200平成18  215 水曜日

今春の入学児童は636人/昨年より23人減、20年前の半数

 今年四月の宮古地区小学校の入学児童数は、推計六百三十六人で、昨年四月の入学児童数(現一年生)を二十三人下回ることが宮古教育事務所(新崎治所長)のまとめで分かった。二十年前と比較するとほぼ半数近くに減少している。今年四月の新中学生も、六百八十九人と、今年度より四十六人減少することが予想されている。同所では、小学校の学級数は今後数年間横ばいとなるが、中学校では来年度に池間中、今後三年以内には福嶺中も複式学級制の対象になると予測している。
 宮古教育事務所がまとめた入学児童数の推移によると、過去二十年間のピーク時は一九八五年の千二百十五人。以来、右肩下がりに減少。過疎化や少子化が主な原因と考えられている。平良地区では、新興住宅地学区の南小や東小の児童数が多く、北小など中心部の子供の数が減少するドーナツ化現象が起きている。
 今年度の入学児童数を地区別に見ると▽平良地区(十二校)四百六十五人▽城辺地区(四校)四十八人▽伊良部地区(二校)四十六人▽下地地区(二校)三十七人▽上野地区(一校)三十九人、多良間村(一校)は二十四人となっている。最多は南小学校で百九人。最少は来間小で一人、大神小はゼロとなっている。
 中学校の内訳は▽平良地区(八校)で四百九十人▽城辺地区(四校)で七十人▽伊良部地区(二校)で八十一人▽下地地区(二校)で三十七人▽上野地区(一校)で三十八人▽多良間村(一校)は十九人。宮古教育事務所によると、小学校学級数は今後数年は大きな変動はないと予想しており、次年度以降もほぼ同数の学級数を維持すると見ている。しかし、中学校の場合は、大神と来間に次いで次年度には池間も複式学級が編成される見通しとなっており、今後三年以内には福嶺中が宮古本島で初めての複式学級設置校になると予測されている。福嶺中では、今年度の一年生が十四人。現段階で次年度の中学入学が見込まれる福嶺小学校六年生の人数は六人となっており、少子化、過疎化に歯止めがかからない情勢だ。

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「音がユニーク」と興味津々/外国人が三線に挑戦

 「ミヤコノブンカ、マナビマス」―。宮古管内の小・中・高校で英語の指導助手として活躍するALT(外国語指導助手)たちの間で、三線がブームになっている。一昨年暮れからメンバーが集まり、三線サークル「インターナショナルサンシンクラブ」が発足。八日に行われた全宮古中学校英語ストーリーテリングコンテストでデビューを果たした。メンバーはALT五人と久貝勝盛教育長、市職員など計九人。英語と日本語が飛び交う中、三線を通じて「宮古の心」を学んでいる。
 インターナショナルサンシンクラブは、ALT間の連携を図ることを模索していた久貝教育長と、三線に興味を持っていた旧平良市所属のALT、キンバリー・ソダストロムさん(25)=アメリカ・ニューヨーク出身=の呼び掛けで活動がスタート。毎週月曜日と木曜日の二回、教育長室を会場に練習を重ねている。
 クラブのメンバーは宮古島市教育委員会に所属するキンバリーさん、ニコラス・ファブリズィオさん(29)=同フロリダ州出身=、ジャスティン・オオタニさん(24)=同オレゴン州出身=、セラ・コリンズさん(27)=ニュージーランド出身=と、県立伊良部高校に所属するジュリア・エンズリーさん(22)=カナダ出身=。さらに久貝教育長、市職員の上地栄作さん、平良典子さん、平良さんの友人の浜川郁子さんも加わった。
 ほとんどが三線は初めてとあって、ゼロからのスタート。練習では宮古民謡をCDで聴き曲を覚え、趣味で三線を弾いていた上地栄作さんが弦の押さえ方などをアドバイスする。毎週二回の練習が功を奏し、今では工工四も読むことができ、「なりやまあやぐ」「豊年の歌」などレパートリーも少しずつ増えている。
 宮古島に来て初めて三線の存在を知ったというジャスティンさんは「音がユニークで生き生きとしている」と三線独特の音色に興味を持った様子。「弦楽器を弾くのは初めてだけど楽しい」と話した。久貝教育長は「外国で生活した経験があり、その大変さはよく知っている。宮古には多くのALTがいるが連携が取れていないのが現状。交流を深めながら宮古の文化を吸収してもらいたい」と三線を通じた心の交流にも期待を寄せる。
 五月には、県すべての教育委員会が一堂に会する会議で三線を披露する予定。これまで以上に熱の入った練習で、大舞台に挑む。

 ALTとは Assistant Language Teacherの略で、外国語指導助手の意。宮古管内では現在十人のALTが小・中・高校で英語指導のアシスタントを務めている。

 写真説明・三線で宮古の文化を学んでいるインターナショナルサンシンクラブの皆さん。練習では英語と日本語が飛び交う=宮古島市教育長室
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ごちそう囲み、先祖供養/宮古各地で 「ジュウルクニツ」

 後生の正月「旧十六日祭(ジュウルクニツ)」が旧暦の一月十六日に当たる十三日、各地で行われ、家族や親族らが一堂に会して祖先を供養し、共に祝った。
 平良字東仲宗根の比嘉効さんの先祖が眠るお墓では、墓前に線香や酒、ごちそうなどを並べ、あの世の金とされる「紙銭」を焼き、全員で手を合わせた。
 比嘉さんは「みんなで集まって旧十六日祭を祝えて本当にうれしい。子も孫も家族も、来年の旧十六日祭まで健康で迎えられることを願いたい」と笑顔で話した。
 この日のために、石垣から帰省した親せきを含め約十五人が参加。親せきらは「先祖を敬って、みんなで集まって顔も見ることができて良かった」と口をそろえていた。

 写真説明・後生の正月を祝って家族でごちそうを囲んだ=13日、平良字東仲宗根

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サトウキビ機械刈り全体の2割/好天候で順調に稼働

 平均糖度が一五度前後と近年にない高水準で推移している二〇〇六―〇七年産サトウキビの収穫で、ハーベスターによる機械刈りが順調だ。昨年は雨続きで低下した稼働率も今期は好天候に恵まれてぐんぐん上昇、各製糖工場のまとめで全体の約二〇%は機械刈りの原料搬入となっている。今期は少々の悪天候でも稼働できる小型ハーベスターが昨年に比べて五台増えるなど機械化に向けての動きも本格化。農家の高齢化や後継者不足を補う収穫体系として、今後も機械台数の増加が続きそうだ。
 宮古製糖城辺工場は十三日現在で原料五万二千五百六十五dを搬入し、このうち一五・八五%に当たる八千三百三十三dが機械刈りによる搬入。今期は大型一台、中型九台が稼働、新しく導入された小型ハーベスター二台もフルに稼働している。農務課では「天候に恵まれ昨年に比べると、良い稼働率」としている。
 一方の沖縄製糖宮古工場は十三日現在で六万六千三百二十dを搬入、このうち一万三千七百九d(二〇・六七%)が機械刈りによる搬入となっている。同工場管内では大型二台、中型十五台、小型は五台が稼働しているが、小型は昨年に比べて三台の増。農務課では「少しずつではあるが機械刈りが伸びてきているのが現状。ただ、地域ごとに機械刈りの割合には差がある」などと話した。
 宮古各地でハーベスターが順調に稼働しているが、ほ場の条件などから機械刈りをやめて手刈りに切り替える農家も増えているという。今期収穫のキビは昨年の台風の風向きが同一方向であったためにキビが同じ方向に倒れており、「刈りやすい」(一部農家)というのが大きな理由。それでも機械刈りの割合は最終的に全体の二―三割は占めそうだ。
 機械刈りで収穫している下地字上地の上地武則さん(75)は「昨年より雨が少なくて、順調に稼働している。小型機械が導入されているのも良いことで、少々土がぬかるんでいても無駄なく上手に刈り取ってくれる。これからは機械刈りの時代になると思う」と話し、小型台数の増加に期待を込めていた。

 写真説明・好天候続きで順調に稼働するハーベスター=宮古本島内

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支庁廃止案など説明/行財政改革プラン

 【那覇支局】県は十四日、宮古・八重山両支庁の二〇〇八年度廃止などを盛り込んだ県行財政改革プラン(案)を与野党議員に説明した。同案に対し、石垣市区選出の辻野ヒロ子、高嶺善伸両県議は急な方針に地元では厳しい批判や憤りが出ているとし、再考を求めた。
 同案は〇八年度に両支庁を廃止し、本庁直轄の▽県民センター(仮称)▽福祉保健所▽農林水産振興センター(仮称)▽土木事務所―などに改編する方針を示している。
 同案は十日の県行政改革推進本部(本部長・稲嶺恵一知事)で承認。これを受け、与野党議員説明会となった。
 宮古地区選出の砂川佳一氏は支庁組織の見直しについて「きょうの説明会をもって、(計画案は)了解を得たことになるのか」と質問。これに対し、上原昭総務部長は「案は行政改革懇話会(会長・大城常夫琉球大学教授)の意見を聞いて、三月末までに決定するが、条例にかかる部分(事務分掌内容など)は、二年かけて検討する」と述べ、今後、地元や議会に配慮していく考えを示した。
 辻野氏は「八重山は新石垣空港整備、宮古も伊良部架橋という大きいプロジェクトを抱えており、そういう大事な時期の支庁廃止の話に地元では厳しい批判が出ている」とし、計画の再考を要望した。
 高嶺氏は「(県から市町村への)権限移譲はこれまで、全く検討されなかった。そのプロセスも示されないままの廃止ありきは納得できない」と、不満を表明。その上で、「唐突な廃止案に地元は戸惑い、憤りが出ている」地元の状況を説明した。

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   コンクールへ参加呼び掛け/ファッションデザイナーの伊舎堂さん

 伊舎堂服装学院長でファッションデザイナーの伊舎堂マサ子さんが十四日、宮古毎日新聞社を訪れ、今年八月に開催予定の「IMモードファッションデザインコンクール&ファッションショー」への地元からの参加を呼び掛けた。
 伊舎堂さんは伊良部佐良浜出身。学院長を務める服装学院は、来年で創立三十周年を迎える。
 ファッションデザインコンクールは、若手デザイナーの育成と県服装業界の発展などを目的に二〇〇〇年から毎年開催されている。
 昨年は、百六十五点の応募があり、デザイン画審査を通過した四十七点がファッションショーの形式で審査を受けた。このコンクールでグランプリとなる県知事賞受賞者は、フランスのパリで開かれる「新人賞国際コンクール」見学へ招待される。
 伊舎堂さんは、コンクールでは宮古島市長賞も創設されることから、「地元、宮古の若い人たちがぜひこの賞を射止めてほしい」と期待。「パリはファッションの都。世界的なデザイナーに会えるチャンスもあり、挑戦してほしい」と話した。

 写真説明・宮古の人たちにコンクールへの参加を呼び掛ける伊舎堂さん=14日、本社

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