200平成18  226 日曜日

展示、舞台発表など多彩に/活動の成果を披露
生涯学習フェスが開幕

 各地区で実施している生涯学習の成果を一堂に会し発表する「第一回宮古島市生涯学習フェスティバル」(主催・同市教育委員会)が二十五日、宮古島市中央公民館で開幕した。平良、城辺、伊良部、下地、上野の各地区の子ども会や婦人会のほか、各公民館で実施している講座など、活動の成果を紹介。社会教育功労者表彰も行われ、十二個人六団体が表彰された。最終日の二十六日はキーホルダー作りなどの体験コーナー、舞台発表等が行われる。時間は午前十時から午後四時四十分まで。

 同フェスティバルは合併前に旧市町村でそれぞれ実施していたものを、市町村合併により宮古島市として集約して開催した。テーマは「学び育てる 文化のまち みゃーく」。大ホールでは公民館活動展、博物館活動展、子ども会活動展など、その活動の様子が写真で紹介されているほか、書道や手芸品、生け花などの作品も展示。それぞれの取り組みの趣旨や子供たちの様子を伝えている。舞台発表には各地区から子ども会、老人クラブなど十五団体が出演。踊りや三線、地域の伝統芸能などを披露し観客を楽しませた。
 開会式であいさつした久貝勝盛教育長は「いつでもどこでも誰でも学習できる環境を整え、成果が評価される生涯学習社会の実現に努めていくことが求められている」として、生涯学習の大切さを強調。伊志嶺亮市長は「『何か』を学びたいと考えている人が多くなっている。各施設を利用し幅広い学習活動を行うことは重要。フェスティバルを通していっそう生涯学習の振興が図られることを期待する」、友利恵一宮古島市議会議長は「多くの市民が会場に足を運び学習の成果に触れ、市民の文化の向上へ発展させていくことを祈念する」と述べ、期間中、多くの市民の来場を呼び掛けた。

 生涯学習とは 一人ひとりが自由にテーマを選び、家庭・学校・地域・職場など、あらゆる生活の場で自分に合った手段や方法で生涯を通して行う学習活動のこと。宮古島市でも各地区の公民館や博物館、図書館などでさまざまな活動が実施されている。

 写真説明・作品展示や舞台発表で活動の成果を披露した生涯学習フェスティバル=25日、宮古島市中央公民館


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平良第一Aが6年ぶり優勝/小学校駅伝

 第二十四回全宮古小学校駅伝競走大会(主催・宮古地区小学校体育連盟)が二十五日、宮古島市陸上競技場を発着点とする男女計十区間、一三・八`で行われた。参加二十一校三十一チームが健脚を競った結果、平良第一Aが50分54秒の記録で、六年ぶり四度目の優勝に輝いた。二位は砂川A、三位は上野だった。
 コースは競技場周辺を周回し、男子は一・五八`、女子は一・一八`の距離で争われた。優勝した平一Aは一区で八位と出遅れたが、男子個人の部一位の宮国貴也ら高い総合力で砂川Aとの接戦を制した。
 個人の部一位は男子が5分26秒で走った平一Aの宮国貴也、女子は4分12秒で走った南Aの砂川優香里だった。前回大会の記録を大幅に更新したチームに贈られる躍進賞は、4分53秒縮めた平一Cが受賞した。

写真説明・ 6年ぶり優勝を飾った平一A。ゴールテープを切るアンカーの島尻芙樹=25日、宮古島市陸上競技場



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宮古島市地下水対策班を設置/
 県、国と連携し保全体制強化へ

 宮古島市の地下水保全を目的とした「地下水保全対策班」が二十三日、発足した。同班では宮古島全般の地下水を対象に専門家による調査・研究を行い地下水保全に関する条例を確立するほか、地下水問題の窓口として県・国とも連携を図り保全体制強化へ務めていく。同班の窓口は宮古島市役所企画政策部に設置する。
 これまで、地下水に関しては旧宮古広域圏事務組合の地下水保全管理条例と旧宮古島市上水道企業団の水道水源保護管理条例が定められていたが、市町村合併を機に両条例を一元化し、条例内容をより充実強化していく計画。また、白川田水源流域の塩素イオン濃度上昇問題についても、事業者、県とも話し合い保全体制を整えていく考えだ。
 将来的には地下水を使用する全国の他の地域とネットワークを組み、地下水に関する法律制定を見据え国へ働き掛けていく予定。
 伊志嶺亮市長は「地下水保全は宮古にとって重要な課題。しっかりと取り組みを行い、県と連携しながら宮古島の地下水を守っていきたい」と意欲を見せた。top.gif (811 バイト)

宮古のキビ、反収が減少傾向/過去10年で1―2d減

 宮古島の基幹作物・サトウキビの平均反収(十e当たりの収量)が過去十年間で減少傾向にあることが各製糖工場のまとめで分かった。一九九五―九六年期には七―八dだったが、ここ数年は五―六d台で推移。反収減の要因としては気象条件のほか、地力の低下や農家の肥培管理などが挙げられる。地力低下については宮古島市やJAなど行政機関も懸念材料に挙げており、二十四日までに立ち上げた「宮古島さとうきび増産プロジェクト会議」の中でも具体的方策に掲げた。増産体制の確立に向けて堆肥(たいひ)を基にした土づくり、肥培管理における農家の意識改革が求められている。
 各製糖工場のまとめによると、栽培面積、収穫面積ともに大きな変動はないが、反収に限っては減少傾向にある。
 宮糖管内では九五―九六年期に七・六dだった反収が九九―二〇〇〇年期から四年間は六d台で推移。さらに〇三―〇四年期からは台風の影響もあるが五d台に落ち込んでいるのが現状だ。
 一方、沖糖管内における九五―九六年期反収は八・三d。これが九八―九九年期からの三年は六―七d台で推移。〇一―〇二年期は八d台に回復したものの、〇二―〇三年以降は再び六d台となり、宮糖と同様に大きな台風被害を受けた〇四―〇五年期は五d台に落ち込んでいる。
 製糖工場関係者によると反収減の要因は▽気象条件▽地力の低下▽生産者の高齢化に伴う肥培管理▽病害虫対策―などが挙げられる。
 行政機関では、特にこれまで化学肥料に頼り過ぎた地力の低下を懸念材料として挙げている。今後は、堆肥を基にした土づくりなど、地力の向上に向けた早急な取り組みを推進していく方針だ。肥培管理面においては、農家の意識改革が必要と指摘している。製糖工場関係者は「昔は農家の肥培管理が徹底していた。多くの農家が毎日のように畑に行って草を取るなど各地で肥培管理が行き届いていた」などと話し、生産者の高齢化に伴う肥培管理の低下を反収減の要因の一つに挙げた。その上で担い手の育成を重要な課題としている。
 二十四日に設置されたきび増産プロジェクト会議でも、増産体制を確立する上で地力増進対策は欠かせないことを確認。五年後、十年後の着実な増産に向け、関係機関の連携を密にして地力の向上を図る方針だ。


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サトウキビ「宮古1号」人気急上昇/糖度高く、反収も良く

 高品質取引が続く今期サトウキビだが、二〇〇五年に宮古限定の奨励品種に指定された「宮古1号」(元沖糖15号)の人気が急上昇している。沖縄製糖管内では今期収穫分の五〇%(二十四日現在)が宮古1号。高糖度で反収も良いことから、生産農家の間で急速に広まっている。同工場の今期平均糖度は二十四日現在で一五度台をキープ。近年にない高品質取引が続けられているのも宮古1号の効果だという。ただ、少しばかり悩みの種も。宮古1号が想像以上に普及しているという点だ。
 宮古1号は早熟高糖度型の品種。ほかの品種と同様に早い時期の台風には弱いが、初期生育が旺盛なことから、台風の接近が多い時期にはキビが伸び切り、それほど大きな被害を受けることもないという。重量もあり反収も上がるとあって農家の間では人気が高い。沖糖管内だけでなく、宮古製糖管内でも宮古1号に切り替える農家が増えているのが現状だ。
 あっという間に普及した宮古1号だが、あまりの人気を懸念しているのが沖縄製糖宮古工場。宮古1号は葉に悪影響を及ぼすモザイク病に弱いという欠点を持ち、これ以上増え過ぎると「モザイク病に感染した場合、被害が拡大してしまう」という不安を抱えている。砂川玄悠工場長は「危険分散型の作付け体系を取ることが最も大切なことで、一つの品種に偏ってしまうと危険を回避できない」と話し今後は宮古1号、農林15号、農林8号と三本柱による作付けを推進する方針だ。
 ただ、高糖度に加えて反収も良いだけに、普及のペースは加速することが見込まれる。工場側は農家の意識も含めて危険回避に向けた取り組みを続けていく。
 

写真説明・人気急上昇の「宮古1号」。沖糖管内では全体の50%を占めている


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