200平成18  212 日曜日

イチロー、紅白戦に出場/ファン4千人が歓声

オリックスキャンプ

 イチロー、再び―。宮古島市民球場で行われているオリックス・バファローズの春季キャンプに、十一日、米大リーグ、シアトル・マリナーズで活躍するイチロー外野手(32)が参加した。紅白戦には紅組の「一番・ライト」で出場。第3打席に鮮やかな流し打ちでレフト前ヒットを放ち、この日最も大きな歓声が上がった。昨年に続くイチロー外野手の来島に、球場には四千人(球団発表)が足を運び、メーンスタンドから一塁側、三塁側、外野席までいっぱい。「イチロー」コールが響いた。

 イチロー外野手は三月に開催される野球の世界大会、ワールドベースボールクラシック(WBC)の日本代表メンバーに選出されており、今回の来島はそれに向けた調整のため。午前九時三十五分ごろ球場入りしたイチロー外野手は、ウオーミングアップからオリックスの選手と同じメニューをこなした。
 紅白戦では、マリナーズでも定位置「一番・ライト」で、紅組の一員として先発出場。第一打席、第二打席ともファーストゴロで凡退した後の第三打席、白組三番手の萩原淳投手から、イチロー外野手ならではの巧みなバットさばきでレフト前に運んだ。
 紅白戦後のフリー打撃では、清原和博内野手がゲージ裏で見守る中、快音を響かせ、各方向に鋭い打球を放っていた。
 古巣オリックスでの練習参加にイチロー外野手は「宮古にこんなに人がいたのかとびっくりした」と感想。清原内野手、中村紀洋内野手と紅白戦での「共演」とはならなかったが、「グラウンドでユニホームを着て野球できただけでも良かった」と笑顔を見せた。
 紅白戦は紅組、白組とも投手陣が好投。走者を許しながらも粘り強い投球で失点は許さず、6回0―0で終了した。紅組のブランボー外野手、グラボースキー内野手がともに2安打を放ち、好調ぶりをアピールした。
 きょう十二日も午後から紅白戦が行われる予定。イチロー外野手は十一日同様、紅組の「一番・ライト」で先発出場する。


写真説明(上)=イチロー外野手見たさに、球場は4000人のファンで埋め尽くされた=11日、宮古島市民球場

写真説明(下)1年ぶりに宮古のファンに雄姿を披露したイチロー外野手=11日、宮古島市民球場


■「清原選手と話した」/野球少年500人がプロの手ほどき
 宮古島市民球場で春季キャンプ中のオリックス・バファローズは十一日、同球場で少年野球教室(主催・同選手会)を開催した。小・中学生ら約五百人が参加し、キャッチボールやゴロ捕球などプロの手ほどきを受けた。教室は突然の雨に見舞われ、わずか十分足らずで終了したが、球児らは「清原選手と話した」「キャッチボールしてもらった」などと大喜びだった。
 教室には球団の日本人選手全員が参加。中でも清原和博内野手が子供たちの人気を集めた。開始直後には、握手を求めて人だかりができた。清原内野手は自らノックするなど子供たちと触れ合っていた。
 突然の雨で教室は中止となったが、選手と球児らは室内練習場に場所を移し記念撮影会を行った。
 教室には多良間中学校も初参加。安里亮太君(二年)は「鈴木郁洋捕手からキャッチングを教わった。もっと長く教えてもらいたかった。雨が降って残念」と話した。
 開会セレモニーで地元球児を代表して平良中学校野球部の棚原翔平主将は「野球教室を心待ちにしていた。学んだことを生かしレベルアップを図りたい」とあいさつした。
 選手を代表して選手会会長の川越英隆投手は「野球がうまくなれるよう一生懸命教えたい。質問があれば何でも聞いてほしい」と呼び掛けた。


写真説明・ 清原内野手は子供たちの人気を独り占め。握手を求める子供たち=11日、宮古島市民球場top.gif (811 バイト)

 

糖度は高水準、収量平年並み/宮古本島操業から1カ月

  宮古本島内製糖二工場(沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場)の二〇〇六年製糖操業は開始から十一日で一カ月を経過した。両工場ともに糖度(品質)は高い水準で推移している。
沖縄製糖には十日までに六万九百二十dのサトウキビが搬入された。平均糖度は基準糖度帯(一三・一―一四・三度)の上限を〇・八五度上回る一五・一五度。糖度の区分別内訳は基準帯以下が二・七〇%、基準糖度帯が一七・七四%、基準帯超が七九・五六%と、九七%のキビが基準を上回った。糖度の最高は一八・三度、最低が一〇・二度。トン当たり農家手取額は二万一千三百九十六円で基準額の二万四百七十円を大幅に上回っている。
 品種別の構成比・糖度は、構成比の高い順に宮古1号五一・八四%(糖度一五・二六度)、農林8号一四・八五%(一五・〇五度)、農林t号一一・〇八%(一五・〇四度)、ナーナシが八・二八%(一五・三六度)。宮古1号は農家の評価が高く、近年、作付け面積が増えている。
 砂川玄悠工場長は、「九、十月に干ばつ気味の時期があったが、農家の努力のおかげで順調に生育した。四個の台風の影響も風向きが一方向だったため、根の痛みがなく被害は少ない。品質は高く、収量は平年(七・二d)よりやや良い」と話す。
 同工場管内の今期キビ生産は十一万一千d―十一万三千d(反収約七・三d)を見込んでいる。
 宮古製糖城辺工場には、十日までに四万七千九百十八dが搬入された。平均糖度は一四・九五度。糖度の区分別内訳は基準帯以下が四・〇〇%、基準帯が二一・四一%、基準帯超が七四・五九%で、九六%のキビが基準値を上回った。糖度の最高は一八・三度、最低が九・七度。トン当たり農家手取り額は二万一千二百八十二円と、基準額を大きく上回っている。
 品種別の構成比・糖度は構成比の高い順に農林t号三三・五八%(糖度一四・八九度)、ナーナシ二六・五九%(一五・二一度)、農林8号一九・〇四%(同一四・七八度)、宮古1号一三・〇五%(一五・一三度)。同工場管内では農林t号が、増える傾向にある。
 同工場の洲鎌英樹農務課長は「今年のキビは台風の影響をさほど受けず折損茎が少ない。糖度は高い水準が見込まれる」と話す。同工場管内のキビ生産量は約九万d、反収は平年並みの六・六dを見込んでいる。

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島の取り組みなど視察/地域づくり団体全国研修沖縄大会

 十日に開幕した第二十三回地域づくり団体全国研修交流会沖縄大会(主催・地域づくり団体全国協議会、県など)に伴う、宮古島での三分科会は、研修初日となる十一日、各部会とも宮古島における地域づくりの取り組みや、島の視察などを精力的に実施した。宮古での三部会には十三県から三十八人が参加。参加者たちは分科会ごとにそれぞれのテーマに沿った研修内容をこなしていた。
 宮古で実施されている三分科会は、第十四分科会が宮古島平良「心豊かなふるさとづくり」分科会で、テーマは「人・食・自然が共生する心豊かなふるさとづくり」。第十五分科会が宮古島城辺「体験交流」分科会で、「観光と体験交流による地域づくり」がテーマ。第十六分科会が宮古島下地「癒し・やすらぎ」分科会で、「見直そう『食』と『農』の原点 甦れ!スローライフ」をテーマに取り組んだ。
 第十四分科会は、午前中に島内視察を行い午後からは「緑の街角賞」を受賞した市民宅を訪ねて、島における庭造りなどについて学び、参加者からは、塩害に強い木々などについての質問が出された。
 第十五分科会は、午前中に城辺農村環境改善センターでパネルディスカッションを行い、体験型観光交流について互いに意見を交換し合った。
 また、第十六分科会は、農業視察、黒糖造りの見学、塩造りの体験など、熱心に宮古島の産物について学んだ。
 三分科会は、きょう十二日が研修最終日となり、島内視察などを行い午後には宮古を離れる予定。

写真説明=第16分科会では黒糖ができるまでの製造工程について参加者たちが真剣な表情で学んだ=11日、下地地区洲鎌の「根間黒糖」


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「子供の心の話聞いて」/石原良人さんが教育講演会

 二○○五年度教育講演会(主催・宮古地区PTA連合会、同地区小・中学校校長会ほか)が十日午後、市立東小学校体育館で行われた。本土で心の傷を負った若者や婦人を中心としたカウンセラー養成講師として活躍している石原良人さんが「愛されないと 愛せない」のテーマで講演した。石原さんは、「子供には、二つ権利がある。一つは一人の人間として、もう一つは将来の夢のビジョンを考えていることである。親がビジョンを押し付けてはならない」と述べた上で「子供の心の話を聞ける人は、成熟した人(大人)だ」と力説した。
 石原さんは「日本は、ストレスのたまりやすい国だ。自殺率は世界一と言われている。日本は個人を大切にする文化がない。ストレスが、うつ病、摂食障害(夜中、食事をいっぱい食べる)、いじめ、引きこもりなどの原因となる」と語った。
 引きこもりの人について、石原さんは▽人間関係が築けない▽話し相手の目を見て話せない▽二重人格▽感情表現ができない―の症状を挙げた。
 石原さんは「引きこもりは世代間で引き継がれてきた結果。楽な時代には症状が出て、苦しい時代には症状は出ない」と話した。
 同講演会は、子供がかかわる事件、親子間における事件が多発する中、子育てや子供の教育に悩んだり、自身の哲学を失いかけている大人が増えていることなどの社会問題を重視。それらの問題意識を踏まえた上で、一人ひとりの子供たちが生き生きと息づく元気な社会を形成することを目的に実施された。

写真説明=講演する石原良人さん



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与那覇君、松川さんが優勝/南静園創立75周年将棋大会

 国立療養所宮古南静園の創立七十五周年記念将棋大会(同園、同園入所者自治会共催)が十一日、同園で行われた。計二十八人が参加し、小・中学生の部で与那覇力斗君(南小六年)、高校・一般の部で松川幸司さん(24)=平良字下里=がそれぞれ優勝した。同園の宮里光雄自治会長は多数の子供たちの参加を喜び、「このような行事を継続し、園を広く知ってもらうと同時に一般の方が気軽に集う場所にしたい」と話した。
 将棋大会には、小・中学生の部に十五人、高校・一般の部に十三人が参加し、それぞれのペースで駒を進めて棋力を競い合った。
 開会式で同園の新城日出郎副園長は「予想外にも子供たちの参加人数が多く、活気をもたらしてくれたことに感謝する。きょうは存分に楽しんで」と激励した。
 白熱した試合の結果、優勝を飾った与那覇君は「勝ったときの喜びは何とも言えない。大人と対戦するときはいつも直感勝負です」と笑顔を見せた。
 松川さんは「運も味方して順調に勝ち進むことができた。努力した分、結果が出るところが将棋の面白み。きょうは愛好者との新たな出会いもあって楽しかった」と感想を話した。
 結果は次の通り。(敬称略)
 【小・中学校の部】▽優勝=与那覇力斗(南小六年)▽準優勝=粟国アレン(平良中一年)▽三位=津波古康介(平良第一小六年)
 【高校・一般の部】▽優勝=松川幸司▽準優勝=新里勝也▽嵩原正弘

写真説明・(前列左から)小・中学生の部で準優勝の粟国君、優勝の与那覇君、三位の津波古君。(後列左から)準優勝の新里さん、優勝の松川さん、三位の嵩原さん=11日、宮古南静園



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