200平成18  128 土曜日

ピンダ≠ナ島おこし/ヤギ肉や乳製品のブランド化へ

 【多良間】ヤギを活用し多良間村の自立と活性化を目指す「たらまピンダ島興し事業検討委員会」が二十七日、発足した。委員はヤギの専門家や行政、地元代表ら十八人で、委員長に多良間朝時さんを選任。ヤギ乳や肉を使った試作品作りなどを行い「多良間ブランド」の確立を図る。また旧空港跡地利用計画審議会から答申のあったヤギ牧場構想とも合わせ、ヤギと触れ合うアニマルセラピーなど新たな観光産業の掘り起こしを行っていく。
 「ピンダ」とは多良間方言でヤギの意味で、現在約八百五十頭が飼育されているが製品化や産業化が図られていないのが現状。こうした地域資源を生かし観光と結び付けた産業として活性化していく考えだ。
 二〇〇五年度離島地域資源活用・産業育成事業として二年間かけて実施し、先進地視察やヤギ乳を使ったチーズやヨーグルトなど乳製品の試作品作り、マーケティング調査などを行い多良間ブランド確立へ向け、具体的な取り組みに入る。また乳用ヤギを長野県から導入し、実際に村内の農家で飼育し乳搾りが可能であれば地元での試作品作りに取り組む。
 第一回委員会が二十七日、多良間村中央公民館で開かれ、事業内容や今後のスケジュールを確認した。
 下地昌明村長は「多良間が自立していく上で観光産業として大きな役割を果たす。実りある事業となるようお願いしたい」と委員の協力を求めた。
 委員は次の皆さん。
 ▽委員長=多良間朝時(OAS航空社長)▽副委員長=平川宗隆(県中央食肉衛生検査所長)▽委員=新城明久(琉球大学教授)、新城将秀(はごろも牧場代表)、西大八重子(西大学院学院長)、福嶺勝公(在沖多良間郷友会長)、諸見里強(JAおきなわ多良間支店長)、本村健次(村議会議員)、野原清美(村婦人会)、多良間洋子(村農業生活改善研究会長)、山城憲三(村青年会長)、垣花ゆかり(村青年会副会長)、知念貴明(郷土マリンサービス)、石川春寿(宮古支庁総務・観光振興課長)、長間孝(同農林水産振興課長)、根間恵勇(同農業水産整備課長)、本村隆信(宮古農業改良普及センター所長)、松川善昌(宮古家畜保健衛生所長)

 写真説明・ヤギを活用した地域活性化のため発足した検討委員会。現地視察や試作品作りなどに取り組んでいく=27日、多良間村中央公民館
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夢実現!行くぞ!甲子園/「宮古島応援団」発足

 宮古から甲子園へ―。憧れの大舞台を目指す球児たちをサポートする「夢実現!行くぞ!甲子園 宮古島応援団」(平良勝之会長)が二十七日発足、市内のホテルで記者会見を開いた。各種大会開催や沖縄本島、本土への選手派遣のための資金として、個人・団体から寄付を募り、選手、チームのレベルアップを支える。また、小・中・高の連携による指導、強化で目標達成を目指す。平良会長は「五年以内の甲子園出場を目指したい。宮古にいてもできる、という気持ちで、生徒が島外に流出しない魅力ある環境づくりをしたい」と述べ、多くの賛同を求めた。

 写真説明・応援団発足で記者会見する(左から)下地中の与那覇監督、平良中の砂辺監督、平良会長、川満顧問、武富副会長=27日、ホテルニュー丸勝

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宮古舞台のハードボイルドミステリー

荷川取さんに琉球新報短編小説賞を贈呈

 【那覇支局】琉球新報文学三賞(短編小説賞、歌壇賞、俳壇賞・遠藤石村賞)の贈呈式が二十七日、同社泉崎ビルで開かれ、第三十三回短編小説賞を受賞した荷川取雅樹さん=宮古島市=に比嘉辰博社長から賞状と副賞が贈られた。
 受賞作品「前、あり」は、宮古島を舞台にしたハードボイルドタッチのミステリー作品。未成年時代に殺人事件を起こした主人公が二十年後、新たな事件に巻き込まれ追いつめられていくストーリー。二〇〇四年に初執筆した長編小説のエピソードの一つを土台に仕上げ、初挑戦で最高賞を射止めた。
 芥川賞作家で審査員の又吉栄喜さんは「個性にあふれた力強い独創的な作品。人間の何かに深く触れていることが感じられた。ストーリーはたえず読者を釘付けにする」と講評した。
 荷川取さんは「素晴らしい賞を頂き、感激している。賞を励みにこれからも面白いと思っていただける作品を書きたい」とあいさつした。
 短編小説賞の佳作は富山陽子さん=浦添市=、第二十七回琉球歌壇賞は照屋敏子さん=沖縄市=、琉球俳壇賞は宮城涼さん=浦添市=、過去の琉球俳壇賞受賞者を対象とした遠藤石村賞は糸嶺春子さん=那覇市=が受賞した。

 写真説明・荷川取さん(左)に比嘉社長から賞状と副賞が手渡された=27日、那覇市の琉球新報泉崎ビル

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「より癒やせる空間つくりたい」/奥平さん、生活衛生営業功労

 平良字西里で二十三年にわたり飲食店「ニューヨーク・ニューヨーク」を経営する奥平玄信さんがこのほど、県生活衛生同業組合連合会(伊添一成会長)の生活衛生営業功労者表彰を受け二十七日、宮古島市役所本庁舎に伊志嶺亮市長を訪ねて喜びの報告をした。宮古地区社交飲食業生活衛生同業組合の組合長も務める奥平さんは「観光産業の伸びに、飲食業や社交飲食業が比例して、より安全でより癒やせる空間を頑張ってつくっていきたい」と決意を新たにした。
 報告を受けた伊志嶺市長は「飲食業組合の人たちが宮古の観光、一般市民の楽しみに尽くしている見えない力、功績は大きい。安全で安心な、観光客にとっても住民にとっても楽しい場であるよう、これからも頑張ってほしい」とエールを送った。
 奥平さんは「良い観光地には遊ぶ場所もたくさんある。宮古島市の観光発展は社交飲食業組合から、ということで力を注ぎたい。観光客からはイーザトが暗くて清潔ではないという指摘もあるが、市や観光協会と話をしていきたい」と述べ、イーザト地区の街灯や同地区入り口のアーチ型の看板整備などを市長に求めた。
 伊志嶺市長は「二〇〇六年度予算で取り組めると思う」と、前向きに取り組む姿勢を示した。
 県生活衛生同業組合連合会は、社交飲食業、飲食業、美容、理容、ホテル業など許可を得て営業する業種の団体で構成。今月二十三日に那覇市内で生活衛生営業功労者表彰式と新春親善祝賀パーティーが催された。

 写真説明・伊志嶺市長(左)に表彰を報告した奥平さん(左から2人目)、宮古地区社交飲食業生活衛生同業組合の富永守事務局長(同3人目)、津嘉山勝也さん(右)=27日、宮古島市役所本庁舎

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言葉の魅力伝える/「朗読夢舞台」が宮高公演

 沖縄可否の会宮古島公演実行委員会(玉元江美子代表)による第三回「朗読夢舞台」がきょう二十八日、下地字高千穂の「T&K House」で行われる。同公演に先立ち二十七日、県立宮古高校で朗読夢舞台公演が行われ、国際芸術文化賞受賞者の熊澤南水さんと県出身の下地恵美子さんがそれぞれ朗読を披露し、生徒たちを魅了した。
 「朗読夢舞台」とは、一般の朗読とは違い本を持たずに物語を暗記してその世界を演ずる手法。この日は下地さんが五木寛之作の「美しきパトリオート」、熊澤さんが芥川龍之介作の「蜘蛛の糸」を披露した。それぞれ物語の場面に合わせ情緒豊かに朗読を行い、言葉の魅力で生徒たちを物語の世界へ引きこんだ。熊澤さんは公演を通して言葉の大切さを伝えたほか、物語に込められたメッセージの重要さを話した。
 きょう行われる公演は午後七時三十分開場、同八時開演。会費二千円。前売・予約のみ六十席限定。
 問い合わせはT&K House斉藤(電話090・4538・4150)まで。

 写真説明・朗読夢舞台を行った下地恵美子さん(左)と熊澤南水さん=27日、県立宮古高校

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