200平成18  221 火曜日

宮古・八重山両市長らが要請/県、役割認識も「見直し」強調

 【那覇支局】伊志嶺亮宮古島市長や大濱長照石垣市長、八重山市町議会議長会の知念辰憲会長、八重山広域市町村圏事務組合の大石行英議会議長ら、先島の行政、議会のトップ四人が二十日、県庁に上原昭総務部長を訪ね、宮古、八重山両支庁の廃止と組織改編の撤回を合同要請した。要請に対し上原部長は「支庁が果たしてきた役割は十分認識している。組織見直しでは支庁の機能がいささかも後退することなく、従来以上に強化できるようにしたい」と述べ、理解を求めた。
 伊志嶺市長は「宮古支庁は、圏域の産業振興、医療、保健福祉の取りまとめ役として、重要な役割を果たしてきた。今後も伊良部架橋の建設促進、県立宮古病院の新築、県立公園の早期整備など、果たすべき役割は多岐にわたる」とし、支庁廃止の撤回を強く要求。また、二〇〇六年度からの次長廃止に続く、矢継ぎ早の離島出先機関の改編は「県の離島振興計画に反する」と、不満を表明した。
 上原部長は、支庁見直しでは県民センター、福祉保健所、農林水産振興センター、土木事務所の四出先に再編し、県民センターに「支庁の総合調整機能をそのまま残す」方針であることを重ねて強調。その上で、見直しはしても支庁機能は残るので「廃止」ではないとの認識を示した。しかし、同説明に伊志嶺市長は「縦割り行政に移行すれば、果たして支庁機能が果たせるかどうかは不安」と述べ、重ねて支庁存続を申し入れた。
 八重山の要請メンバーからも「県民センターの中身が見えてこない。支庁改編については改めて相談の場を設けてほしい」など、不安の声が相次いだ。
 宮古支庁の改編などを盛り込んだ県行財政改革プランは、三月下旬までに決まる予定。計画案には「〇八年の支庁廃止実施」「同年、四組織に改編」の項目が示されているが、県は支庁見直しでは支庁機能が残るため「廃止」ではなく「改編」の表現が適切として計画案から「廃止」の文言を削除する方向で検討に入っている。「廃止」の文言に関し上原部長は「行政上の理由で、同文言を使い不安を与えたことは申し訳ない」と陳謝した。しかし、この件について宮古地区選出の奥平一夫県議は「廃止の文言を削除しても、実質的には廃止であり、文言削除に意味はない」と反論している。

 写真説明・宮古、八重山合同で支庁廃止の撤廃を要請した=20日、県庁総務部長室


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仰木ロード≠歩く/清原内野手

 オリックス・バファローズの清原和博内野手は春季キャンプ休日の二十日、昨年十二月に亡くなった仰木彬前監督がキャンプ中に歩いた上野字宮国のホテルから宮古島市民球場までの通称「仰木ロード」を歩き、亡き仰木前監督に思いをはせた。清原内野手は「今、自分の置かれている環境はすごく恵まれていると思うし、仰木さんの姿を、背中を追い掛けながら、どんな苦しいことがあっても乗り越えていきたい」と、静かに語った。
 清原内野手はその一部を一歩一歩踏みしめるように歩を進めた。「仰木さんが何を考えながら歩いたのか、自分にできることは何なのかとか、自問自答しながら歩いた。改めてオリックスに来たという感じがした」と感慨深げ。「仰木さんは約一時間半ぐらい歩かれたと聞いているが、長い距離を毎日歩かれた方が十カ月後には亡くなられた。ものすごく大変なシーズンだったと思う」と、自らをオリックスへと導いた故人をしのんだ。
 また、故・仰木前監督が残した酒を味わおうと、多良川の洞くつ貯蔵庫にも足を運んだ。「(味は)パンチが効いていた。優勝した年の酒をいただいたが、今度は勝って、仰木さんの酒を飲みたい」と力を込めた。

 写真説明・故・仰木前監督が歩いた道を踏み締めた清原内野手=20日、上野字上野

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助役選任・条例案を提案へ/市長、27日の臨時議会を告示

 宮古島市の伊志嶺亮市長は二十日、今月二十七日に市議会臨時会開催を告示した。臨時会の議会運営委員会は二十四日に行われる。伊志嶺市長は今臨時会に助役の選任案(同意案)と「助役二人制」の条例案の二件を提案する。
 「助役二人制」は昨年末の市議会十二月定例会で、野党だけでなく与党の一部も反対の姿勢となって否決。同案件については、いまだに与党内調整も難航しており、このままの状況で臨時会を迎えると、同時提案される選任案の人選も絡んでさらに複雑化することから、与党、与党会派「そうぞう」、野党のせめぎ合いが注目されている。
 助役問題については、昨年末の否決後、与党内での協議では「まずは現行の助役一人制で一人を提案して、その後必要に応じて二人制についても提案する」との考え方でまとまっていた。
 一方の伊志嶺市政を支えるとする会派「そうぞう」は、市長が求めてきた「二人制」を再提案するよう求め、与党と「そうぞう」の協議も平行線のままとなっている。
 今回、選任案も提案されることでさらに事態は複雑化する。もともと、「二人制」にちらつく人選案が見え隠れしたことも大きな要因として否決されており、これまで取りざたされてきた旧平良市前助役の下地学氏(68)と前県議会議員の坂井民二氏(56)のどちらが先に提案されるかが注目だが、関係者によると、今回は下地氏が提案される可能性が高いとの声も聞かれている。
 選任案が先に採決され、可決となった後に「二人制」の条例案が可決されるかは、与党と「そうぞう」の意思統一が条件だが、野党を含めた各方面の思惑が絡んでくることから、その可否は流動的な状況となっている。

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地域の環境大事に/池間小、湿原で野鳥観察会

 宮古島市立池間幼稚園、池間小学校(儀間裕芳校長)は二十日、池間湿原とその周辺で自然観察会を行い、この時期に池間島で見られる野鳥や身近な植物について学んだ。宮古毎日新聞社記者の伊良波彌さんが講師を務め、野鳥の生態系や植物とのかかわり、在来種の植物などについて説明。足元の自然を知り、地域の環境を大事にするよう呼び掛けた。
 観察会には幼稚園児と児童約三十人が参加。一周道路の船越海岸前広場から池間湿原までを歩き、途中で見られる植物について名前や特徴などを記録したほか、池間湿原では双眼鏡を手に、資料と照らし合わせながらこの時期に見られる野鳥を確認した。
 この日はオナガガモやコサギ、ムラサキサギなどを確認。子供たちは飛び立つ様子や水面を泳ぐ野鳥に歓声を上げ、名前を確認しながら観察した。
 伊良波さんは野鳥の春の渡りが始まっていることや、池間湿原の豊かな自然が野鳥の生態に重要であることなどを説明。また、野鳥がススキなどの植物を繁殖のために使っていることなども話し、自然を大事にするよう語り掛けた。
 孫秀珠さん(二年)は「水の中に潜ろうとしていた野鳥を見たよ。初めて見る鳥がいっぱいいて、色もきれいだった。ムラサキサギが大きくてきれいだから一番好き」と観察を楽しんでいた。

 写真説明・双眼鏡で野鳥を確認する児童たち=20日、池間湿原

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トラッシュ除去装置/宮糖城辺で稼働

 宮古製糖(新里光男社長)城辺工場で二十日、設置されたトラッシュを取り除く装置が稼働を開始した。これに伴う竣工式が同工場で行われ、関係者が集まり新しい施設の稼働開始を祝った。新里社長は「本施設、設備の目的達成に向けて全力で取り組んでいきたい」などと決意を述べた。同工場によると、同装置にはハーベスター原料のサトウキビを投入し、晴天時にはトラッシュの六〇―七〇%を除去できるため、歩留まりのアップに期待が持てるという。処理能力は一時間に五十五d。今期製糖操業終了日までフル稼働する。
 同装置は国の甘しょ糖製造合理化対策事業で設置。約四億一千八百万円の事業費の半分を国が負担、残りを工場負担で導入した。同事業ではトラッシュ除去装置のほかにも、キビを投入するフィードテーブルを新たに設置した。また、工場内にある製造ラインの一つを直流モーター方式からインバーターモーター方式に変更。これにより製糖操業のスピードアップを図った。
 竣工式は午前十時三十分ごろから行われ、初めに新里社長が事業や工事関係者に感謝の言葉を述べた。その上で「目的達成に向け全力で取り組む」と決意を話した。
 引き続き独立行政法人農畜産業振興機構那覇事務所の仁科俊一所長、宮古島市の宮國泰男経済部長、県宮古支庁の兼城克夫支庁長らが来賓祝辞を述べ、機械導入によるキビ振興に期待を込めた。
 この後、新里社長がトラッシュ除去装置を稼働させるスイッチを入れ、運転がスタート。ハーベスターによる機械刈りの原料が投入されると、装置内ではトラッシュを風で吹き飛ばしたり、たたき付けて土砂などを落としたりする作業が行われていた。

 写真説明・トラッシュ除去装置の稼働開始を祝った関係者ら=20日、城辺字砂川の宮糖城辺工場

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   宮国君(南小1年)ら23人が上位入賞

全沖縄青少年読書感想文・画コンクール

 二〇〇六年第四十二回全沖縄青少年読書感想文・感想画コンクール(主催・県学校図書館協議会、琉球新報社)で、宮古島市立南小学校一年の宮国龍之介君(最優秀賞)ら、宮古地区の小・中・高校生二十三人が上位入賞を果たした。このうち、北中一年の砂川華子さんは、第四十九回西日本読書感想画コンクールでも、指定図書の部で優秀賞に輝いた。東小、久松中は、同コンクール努力校賞を受賞したほか、久松中の平良ヒロ子教頭が読書感想画指導者奨励賞を受賞するなど、宮古勢の活躍が関係者を沸かせている。
 県学校図書館協議会の大城早智子会長によると、各地区からの出品数のうち、優良賞以上の上位入賞者数が多い学校に努力校賞が与えられるという。小学校の部で受賞した東小は、優秀賞に池原恭平君(六年)・雄大君(四年)兄弟、与那覇優汰君(四年)・淳弥君(三年)兄弟と、二組四人の兄弟が入賞、揃って喜びの表情を見せた。
 また、久松中の平良教頭が読書感想画指導者奨励賞を受賞。生徒はもちろん、指導的立場の大人にも指導を行ってきた美術教授としての長年の実績が評価された。平良教頭は「絵を通して子供たちが成長する姿を見るのが大好き」と笑顔を見せた。
 同コンクール最優秀賞、優秀賞受賞者は次の通り。(敬称略)
 【読書感想文・小学校】▼低学年自由読書の部▽最優秀賞=宮国龍之介(南一年)▼同課題読書の部▽優秀賞=やすだあおい(平良第一二年)▼中学年自由読書の部▽最優秀賞=上地貴大(城辺四年)【同・中学校】▼自由読書の部▽優秀賞=大城叶子(平良一年)▼課題読書の部▽最優秀賞=浜川和音(同二年)
 【読書感想画・小学校】
▼指定▽優秀賞=川満陸(下地二年)、新垣悠(鏡原三年)、伊良部愛理(平良第一四年)、池原雄大(東四年)、与那覇優汰(同)、池原恭平(東六年)、長浜咲弥香(平良第一六年)▼自由▽優秀賞=与那覇淳弥(東三年)、下地元(鏡原三年)、与那覇優汰(東四年)【同・中学校】▼指定▽優秀賞=砂川華子(北一年)、川満真琴(同)、友利泰斗(平良一年)、松原拓磨(久松二年)、上原瑛菜(平良二年)▼自由▽優秀賞=下地ゆかり(平良一年)、糸数彩良(久松一年)、伊佐真莉子(同二年)【同・高校】▼自由▽優秀賞=岩村しおり(宮古高校一年)

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