2006年(平成18年)
2月22日 水曜日
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「地産地消」で食農教育/異業種パネルディスカッション
島の農産物を学校給食に活用し、食農教育の推進を図ろうと、地産地消異業種交流会とパネルディスカッション(主催・宮古農業改良普及センター)が二十一日、市内ホテルで行われた。農産物の生産者をはじめ、流通・加工業者、学校給食調理場の栄養士らが一堂に会して意見を交わし、島の農産物を学校給食の食材として活用していく方向を確認。その上で供給方法や流通コスト、品薄になる夏場の野菜確保など、課題解決に向けて道筋を探った。会議では県農林水産部営農支援課普及指導員の垣花千恵さんが講演し、地産地消の推進を強調。直売所などを拠点とした農産物供給システムの構築を促した。
島の農産物はJAの直売所やスーパーなどでも販売されているが、そのほとんどは島外に出荷されているのが現状だ。学校給食でも活用されているものの、数量、加工処理に要する時間など多くの制約があり「十分に活用されていない」(学校栄養士)という。この現状を踏まえ、宮古農業改良普及センターでは地産地消と児童生徒への食の教育を同時に推進できる学校給食での地元食材の活用を検討。今回初めて生産者と加工業者、学校栄養士を集めて交流会とパネルディスカッションを開催した。
交流会では、はじめに県営農支援課の垣花さんが講演。地産地消と、子供たちに対する食農教育の実践を訴えた。食農教育の基本的な考え方として▽自然に対する好奇心をはぐくむ▽農家が地域の先生として将来を担う子供を育てる▽学校とのつながり、給食に地域産物を取り入れる―とした。期待される効果に▽健康で安心な食生活の継承▽学校給食への反映▽心豊かな地域と地域内自給の再構築―などを挙げた。
講演に引き続きパネルディスカッションが行われ、生産者や加工農家、学校栄養士、行政の代表らが学校給食への供給方法をはじめとする各種課題解決に向けて活発な意見を交わした。
パパイアの生産者である上地洋美さんは「台風被害などもあるが、(学校給食の食材として)提供できる準備はある」と強調。生産・加工農家の砂川智子さんは「子供たちに地域で取れた安全な野菜を食べさせたいという思いがある」と話し、それぞれ地産地消の推進を訴えた。
宮古地区農漁村生活研究会の宮国くみ子さんは異業種間の情報の共有を訴え。ティダファームたらまの多良間伸也さんは端境期となる夏場の農産物確保に向けての体制づくりを求めた。
学校栄養士の伊良部恵子さんは「品はたくさんあると思うが、それをどのように活用していくかが大切」と話し、生産、加工、流通における連携強化を求めていた。
写真説明・生産者や加工農家、学校栄養士などが一堂に会し活発な意見を交わしたパネルディスカッション=21日、ホテルアトールエメラルド宮古島
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入試は3月7、8日 14日発表/県立高校入試最終志願状況
【那覇支局】県教育庁(仲宗根用英教育長)は二十一日夜、二〇〇六年度県立高校一般の最終志願状況を発表した。宮古地区五校の平均倍率は〇・八九と前年度〇・八八倍を〇・〇一ポイント上回った。最も志願倍率が高かったのは宮古工業自動車機械システム科で一・六六倍(初回志願は一・九七倍)。うち同科の自動車コースは二・四〇倍の高い競争率となった。宮古高校の普通科が〇・九六倍となるなど五校八学科が定員割れとなった。
県立高校の一般入試は三月七、八の両日で、合格発表は同月十四日に行われる。
五校全体では総定員数七百六十人のうち、すでに推薦入試で百十人と伊良部高校の連携型入試で四十三人の計百五十三人が内定。
総定員から内定者を除いた一般入試定員六百七人に対し、一般入試の志願者数は五百四十三人(前年度比三十四人増)となっている。
宮古地区五校十五学科・コースで志願者数が定員に達したのは宮古工業自動車機械システム科自動車コース二・四〇倍のほか翔南高校商業科一・三四倍、宮古工業生活情報科フードデザインコース一・一五倍、宮古高校理数科一・〇九倍、宮古工業自動車機械システム科機械システムコース一・〇〇倍、同電気情報科電気技術コース一・〇〇倍、同生活情報科服飾デザインコース一・〇〇倍で残りの学科・コースは定員割れ。
伊良部高校への一般入試の志願者は一人だった。県全体では全日制・定時制合わせた総定員一万六千五百二十人から推薦入試と連携入試で内定した二千六百九十七人を除く一般入試定員が一万三千八百二十三人で志願者数は一万三千六百五十九人(前年度比五百二十六人減)。志願倍率は全日制一・〇〇三倍、定時制〇・六四三倍で全定合わせて〇・九八八倍(定員より百六十四人少ない)となった。
高校別の一般入試最終志願状況は県教育委員会ホームページ(アドレスhttp://www―edu.pref.okinawa.jp/)で確認できる。
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「移動市長室」スタート/伊志嶺市長各支所で意見聴取
宮古島市の伊志嶺亮市長が各庁舎で開催する意見交換会(仮称・移動市長室)」が二十一日、伊良部総合支所(長浜光雄支所長)を皮切りに始まった。同支所総務の国仲続男課長らからは「来月十八日に伊良部大橋の起工式・祝賀会がある。職員の協力をお願いしたい」などといった意見があり、伊志嶺市長は「職員一丸となって伊良部振興に頑張っていきたい」と決意を新たにした。二十三日は城辺支所と下地支所、三月六日は上野支所でそれぞれ開く。
伊志嶺市長は、昨年十月に誕生した同市に伴う市長選挙で、各支所との意交換会を公約の一つに掲げて初当選した。今回の意見交換会は、公約を実行し、今後の行財政政策に反映させていく狙いがある。
本庁からは伊志嶺市長のほか、宮川耕次総務部長、久貝智子企画政策部長らが出席。同支所からは長浜支所長と六課の課長らが参加した。
長浜支所長は「総合支所の職員は離島ということもあって、なかなか市長と直接意見交換や要望を言う機会が少ない。総合支所の実情などを率直に話し合い有意義な会合にしたい」とあいさつ。
同支所側からは「国営事業担当職員の配置」「県営等ほ場整備負担金徴収員の確保」「サシバリンクス伊良部の整備費確保」「定期旅客船の最終運航時間の延長」などの意見があった。
写真説明・伊志嶺市長(中央)と行われた意見交換会=21日、伊良部総合支所
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砂川さんの夏植え刈り取り/県キビ競作会
二〇〇五年度県さとうきび競作会全刈調査(主催・県糖業振興協会)が二十一日、下地字与那覇の池原地区内にある畑で行われ、各市町村の関係機関など約五十人が参加し、サトウキビの収量や品質を検査した。四月下旬には審査結果を決定し表彰式が行われ、最高賞として農林水産大臣賞が贈られる。
審査は宮古地区代表として下地字与那覇の砂川昌幸さんの夏植えほ場で実施し、サトウキビ「宮古1号」を収穫。キビのサンプリングを採取し、収量がどれぐらい期待できそうかなどを細かくチェックした。
昌幸さんの父、昌徳さん(72)=下地字洲鎌=は「糖度も一五度はあるだろうし、今年のキビの特徴は枯れていないことだから、収量も期待できそうだ」と話し、「キビ一本の重さもあり、糖度も悪くないが、審査をやってみないと何とも言えない部分がある」と述べた。
サトウキビ競作会は、農家の生産意欲の高揚と生産振興を図ることを目的に実施。審査は、沖縄本島北部、中部、南部、宮古、八重山の五地区八カ所の農家を対象に実施。それぞれで五e分のサトウキビを収穫し、十eに換算して収量、甘蔗糖度で審査する。この日は砂川さんのほ場で、十四d三百四十`、甘蔗糖度一三・一度の結果が出た。
参加者たちは決められた範囲内のサトウキビを刈り取るなど、作業に取り組んでいた。
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収穫の喜び味わう/下地中体験学習
宮古島市立下地中学校(川上哲也校長)は二十一日、体験学習としてサトウキビの収穫とジャガイモ掘りを校舎近くの畑で行った。サトウキビは昨年五月に、ジャガイモは十一月に植え付けたもので、全生徒百二十九人が参加し収穫の喜びを味わった。サトウキビは沖縄製糖宮古工場へ出荷し、ジャガイモは収穫祭で協力した父母らとともに味わう予定。
サトウキビ収穫は同校の三大イベントの一つ。昨年五月にPTAの協力を得て「農林15号」を植え付け、肥培管理などを生徒たちが行ってきた。ジャガイモの植え付けは初めて行ったもので、昨年十一月に二十`の種芋を植え付けた。
生徒たちはおのやかまを使ってサトウキビをなぎ倒したり葉を取るなどの作業に汗を流し、自分たちが育てたサトウキビとジャガイモを収穫した。
来間夏樹君(一年)は「キビ刈りは家でも手伝ったことがあるが、友達と一緒にやるのは楽しい」と話し作業に取り組んでいた。
写真説明・サトウキビ収穫に精を出す生徒たち=21日、下地中学校近くの畑
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キャンプきょう打ち上げ/紅白戦中村紀洋が初本塁打