200平成18  217 金曜日

多良間村・09年度までに助役廃止/組織も最小限に統廃合

 【多良間】多良間村行財政改革委員会(下地利男委員長)は十六日、課の統廃合や議員報酬・特別職の給与カット、助役廃止などを盛り込んだ行財政改革の基本方針をまとめ、下地昌明村長に提言した。圏域の市町村合併に参加せず単独で自立を目指す同村が取り組む最初の具体的な改革案だ。提言を受けた下地村長は「避けては通れない問題であり、適切な提言だと考える。提言に沿った形で改革を進めたい」と述べた。
 同村では昨年八月に行財政改革委員会を発足させ、自立に向けた改革案を協議してきた。まとめられた基本方針では助役を二〇〇九年度までに廃止することや教育長の非常勤化、職員の昇給停止年齢引き下げ、議員報酬・特別職の給与カット、期末手当の役職加算分見直し―などを具体的に提言した。
 課の統廃合では現在の七課(総務、経済、民生、空港、税務、観光商工、建設)三委員会(教育委員会、農業委員会、選挙管理委員会)一局(議会事務局)を〇九年度までに四課一委員会一局に統廃合。職員定数は現在の五十三人を新年度で二人削減、五年後には四十五人まで縮減する。また課長以外の役職を廃止し、組織のフラット化を図るとし、年功序列制度も廃止する。
 財政支出の削減を図るために村内施設の民間委託も挙げた。対象となっているのは宿泊施設のゆがぷーランドと夢パティオ、ごみ処理場とごみ回収業務、村立図書館、学校共同調理場、堆肥センター。このうち団体向けの宿泊施設ゆがぷーランドについては、ほとんど稼働せず遊休化していることから新年度中に実施する。
 組織の統廃合に関連して、保育所を教育委員会管轄に移して、幼稚園と一体的に運営。幼稚園の延長保育を可能とすることで、働く母親を支援することも提言した。
 下地村長は「厳しい内容ではあるが、職員にも浸透させながら早期に取り組みたい。自らに厳しくすることで、自主財源の確保など、自立の道は開けると考えている」と述べた。

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入園者と地域住民交流/南静園文化祭が開幕

 創立七十五周年事業の一環として、国立療養所宮古南静園(比嘉賀雄園長)と入園者自治会(宮里光雄会長)共催の第一回文化祭が十六日、三日間の日程で開幕した。初日は県宮古福祉保健所長の高江洲均さんが講師に招かれ「生活習慣病予防と対策」と題して特別講演した。高江洲さんは、四つの軽体操を説明した上で「体操すると体温が上がり、おなかの脂肪などが燃える。健康でスリムになると若返る」などと強調した。比嘉園長は「地域に開かれた宮古南静園」を掲げた上で「文化祭を通して、地域住民と入園者の交流が深まってほしい」と述べ、同文化祭に地域住民が参加するよう呼び掛けている。
 同文化祭は、入園者の作品展示や、バサーなどのイベントを通して、楽しみや、やりがい、生活の質の向上を図るのが目的。会場の一角には入園者らの写真や貝細工などの作品がずらりと並ぶ。参加者らは食い入るように鑑賞していた。 
 特別講演は、同園公会堂で開かれた。関係者ら多数が出席し、熱心に聴き入っていた。
 高江洲さんは「人間は年を取ると▽腰が痛い、肩が凝る、ひざが痛いと訴える。そして立ち上がる時は難儀になり、歩行中に何かにつまづいて倒れそうになる」と説明。
 その上で、四つの筋力アップ体操を行うことで、若さがプレイバックすると紹介。筋力アップ体操のうち、両手を前に突き出しいすに座るような姿勢を取る「空気いす体操」について、高江洲さんは「この体操を毎日繰り返すことで、つえを付いている人も歩行がスムーズになる」と、筋力アップによる効果を語った。
 同祭二日目の十七日は、作品展(午前十時―午後三時)のほかに、バザー(午前十一時三十分―午後二時)、音楽祭(午後一時三十分―同三時)が開かれる。
 最終日の十八日は、作品展や大正琴の演奏(午後一時三十分―同二時)、北中のブラスバンド演奏(午後二時―同三時)などを予定している。
同園は一九三一年創立当時の入園者は十四人。入園者は八○年の二百七十二人をピークに社会復帰などで減少し、現在は百九人で平均年齢は約八十歳。
 宮古南静園の沿革
 1931年3月7日に県立宮古保養院として創立し、入園者14人。33年10月6日、臨時国立宮古療養所と改称。41年7月1日、厚生省に移管、国立宮古南静園と改称。46年1月、米軍事政府の管轄となる。72年5月15日、日本復帰に伴い厚生省に移管。国立療養所宮古南静園と改称。96年4月1日、「らい予防法」廃止。「らい予防法の廃止に関する法律」が施行。2001年1月6日省庁再編成により厚生労働省となる。06年2月16日現在、入園者109人。

 写真説明・参加者らは筋力アップの体操で文化祭を盛り上げていた=16日、宮古南静園


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市税保険税圏域一円で呼び掛け/収納促進求め車両パレード

 宮古島市(伊志嶺亮市長)と平良社会保険事務所(金城昇所長)は十六日、市税、保険税(料)の徴収率向上を目指した収納促進キャンペーンを実施した。午前九時から宮古島市役所平良庁舎で行われた出発式には、市の担当課職員と同保険事務所の職員らが参加し、市民に対して積極的に市税、保険税収納に対する協力を呼び掛けていくことを確認し合った。この日は、午前に伊良部地区、午後から下地、上野、城辺、平良地区の順で収納促進を呼び掛ける車両パレードを実施した。
 出発式で宮川耕次総務部長は「今回は合併後、初の市内一周パレードとなる。地方分権の時代で自立が自治体に課せられた課題。自主財源の柱である市税、保険税の収納は大切な要素。また、高齢化の時代で市民が幸せな人生を送るために保険税の収納率向上も課題。きょうのパレードを通して市民の意識啓発と協力を呼び掛けてほしい」とあいさつした。
 そのほか、出発式ではガンバロー宣言も行われ、職員たちはパレードに出発した。
 今回のキャンペーンは、車両パレードで▽市税収納率向上▽国民健康保険税収納率向上▽医療費適正化推進▽介護保険料収納率向上▽国民年金制度の促進▽市民税自主申告の促進―を呼び掛けた。
 市税の二〇〇五年末現在における収納額は、三十二億六千八百十七万六千円(調定額・四十九億二千三百五十八万七千円)で収納率は六六・四%となっている。〇五年度の目標収納率は八二%となっている。
 国民健康保険税(一般保険者)は、〇五年末現在で収納額が五億二千九百六十九万九千円(調定額・十億二千二百九十四万五千円)で、収納率は五一・八%、〇五年度目標は九二%に設定している。
 介護保険料は、〇五年末現在で収納額が二億三百五十万六千円で収納率は四二・八%。〇五年度の目標収納率は九八%となっている。
 一方、〇二年から社会保険事務所の取り扱いとなっている国民年金保険料は、〇五年十一月末現在の収納率が四九・五%。これは〇四年同時期の五市町村合算に比べて七%増加している。〇五年度は五八・九%の収納率を目標にしている。


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「義足のランナー」島袋さん/宮古島市学対教育講演会

 宮古島市学力向上対策委員会(久貝勝盛委員長)の教育講演会が十五日、下地地区農村環境改善センターで行われ、「義足のランナー」として知られる島袋勉さんが「夢をあきらめない」との演題で講演を行った。島袋さんは両足を失ったショックから立ち直った経緯やフルマラソンなどに挑戦するにまで至った心境を紹介。「人は『できない』とあきらめた時点で何もできなくなる。どんなに苦しくても目標を持ちあきらめないでほしい」と逆境をチャンスに生かす気持ちを持つよう呼び掛けた。
 二〇〇一年に事故で両足を失った島袋さんは、さまざまな出会いを通して心理的ショックや身体的障害を克服。現在は事故の後遺症と闘いながらもフルマラソンに限らず登山やスキューバダイビングなどに挑戦し続けている。講演では、母の言葉で逆境の中から何かを学ぶ大切さに気付いたことや、障害を負ったという現状を受け入れたことで視野が広がったことなど、足を失ったことで得た多くのことについて語った。
 島袋さんは「早く社会復帰し仕事がしたいという思いを常に目標にしてきた。体が悪いから何もできないと思うのではなく、できることを探した。人は夢や目標があれば明るく生きられる」と語り、「目標を持つこと、今できることを明日に延ばさないこと、どんなに苦しい時でもあきらめないこと」を心掛けるよう語り掛けた。
 会場に訪れた人たちは島袋さんの話に真剣な表情で聞き入っていた。

 写真説明・「義足のランナー」として知られる島袋勉さん。あきらめない気持ちを持つよう呼び掛けた=15日、下地地区農村環境改善センター
真剣な表情で講話に聞き入る参加者たち

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ョウが鈴なり/アサギマダラとスジグロカバマダラ

 マダラチョウ科のアサギマダラとスジグロカバマダラの混成鈴なりが十六日午前、宮古島市伊良部で確認された。二種のチョウを比較研究する上で貴重な資料となりそうだ。
 この日の午前、二種のチョウは、在来種のモンパノキ(ムラサキ科)の枯れかけた茎の先部分に次々と集結。十二匹のチョウが観察された。茎の先端の花がしおれ、発散されるみつに誘われたらしい。
 鈴なりのチョウの周りには、仲間のチョウが数匹舞い、みつを吸い終わったチョウが舞い上がると、そのすき間に入り込む。チョウの入れ替わりは数時間続いた。アサギマダラは、赤褐色の地色に半透明の水色の模様が特徴。沖縄・本土間を渡り鳥のように季節移動するチョウとして有名。前羽の長さは約六a。一方のスジグロカバマダラは、羽の筋が黒く一年中見られるチョウ。前羽の長さは約四a。旧平良市の市チョウだった。

 写真説明・みつを吸うアサギマダラ(右上)とスジグロカバマダラ=16日、伊良部(撮影・伊良波彌記者)

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   大物マグロで活気/例年より2カ月早い水揚げ

 伊良部の佐良浜漁港では、大物キハダマグロが例年より二カ月早く水揚げされ活気づいている。漁師の中には、一日当たり五万―十万円稼ぐ人もいてえびす顔を見せている。
 例年大物キハダマグロは四月から回遊するという。今年は先月下旬から、回遊し、一匹当たりの重さは三十`前後。最も重かったキハダマグロは五十五`あった。三十`以上の大物のキロ単価は八百円。
 マグロやカツオ、シイラなどを専門に操業する漁師らの漁船は、県外出荷のカツオの高値に加え、大物キハダマグロが出没したことから、同漁港を出港する時間が二つに分かれた。従来通り深夜二時ごろに出港する漁師と、新たに正午すぎに出港する漁師に二分化された。漁場はいずれも宮古近海に設置された浮き魚礁(パヤオ)。
 十五日深夜に出港し、午後一時ごろに帰ってきた漁師の一人は、三十`前後の大物キハダマグロ二匹など計百`余りを水揚げした。仲買人との取引額は約七万円。

 写真説明・例年より早く水揚げされた大物キハダマグロ=15日、伊良部の佐良浜漁港


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