤の輝く下に」のほかメジャーデビューシングル「風ノ女神」などを披露。ロックに三線も交え、故郷宮古島を思う気持ちを歌で伝えた

メジャーデビューし初のライブを母校で行ったガルフ=26日、宮古高校グラウンド
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    「リフト車ありがとう」/米国婦人福祉協が厚生園に贈る

 米国婦人福祉協会(AWWA、メリッサ・ビーチ会長)の役員らは二十七日、宮古厚生園(平良洋治施設長)を訪れ、同園にリフト付きの大型乗用車を寄贈した。
 同協会は陸軍夫人グループなど五つの軍人夫人クラブの代表により構成されており、地域社会への貢献を目的にリフト車などを寄贈する活動を行っている。
 今回寄贈されたリフト車は、リフトで車いすに乗ったまま乗車が可能で、最大四台まで車いすが乗車できるという。
 平良施設長は「施設利用者、職員一同を代表して感謝を申し上げたい。利用者の介護サービスの充実に役立てたい」と礼を述べた。また、利用者を代表して長田フヂさん(93)は「立派なリフト車をありがとう。この車に乗って、いろいろ遊びに出掛けたい」と話した。
 一行を代表してビーチ会長は「皆さんが喜んで使ってもらえることを期待します」とあいさつした。
 また、同協会は同日午前、昨年小型リフト車を寄贈した特別養護老人ホームしもじ長生園(比嘉克子施設長)を視察。比嘉施設長は「病院の送迎やドライブなどに利用している。どうもありがとう」と感謝状を贈呈し、感謝の意を表した。

 写真説明(上)・比嘉施設長(左)から感謝状が贈呈された=27日、しもじ長生園
 写真説明(下)・寄贈されたリフト車の前で記念撮影するAWWA役員らと施設利用者ら=27日、宮古厚生園

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