200平成18  2 水曜日

財政、合併後も厳しく/宮古島市05年度起債残高368億円

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の借金となる起債残高(借金)が本年度末(見込み)で、三百六十八億一千百三十四万九千円となり、市民一人あたりで六十五万二千円の借金となっていることが分かった。合併して誕生した宮古島市の財政状況は現在も厳しく、起債残高を減らすためにも自主財源の確保が必要となっており、早急な財政改革が必至となっている。
 市民一人あたりの借金については、宮古島市の起債残高(借金)を総人口で割って算出。二〇〇五年度末(見込み)の市起債残高三百六十八億一千百三十四万九千円を宮古島市の人口(一月一日現在)五万六千三百八十五人で割ると、市民一人あたりの借金は六十五万二千円となる。
 旧平良市の〇四年度決算時における市民一人あたりの借金は、五十三万八千円で宮古島市はこれよりも約十一万円も借金が増えていることになる。
 しかし、合併前までは一部事務組合の会計は別会計となっていたこともあり、宮古島市になってからは一部事務組合の会計も市の会計に加えられたことも影響しているようだ。
 一方、県全体でみると県民一人あたりの借金は、〇四年度末現在で県の起債残高は六千三百三十九億円。これを同年度末の県人口百三十七万二千人で割ると県民一人あたりの借金は四十六万円余りとなっている。
 合併した宮古島市の早急な課題は、財政の健全化。市の起債残高(借金)が減れば必然的に市民一人あたりの借金も減る。
 宮古島市の新しい島づくり計画では、人件費をはじめとする経常経費の抑制と効率的・効果的な行政体制の構築などがうたわれている。
 特に人件費については新市の財政運営の成否を握っているとして、早急に「定員適正化計画」を策定し、職員数の適正化に努めるとしている。
 歳出を抑制し、自主財源が確保できれば必要な事業などに対しても起債しなくてもよい状況も生まれ、起債残高(借金)も減る。起債残高を減らし、財政運営を安定させるためにも全体的な財政改革が必要となっている。

top.gif (811 バイト)

8学科で定員割れ/県立高校一般入試志願状況

 【那覇支局】県教育庁(仲宗根用英教育長)は七日、二○○六年度県立高校一般入試の初回志願状況を発表した。宮古地区の五高校で、最も志願倍率が高かったのは宮古工業自動車機械システム科で一・九七倍(一般入学定員三十二人に対し六十三人志願)。全体の志願倍率は〇・八九倍だった。
 宮古地区五高校十二学科のうち、志願者数が定員に達したのは宮古工業自動車機械システム科のほか、翔南高校商業科一・三八倍(一般入学定員二十九人に対し四十人志願)、宮古工業生活情報科一・一三倍(一般入学定員三十一人に対し三十五人志願)、宮古高校理数科一・〇九倍(一般入学定員五十七人に対し六十二人志願)の三学科で、そのほかの八学科は定員割れとなった。伊良部高校普通科は、定員八十人のところ連携型で四十三人が合格内定。一般入学定員三十七人に対し志願者は一人で、志願倍率〇・〇三倍となった。
 五高校全体では総定員数七百六十人のうち、一般入学定員は六百七人、一般入試の志願者は五百四十三人で、志願倍率〇・八九倍となっている。
 県全体では一般入学定員が一万三千八百二十三人(全日制一万三千二百六十三人、定時制五百六十人)で、志願者数は一万三千六百六十二人(全日制一万三千三百十二人、定時制三百五十人)。志願倍率は〇・九八八倍(全日制一・〇〇三倍、定時制〇・六三倍)となった。志願倍率の最も高い学科は中部商業高校生涯スポーツ科の二・八八倍、次いで中部農林高校食品科学科の二・六九倍だった。
 志願変更申し出期間は十三、十四の二日間(午前九時―午後五時)、願書取り下げ・再出願が二十、二十一の二日間(二十一日は午後四時まで)。二十一日に最終志願状況が判明する。一般入試は三月七、八の二日間で、合格発表は三月十四日に行われる。
 県教育庁ホームページ(http://www|edu.pref.okinawa.jp/)でも高校別志願状況を掲載する。

top.gif (811 バイト)

有終の美に笑顔/女子重量挙げV狩俣聖美さん(宮農3年)

 五日の琉球新報旗争奪高等学校ウエートリフティング競技選手権大会の女子53`級で、スナッチ、ジャーク、トータルともに県高校新記録で優勝し、有終の美を飾った県立宮古農林高校三年の狩俣聖美さんが七日、同校で喜びを語った。狩俣さんは「本当にうれしい。高校最後の大会で達成できて良かった」と安堵した表情を浮かべた。四月には埼玉県の平成国際大学に進学し競技を続けるという狩俣さん。「将来は日本記録を目指すことのできる選手になりたい」と意欲を見せた。
 五日の大会の目標は県高校新記録の樹立のみに絞っていた。結果、スナッチで73`、ジャークで86`といずれも県高校新記録をマーク、トータルでもこれまでも記録を上回り、最高の成績で高校生活最後の大会を締めくくった。狩俣さんは「最後の大会なので良い試合にしようと思った。思い通りの結果が出て良かった」と話した。
 狩俣さんがウエートリフティングを本格的に始めたのは一年生の夏。当時はスナッチ35`、ジャークは37・5`しか挙げられなかった。それからめきめきと頭角を現した狩俣さんについて顧問の翁長真由美教諭は「本人の努力だと思う」と狩俣さんをたたえた。
 大学進学について狩俣さんは「大学でも続けますが、大学卒業後も続けたい」と強調し、自らの可能性に挑戦し続ける決意を語った。

 写真説明・高校生活最後の大会で有終の美を飾った狩俣聖美さん(右)と顧問の翁長真由美教諭=7日、宮古農林高校

top.gif (811 バイト)

肉用牛、計画交配に乱れ/JA、系統の不揃い懸念

 高値続きで好調を維持する肉用牛競りだが、宮古畜産技術員会が推奨する計画交配が少しずつ乱れ始めている。JAおきなわ宮古地区営農センターは生産農家に対し家畜改良事業団や県が所有する精液の購入を求めているが、全体の二―三割の農家が民間の精子で受精を行い、市場内の系統を乱しているという。同センター畜産部では「系統が乱れると、購買者にアピールしにくい」と系統の不揃いを懸念し、畜産技術員会推奨の計画交配方法(図)を順守するよう呼び掛けている。
 毎月の競りに訪れる全国各地の購買者は▽どの種雄牛で種付けしているか▽種付けする母牛の系統は何か▽子牛の状態―などを十分に調べる。特に系統を重視し、系統が不揃いだと嫌う傾向があるという。
 結果として購買者は宮古市場特有の系統を求めているが、その意に反した交配を続けていると購買者の市場離れを招く恐れもある。
 仮に農家独自の交配が進めば「宮古市場としての魅力が薄れる」とJAなどは指摘する。「宮古の市場だから買えるということで来島する購買者も多い。民間ルートの種を付けた牛は宮古以外の市場でも買えるという現実があり、そういう牛が増えてくると、わざわざ宮古島に来て買う必要がなくなる」とし、計画交配に沿った子牛生産がいかに重要かを強調した。
 現状として、毎月の競りに上場される牛の二―三割が計画交配にはない種で受精し、生産された子牛だ。JAによるとこれらの種の多くが家畜改良事業団の種より高額になる。JAでは「一部の農家は高い種を付ければそれだけ高く売れると思っている」と分析。その上で「これは結果としてマイナス。市場全体の価格に影響を与えることになる」とし、生産農家の意識向上を求めている。

top.gif (811 バイト)

掛布さんが臨時打撃コーチ/オリックス春季キャンプ

 元阪神タイガースで野球解説者の掛布雅之さんが七日、宮古島市民球場を訪れ、春季キャンプ中のオリックス・バファローズの臨時打撃コーチとして若手選手らに鋭い視線を送った。
 掛布さんは中村勝広監督の要望を受け、三日間の臨時打撃コーチに就任。
 この日、熱心に指導をしたのが後藤光尊内野手。グリップの位置や踏み込むタイミング、ひざの使い方など細かなアドバイスを行い、後藤内野手がすぐさま快音を響かせると「完ぺき。素晴らしい」と拍手を送った。
 練習後、掛布さんは「みんな個性があるバッターばかりで才能を感じた。阪神以外のキャンプは初めて。緊張して新鮮な気持ちになった」と笑顔で話した。また、新加入の中村紀洋内野手について「四十本は心配ない。一野球ファンとしてとても楽しみだ」と活躍に期待した。
 この日は元巨人の宮本和知さん、フリーアナウンサーの徳光和夫さんらも姿を見せ、親交の深い清原和博内野手らと会話を交わした。
 また、「五体不満足」の著者でスポーツライターの乙武洋匡さんも宮古島に初来島。清原、中村両内野手に声を掛けるなど精力的に取材活動を行った。「宮古島は初めて。意外と寒いですね」と感想を語った。

 写真説明・後藤内野手にアドバイスを送る掛布さん(左)=7日、宮古島市民球場

top.gif (811 バイト)

   新市の花木に選定を/宮古椿の会市長に要請

 ツバキ愛好者たちで立ち上げた「宮古椿の会」(佐渡山正吉会長)は七日、宮古島市の新しい市花木にツバキを選定してもらおうと、伊志嶺亮市長に要請を行った。伊志嶺市長は「新しい宮古島市の花木や鳥、貝などは決めないといけない。選定委員に入っていただくと思うので検討をよろしくお願いしたい」と話した。新市の市花木などについては次年度に検討委員会を立ち上げ、選定する予定。
 宮古椿の会はツバキに魅了された人たちで昨年十二月末に発足。ツバキの普及活動に取り組んでおり、組織拡大のため現在も会員を募集している。
 佐渡山会長はツバキを推奨する理由として▽古代から宮古島に自生▽風や干ばつに強く、街路樹に最適▽良質のつばき油が生産できる▽宮古森林組合の普及により五万本が根付いている―を挙げ、ツバキの適正性をアピール。「ツバキは魅力ある樹種。宮古では現在五万本が根付いており、新しい宮古島市の市花木としてふさわしい。多くの市民にも理解していただけると期待している」と話し、市花木選定を希望した。
 同会によると、以前宮古島にはツバキが石灰岩丘陵地に群生し燃料として使われていたが、戦時中の陣地構築や戦後の営利目的による伐採で全滅したという。城辺地区には樹齢が推定二百年以上のヤブツバキが残っている。宮古森林組合が「花の宮古島づくり推進事業」として袖山地域にツバキを植栽し、現在は約五万本が島内に根付いているという。

 写真説明・伊志嶺市長に要請文を手渡す宮古椿の会の佐渡山会長(左から2人目)=7日、宮古島市役所

top.gif (811 バイト)