200平成18  2 水曜日

オリックス選手が宮古入り/きょうキャンプイン

清原、中村入団で注目度高く

 プロ野球パ・リーグ、オリックス・バファローズの選手四十二人をはじめ、中村勝広新監督ら首脳陣、小泉隆司球団社長以下スタッフ総勢九十人が三十一日、来島した。きょう一日、宮古島市民球場で三月下旬のシーズン開幕に向けた春季キャンプをスタートさせる。注目の清原和博、中村紀洋両内野手の入団で今キャンプの注目度は高く、多くの報道陣、市民で宮古空港は混雑した。中村新監督は「プレーオフ進出へ向けて、チーム一丸となって頑張る覚悟だ」と決意を述べた。キャンプは二十二日まで。
 歓迎セレモニーは今回、昨年までの空港到着ロビーに替わり空港エプロンで行われた。心配された雨も、到着直前の午後一時三十分ごろまでにすっかり上がり、選手たちを歓迎するかのように青空ものぞいた。
 一行は午後二時十五分ごろ、那覇からの飛行機で到着。一人ひとりタラップを降りると、集まった関係者や空港ターミナルの展望台で見守る市民などから歓声が起こった。
 冒頭、小泉球団社長、中村監督、川越英隆選手会長に、少年野球・南ファイターズの羽地祐太君(五年)、北ブルーウェーブの平良文二君(同)、久松シーホークスの与那覇大輝君(同)の三人と、日本トランスオーシャン航空の客室乗務員三人がそれぞれ、花束を贈呈した。
 伊志嶺亮宮古島市長は「昨年までチームの基礎を築かれた故仰木彬前監督の遺志を引き継ぎ、宮古島のファンに大きな夢と感動を与えてほしい。期間中はけがや病気に留意し、日本一という最高の結果につながることを期待する」と述べ、地元の協力を約束した。
 東少年ヤンキースの砂川晋太郎君(五年)は「暖かい宮古島で練習に励み、日本一を目指してください」と、あこがれの選手を前に堂々とあいさつした。
 中村新監督は、地元の歓迎ぶりに感謝しつつ、「いよいよ新チームがスタートする。汗と泥にまみれ、キャンプに大いなる成果をもたらし、来るべきシーズンに備えたい」と力強く語った。
 清原内野手は記者団の質問に「チームの環境に慣れ、ぼちぼちやっていきたい。二十一回目のキャンプだが、宮古島の新鮮な空気を感じながらやっていきたい」と意気揚々と語った。
 キャンプは二十二日まで。期間中の休日は五日、十日、十五日、二十日。十一日からは紅白戦も開始される予定。米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー外野手も十日ごろ来島するとみられる。十一日には、少年野球教室や先島親善少年野球大会も予定されている。

 写真説明・きょう1日からの春季キャンプインを前に来島し、歓迎を受けたオリックス・バファローズの選手ら=31日、宮古空港

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島中が祝賀ムードに/八重山商工・離島から初の甲子園

 沖縄の離島から初の甲子園出場が決まった県立八重山商工。三十一日午後、福仲憲隆校長が「出場決定」の報を伝えると、待ちかねていた応援団の生徒や保護者らが、祝い事の際に行う「カーチャーシー」を踊り出し、選手たちも、その輪に加わった。周辺の島々への玄関「離島桟橋」に停泊中の船からは一斉に汽笛。島中が祝賀ムードに包まれた。(4面参照)
 沖縄本島の南西約四百五十キロに位置する八重山諸島・石垣島にある文字通り日本最南端の高校。野球エリート校ではなく、選手は皆「島育ち」の子供たちだ。
 監督の伊志嶺吉盛さん(51)は、もともと少年野球の指導者。三年前に同校野球部の監督に就任すると、厳しい練習に脱落者も続出した。
 一時二人にまで減った野球部を救ったのが、その後に入部してきた、かつての少年野球の教え子たち。彼らがチームの主力選手となっている。
 伊志嶺さんは、練習に耐えて夢を実現した選手たちを、「それだけ意志と目標が高かったということ。よく付いてきてくれた」とねぎらい、甲子園に向けて、「出るからには頂点を目指す」と語った。

 写真説明・春の甲子園大会出場が決まり、喜び合う八重山商工の野球部員=31日、石垣市の同校

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「清原選手だ」/オリックス来島、空港に市民ら殺到

 「清原さーん、ノリさーん」―。オリックス・バファローズが春季キャンプのため来島した三十一日、宮古空港は選手らを一目見ようとする市民らでごった返した。中でも熱い声援を受けたのが巨人から移籍した清原和博内野手。長旅にやや疲れた表情を見せながらも、握手を求めるファンに応えながらバスへ乗り込んだ。球界を代表する清原、中村紀洋の両内野手の新加入で、チームの来島は例年以上の盛り上がりを見せた。
 歓迎セレモニーを終え、空港の到着ロビーに清原内野手が姿を見せると大きな歓声が上がった。「握手してください」と手を差し伸べたり、携帯電話のカメラで撮影する市民らでにぎわった。
 山里幸子さん=市平良=は「清原選手、中村選手と握手してもらった。二人とも大きな手だった。まだ心臓がドキドキしている。本当にうれしい」と興奮した様子。
 楚南武晴さん=同=は「清原選手は子供のころからあこがれていた選手。生で見られて感激している。清原選手をはじめ、オリックスの選手の皆さんには日本一を目指して、この宮古島でトレーニングに励んでほしい」と話した。
 カメラを片手に出迎えた山中勝志さん=同=は「空港で選手らに声援を送りたかった。中村選手、清原選手が撮れたので、良い思い出になった」と笑顔を見せた。
 歓迎セレモニーに出席した宮古観光協会の藤村明憲会長は「たくさんの市民らに球場に足を運んでもらいたい。入域観光客四十万人突破へ幸先の良いスタートになった」と述べた。

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農協チャーター便、宮古へも/JTA・33ツアー99便運航へ

 【那覇支局】農協観光チャーター便が今月六日、富山からツアー客を乗せて宮古島に到着することが決まった。日本トランスオーシャン航空(JTA、市ノ澤武士社長)では、三月十三日までの三十三ツアー分九十九便の運航を決めており、今回は北海道から九州まで全国二十三空港から出発したツアーが、宮古や石垣、久米島、那覇などを訪れることになっている。
 チャーター便の運航を決めたJTAによると、「現在のところツアー客の人数は確定していない」と話すが、二泊三日の日程でツアー客は宮古島に滞在する予定。
 農協観光のチャーター便は、寒さが厳しくなるこの時期に東北地方の人たちに暖かい宮古島でのんびり過ごしてもらおうと企画しているもので、今年で五年目。今季の第一便となった昨年十一月のチャーター便は東北地方からからのツアー客、約九十人を乗せて宮古島に到着した。三月末までに合計三十五便が運航する予定で、期間中は東北地方を中心に四千人の来島を見込んでいる。

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「神田川」など披露/南こうせつさんコンサート

 「サンゴ礁の海と自然を守ろう! 南こうせつコンサート2006―ギターを鳴らせ―」が一月三十日夜、マティダ市民劇場で開かれた。こうせつさんは「夢一夜」や「神田川」などヒット曲を熱唱し、会場に詰め掛けた大勢の聴衆を魅了した。「なごり雪」などで知られるイルカさんも出演し、コンサートを盛り上げた。
 コンサートは午後七時ごろスタート。こうせつさんはユーモアたっぷりの会話を交えながらヒット曲の数々を熱唱した。「僕の胸でおやすみ」や「青春の傷み」「夢一夜」と続けて歌い、会場のボルテージを一気に引き上げた。こうせつさんは「宮古島は海が美しくて人が温かい。その海は全国的に汚れてきているが、誰かが支えなければならない」と自然保護を訴えた。
 イルカさんが登場すると、会場からは大きな拍手と歓声が上がった。イルカさんは透き通るような歌声で「海岸通」「いつか冷たい雨が」「なごり雪」を歌った。
 コンサート終盤になるとこうせつさんは「神田川」や「ギターを鳴らせ」「おまえが大きくなった時」「妹」などを熱唱。聴衆は手拍子を打ったり、歌を口ずさんだりしながらコンサートを楽しんでいた。

 写真説明・「神田川」を歌う南こうせつさん=1月30日、マティダ市民劇場

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   元役員の控訴を棄却/車リサイクル法違反控訴審判決

 【那覇支局】使用済み自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)違反や廃棄物の処理および清掃に関する法律違反などの罪に問われている宮古島市平良の解体業「テッツェ」の元取締役・櫻井哲被告の控訴審判決が三十一日、福岡高等裁判所那覇支部であった。小林正明裁判長は一審の「懲役一年十月、罰金四十万円」の量刑を支持し、被告の控訴を棄却。櫻井被告は同判決を不服とし、同日上告した。
 判決文によると、被告は県知事の許可を受けないで解体自動車約七万四千三百十`を圧縮処理、廃タイヤ等の産業廃棄物を埋設し、現場検証の際に発煙・発火があった―などの法律違反をした。
 罪には経営体(テェツェ)と同社の実質経営者である櫻井被告が問われ、一審は会社に二百四十万円、櫻井被告に懲役一年十月と罰金四十万円の判決を下した。同判決を会社は受け入れ、同社に関する裁判は終結。一方の櫻井被告は一審の量刑は「重すぎて不当であり、罰金刑を選択すべき」として控訴。理由にリサイクル法の罰則規定施行日を「(〇五年一月一日と思い込み)〇四年十月一日と認識していなかった」ことなどを挙げた。
 小林裁判長は同供述について警察官調書などをもとに「被告人の供述は不自然、不合理で信用できない。同施行日は認識していたと認められる。施行日に関する弁解は採用できない」と判断。同違反は「利潤追求を生活環境の保全や公衆衛生の向上に優先させたもの」とし、▽ヤードの原状回復▽支援者から寄せられた義援金三百万円を法律扶助協会に寄付したこと▽本人が反省していること―などを考慮しても「法律違反の罪は懲役刑と罰金刑の併科刑を選択せざるを得ないし、原判決の量刑が重すぎて、不当であるとは認められない」と結論づけた。
 裁判後、弁護人の市川尚弁護士は上告の理由に▽リサイクル法が憲法の認める営業の自由を侵害している可能性▽発火の原因に関し証人尋問を求めたことを拒否されたのは証人尋問権の侵害―などを示す考えを話した。
 自動車リサイクル法は、二〇〇五年一月一日の本格施行を前に、〇四年九月三十日までに同法に基づく手続きを行った事業者を除いて、十月一日以降は自動車の解体、破砕業務を行うことはできない、としている。

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