200平成18  210 金曜日

伊良部架橋3月18日に起工式/実施本部が発足

 伊良部架橋の起工式が三月十八日に伊良部島の同架橋建設現場で行われることが九日に行われた県と宮古島市、工事連絡協による全体会議で決定した。また、この日は起工式に向けた「伊良部架橋起工式実施本部」も発足。本部長には県宮古支庁の長濱政治次長が就任した。来月十八日は安全祈願祭、起工式、祝賀会の順で行われ、国、県、宮古島市および関係者約三百人を招いて行う予定。
 会議のあいさつで兼城克夫支庁長は「きょうは来月十八日の起工式についての会議で県の本庁、宮古島市など関係者が集まってくれた。お互いに忌憚のない意見を出し合ってほしい。伊良部架橋は約四`の橋で竣工までは八年を要する。その間の工事の安全も祈願したい」と述べた。
 会議ではまず、実施本部の設置要綱を協議し、本部長などを決定した。また、副本部長は同支庁の前泊勇栄土木建築課長となっている。
 来月十八日の各催しについては、午後二時三十分から安全祈願祭(施工業者で構成する工事連絡協議会が主催)。午後三時十分からの起工式は県が主催し、午後四時三十分からは宮古島市主催の祝賀会が行われることとなっている。
 また、発足した実施本部には▽起工式部会▽祈願祭部会▽祝賀会部会▽交通対策部会―の四部会も設置され、本部会議の前にそれぞれで協議していくことなども確認された。
 今後、実施本部は四回ほどの会合を持ち、各催しの詳細について決定していくこととなっている。
 長年の要請行動も展開され、いよいよ本格的な動きとなってきた伊良部架橋建設。起工式でいよいよ工事着工となる。
 
伊良部架橋 宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部架橋事業は、事業延長六千五百b(本橋部三千五百四十b、海中道路部六百b、取付橋梁百七十b、取付道路二千百九十b)の離島架橋となっている。
 路線名は、一般県道平良下地島空港線で、事業年度は二〇〇一年度から一二年度。総事業費は三百二十億円となっている。

 写真説明・来月18日の起工式に向けて、開催された伊架橋起工式全体会議=9日、県宮古支庁

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「地域の仲間」絆深まる/居住地校交流

 県立宮古養護学校(玉元江美子校長)と宮古島市立東小学校(仲間克枝校長)六年生との交流授業が九日、宮古養護学校で行われた。同校が今年度から実施している居住地校交流の一環。昨年十二月に東学区に住む野崎高之君(宮養小学部六年)ら三人が東小を訪れ、地域の仲間として友情を深めたことを契機に、今回は東小の六年生が野崎君らを訪ねた。宮古養護学校は今年度、計十三校の居住地小・中学校に二十八人の児童生徒が出掛けた。玉元校長は「交流校から手紙が届くなど確かな反応を喜んでいる。仲間の一人として地域での絆が深まれば」と期待している。 宮古養護学校では、二〇〇四年度に、児童生徒の自宅がある地域の学校で学習・交流を図る居住地校交流を試行。父母を対象に行ったアンケート調査では、希望する人が大半を占め、期待度の高さが分かったことから、同校経営方針の一つとして今年度から本格実施に移行した。
 今年度はこれまでに、八校の小学校と五校の中学校を訪問。小学部全児童二十人中十五人、中学部全生徒十三人中七人の生徒が体験している。最終的には、一人につき一学期に一回の計三回体験する計画。居住地校訪問の際には宮古養護学校の教諭も同行する。これまで、出会った友達から学校行事への招待状や手紙が届くなど継続的交流が期待されている。
 宮古養護学校の宮良有子教諭は「仲間に入ろう、入ってもらおうという子供たちの意識が見える。子供たちの輪が地域の大人へも良い影響をもたらすのでは」と、波及効果を期待する。
 この日訪れた東小六年生は校内や寄宿舎を見学した後、ダンスや楽器演奏で音楽交流を行った。砂川茂和教頭は「障害のある人もない人も社会で心豊かに共生することの大切さを子供らに知ってほしい」と話した。

 居住地校交流 障害を持つ子供たちが、校区外の宮古養護学校に通っていても地域の中での存在感を損なわず、子供たちの間で仲間としての相互理解を深めることを目的に、居住地の学校の同学年児童生徒らと学習・交流を行う。県教育委員会が二〇〇二年三月にまとめた県立特殊教育諸学校編成整備計画でも、ノーマライゼーションの理念の下、障害のある児童生徒と普通学校の児童生徒や地域の人々が活動を共にする交流教育の推進が盛り込まれている。

 写真説明・ダンスや楽器演奏で音楽交流を行った宮古養護学校と東小学校の6年生たち=9日、宮古養護学校体育館

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狩俣・七又地区に風車4基建設へ/強風にも耐えられる構造

 宮古島市狩俣地区および七又地区で風力発電設備建設計画を進めている沖縄新エネ開発(小野英三郎社長)=浦添市牧港=は八日夜、地域住民を対象にした「狩俣地区地元説明会」を狩俣集落センターで開催した。地域住民らから「風車を狩俣地区の活性化につなげたい」と早期建設を望む声が上がった。工事着工予定は今年の十一月ごろ、運転開始は来年八月ごろを予定している。
 風車設置予定地は、二〇〇三年九月の台風14号によって倒壊した風車発電設備のあった同地区。地点選定理由に▽風の状況が良く、民家との距離も三百b以上離れており、風力発電の立地に適した場所である▽倒壊する以前にも風力発電実証研究設備が設置されていた―ことなどを挙げた。
 新設する風車は、狩俣地区に九百`hの二基、七又地区にも同じく九百`hの二基を予定しており、台風の被災前から沖縄電力が所有する狩俣地区の宮古六号機(六百`h)の復旧と併せれば、宮古島全体で合計四千二百`hの設備容量になる予定。年間発電予想量は約九百四十万`hを見込み、一般家庭約二千六百世帯の電力量に相当するという。
 説明会で小野社長は「台風14号で、なぜあのような被害があったのかこれまで原因の調査究明に当たってきた。同位置で新たに風車を建設する場合、台風に耐え得る強度がどのくらい必要なのかと答えを出すのに時間がかかった」と説明し、「台風に耐えられる構造で倒れない風車を造ろうと取り組んでいる。事業としては厳しいものだが、環境に優しいエネルギーづくりに貢献したいという使命を持っている。この風車が地元に対してのメリットとなれば」と建設の意義を強調した。
 地域住民からは「早く造ってほしい」「風車をかたどった街灯にしてみては」と活発な意見が飛び交い、狩俣自治会の池間等志会長も「風車をもっとPRして、狩俣地域の活性化につなげたい」と要望した。

 写真説明・説明会では地域住民も参加し、風車建設について活発に意見を交換した=8日、狩俣集落センター

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省エネ方法など学ぶ/講座開き、温暖化防止を考える

 おきなわの総合エネルギー講座(主催・内閣府沖縄総合事務局経済産業部)が九日、宮古島マリンターミナルビル二階で開かれた。参加した受講者は、環境問題とエネルギーの調和や対策、生活の中で気軽に取り組むことのできる具体的な省エネ方法について学んだ。
 同講座は、温暖化などによる世界的な環境破壊が進む現在を見据え、一人ひとりにできることを考えるための機会として設けられたもの。事前に申し込みをした参加者ら約十五人が受講した。
 基調講演では琉球大学工学部環境建設工学科の堤純一郎教授が「沖縄県・環境とエネルギーの調和を目指して」と題して発表。堤教授は「温暖化問題は、われわれすべての人が加害者でもあり被害者でもある。人類すべての意識改革が必要」と説明した。「温暖化を防ぐためにもエネルギーを正しく使おう。省エネがけちというわけでなく、無駄を省くということであって、大事な点は省エネを長く続けること」と話した。
 その後、環境エネルギー総合研究所の大庭みゆき所長が省エネを実践した取り組みを紹介。「冷蔵庫の置き場所や使い方を変えるだけで賢く省エネができる」と、生活の中で気軽に取り組むことのできる省エネ方法について説明し、受講者は知識を深めていた。

 写真説明・環境問題やエネルギー対策について受講者は知識を深めた=9日、宮古島マリンターミナルビル

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宮古島市「つどいの広場」設置へ/情報交換や育児相談など実施

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は、二〇〇六年度の新規事業として、主に乳幼児とその親が気軽に集い、情報交換や育児相談などを行う「つどいの広場」を設ける。市民の子育て支援の一環。場所は未定だが平良地区に設置、コーディネーターを配置して週五日の実施を予定している。
 「つどいの広場」は、国の次世代育成支援対策交付金を活用して実施。予算は六百三十五万円。育児不安の解消や問題解決の糸口となる機会を提供することが目的。対象は、主にゼロ歳児から三歳児までの乳幼児の親で、親同士の交流の場所を提供するとともに、二人のアドバイザー(非常勤)を配置して子育て相談、援助、情報提供、子育て講習会の実施などを予定している。
 実施日は、毎週月曜から金曜までの週五日で、時間は午前九時から午後五時四十五分まで。場所は現段階で未定だが、担当の市児童家庭課では「宮古島市は広範囲にわたるが、事業初年度ということもあり(人口の多い)平良地区の空いている公共施設を利用したい」としており「交流を通して親子共に健やかな輪が広がれば」と期待している。
 県内では、那覇市が市内の空き店舗を利用して今年度から実施している。

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   あすから紅白戦スタメン発表/オリックスキャンプ

 宮古島市民球場で行われているオリックス・バファローズ春季キャンプで、あす十一日に行われる紅白戦のスターティングメンバーが九日、発表された。中村勝広監督が明らかにした。注目は調整のため来島する米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー外野手で、紅組の「一番・ライト」で先発することとなった。イチロー外野手はきょう十日来島し、十一、十二の両日、午後に行われる紅白戦に出場する予定。
 中村監督は「これだけ話題性のある中で、さらに『世界のイチロー』彼が加わってくることで、皆さんの関心も高くなるだろうし、若手、中堅どころにも良い刺激、良い勉強になる。大歓迎だ」と話した。清原和博内野手、中村紀洋内野手は、十八日の紅白戦から登場する予定。
 紅白戦は十一日の第三クールから始まり、毎日行われる見込み。いずれの日も午後からの試合開始となる予定。宮古島オリックス・バファローズ協力会によると、十一、十二の両日は出店も出されるという。また、同協力会と宮古青年会議所、宮古観光協会青年部、宮古島商工会議所青年部の四者は、二千本余りの小旗を用意し、紅白戦を盛り上げる。

雨なく「非常に順調」/第2クール終了で中村監督
 宮古島市民球場で行われているオリックス・バファローズの春季キャンプは九日、第二クールを終了した。中村勝広監督は「今クールは寒かったけれども、雨にたたられなかった。非常に順調だと思う。各野手も投手も体がだいぶ切れてきた」と評価した。注目する選手に二年目の金子千尋投手、ルーキー・平野佳寿投手を挙げた。金子投手はあす十一日の紅白戦で、白組の先発を務める予定で、イチロー外野手(シアトル・マリナーズ)との対戦が注目される。
 中村監督は「投手陣はこの三年間で一番、仕上がりが早いようだ。野手も(いずれは)十人ぐらいはふるいに掛けないといけないが、そのときが来たらどうしようと悩んでいる。清原、中村紀洋に引きずられるように、全員のペースが上がっている」と、各選手の好調ぶりを喜んだ。
 十一日の第三クールから行われる紅白戦に関しては、「競争が激しく、同じようなレベルの選手がたくさんいる。勝つためにいろいろなタイプの選手を揃えるため、単なる紅白戦ではなく、オープン戦と同じような気持ちで見ていきたい」と述べた。
 第二クール最終日の九日には、阪神、広島、日本ハムなどで206勝193セーブを挙げた大投手・江夏豊さん、西武の黄金期をエースとして支えた東尾修さんら、野球評論家が熱い視線を送っていた。

 写真説明・ブルペンで投手陣の投げ込みを見守る江夏豊さん(左)と中村監督=9日、宮古島市民球場


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