200平成18  129 日曜日

地域資源で活性化を/しま興し講演会

宮古ビデンス・ピローサシンポジウム

 第四回地域資源を活かしたしま興し講演会―宮古ビデンス・ピローサシンポジウム―(主催・宮古島市、共催・武蔵野免疫研究所など)が二十八日午後、マティダ市民劇場で開催された。琉球大学の安仁屋洋子教授や日本化粧品技術者会の河本昌彦副会長が講演し宮古ビデンス・ピローサ(宮古B・p)の薬効性を強調、宮古B・pという島の資源を生かした地域の活性化を促した。会場には大勢の市民が詰め掛け、宮古B・pの限りない可能性について認識を深めた。

 オープニングセレモニーは午後四時三十分から開かれた。宮古高校吹奏楽部の演奏の後、伊志嶺亮市長が「ビデンス・ピローサという宮古ブランドの確立により、宮古島で大きな農業振興が期待できる」と強調、経済や観光の面でも好影響を与えるとした。続いて県産業振興公社の牧野浩隆理事長(副知事)が来賓あいさつし、宮古B・p事業が県の「沖縄産学官共同研究推進事業」に採択されていることなどを紹介し「沖縄経済を活性化させる資源となり、島おこし、県の産業振興に貢献されることを期待している」と話した。
 この後、安仁屋教授が「宮古B・pと抗酸化作用」と題して講演。動脈硬化や心筋梗塞(こうそく)などを引き起こす恐れがある活性酸素について説明し、宮古B・pに強い抗酸化作用があることを強調した。また、白血球からの活性酸素をどれぐらい抑えるのか、という実験からも宮古B・pの抗酸化を確認したことや肝保護の作用があることも報告した。その上で安仁屋教授は宮古B・pには@強い抗酸化作用があるA肝障害を抑制する―などとまとめた。
 日本化粧品技術者会副会長の河本さんは「宮古ビデンス・ピローサの研究」と題して講演した。河本さんは宮古島産のビデンス・ピローサの必要性を強調し「宮古島のビデンス・ピローサは花びらが平均八枚ある。別の地域のビデンス・ピローサとは成分も違い、その効果が大きいが、現状では量が足りない」と栽培面積の拡大を促した。その上で宮古B・pを使用した化粧品やタブレットの効果を報告。アトピー性皮膚炎や花粉症、糖尿病などにも改善事例があるとし、「今の宮古島の自然環境を保ち、さらに生産していただきたい」などと話した。
 会場の市民らは安仁屋教授と河本さんの講演に耳を傾け、地域資源である宮古B・pの可能性について新たな認識を深めていた。
 講演終了後は久田本流久田多嘉子舞踊研究所やパニパニガールズ、琉球國祭り太鼓宮古支部がアトラクションを披露し講演会を盛り上げた。
 宮古B・pは宮古方言でムツウサと呼ばれているが、ムツウサという表現はタチアワユキセンダングサやシロバナセンダングサ、アメリカセンダングサをはじめ、コセンダングサ、シロノセンダングサなどの総称。宮古島市や、宮古B・pを城辺の工場で加工している武蔵野免疫研究所では宮古B・p(和名・タチアワユキセンダングサ)としている。現在、宮古では二十戸の農家が計七fで宮古B・pを栽培している。


写真説明・宮古ビデンス・ピローサの薬効性などが示された講演会=28日、マティダ市民劇場

顔写真(上)・安仁屋洋子教授
顔写真(下)・河本昌彦副会長
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練習の成果競う/春季中体連が開幕

  第二十五回全宮古中学校春季総合体育大会(主催・宮古中学校体育連盟)が二十八日開幕し、柔道、剣道、バレーボール、バスケットボール、卓球、サッカー、バドミントン、テニスの八競技で、選手たちが練習で培った力をを競い合った。大会はきょう二十九日まで、各中学校などの会場で開催される。
 このうち柔道、剣道、卓球、テニスが二十八日で競技終了。大会最終日のきょう二十九日は、バレーボール、バスケットボール、サッカー、ハンドボール、バドミントンの各競技が行われる。

写真説明・バレーボール男子・伊良部―上野、伊良部のF荷川取史也がスパイクを放つ=28日、下地中学校体育館



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きょう旧正月/漁村で大漁祈願

 きょう二十九日は旧暦一月一日の「旧正月」。宮古島市伊良部の佐良浜では二十八日、漁師らが漁船に色鮮やかな大漁旗を掲げ、大みそかを祝った。
 旧暦の行事を重んじる漁村の佐良浜や池間島、久松などでは、旧正月は先祖の神に海の幸や豚肉などのごちそうを供え、旧年中、無事過ごせたことに感謝するとともに、この一年間の航海安全、大漁などを祈願する。
 大みそかの二十八日夕、佐良浜漁港では漁師らが係留中の漁船を清めた。船首と船尾などに大漁旗を掲げ、漁港内は旧正月を盛大に祝うムード一色に包まれた。
 この日の平良港と伊良部島を結ぶ高速旅客船は、普段より乗降客が多く、同島に降りた客の中には、旧正月用の供え物を重そうに抱え、家路を急いでいる姿も見られた。


写真説明・色鮮やかな大漁旗を掲げて旧正月を祝う=28日、伊良部の佐良浜漁港


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難解な図形もらくらく/山口教諭(北中)、学習HPを開設

ゲーム感覚で数学嫌い克服/アクセス6万3千件突破

 宮古島市立北中学校(与那覇正博校長)の数学担当・山口勇一教諭(27)がこのほど、ホームページ「数学教育のためのWeb(ウェブ)教材研究室」を開設、図形単元の授業で利用している。線を引いたり角度を測ったりと自由自在で、生徒からは「数学は苦手だけどパソコンを使うと分かりやすい」と好評。学校だけでなく家庭でも、全国どこからでも使える。早稲田大学や明治大学の研究者のページでも紹介され、昨年八月のホームページ開設以来、アクセス数は六万三千件を突破。山口教諭は「パソコンなら動的にイメージでき、ゲーム感覚で楽しみながら取り組める」と話す。アドレスはhttp://am3125yy.or.tv/

 ホームページの開設は、県移動教育センターの共同研究がきっかけ。佐良浜中の仲間智教諭、狩俣中の比嘉孝徳教諭と、図形領域でコンピューターを活用して数学的考え方を伸ばす指導方法を研究。創価大学工学部卒業の山口教諭が、仲間、比嘉両教諭と共に絞ったアイデアを形にした。
 ホームページでは、長方形や平行四辺形などを作り、自由自在に動かせる。線の長さや角度もつぶさに分かるなど、図形に親しみやすい工夫が随所に施されている。クリックで回答できるクイズコーナーもあり、成績ランキングが表示されるのも生徒の楽しみの一つだ。
 親泊貴敏君(二年)は「図形を自由に書いたり動かしたりできるので、普通の勉強のときよりよく分かった」。花城朱里(あかり)さん(同)は「パソコンだと複雑な図形でも頭に入る」と笑顔を見せた。実際に、証明問題ではパソコンを使う前よりも生徒の考え方が多様化したという。
 共同研究の成果として三教諭は「コンピューターの活用で生徒が意欲的に学習に取り組み、知的好奇心や探究心の高まりがうかがえる」とまとめた。
 山口教諭は「ソフト購入には非常に費用がかかり、転勤すれば使えなくなる。ホームページなら全国どこでも利用できる」などのメリットも挙げ、「子供たちのプラスになるホームページにしていきたい」と、さらなる改良に意欲を見せた。

写真説明(上)・パソコンを使い、図形単元の指導をする山口教諭。生徒らの反応は上々だ=北中学校

写真説明(下)・山口教諭が開設したホームページ「数学教育のためのWeb教材研究室」



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女性の感性のきらり/ゆいみなぁフェスタ

 ゆいみなぁ(宮古島市働く女性の家)で開催されている各種講座の成果を発表する「二〇〇五年度ゆいみなぁフェスタ―私たちの一年間―」が二十八日、同所で開催された。書道やシルバーアクセサリー、パッチワークなどを展示・紹介したほか、カラーコーディネーター渡久山和子さんによるトークショーや実演も行われ、自分に似合った色の見つけ方をアドバイスした。
 渡久山さんは「自分色みつけよう!」とのテーマで講演。遠近感や重量感、四季など色が持つ世界の奥深さと魅力を説明し、色が持つ性質を知った上でコーディネートするようアドバイスした。「好きな色と似合う色は違うが、好きな色を取り入れることで気分も明るくなる。ほかの色と組み合わせて自分に似合う色を見つけてほしい」と呼び掛け、メイクや服の色の組み合わせ方、小物の使い方などを実演した。
 ゆいみなぁでは、シルバーアクセサリー作りや自分史作り、ラッピング技法、エクササイズ、女性のための法律相談など各種講座を開催。パッチワークやコーラス、フォークダンスなどの各サークルも活動している。
 同フェスタはこうした活動の発表の場として作品を展示するほか、利用者たちの交流を図ることを目的に開催。砂川道子館長は「いろいろな講座が行われているが、利用者間の交流がない。フェスタを通してそれぞれの活動を紹介するとともに、交流を深めてもらいたい」と話した。
 

写真説明・メイクや服の色の組み合わせなどについてアドバイスするカラーコーディネーターの渡久山さん(中央)=28日、ゆいみなぁ



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   知念、先勝ならず/女流棋聖戦

    挑戦者万波3段が中押し勝ち

 【東京・菊池優子記者】知念かおり女流棋聖に万波佳奈3段が挑む第九期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負の第一局が二十八日、神奈川県平塚市のホテルで行われ、挑戦者の万波が白番百七十四手までで中押し勝ちした。同棋戦における両者の対決は三年連続。次回は二月一日に東京・日本棋院で行われる。知念の巻き返しなるかが注目される。
 女流棋聖戦は初手から三十秒で打ち、途中一分単位で十回の考慮時間が与えられるテレビ早碁。
 序盤は白が左上隅を制し打ちやすい碁形。中盤の戦いでは黒が力を出し、左上隅の数子を与えた代わりに左下隅で大石を取り持ち直した。しかし、黒は八十一手目で中央に飛んだ石を切り取られ、劣勢となった。黒はその後、下辺の白石の薄みを狙い打ち進めたが、うまくしのがれ投了となった。
 立会の久島国夫9段は「知念さんは時間に追われて迷った手があったのではないか。中盤、盛り返したが、白の序盤の勢いを止められなかった感じがする」と、第一局を評した。
 知念は女流棋聖戦は三期から六期まで四連覇。昨年の第八期で二年ぶりに返り咲き、今期は六度目のタイトル獲得を目指す。

写真説明・対局を振り返る知念女流本因坊=28日、神奈川県平塚市のホテルサンライフガーデン



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