200平成18  216 木曜日

仰木彬氏(オリックス前監督)永遠に/市民球場に顕彰碑

 宮古島市(伊志嶺亮市長)と宮古島オリックス協力会(中尾英筰会長)は十五日、オリックス・バファローズ前監督の故仰木彬氏の功績をたたえ顕彰碑を建立した。十五日、宮古島市民球場で除幕式が行われ、市や協力会、県、球団の関係者らが集まり、亡き名将に思いをはせた。顕彰碑は一九九六年の日本一記念碑のそばに建立。故仰木氏の座右の銘「信汗不乱(しんかんふらん)」が記され、チームの栄光とともにキャンプ地の繁栄を見守る。
 建立者を代表して宮古島市の伊志嶺亮市長(代読・久貝勝盛教育長)は「仰木氏は地元から愛される存在だった。顕彰碑は仰木氏との思い出を胸に、宮古島への功績をたたえ、次世代につなげる大きなシンボルになる」とあいさつした。
 「信汗不乱」は故仰木氏の造語。一生懸命流した汗を信じることや、一心不乱に練習することの大切さを表現している。
 除幕では稲嶺恵一県知事、久貝教育長、宮古島オリックス協力会の平良勝之事務局長、オリックス側からは小泉隆司社長、中村勝広監督、仰木氏と親交が深かった中西太臨時コーチが出席した。
 来賓の稲嶺県知事は「仰木氏は人間性の豊かな素晴らしい人だった。心から尊敬している。建立を機に、オリックスが中村監督の下で、良い成績を残せることを期待する」と激励した。
 小泉社長は「顕彰碑があることは仰木さんも喜んでいると思う。私たちとしてもうれしい。この地に充実したキャンプを引き続き行いたい」と建立を喜んだ。
 顕彰碑の材質は宮古特産の琉球石灰岩(トラバーチン)。扇部分は半径一・五b、横の長さ二・六b、高さ一・七b。台座部分が横三b、奥行き一・二b、高さが〇・二bとなっている。
 また、この日は稲嶺知事から同球団に宮古産の和牛十六`、トウガン四十`が贈呈された。
 仰木彬(おおぎ・あきら)氏は1935年、福岡県生まれ。54年、西鉄ライオンズに入団。プロ実働は14年。88年に近鉄監督に就任。94年からはオリックスの監督となり、95年にはパ・リーグ優勝。翌96年には巨人を倒して日本一に。米大リーグのイチロー外野手、野茂英雄投手らを育て上げた。昨年12月に肺ガンのため死去。享年70歳だった。

 写真説明・関係者が集まり故仰木氏の座右の銘「信汗不乱」を刻んだ顕彰碑を除幕した(左から)中西臨時コーチ、中村監督、小泉社長、稲嶺知事、久貝教育長、平良事務局長=15日、宮古島市民球場

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初織りの宮古上布が経産省局長賞に輝く

全国伝統的工芸品公募展

 宮古島市平良字松原に住む羽地真理子さん(33)が初めて織った宮古上布がこのほど、二〇〇五年度全国伝統的工芸品公募展(主催・財団法人伝統的工芸品産業振興協会)で経済産業省製造産業局長賞を受賞した。羽地さんは「涙が出るくらいうれしい。家族の協力に感謝している」と喜びを語った。宮古上布の織り歴三年目、若手の受賞に、今後一層宮古上布振興に弾みがつきそうだ。
 羽地さんは、〇一年に織りの世界に入った。本村工房の本村三子さんに師事、最初は帯などを織り、〇三年から苧麻(ちょま)を使って上布を織り始めた。今回受賞した上布は藍染めの十字絣で、作品名は「菱形と花柄模様」。約一年半かけて製作したという。
 二児の母親で、製作は専ら子供たちが学校、保育所に出掛けている昼間。子育て真っただ中、主婦業と両立しながらの作業に集中力を維持するのは至難の業で、一日一aも織れない日もあったが、宮古上布の美しさにとことんほれ込む気持ちが完成へと導いた。「技術を磨くために」と織り始めた反物だったが、完成に当たり、夫の正さん(42)の「他人の評価を仰いでみたら」という一言で出品を決めたという。
 「しなやかで、手に触れただけで上質さが分かる」と宮古上布の魅力を語る羽地さん。「家族の協力に感謝しつつ、次の一反に挑戦したい」と意欲を語った。
 同公募展では、〇四年に、平良字西里の平良洋子さんが内閣総理大臣賞を受賞している。

 写真説明・経済産業省製造産業局長賞を受賞した羽地真理子さん=15日、平良字松原の自宅で

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伊良部架橋大きな効果に期待/稲嶺知事、建設予定地を視察

 故仰木彬氏顕彰碑除幕式に出席する目的で来島した稲嶺恵一知事は十五日、トゥリバー地区を訪れ、伊良部架橋の建設予定地を視察した。稲嶺知事は「伊良部架橋には計り知れない効果がある。一日も早く完成するよう願っている」と述べた。
 視察では、県宮古支庁土木建築課の前泊勇栄課長が事業内容を説明。「橋が通れなくなる状況は年に何回あるのか」「船は年に何回欠航しているのか」などと質問しながら、架橋が建設される予定地を、目を細めて眺めていた。
 視察後、稲嶺知事は「一つの夢が実現に向けて着実に進んでいる。具体的な状態になり実感に変わりつつある。下地島空港の開発にもプラスになる」と述べた。
 またこの日は、沖縄製糖宮古工場内にあるバイオエタノール生産施設も視察。バイオエタノールの効果や生産される仕組みについて説明を受け、「世界が抱えた(地球温暖化という)課題の解決に向けた事業が宮古島でスタートしているのは大変良いこと」と笑顔で話した。

 写真説明・担当者から伊良部架橋の事業内容の説明を受ける稲嶺知事=15日、トゥリバー地区

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優勝チームは県大会へ派遣/りゅうせき・丸勝杯を初開催

 りゅうせきネットワークとホテルニュー丸勝は今月二十五、二十六の両日、「第一回りゅうせき・丸勝杯全宮古中学校野球選手権大会」を開催する。十四日、りゅうせきネットワーク宮古支店の砂川恵助統括支店長、ホテルニュー丸勝の平良勝之社長、共催する宮古中学校体育連盟(宮古中体連)の野原敏之会長らが同ホテルで記者会見を開き、発表した。大会は中体連と宮古野球連盟が共催する。
 砂川統括支店長は「中学野球は高校野球への基礎づくりとなる。これを成功させるために企業としても協力して盛り上げたい」と強調。「行くぞ!甲子園!宮古島応援団」の会長でもある平良社長は「小中高で指導できる万全の体制をつくりたい。この大会がその起爆剤になれば」と述べた。
 また、中体連の野原会長は「生徒たちの競技力向上につながるので、非常にうれしく思う」と感謝した。同席した「応援団」の武富清副会長は「地域、宮古島を挙げて頑張っていくことがスポーツアイランドにつながる」と語った。
 優勝チームは三月の県大会に出場する。

 写真説明・多くの父母らの来場を呼び掛ける(左から)砂辺正人中体連野球専門部長、野原中体連会長、砂川統括支店長、平良社長、「応援団」の武富副会長=14日、ホテルニュー丸勝

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平良優さん(下地小教諭)が優良賞/教育実践研究論文

 教育の実践研究を発展させることを目的に財団法人県教育弘済会(中村盛彦理事長)が実施する「第十三回教育実践研究論文」で、宮古島市立下地小学校の平良優教諭の論文が優良賞に選ばれた。平良教諭は、すべての児童が同じように授業の内容を理解し学力を高めることができるよう、脳科学理論を取り入れた算数の授業を実践。その結果、学級平均点・偏差値ともに向上した取り組みが評価された。十五日、同校で伝達式が行われ、上地弘志副理事長が盾を手渡した。
 平良教諭は、クラスの六・三%が特別に支援の必要な児童であるという文部科学省の発表を受け、すべての児童が平等に授業内容を理解できるよう三年計画で研究を重ねている。
 初任者研修で学んだ実践研究を算数の授業で生かし、パソコンの動画で理解させたりカードを使っての計算法など、脳に刺激を与えながら学ぶ指導法で学力向上を図った。
 平良教諭は、「子供たちの学力が高まったことが一番うれしい。それが認められた」と喜びを話し、「思考力を高める傾向にある中、まずは基礎・基本から取り組んだ。子供の実態に応じた指導をこれからも行っていきたい」と意気込みを見せた。
 同校の砂川和子校長は「楽しく工夫のある授業で子供たちの変容も大きい。本校の誇り。研究実践が宮古全体の刺激にもなると思う」と話し、受賞をたたえた。
 平良教諭の論文のタイトルは「通常学級における特別支援教育を視野に入れた授業実践―特別支援教育及び脳科学理論の視点をいかした算数科の指導を通して―」。教育弘済会では受賞したすべての論文を論文集としてまとめ、県内の各学校や関係団体、教育機関へ配布する。

 写真説明・教育実践研究論文で優良賞に選ばれた平良教諭(中央)。左は砂川校長、右は上地副理事長=15日、下地小学校

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   おいしい米に育て/西城小児童稲作に挑戦

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は農業体験学習の一環として、十五日、城辺地区の西城小学校で稲の栽培を実施した。五年生二十六人が参加。育苗箱に発芽した種もみをまき、順調な生育を願った。三月上旬には水田に苗を植え付ける予定で、六月の収穫を見込んでいる。
 この取り組みは宮古島市経済部農政課が実施する農業教育支援事業の一環として行ったもので、児童を対象に農業体験学習活動を支援することで次世代の青年農業者を確保することを目的としている。稲作指導には宮古農業改良普及センターが当たり、児童たちにアドバイスしていく。
 今回まいた種もみは「ちゅらひかり」と呼ばれるひとめぼれの改良型品種で、病気にかかりにくいのが特徴。県農業試験場名護支場から二・七`を譲り受けた。
 参加した児童たちは初めての作業に興味津々な様子で、説明を聞いて楽しみながら育苗箱の準備や種もみまきを行っていた。照屋克智君は「とても楽しかった。柔らかくておいしいお米に育ってほしい。自分で育てたお米を食べるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 写真説明・育苗箱に発芽した種もみを丁寧にまく児童たち=15日、西城小学校

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