【那覇支局】伊志嶺亮宮古島市長や大濱長照石垣市長、八重山市町議会議長会の知念辰憲会長、八重山広域市町村圏事務組合の大石行英議会議長ら、先島の行政、議会のトップ四人が二十日、県庁に上原昭総務部長を訪ね、宮古、八重山両支庁の廃止と組織改編の撤回を合同要請した。要請に対し上原部長は「支庁が果たしてきた役割は十分認識している。組織見直しでは支庁の機能がいささかも後退することなく、従来以上に強化できるようにしたい」と述べ、理解を求めた。
伊志嶺市長は「宮古支庁は、圏域の産業振興、医療、保健福祉の取りまとめ役として、重要な役割を果たしてきた。今後も伊良部架橋の建設促進、県立宮古病院の新築、県立公園の早期整備など、果たすべき役割は多岐にわたる」とし、支庁廃止の撤回を強く要求。また、二〇〇六年度からの次長廃止に続く、矢継ぎ早の離島出先機関の改編は「県の離島振興計画に反する」と、不満を表明した。
上原部長は、支庁見直しでは県民センター、福祉保健所、農林水産振興センター、土木事務所の四出先に再編し、県民センターに「支庁の総合調整機能をそのまま残す」方針であることを重ねて強調。その上で、見直しはしても支庁機能は残るので「廃止」ではないとの認識を示した。しかし、同説明に伊志嶺市長は「縦割り行政に移行すれば、果たして支庁機能が果たせるかどうかは不安」と述べ、重ねて支庁存続を申し入れた。
八重山の要請メンバーからも「県民センターの中身が見えてこない。支庁改編については改めて相談の場を設けてほしい」など、不安の声が相次いだ。
宮古支庁の改編などを盛り込んだ県行財政改革プランは、三月下旬までに決まる予定。計画案には「〇八年の支庁廃止実施」「同年、四組織に改編」の項目が示されているが、県は支庁見直しでは支庁機能が残るため「廃止」ではなく「改編」の表現が適切として計画案から「廃止」の文言を削除する方向で検討に入っている。「廃止」の文言に関し上原部長は「行政上の理由で、同文言を使い不安を与えたことは申し訳ない」と陳謝した。しかし、この件について宮古地区選出の奥平一夫県議は「廃止の文言を削除しても、実質的には廃止であり、文言削除に意味はない」と反論している。
写真説明・宮古、八重山合同で支庁廃止の撤廃を要請した=20日、県庁総務部長室
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