200平成18  124 火曜日

開館3カ月、個人1200人、340団体入館/地下ダム資料館

 昨年十月に本格オープンした地下ダム資料館(城辺字福里)の入館者数が開館三カ月で千人を突破した。市経済部むらづくり課のまとめで、千二百人余と約三百四十団体が入館するなど出足は好調。同課も「期待以上の入館者数」と市民らの関心の高さに驚きを隠せない様子だ。ただ、月ごとに入館者数が減少していることもあり、今後の入館率の低下を懸念。同館の維持管理費は年間二百万円以上になるため、入館料だけではやりくりできない状況だという。同課では今後、観光客へのPRをはじめ、入館料を含めた条例の改正も視野に入れながら同館の充実を図る方針だ。
 地下ダム資料館は世界に誇る地下ダムを観光に活用し、地域の活性化を図ることを狙いに旧城辺町時代に建設された。館内には▽地下ダムの模型▽宮古の水と自然▽宮古の農業▽大型地下ダム建設技術▽水の成分▽宮古島のエコエネルギー開発▽石灰岩の謎▽石灰岩と化石▽地層に触れる▽地下ダム見学―が展示されており、地下ダムの概要が一目で理解できる。入館料は一般通常が三百円で団体が二百五十円、学生(高校生、大学生)は通常が二百円で団体が百五十円。児童・生徒(小学生、中学生)が通常百円、団体五十円。
 むらづくり課のまとめによると、十月は五百人以上、百五十の団体が入館、十一月も五百十三人と百四十一の団体が入館した。十二月は二百二十九人と四十九の団体が利用しているものの、月ごとに入館者数が減少している。
 同課では「地元の人の入館が多いが、一度見た施設に何度も足を運ぶことは考えにくい」とし今後、さらに入館者数は減少すると予測。夏場は冷房施設などで電気料がかさむため、「今の入館料だけでは維持、管理ができない」と懸念する。
 同課は今後、島内外で積極的なPR活動を展開する方針。当面は入館料による同館の維持、管理を図り、状況を見極めながら入館料を含めた条例の改正も検討する。

 写真説明・オープン3カ月で入館者数が1000人を超えた地下ダム資料館=城辺字福里

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「本物のタブノキ森造ろう」/大浦裁判支援会講演会

 沖縄国際大学の非常勤講師で植生学を教えている仲田栄二さんを講師に招いての講演会(主催・大浦の裁判を支援する会、大浦裁判原告団)が二十二日、宮古島市平良の大浦第二集会所で開かれた。大勢の市民が参加。仲田さんは、「昔の宮古は、タブノキ(クスノキ科)を代表する植物を中心に、森がいくつも形成されていただろう。しかし現在は、森が少ない。巨木に成長するタブノキを植生することで、かつての本物の森がよみがえる」と話し、タブノキの森で森林率がアップできることを提言し、タブノキ森の役割や機能などの重要性を訴えた。大勢の市民らが出席し、タブノキについて知識を深めた。
 この日の演題は「宮古の森・再生に向けて―痛んだ自然の回復を考える―」。
 仲田さんは、「宮古の森について、サシバの目で見た鳥観的な縮尺で話したい。島の中央は、タブノキを代表する森、次いでヤブニッケイ(クスノキ科)を代表する森、そして海岸のガジュマルを代表する森の三つの森で形成される」と述べた。
 その上で「宮古島は遠い過去に浮沈し隆起したので、リュウキュウマツが元々あったとは考えられない。古い文献では植栽されたとの記録があるという。宮古ではリュウキュウマツ以外のほとんどの植物は、野鳥が食べて運んで来る植物」と語った。
 さらに仲田さんは「本物の森を造るにはどうすれば良いのか。住民と行政が一体となって植えることが大事。民間の庭や公共施設の広場などに植えて育てる。タブノキを共有するライフスタイルが大切である」と強調し、自然の森に畏敬の念を持つことを提言した。
 この後、参加者らは大野山林などでフィールドを行った。

 写真説明・大勢の市民がタブノキについて知識を深めた=22日、平良の大浦第2集会所

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合格祈願を短冊に/JTAが受験生応援

 日本トランスオーシャン航空(JTA)宮古支社(小浜勝弘支社長)は二十三日、宮古高校、翔南高校の生徒らが願いを込めて書いた合格祈願の短冊を受け取り、宮古空港ロビーに設置中の手作り絵馬に飾った。県内各空港所で集まった短冊はJTAが福岡県に輸送し、二月二十二日に「学問の神様」と呼ばれる太宰府天満宮で奉納祈願する。
 この取り組みは、JTAの受験生応援キャンペーンの一環として実施。今年は、宮古高校から二十枚、翔南高校から十四枚の短冊が寄せられた。各校代表の生徒が宮古空港に持参し、受験勉強を頑張る友人らの願いを同社に託した。二月十五日までは、宮古空港ロビーに絵馬と短冊のコーナーが設置されており、立ち寄った利用客が自由に書き込めるようになっている。
 小浜支社長は「皆さんの合格への願いが実現するよう私たちも祈りを込め、しっかり奉納します」と約束した。
 宮古高校の代表で短冊を持参した本村真一郎君(三年)と下地博貴君(同)は「進学する人も就職する人も全員の夢がかなってほしい」と話した。翔南高校の友利まどかさん(三年)と高里光代さん(同)は「みんなが早く安心し、笑顔で卒業できることを願っている」と期待を込めた。

 写真説明・宮古高校と翔南高校の生徒が合格祈願の短冊を託した=23日、宮古空港

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苧麻から繊維取り出す/宮古上布の原材料学ぶ

 宮古島総合博物館(砂川玄正館長)主催の第二回子ども博物館「苧麻刈り」が二十二日、平良福山の苧麻村で行われた。小学生十人が参加し、青ブーと呼ばれる苧麻を刈り取り、繊維を取るまでを体験した。宮古上布の糸となる繊維の大切さを学んだ。
 宮古上布の原材料であり無形文化財に指定されている苧麻手績み作業の中の、刈り取りから繊維取りまでを体験学習するのが目的。
 講師は宮古苧麻績み保存会長の下地正子さんが務めた。
 下地さんの指導の下、子供たちは、刈り取った青ブーの幹の表皮を取った後、表皮を水に浸した。この後、表皮を取り出し、今度はアワビの貝殻を使って表皮から繊維を取り出す過程で終了した。
 下地さんは「宮古上布の糸になるから、きょうの体験は忘れないで」と激励した。
 参加した同市立鏡原小学校五年生の下地菜奈さんは「繊維を取るのは大変だったが、とても楽しかった」と感想を話した。

 写真説明・講師の下地さんから指導を受けた子供たち=22日、平良福山の苧麻村

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gulffメジャーデビューへ/宮古出身のロックバンド

 宮古出身の末広尚希さんら四人組のロックバンド「gulff」のメジャーデビューが、来月二十二日に決まった。宮古出身ロックバンドのメジャーデビューは初。ファーストライブとして二月二十六日、末広さんの母校である県立宮古高校で「宮古島フリーライブ―故郷から新たなスタート―」が開催される。午後四時開演、入場は無料。
 二月二十二日にリリースするメジャーデビューシングル「風ノ女神」など故郷宮古島に対する思いをつづった数々の曲を披露し、島の先輩や後輩たちに感謝の気持ちとメッセージを届ける。また、ライブには宮高吹奏楽部も前座として出演する。
 宮高卒の末広さんは三年生当時生徒会長を務めており、上京後、バンドメンバー池間正樹さんとともにgulffを結成。その後、ドラムの片田太郎さん、同じ生徒会役員だった佐渡山武士さんもメンバーに加わった。母校でのメジャー初ライブは、末広さんの後輩にあたる宮高の生徒会と吹奏楽部が企画・運営に当たる。
 末広さんは「故郷への感謝の念が強い。いろいろなことを教えてくれた先生や周囲のみんなへ音楽で感謝の気持ちを伝えたい。会場一体となり、その輪が広がっていければ」と話した。

 写真説明・2月26日にメジャーデビューファーストライブを開催するgulffの末広尚希さん(前列右)と企画・運営にあたる宮高生徒会、吹奏楽部の生徒たち=23日、県立宮古高校


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   宮里、石垣両6段、宮古代表に決定

新春囲碁最強戦の地区予選

 第三十六回新春囲碁最強戦の宮古地区二次予選が二十二日、平良字下里のこすみ囲碁教室で行われ、宮里光雄6段、石垣信秀6段が宮古代表に決まった。県大会は那覇市の伊波棋友会で行われる。大会には五段以上十七人と一次予選を勝ち抜いた与那覇昭男4段の計十八人が出場。A・Bブロックに分かれトーナメントで頭脳戦を展開した。
 Aブロック決勝では、宮里6段と松原信勝6段が対戦した。黒番の宮里6段が序盤から足早の布石でリード。そのあとも白模様をうまく消すなどして危なげなく逃げ切り勝利した。
 Bブロックでは石垣6段と池間博美6段が対戦。中盤から終盤にかけて互角の展開を見せ、黒番の池間6段がリードした場面もあったが、ヨセに入り黒にいくつかの疑問手が出て白番の石垣6段に逆転を許し、結果、白が二目半勝ちした。

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