200平成18  121 土曜日

過去最高の39万9298人/05年宮古地区入域観光客数

 県宮古支庁総務・観光振興課は二十日、二〇〇五年の宮古地区入域観光客数が前年比七千百五十八人(一・八%)増の三十九万九千二百九十八人で、過去最高を記録したと発表した。ただ、観光関係者の間で期待された四十万人にはわずかに及ばなかった。また、管内主要宿泊施設の稼働率が六八・八%(同比一・三ポイント上昇)、観光収入が二百五十億三千五百万円(同四億五千百三十九万七千円増)と、いずれも過去最高だった。
 同課では▽宮古観光協会や管内市町村など官民挙げての誘客キャンペーンや各種イベント▽沖縄人気の継続による離島志向の高まり▽国内旅行需要の拡大―などが奏功したと分析した。
 宮古観光協会の藤村明憲会長は「悲願の四十万人だったが、もう一歩だった。昨年は市町村合併もあり、少し落ち着きがなかったかもしれない。今年は同じ目標で官民ともに頑張れば四十万人を達成できると思う。再度、気を引き締めて頑張りたい」と強調。観光振興のためには、郡民の協力も必要と呼び掛けた。
 今年(二〇〇六年)の見通しについては、▽全国的な沖縄人気の継続▽健康志向や離島観光の継続的高まり▽本土路線の増大▽世界のウチナーンチュ大会や太平洋・島サミットの開催―などの要因で、沖縄全体の観光客数は伸びると考えられることから、「宮古地域にもその効果が波及すると期待される」としている。
 入域観光客数を期間別で見ると、上半期(一―六月)は、天皇・皇后両陛下の行幸啓や〇三年の台風14号後の支援ツアーなどが実施された〇四年には及ばず、前年同期に比べ五千百二十六人(二・六%)減の十九万千八百十四人。
 下半期は、例年の減少要素である台風接近が少なく、航空路線の欠航や旅行の予約キャンセルが少なかったことや、修学旅行の好調さ、国内景気の回復傾向による沖縄観光全体の伸びの継続などで、前年同期比一万二千二百八十四人(六・二%)増となった。
 月別では八月が最も多く四万八千四百四十人(前年同月比九・六%増)で以下、七月、九月と夏場が多い。逆に少ないのは十二月の二万五千六十一人(同比三・四%増)。
 宮古管内七カ所の主要宿泊施設の稼働率の月別では、八月が九六%で最高。次いで七月の八五・一%、九月の七六・四%。最も低いのは十二月の五一・七%だった。
 観光収入は宮古観光協会調査(一九九八年)の観光客一人当たり消費額六万四千八百円を基に算出し、観光関連消費額が二百五十億三千五百万円と推計された。
 入域観光客数は、宿泊総収容人数や宿泊稼働率、平均宿泊日数、国内外の入域客数などを基に算出されている。
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今期1600dの大幅増予想/糸モズクを初収穫

 二○○五―○六年産の太モズクの水揚げに続いて、糸モズクが二十日、宮古島市平良地区の狩俣漁港で約一d初水揚げされた。糸モズク収穫に伴い、生産者のキロ単価相場が出そろった。キロ単価は前期産の最高値と同じ値でスタートし、太モズクが二百円、糸モズクが二百五十円で推移。今期は増産態勢が整い、豊作が見込まれていることから、宮古地区全体の収穫総量は、糸モズクが前年比一四・三%増の約四百d、太モズクが前期産の三倍の約千二百dを予想している。収穫は、二月中旬から最盛期に入る。

 前期産の養殖モズクのキロ当たり生産者価格は、五年ぶりに二百円台の高値に突入した。平良市漁業協同組合(上原正行組合長)が取り扱った前期産の養殖モズクのキロ単価は、太モズクが百五十円から五十円アップし二百円、糸モズクが二百三十円から二十円増の二百五十円の高値で推移した。
 宮古産のモズクは、ほとんどが県外出荷。同組合では「本土市場ではモズクの品薄が続いており、今期産のキロ単価は上昇するかもしれない」と期待を込める。
 同組合が取り扱っている養殖モズクは、狩俣、西原、久松などから水揚げされたもの。
 この日、糸モズクを初水揚げしたモズク生産者の与那覇利助さん(58)=平良地区狩俣=は「高値で推移しているから、とてもうれしい。糸モズクの質は良い」と笑顔で話し、「水温が高いのでモズクの成長が遅い」と、これから低水温に変化することに期待を寄せた。
 同地区の池間漁業協同組合と伊良部町漁業協同組合ともモズクは取り扱っていない。理由は、モズクの在庫を抱えないため。両組合のモズク生産者らは直接モズク業者や仲買人らと取引していることから、キロ単価は不安定。

 写真説明・今期産の糸モズクが初水揚げされた=20日、平良地区の狩俣漁港

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ツバキ冬季の宮古に鮮やかに開花

 冬季になり、宮古でもツバキが開花し、ヤブツバキの鮮やかな赤い花が民家や通り沿いで人目を引いている。
 ヤブツバキは、宮古在来のものもあるが、山林で自生するものは激減した。現在は、家の庭木や道路沿いの植栽で見るのが主。緑の艶葉を背景に厚みのある赤い五弁の花を咲かせ、鮮やかだ。
 観賞用で庭木に植える所が多い。市街地の通りでもツバキの花が所々で見られ、花に寄るミツバチや小鳥の活動も見られる。近年は、木の丈夫さを買って、防風林としての植栽も増えてきた。
 ツバキの種子からはツバキ油も取れる。てんぷら油や頭髪油などに利用できる。昨年、城辺のジロー楽園で県内初となるツバキ油の搾汁に成功。てんぷら油に使って好評だった。
 ツバキは、ツバキ科ツバキ属の常緑高木の総称。東・南アジアに約百種。日本にはヤブツバキ、ユキツバキ、サザンカの三種が自生。また多くの園芸品種がある。十一月から四月にかけて開花。種子はツバキ油の原料。花言葉は、赤が「控えめな美徳」、白は「最高の愛らしさ」。

 写真説明・通り沿いを彩るヤブツバキ(上)、ヤブツバキの鮮やかな赤い花=20日、宮古島市平良袖山(撮影・川満幸弘記者)

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新鮮です!地元野菜、午前中で完売

/「ワイドー市場宮古島」オープン

 生産農家に場所を提供し、地元で取れた農産物や加工品などを委託販売する「ワイドー市場宮古島」(大山峰生代表)が二十日、マックスバリュ宮古南店の一角にオープンした。カボチャやトマト、トウガンなどを五十円から三百円の価格で販売しており、オープン初日は午前中でほとんどの品物が完売した。
 こうした委託販売への取り組みは民間では初めてで、今後も多くの農家の参加を呼び掛けている。年中無休で時間は午前九時から午後七時まで。問い合わせはワイドー市場宮古島(電話72・7684)。
 同市場は地産地消の振興や生産農家の所得向上、安心・安全な食物の提供を目的に開設。地元生産物のみを取り扱う。農家が生産した野菜や加工品を、農家自身が価格を決めて同社が委託販売、売り上げの八割を農家が受け取るシステムとなっている。取り扱われるのは野菜などの農産物だけでなく、「みゃーくの味加工推進協議会」との協力し、みそやかつお節、モズクなども販売される。
 オープンセレモニーであいさつした大山代表は「消費者の身体と心を元気にする食べ物を提供していきたい。生産者と消費者の役に立ち、地域に貢献したい」と意気込みを見せた。宮古農業改良普及センターの本村隆信所長、宮古島市役所経済部の宮國泰男部長は、生産者の顔が見える安心・安全な農産物提供に期待を寄せた。生産者を代表し南風の古波蔵明さんは「『農は命』という言葉を肝に銘じ、精進していきたい」と述べた。
 手ごろで新鮮な野菜を購入できるとあってオープン間もなく多くの買い物客が訪れ、取れたての野菜を買い求めていた。

 写真説明・地元で取れた野菜などの農産品を買い求める客ら=20日、ワイドー市場宮古島
 

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通学路の安全守る/宮古初、女性パトロール隊

 地域の安全は地域で守る―。腰原女性会子供を守るパトロール隊(宮平エミ隊長)の出発式が二十日、宮古島市立南小学校で行われた。校区内の公園や通学路を、日中に見回り事件・事故を未然に防止する。宮平隊長は「子供たちは地域の宝。学校に通う児童らが安心して学校や地域で遊べるようにしたい」と意気込みを語った。宮古で女性が中心となったパトロール隊は初めて。
 同隊は、子供の安全確保と住民の防犯意識の高揚および地域の連携強化を図ることを目的に、今月十一日に発足。同女性会のウオーキングサークルのメンバーら二十人が六人一組で週に一度、子供たちが登下校する時間にパトロールを実施する。
 出発式後、西交番所の下地一広所長とともに、校区内をパトロールする場所などを確認した。
 隊員は次の皆さん。(敬称略)
 ▽隊長=宮平エミ▽副隊長=与那覇美代子
 ▼一班▽班長=砂川政笑▽班員=伊志嶺ヒロ子、幸地恵子、砂川三枝、伊志嶺幸子、荷川取宏子
 ▼二班▽班長=奥平スミ子▽班員=宮平美代、宮平スエ子、宮平ハル子、宮平英子、田名ヨシ
 ▼三班▽班長=下地のり子▽班員=下里恵子、幸地ハツ子、砂川みね子、池間美代、久貝陽子

 写真説明・学校周辺をパトロールする隊員ら=20日、南小学校前

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   養護学校で“ほかほか交流”/手作り「焼き芋機」贈る

 県立宮古養護学校(玉元江美子校長)の児童生徒五十三人と県立宮古工業高校(兼島信雄校長)の自動車機械システム科三年一組の生徒二十三人との交流会が二十日、宮古養護学校で行われた。三年一組の生徒らが手作りで製作した世界に一つしかない「焼き芋機」を児童生徒らに贈り喜ばせた。全員で焼き芋を試食し、和気あいあいと交流を深めた。
 この交流会は、同学校が総合学習の一環で実施し、同高校の生徒らを招いた。友情の輪を広げ、恥ずかしがらずに積極的に話し掛けるのが目標。
 歓迎セレモニーで、同学校児童生徒会の宮良成健会長は「焼き芋機を楽しみに待っていました。全員で楽しく過ごしてください」と歓迎の言葉を述べた。次いで小学部が元気いっぱいにエイサーを披露し、大きな拍手を浴びた。
 兼島校長は「去年宮古養護学校の皆さんが、宮古工業高校に贈ってくれたシーサーを飾ったことから、全員が健康になった。今度は私たちの恩返しとして焼き芋機を贈ることにした」と述べた。玉元校長は「友情の輪が広がり、交流を深まることに期待」と歓迎の意を表した。
 この後、焼き芋機の贈呈式が行われた。参加者らはさっそく焼き芋に挑戦。全員が、ほかほかのイモを食べながら会話を弾ませていた。

 写真説明・焼き芋機を使ってイモを焼く児童・生徒たち=20日、宮古養護学校

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