200平成18  127 金曜日

伊良部架橋は歩道なし/両脇に「路肩」設置

 二〇一二年の供用開始を予定し、工事が進められている伊良部架橋について、一部から「歩道がないのは危険では」との指摘が出ている。これについて県宮古支庁土木建築課では「確かに歩道はないが両脇に一・二五bの路肩が設置される。歩行者や自転車もこの路肩を通行できる」と説明した。これについて宮古島市の伊志嶺亮市長は「片方に歩道ができると思っていたが、これから県に確認してみたい」と述べた。また、同課では伊良部架橋のリーフレットを今月中旬に完成させ、五百部を関係機関に配布する予定となっている。
 伊良部架橋の一般部橋梁は、全体の幅員が九・七b。道路部分の幅員は八・五bで車道部分が六bとなっている。〇二年の法改正で最低二bが必要な歩道については現状の計画では設置困難で、両脇に一・二五bの路肩を設置することになった。
 すでに設置されている来間大橋は、道路部分の幅員が七・七五bで、車道部分は六・二五b。片方に一・五bの歩道がある。
 池間大橋は、道路部分の幅員が七・七五bで車道部分は五・五b。両脇には一・五bの歩道と五十aの路肩が設置されている。
 歩道が設置されないことに一部から「架橋が開通すれば交通量も多く、車道も六bで、さらに歩道がないのは危険。観光客なども架橋を徒歩で歩くこともあるので、歩道を設けた方が良い」との声も上がっている。
 これについては同課の前泊勇栄課長は「両脇に幅広の路肩があるので、人も自転車も通れ、有効利用できると思う。国と県ですでに計画が進んでいるので、今後計画を変更するのは難しいと思う」と述べた。
 また、同課が作成した同架橋のリーフレットの工程表では、新年度から仮桟橋の設置や海中道路の護岸工事などがスタートする予定となっている。接続道路となる久松中学校前の道路は拡幅し、騒音・振動対策として道路脇に樹木を植える環境緑地帯の設置も予定している。
 そのほか、県が示している架橋の整備効果としては、医療サービスの向上や交流物流の拡大支援、地域活性化などが紹介されている。

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宮里さんに「ノバルティス地域医療賞」

全国から5人、東京で贈呈式

 【東京】第十三回ノバルティス地域医療賞(主催・ノバルティス地域医療賞委員会、後援・日本医師会)の贈呈式が、二十六日午前、東京都港区のホテルオークラで行われ宮古島市平良のふじ胃腸科医院長の宮里不二雄さん(72)が受賞した。同賞は、住民に密着して医療活動に従事し優れた功績を上げ、地域住民の保健衛生の向上のために著しく貢献した日本医師会員に贈られるもので、毎年全国から五人が受賞している。今回も五人が受賞し、県内からの受賞は宮里さんだけ。
 贈呈式で地域医療賞委員会委員長の植松治雄・日本医師会長は「地域住民に優しく地道に活動をされた」と激励した。宮里さんは受賞者を代表してあいさつした。
 贈呈式後、会見した宮里さんは「宮古島は地域住民との信頼関係が一番大切。行政との連携が難しい側面なので、住民側が行政をもっと強力にプッシュしていければ。トータルで見ると医者の数は十分だと思うが、専門医は不足している」と離島ならでは医療状況を話した。
 宮里さんは宮古高校卒業後、宮古からの国費医学生の第一期生として東京慈恵医科大学に進み、卒業後、同大学で勤務した後、宮古に戻った。一九六五年から県立宮古病院長として十二年間勤務。七七年にふじ胃腸科医院を開業した。現在は身体障害者授産施設「青潮園」の理事長も兼ねる。(東京・菊地優子記者)

 写真説明・地域医療賞を受賞した宮里さん。右は公子夫人=26日、東京のホテルオークラ

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新芽出揃う/在来種タブノキ

 在来種のタブノキ(クスノキ科)の枝先に淡い紅色や赤色の新芽が直立にずらりと並んだ。淡い黄色い花も咲き始め、これからが見ごろ。
 宮古島市の大野山林や野田山林などでは、今月初めからつぼみの形をした新芽が空に向かって伸びた。数日かけてカップ状に開く。
 このうち、大野山林では、幹の上部が枯れたタブノキの根っこ側から、若木がすくすくと成長。強い生命力で、色鮮やかな新芽を彩っている。
 タブノキは、幹が十―二十bくらい成長する高木。日本の東北地方や九州、琉球列島、台湾などに分布する。

 写真説明・美しい新芽が並ぶ在来種のタブノキ=26日、平良の大野山林(撮影・伊良波彌記者)

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体験型観光を促進/担い手の育成へ協議会発足

 体験型観光サービスの提供者を育成する体験滞在交流促進協議会が二十六日発足し、会長にユートピアファーム宮古島の上地登代表を選出した。今後、先進地視察研修などを通して体験型観光の担い手を支援し、地域振興を目指す。
 同協議会は、旧上野村で予算化されていた体験滞在交流促進事業(博愛んみゃーち交流事業)の実施にあたり設置。同事業の実施期間は二〇〇六年度末まで。予算は千三百万円(八割国庫補助)。主に、体験滞在プログラムの検討・作成、サービス提供を行う人材の育成を行う。
 一回目となったこの日の協議では、体験型観光施設として成功を収めている三重県の「伊賀の里モクモク手づくりファーム」を同協議会の構成委員が来月にも視察することを決定。
 このほか、自然観察体験や農漁業体験、郷土文化、伝統工芸など各プログラムに沿って適した人材を推薦し、研修に送り出すことなどを確認した。
 同事業は、旧平良市の「地域外住民の観光参加による『海上の道』再発見事業」とリンクさせて展開し、「体験」と「滞在」をキーワードにした観光産業の発展を目指す。
 協議会委員は次の通り。(敬称略)
 ▽会長=上地登(ユートピアファーム宮古島代表)▽副会長=根間春仁(宮古観光協会次長)▽佐渡山安公(太陽が窯窯元)▽新里玲子(宮古島苧工房)▽西里長治(パラダイスプラン代表)▽三國浩紀(ホテルブリーズベイマリーナ統括宿泊支配人)▽川満久雄(宮古島市農業委員会長)▽砂川恵知(宮古島市漁業組合上野支部長)▽川満勝也(宮古支庁総務観光振興課主幹)▽本村隆信(宮古農業改良普及センター所長)▽宮国泰男(宮古島市経済部長)▽砂川永太郎(同市経済部参事)

 写真説明・体験滞在型観光を促進する協議会が発足した=26日、うえのドイツ文化村

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清原、中村ら来島決定/オリックス・キャンプ1軍メンバーを発表

 プロ野球パシフィック・リーグのオリックス・バファローズは二十六日、宮古島春季キャンプで来島する一軍メンバー四十三人を発表した。チームの顔、谷佳知外野手に加え、新加入の清原和博、中村紀洋の両内野手もメンバー入り。知名度の高い二人の加入で、練習見学者やマスコミなどで例年以上の盛り上がりが予想される。選手らは今月三十一日に来島、宮古島市営球場で二月一日から二十三日までキャンプを行う。宮古島オリックス協力会(中尾英筰会長)は、市内各所にのぼりを設置し、島を挙げて選手らを迎える。
 歓迎セレモニーは今月三十一日午後二時五分から宮古空港のエプロンサイド(飛行機駐機場)で開催。飛行機をバックに、選手らを熱烈に歓迎する。セレモニーは関係者と取材陣しか入れず、一般の人は空港展望台などからの見学となる。
 来島に合わせて、球場や商店街もオリックス一色に。球団名と選手名が記された二種類ののぼり千本が掲げられる予定。
 また、キャンプ中にはイチロー選手も来島、練習に参加し、紅白戦にも出場を予定している。
 一軍メンバーは次の通り。(敬称略)
 【投手】デイビー、川越、岸田、加藤、平野(佳)、香月、山口、金子、山本、吉井、ユウキ、高木、大久保、前川、萩原、菊地原、光原、近藤、吉川
 【捕手】日高、前田、鈴木、横山
 【内野手】森山、後藤、阿部(真)、清原、中村、平野(恵)、北川、グラボースキー、塩崎、嶋村、牧田、田中
 【外野手】村松、谷、ブランボー、ガルシア、早川、大西、坂口、相川


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   「少年団」に苗木贈呈/4月の県植樹祭向け

 宮古島の緑化を推進する緑の少年団育成事業の一環で、県緑化推進委員会の山城栄光常務と同会宮古島市支部の伊志嶺亮支部長(宮古島市長)は二十六日、西城小学校緑の少年団など十の緑の少年団にテリハボクとコバテイシ(モモタマナ)の種子計約二千個、タブノキ、テリハボク、フクギの苗木計約二千本の目録を贈呈した。各緑の少年団では、四月に宮古で開かれる県植樹祭に向けて愛情込めて育てていく。
 贈呈式が同日午後、宮古森林組合で開かれ、各緑の少年団の代表らが出席した。
 山城常務は「二〇〇三年の台風14号の影響で、宮古は緑が少なくなった。一日も早く一時間も早く、緑を回復させてほしい。緑で地球温暖化を防止し、小さい宮古島から地球規模へ思いをはせてください」と述べた。その上で「四月に県植樹祭が宮古で開催されるので、苗木と種子からの植物は大きく育ててください」と励ました。
 伊志嶺支部長は「宮古は人が住む前は、タブノキに包まれ、動物たちの天国だっただろう。人が住むようになって森を畑にしたり、タブノキなどをまきに使ったりしたことで、緑は少なくなった。今の宮古は緑が少なく殺伐としている。みんなの力で緑を増やし、元の自然に戻そう」と語り「四千本をかわいがって大きく育ててください」と激励した。
 西城小学校緑の少年団の真栄平渚さん(六年)は「宮古は緑が少ないので、寂しい限り。苗木が私たちのように大きく育ったら、緑の大切さを友達に伝えたい。私たちも緑づくりに頑張りますので、応援をよろしくお願いします」と元気とよく謝辞を述べた。
 苗木・種子のほかに、ロングポット約四千個も配布した。

 写真説明・苗木・種子の目録を贈った山城常務(手前右)、伊志嶺支部長(同右から2人目)と関係者ら=26日、宮古森林組合

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