200平成18  125 水曜日

「市民の目線で行革を」/宮古島市・推進委員会が発足

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が来年度からスタートさせる「行政改革大綱(案)」に市民の声を反映させようと「宮古島市行政改革推進委員会」が二十四日、発足した。初会合の前には伊志嶺市長から十五人の市民代表に委嘱状が交付され、委員長には市シルバー人材センター理事長の棚原恵照氏が就任した。伊志嶺市長は委員に対して「市民の目線で行革大綱案を協議してぜひ、新しい行政のあり方、財政の健全化策に助言してほしい」と述べ、委員会に同大綱案を諮問した。同委員会では同案を答申する。
 委嘱状交付後に行われた第一回の委員会では、当局から設置要綱、行政改革の推進体制などについての説明が行われたほか、委員による大綱案についての活発な質疑と意見交換も行われた。
 同大綱案について、委員からは「いろいろな項目があるが、なぜそれが必要なのか、盛り込まれた理由などが見えない。項目の背景や将来的な道筋などの資料が必要。表面上の文言だけではなく、もっと具体的な中身の協議をするための資料を提供してほしい」との要望が当局に示された。
 そのほか、委員からは大綱案に盛り込まれた法定外税の導入や人事評価システムについても質問が出た。
 これに対して、当局は「法定外税は、観光税や環境保全のための税などを検討している。人事評価については、基準がない状況なので上司が部下を評価したり、部下が上司を評価したりするシステムなども考えられる」と説明した。
 委員長に就任した棚原氏は「私たち十五人に課せられた責任は大きい。市民の意見を取り入れた行政大綱案にするために活発な協議を行っていきたい」と意気込みを示した。
 同委員会は、これから三月末まで毎月二回、日曜日の午前中に会合を持つこととなり、次回の委員会は二月五日を予定している。
 委員会のメンバーは次の通り。(敬称略)
 ▽委員長=棚原恵照(市シルバー人材センター理事長)▽副委員長=下地一雄(宮古テレビ営業課長)▽委員=市川尚(平良ひまわり基金法律事務所弁護士)、狩俣淳子(主婦・元消費者モニター)、久貝順一(農業)、佐渡山政子(飲食店経営)、下地徹(青潮園施設長)、平良和枝(歯科医師)、玉城篤(沖縄銀行宮古支店長)、玉元武司(オキナワ宮古市場代表)、近角敏道(農業)、比嘉豊樹(大神小教諭)、福井亮(塾講師)、藤原修史(ブックボックス宮古店長)、前泊博美(NPO代表)


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「広報誌配布だけじゃない」/市街地行政連絡員一同

 宮古島市の平良市街地行政連絡員一同(代表・与那覇博敏、伊地博政)は二十四日、市役所三階会議室で会見を開き「我々は、市長から指示されたいろいろな仕事をしている。市街地の連絡員が広報誌を配布するだけで委託料を受け取っているとの報道があり、当局がそのような見解をもっていることは信じられない」と、市街地の連絡員に対する市当局の考えに不満を示した。
 会見では、与那覇代表が市街地の連絡員が行っている業務内容として三十六種類を示した上で「これ以外にもまだ業務はいろいろある。各種募金業務なども大変な仕事。平良市時代は毎月十五日に定例会があり、市から仕事の依頼などがあった。しかし、宮古島市になってからは定例会が一度しか行われていない」と指摘した。
 また、そのほかの委員からは「業務量に格差があるや、広報誌の配布だけとの報道があったが、そのような声が行政内部から出ることが信じられない」「市街地は団地、アパートが多く不在も多い。募金についてもなかなか会えずに何回も足を運ばないといけないし、その交通費などもかかる」などの指摘が出された。
 宮古島市では現在、市行政改革大綱(案)の策定を進めており、その中では行政連絡員制度の見直しも盛り込まれている。今後、同制度のあり方については今後、市民を交えて具体的に協議していく予定となっている。

 写真説明・市街地の行政連絡員が会見で自分たちの業務量を示し「広報誌の配布だけではない」との見解を示した=24日、宮古島市役所3階会議室

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名木にサキシマスオウノキ/県が認定、おきなわの百選

 県が認定する二〇〇五年度「おきなわの名木百選」に、宮古島市下地地区与那覇にあるサキシマスオウノキが選ばれた。県全体では六十九本目で宮古地区では六本目。樹齢百五十年と推定され、サキシマスオウ特有の波のような形の「板根」は高さ約一・三bに及ぶ。二十四日、兼城克夫宮古支庁長が宮古島市の宮國泰男経済部長に木製の認定証を伝達し、宮古地区内に埋もれている名木の選出に意欲を見せた。
 今回認定を受けたサキシマスオウノキは与那覇のトマイ御嶽内にあり、サキシマスオウノキを含む同御嶽の植物群落は旧下地町の天然記念物に指定されている。高さ約十b、幹周りは二・六bで樹齢約百五十年とみられ、高さ最大約一・三bの板根が木の根本から地面へとうねるようにはっている。サキシマスオウノキは部落役員たちの手で御嶽とともに管理されている。
 実際に現場へ足を運んだ兼城支庁長は「台風や干ばつに耐え長年生きてきた貫録のある木。宮古の自慢であり誇りにできる。これからも地域住民を中心に、宮古の名木を探し出していきたい」と喜びを話した。宮國経済部長は「名木がこれまで生きてきたのも地域が大事にしてきたから。歴史的な木であり、これからもしっかり後世に残していきたい。また、グリーンツーリズムとして観光にも結び付けられるのでは」と期待を寄せた。
 「おきなわの名木百選」は、県内に生育する巨木などの保護管理、生育環境保全を推進する目的で二〇〇二年にスタート。樹齢七十年以上、容姿端麗で珍しい樹形であることなどの基準で認定している。
 今回を含めこれまでに県内で六十九本が認定を受けており、宮古地区では平良西里のガジュマル、多良間村のセンダン、アカギ、上野のリュウキュウマツ、下地のアコウが認定されている。

 写真説明(上)・木製の「おきなわの名木百選」の認定証を宮國経済部長(右)へ伝達する兼城宮古支庁長=24日、県宮古支庁

 写真説明(下)・おきなわの名木百選に認定されたサキシマスオウノキ=下地地区与那覇トマイ御嶽内


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本畑への植え付け始まる/06年産葉タバコ

 二〇〇六年産宮古地区葉タバコの本畑植え付けが始まった。栽培農家によると、仮植え後の冷え込みやぐずついた天気により苗の発育状態にやや遅れが見られたという。今期の農家戸数は百七十戸で、栽培面積は計六万三千二百十三e。宮古地区の葉タバコ生産は台風などの影響で過去二年連続で厳しい生産状況となっており、各農家とも今期での巻き返しに意気込みを見せている。
 平良地区下里の畑では、農家が張り巡らせたマルチに沿って一つ一つ苗を丁寧に移植。植え付け専用の機械で、種から育てた苗を植え付けていった。本畑への移植後は、豊作へ向けて気温の上昇が期待されている。作業中の女性(80)は「今年は苗が育つのが少し遅かったが、いい状態に育ってくれた。豊作になることを願ってます」と笑顔で話した。本畑への植え付けは今月下旬から二月にかけてピークを迎える。

 写真説明・マルチを張った畑へ葉タバコの苗を植え付ける農家。本畑への移植はこれからピークを迎える=24日、平良字下里

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宮古初、平良悠子さん(宮工3年)

家庭科食物調理技術検定1級に合格

 文部科学省が認定する全国高等学校家庭科食物調理技術検定一級に、県立宮古工業高校の平良悠子さん(生活情報科フードデザインコース三年)が合格した。同検定は家庭科で学んだことを生かした技能を図るもので、一級合格は宮古では初。筆記試験のほか、九十分以内に五品の料理を仕上げる実技が行われた。平良さんは「すごくうれしいの一言。料理が好きなのでこれからも楽しく料理していきたい」と喜びを話した。
 筆記試験、実技試験とも昨年十二月末に同校で行われ、筆記試験では栄養素や栄養計画、食品の衛生と安全などについての内容で出題された。審査の大半を占める実技では決められた食材を使い、テーマに沿った献立と時間内の調理の技術が試された。平良さんは「65歳の祖母の誕生日祝」のテーマで茶碗蒸しなどの指定料理二品のほか、ゴーヤーの詰め物、油揚げの袋煮など計五品を制限時間いっぱいを使い完成させた。見た目の華やかさと薄目の味付けに配慮したという。審査では衛生面や味、見た目、手際の良さなどが審査された。
 平良さんは「一人分の料理だったので火加減を気にしながら料理した。自信がなかったのでうれしい」と喜び、「一人暮らしをした場合でも自分で栄養を考えて料理できるようにしたい」と話した。
 兼島信雄校長は「高校家庭科の最高技能であり、喜ばしいこと」と平良さんの快挙をたたえた。指導に当たった比嘉雅美教諭は「日ごろからの実習も丁寧で、練習するたびに動きが良くなっていた」と喜んだ。
 同校ではこのほか、二級に池間千嘉さん、伊良部明子さん、垣花みなみさん、宮里菜々子さんが合格した。

 写真説明(上)・全国高等学校家庭科食物調理技術検定一級に合格した平良悠子さん(左)と指導に当たった比嘉教諭=24日、県立宮古工業高校
 写真説明(下)・平良さんが実技で作った料理。「65歳の祖母の誕生日祝」をテーマに、90分で5品を仕上げた

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   「友達になれたらいいね」/狩俣小メッセージボトルに返事

 「友達になれたらいいね」―。海流を漂うメッセージボトルが届けられた宮古島市立狩俣小学校(桃原廣市校長)は二十四日、全校生徒でメッセージの返事を書いた=写真。児童らはまだ見ぬ友を思いながら、鉛筆を走らせていた。全員分の返事が書き終わり次第、返信する予定。
 ボトルは「夢のメッセージボトル」と称され、昨年十二月に渡嘉敷島沖から流されたもの。先日、狩俣の海上で発見され、同校に届けられたという。
 ボトルには神奈川県や埼玉県などさまざまな地域の小・中・高校生に加え、国交省の北側一雄大臣や稲嶺恵一県知事らのメッセージも入っていた。
 この日は、五年生七人がメッセージを読み、丁寧に返事を書いていた。
 根間太一君(五年)は「メッセージを書いた人は海が無い県の人だったので、『こっちは山が無い県です』と書いた。また返事が届いたらうれしい」と笑顔で話した。

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